2015年4月2日木曜日

ドッペルギャンガーについて・・・

サイクリング日和になって自転車が欲しいって人が増えてきました。

ここ数日で最も問い合わせや注文が多かったのがドッペルギャンガーです。

ドッペルギャンガーと言えばつい3週間程前にも、過去のフレーム破断事故の件が引っ張り出されて話題になっていました。

幸いその件で不安を感じてます。っていうような相談は今のところないのですが・・・

まあ当店もドッペルギャンガーの取り扱いをしているので、どこかでその話題に触れておこうかと思っていたんですね。

とりあえず簡単にまとめてみましょう。





ドッペルギャンガー=ビーズ株式会社さんの理念。

①新しい価値を創ること
②独創性
③他にはない付加価値

つまり奥ゆかしい日本人の心の片隅に眠る、『本当の自分』を求める願望とか、目立ちたいとか、殻を破りたいというような願望を叶えたような製品を作るっていうのが根本な訳ですね。
特に若者のアイデンティティーを刺激したいという考え方が、『もう一人の自分』という意味合いのブランド名になったものだと解釈できます。





次に現実問題として現ドッペルギャンガーの実態。

①3万円台~5万円台の自転車なら手が出せる!っていう客層に絞って製品を作っている。
②その価格帯の中で、出来る限りハイスペックで独創的なデザインを試行錯誤している。
③タイミング的にネット通販といった媒体を上手く利用して知名度を上げる事ができた。

自転車はどこで作ったかも判らないレベルのものであれば、大量生産して1台あたりのコストを抑えたもので1万円以下の自転車も存在します。
そうかと思えば航空宇宙技術やF1の開発技術など、時代の最先端技術の恩恵で生まれた自転車であれば、軽く100万円~300万円くらいになるものまで市販化されています。

全ては人の価値観で決まります。
その中でビーズさんのターゲットにした客層は、「乗れたら何でもいい!」っていう人よりも、「少しでもお金を出して人よりカッコイイ自転車が欲しい!」っていう人たちなんです。

それは裏返せば「5万円も10万円も出せないけど、スポーティな自転車が欲しい!」っていう客層にも、同時にありがたい存在になった訳ですね。




ここで誤解して頂きたくないのは、ビーズさんが安価なスポ車モドキしか作らないのか?って話。
実際に営業の方に話を伺ってみました。
コストをかければレーシングスペックの自転車も作れるそうです。
「ドッペルで105とか、それこそデュラエースを搭載したロードは作らないんですか?」って質問をされる事があるそうですが・・・
「出来ますよ。でもそれを作ったところで、貴方は買ってくれるんですか?」って返したら、その人は黙り込んでしまう。
つまりはネット通販のイメージが強過ぎて、そこまでの信頼度もなく、またドッペルのロードバイクでレースに出たりする勇気もない。
今現在は『まだそんな状況』だということなんですね。




現在ドッペルギャンガーは徐々にネット通販のイメージを払拭しようとしています。
その理由として・・・

①アマゾンでほぼ仕入れ値の価格で叩き売りされている。(安物という不名誉なイメージの定着)
②90%完成車をうたっているが、中国のラインで作った製品を、日本で全て完璧に検品できる訳でもなく、結果ボルトやナットの締め付けトルクが不十分だったり、ホイールのセンターが出ていなかったり、ブレーキや変速の精度も出ていないものが大半である。酷い場合はディレーラーハンガーが輸送の段階で曲がった物もあり、通販で買って素人が組んだ自転車だと100%安全に性能を引き出せる自転車には成りえないという事実がある。

実は当店が出来て間もない頃、当時の営業担当の方が「今後店頭販売のシェアを増やしたい希望があるんです。」とおっしゃっていたので、当時まだほとんど無かった取り扱い店舗に、僕も立候補してお付き合いする事になったんですね。




ロードバイクで50万円以上のハイエンドバイクを乗る人なんかに多いんですけど・・・
ママチャリやドッペルを代表とした安価な自転車を『安物』とか『ゴミ』などと言って見下だす人がおられます。

特に自転車を売って商売をするような人に、一部こういう事を平気で言う人がいるって事には同業者としてではなく、むしろ人として言語道断です。

安物であろうがなかろうが、人の命を乗せて運ぶ乗り物には変わりないのです。

事故をすれば死に至る可能性も、他人を巻き込む可能性もある、立派な『軽車両』なんですよ。

他人を見下したような人って言うのは、自然とどこかで言葉の端々にそういうニュアンスを含ませるから判りやすいんですけど・・・

自転車に限らず、車でも・・・例えば旅行業であってもそうなんですが、同業者でたまにそんな人と出会ったり、一緒に仕事をしたりすると気分が萎える事がございます。

値段とか肩書きとかでしか優劣を考えない・・・車だったら何でもいいからベンツとかレクサスに乗っておけばそれでエエねん的なあれですね。

安物を安物というのは構わない!

しかしそういう事をいう人の多くは、大抵Disっているのが判る言い回しをするものだ。

自転車に限定して言うならば安物どうこうではなく、まずは安全な車両としてキッチリ組み立てろ!じゃないでしょうか?

そもそも自転車の価格に関しては日本人の8割以上の方は、5万円を超えたら高いと感じるんです。

それは自転車に乗る消費者側も、自転車が立派な軽車両であるという認識が薄く、軽んじて見ているからではあるのですが、その認識の底上げがどれだけ大変か!

