2015年4月2日木曜日

ついでに安物といわれる自転車の話を少々・・・

まあ主に一般車と呼ばれる自転車について・・・

この分野に関しては人によって認識や価値観が違い過ぎて、時々笑顔で接客しながら「こいつ蹴ったろか?」って思う事も時々あるくらい・・・

本当に・・・話すだけでも涙が込み上げてくるカテゴリーな訳ですわ!(笑)

「相変わらず乱暴な事を書く店長だ!」と思われるかも知れないが・・・

自転車というものを組み立てる手間暇と、部品一つ一つの重要性、それら部品単品の価格、そして仕入れ価格を知った上で、自転車店スタッフとして接客を経験すれば嫌でも感じるのがこのジレンマ!!

「ホンマに・・・いっぺん自分、ママチャリの接客してみ?」って言いたくなるのが良く解るはずです。



そもそもホームセンターなどで売っているママチャリが1万円以下だからと言って、自転車屋で売っている自転車が2~3万円するのが高いと言われる現実。



まずそれならホームセンターの最安値クラスの自転車(変速無しのダイナモランプ仕様)が、例えばバラ売りキットで販売されていたとして、バラで買ったらいくらすると思います?

例えばフレームをヤフオクで叩き売りしているクラスの物で組んだとして・・・


フレーム・・・8千円程度
ホイール前後・・・5千円程度
タイヤ&チューブ前後・・・4千円程度
前後ブレーキ(ワイヤー込)・・・3千円程度
ハンドル&ステム・・・2千5百円程度
グリップ&ブレーキレバー・・・1千円程度
サドル&ポスト・・・1千5百円程度
クランク&BB&チェーン・・・5千円程度
ペダル&反射板・・・1千円程度
前カゴ&ステー&リアキャリア・・・4千円程度
前後泥除け&両立スタンド・・・4千円程度
ベル&ライト・・・1千5百円程度
チェーンカバー・・・2千円程度

ざっくりとこれだけの部品が必要になる。

フレーム以外の部品も最低限レベルの価格帯の部品ですが、それですら自転車1台分の部品をそろえるのに合計4万円を超えるっていうのが解りましたでしょうか?



そして安価ゆえに剛性も低いので、構造をより複雑にし、組み立てる事で強度を確保するシステムなので、生半可なDIY技術ではママチャリは組み立てられません。

ましてただでさえ精度が低い部品で組むのですから、安全に組み立てるには経験と技術が必要です。

自転車屋で1からきっちり精度を出して組み立てれば、上記の変速無しのスタンダードタイプで、組立工賃は2万円が相場でしょう。



スタンダードのママチャリが、実はバラで買ったら6万円という事実。

それを7800円とかで買っちゃう事のリスクってなんだと思います?



つまり部品の精度を点検する(品質管理)のも組み立ても、全て海外に丸投げして大量生産させ、ロットでまとめて買ったものがその低価格を実現している。

つまり日本に入ってからは品質の確認も点検もしていない。

販売店に入荷され、梱包をはがしてハンドルの向きを直しただけ。

だから安いまま売れる!



そこに安全性を保証できる要素なんてありますか?




貴方の命は1万円以下の乗り物に任せられるのか?と聞いているのです。




まして「おたくのお店で中古自転車って扱っていますか?」って聞いてくる方・・・

確かに「取り扱いします」とはしています。

しかしほぼ未使用の状態の良いものしか、一般車は扱いません!基本はキッチリとお金をかけてでも乗りたくなる、十分な価値のあるスポーツ車がメインです。

「できたら3000円~5000円くらいで乗れるもの・・・。」なんて言う人はありえません!

死にたいんですか?って耳を疑いたくなります。

そんな人力の移動棺桶に、貴方は乗りたいんですか?




ちなみに5000円の中古自転車が新品同様だったら、ある意味買いかも知れません。

しかし磨耗したブレーキ、ひび割れしたタイヤ、先がほつれたり千切れたワイヤー類・・・

もしもそんな自転車だったら、ある日地獄へまっしぐらですよ?

そんな自転車の消耗品を交換するだけで、部品が5500円程度と工賃が5千円程度かかるので、結局新品で安全な自転車を買っておいた方が良かった!という話になるのです。

安物買いの銭失いで済めばまだ授業料は安いくらいで・・・

先ほども言ったとおり死に至る確率も高いうえに、人を巻き込むようなトラブルにも発展しやすいのです。

その場合貴方は被害者に対して、残りの生涯をかけてでも償う覚悟はあるんですか?

貴方一人の問題で済まないですよね?

家族も一緒に苦しみますよ。

それ以上に被害者側にしてみたら、とんでもない災難ですよ。

人の人生や命まで背負う勇気と覚悟があるのなら、どうぞ3千円の乗り物を乗りこなして下さい!



まあそんな覚悟があるくらいならもっとマシな自転車に乗るでしょうし、そもそも何でもいい!なんて言っているのは、人の命や人生を軽んじている人が大半なんです。



そして忘れないで欲しい!

ここが肝心なんだ!!

自転車屋は自転車を売って、直して、サイクリストの安全と娯楽を守るのが仕事です。



決して奉仕活動をしている訳ではな~い!



たまに子供の自転車のサドルの高さを調整してください!とか、チェーンが外れたから直して下さいとか・・・


自分で出来ないから持ってきたんでしょ?

こちらも他の作業や接客を止めてまで対応しているんです!

工具を使ったり、手を汚して作業しているんです!



作業料が発生するのが当然じゃないか!



当店でお買い上げになった自転車ならまだしも、持ち込みの自転車でまで工賃無料サービスをさせれたら、一体どこから人件費をもらうんじゃ~!



はぁ~。

スッキリした(笑)

ずっとこれ言いたかったんです!




作業が終わった瞬間、笑顔でありがとう!って、疾風のように去っていくそこの貴方!

窃盗や無銭飲食と同じです。

逆に気持ちよく接客できたなら、僕の気まぐれでサービスするかも知れません。

是非正直で気持ちのいいお客様になって下さい(笑)


なんだか最後は趣旨から少し逸れてしまったが、俗に言う『安物』を買う人に多い傾向なので、ついでに書いてしまいました。



真剣に自分に合った自転車を探す人とそうでない人、命の重みを知っている人とそうでない人・・・

お店に一歩でも踏み込んだ瞬間、僕らプロにはお見通しなんです。

2 件のコメント:

  1. 移動中、サドルの高さがまずかったので、
    街の自転車やさんに工具を貸してくださいっと言いました。
    工具は貸せないといわれましたが、サドルを低く調整してもらいました。
    そういったこともお店にとっては迷惑だったんですね・・(*_*;
    その場合はおいくらぐらいはらえばいいのでしょうか?

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    1. みながわ様、工具は消耗品ではありますが、お店の大切な商売道具でもあるので、誰にでもお貸しできない!っていうのが理由です。
      商売道具が使い慣れない方の使用によって壊されたら、その弁償と新しい工具が入荷されるまでの免責保障料金を請求しなければなりませんが、そんな事言いたくないですよね?
      だから貸せないのですよ。
      サドルの上げ下げもレバーで開閉できるものであれば、無料でして差し上げることもございますし、仮に工具を要する場合や、その方の体格に合わせて高さだけでなく、角度や前後のオフセットまでキッチリとポジションを出す場合等は、当店では300円~600円程度で承っています。

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