大阪とか自転車販売店が乱立して価格競争になっている所なんて、正直僕は愚の骨頂とさえ感じています。

お客様に安全な自転車を提供するはずの『プライド』や人件費が、その安売りでいいのか?と・・・

この数年で自転車事故で散々騒ぎ、道路交通法の強化や保険制度の義務化などを進めている今日においても、まだその認識は変わっていない。

我々自転車業界の人間が筆頭に、時間をかけて変えていくしかないのだ。


僕はそういう意味から見ても、ビーズさんのビジネス展開は間違っていないと思うし、常に改革しようと頑張っている姿勢は素晴らしいと思っています。

いずれハイエンドモデルも出してくれる事を期待しましょう!



ちなみに話は戻りますが、過去のフレーム破断事故について、少し僕の見解を述べます。

事故そのものについては目撃をしていませんので、どんな状況だったかについての明言は致しませんが、写真を基に考えられる可能性の話です。


ビーズさんは折りたたみ自転車が多いのですが、そのうちの1つでMTBタイプの折りたたみ自転車です。

しかしフルサイズの自転車で折りたたみとなると、構造上のコストや強度の確保など、課題がいっぱいでMTBタイプとなると、このくらいパイプを太くシンプルなデザインにするより他に折りたたみの利便性を融合できなかったんでしょうね。

当然ここで一番考えなければならないのは、この自転車はMTBなのか?って事。

答えはNOです。

フレームにも激しい路面を走ったり、無茶なライディングをしないでね!っていう旨の注意書がステッカーで貼られていたはずです。

あくまで街乗りレベルでスポーティを楽しんでね!っていうのがこの価格帯の限界なんです。

そんなに激しい走りをしたかったら、自分の命を守る為に最低でも30万円以上のMTBを作ろうよ!っていうのが自転車屋から見た常識です。


トップチューブとヘッドチューブの溶接が下手で割れたのであれば、僕はメーカーの品質を疑うかも知れませんが、この破断の仕方は果たして品質の問題なのか?

トップチューブの一番応力のかかる箇所の破断。

これは経年劣化でしょ?

乗っていた人の乗り方もさながら、体重なども気になります。

どんな自転車も基本的には80kgが制限体重です。

それより重たい人が乗った場合は、自転車の寿命が著しく短命になるって事も考える要素にはなります。


これはアルミフレームですが、良く見たらワイヤーを通すガイドの周りにアルミの腐食がたくさん見受けられます。

これは自転車の保管場所にも問題がありそうですね。

アルミは錆びないと思っている人もいるでしょうが、放ったらかすと錆びます!

白く腐食していきます。

写真を見る限りだと雨ざらしで陽の当たる場所に保管。

3年~5年使えばこうなります。

更に海の近くであれば2年もすればこうなります。

ただでさえ腐食し、経年劣化も加わり、扱いも雑なものであったなら・・・

有り得る破断じゃないでしょうか?


こんな写真もヒットしました。

これはドッペルギャンガーに多いタイプのフレーム形状ですね。


トップチューブから破断して、ダウンチューブは溶接箇所から割れた感じですね。

これは一体どんな乗り方をしたらこうなるのでしょう?

こういった画像を基に消費者の恐怖心を煽る前に、まずはメンテナンスをしっかりやりましょう。

自転車は車検が要らないだけで、車両には変わらないのです。

ブレーキが磨耗して効かないとか、チェーンが伸びたりオイルが切れたり・・・

それでも気にせず乗っている無頓着な人が大半です。

そのくせ壊れたら自転車メーカーや、自転車屋にクレームをつけるのはどうかと・・・

まあ少し話はそれましたが、ドッペルギャンガーの自転車自体は、普通に街中を乗りまわす分には何も問題はありません。

実際にビーズさんは写真のMTBタイプの自転車を、ランダムに20台ほどJISの破断テストにかけて、スポーツ車の規格で合格しているので、品質という部分においては安心できるレベルだと証明しています。

ところが問題なのはDIY感覚でネットで購入し、自分で組み立てた結果・・・破損した自転車は数知れずといった現状。

なので、必ず店頭で注文するようにして下さい!

誤ってネットで購入したのなら、ご足労ですが持ち込んで下さい!

お店によっては他店購入の自転車や、お客様(素人)が無茶苦茶に組み立てた自転車を組み直すなんて嫌だ!っていうお店もあるかも知れません。

しかし思わず買っちゃったけど、やはり安全性が心配なのでお願いします!と真剣にお願いすればどこのお店でも点検して直してくれますよ!

ユーザーの意見や販売店の意見を基に、ドッペルギャンガーだけではなく、多くの自転車メーカーがこれからも良い製品作りの為に、ますます頑張って頂きたいと切に願います。

2 件のコメント:

  1. こんばんわ。
    半年も前の記事へのレス、申し訳ございません。
    先月ドッペル260を2週続けて買ったM(〇ゾの意味では在りません。)です。

    大変お世話になりました。
    あれ以来、二人揃って自転車メインの生活になりました(笑)

    ミニベロとかのブログランキング見ても、「ドッペル乗ってるって、記事少ないなぁ」って思い、”ドッペルギャンガー” ”ブログ”で検索したら、一番最初にこの記事がヒットしました。
    何だかうれしくてレス付けさせて頂きました。

    もう少ししたら、改造癖が発症しそうですので、また寄らせて頂きます。

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    1. 先日はご購入ありがとうございました。ご夫婦でサイクリングを楽しんでいただけて、それが何よりです!

      改造癖ですか?その気持ちはよく解ります!なので、無理の無いレベルで楽しみましょう。またご相談受け付けますので、是非遊びに来て下さい!

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