2023年10月27日金曜日

10月28日(土)~10月29日のイベントと営業のご案内!

 


明日10月28日(土)と明後日10月29日(日)はインスタグラムで告知させて頂いた通り、『若狭海遊バザール千鳥苑』にて『AVEDIO』や『コーダーブルーム』といった国内の誇るブランドのロードバイクやクロスバイクの試乗会を行ないます!


また限定数ですが、サイクリングツアーのモニタリングも実施致します!


通常はサイクリングガイドは15000円~となっておりますので、4~10名程のグループでご予約する事を推奨いたしますが、明日と明後日に限り、お一人様2000円で軽食とドリンクもつけさせて頂きます


28日(土)は僕がガイドを務めますので、お客様のご要望に応える形で好きなルートを案内させて頂きます。


29日(日)はアキラ君か久保君のどちらかがご案内となりますので、アニメの聖地巡礼をベースとしたサイクリングルートをガイド致します。


神戸の本店は28日(土)のみ臨時休業とさせて頂きますが、29日(日)は通常通り営業致します。





AVEDIO(エヴァディオ)はご存じの通り、カラーオーダーが可能で、世界に一台だけの好きなデザインで制作できます。


カラーも基本カラーだけではなく、好きな自動車のカラーを取り寄せて塗装する事も可能。


現在も『Zガンダム』仕様にして欲しいというオーダーが入り、僕がざっくりとしたデザインを制作しています。


何よりも日本人の体形に合った史上最速のロードバイクを作っているブランドです。


新型の『カリスR』はディスクブレーキ仕様のロードバイクですが、乗り味は良かった頃のコルナゴと並ぶ程の上質な走りです。



また29日のサイクリングツアーは聖地巡礼をベースにという事ですが、京都アニメーション作品の『中二病でも恋がしたい!』という作品で、メインキャラの故郷がまさに若狭の美浜町という事もあり、今回のテーマは『不可視境界線を探るツアー』という内容で現地スタッフが精一杯頑張る予定です!


丁度夕日の写真を撮影した場所もその作品の聖地のひとつです。


試乗会及びサイクリングツアーは10時より開催致しますので、サイクリングツアーにご参加されるお客様に関しては9時半までにお越し頂けると幸いです。


千鳥苑には足湯もあって、美味しいクラフトビールもあるので、サイクリストにとってこれ以上ないサイクリングの発進基地となっております!


今回は現地のスタッフに告知など任せていたので、僕はこんなギリギリとなってしまいましたが、まだまだ参加者の募集はしていますのでよろしくお願い致します!


2023年6月24日土曜日

明日6月25日(日)若狭レインボーヒルクライム参加の皆様へ!


いよいよ明日開催ですね。


今回は少し参加者が少ないとの事なのですが、ロケーションも素晴らしく!


そもそも海と湖に囲まれたヒルクライムレースなんて全国でここだけしか味わえないと思います。


そこで本来なら千鳥苑に常駐しているアキラ君に宣伝広告をしてもらいたかったのですが、なんとその事をすっかり忘れていたらしいので(でも明日のレースには参加するそうですが)前日でいきなり記事を書かせて頂きます。


この大会は美浜町側と若狭町側の2カ所がそれぞれスタート地点で山頂までのタイムを計ります。


つまり2本のタイムの合計が少ない人が優勝というルール。(ハーフの設定もある)


美浜町側がAコースで4.2km・・・勾配はきつめ。

若狭町側がBコースで4.8km・・・勾配はややきつい。


僕の予想する優勝タイムは12分台(どちらのコースも)


ただし乗鞍や美ヶ原のチャンピオンクラス優勝者レベルの選手が参加したら11分切りも視野に入れないといけませんね。(汗)


2本の合計タイムは25分台を出せば間違いなく表彰台圏内だと予想します。


若狭湾の青、三方五湖の5種類の青、空の青と7色の青を楽しんで走って下さい!



千鳥苑で簡単ではございますが、変速調整と空気圧確認、ブレーキバランス、ホイールの振れ取り及びセンター出し程度のメンテナンスは承っております。


電話によるお問い合わせや現地事務所にてお尋ね下さいませ!



レース後の一杯はやっぱりビールでしょ?


若狭町にも湖上館パムコさんでクラフトビールを作っておられますが、千鳥苑の若狭ビールは上海万博でも『日本の美味しいビール』として大人気だったお墨付きのビールです!



何よりも千鳥苑は駐車場が若狭最大級の広さで、足湯も完備!



走った後の足湯とビールはマジで最高です!



これは色違いバージョン。



ヴァイツェンはへしこやチーズ等の発酵食品に相性が良く、オールラウンドに美味しいビールです。


アンバーエールは味付けの濃い料理に合っているのでバーベキューや肉料理にも合います。


ペールエールはすっきりフルーティーで・・・僕の調査したところ、これが女性人気NO.1のビールです。お刺身やカルパッチョにピッタリなのでシーフードたっぷりの千鳥苑バイキングにも相性抜群!



ここのクラフトビールが美味しい理由は・・・



このカナダから仕入れた北米製の機械がポイント。


ドイツ製のそれとはまったく仕上がりが違うのだとか!


僕も実際に飲み比べをあれこれ実験しているのでそれは紛れもない事実です。



 是非皆さんのお立ち寄りお待ち申し上げます!


言い忘れましたが、千鳥苑は本来土日祝日17時閉店なのですが、本日24日(土)に限り18時までは待機していますので、遅くならないうちに点検に来て下さいね!

点検&調整は1台1500円です。

ホイールの振れ取りは時間短縮の為、フレームに装着したままの作業にさせて頂きます都合上、通常より格安で1本1000~1500円で対応させて頂きます。(ただし内臓ニップルタイプのホイールなど、タイヤの着脱を伴うものは今回お断りさせて頂きます。

尚、17時以降は売店などのご利用ができなくなりますのでご了承下さいませ。(外のレストスペースの自販機は利用可)

2023年6月9日金曜日

チャレンジ精神について

 


以前自転車による日本縦断の世界記録を出したと、過去のブログでも紹介させて頂いた森脇さんが、先日当店に立ち寄って下さいました。


今は監督として若くて速いライダーの記録挑戦のサポートをしているそうです。


10日間で4880km!


現在、自転車による日本縦断のギネス記録保持者の落合佑介さんが、北アメリカ大陸横断にチャレンジするそうです。


素晴らしいチャレンジなので、是非成功して頂きたいと思います。


クラウドファンディングも立ち上げているので、応援してくれる人が増えると良いですね!




さて、僕も久しく失っている心ではございますが、チャレンジ精神について・・・


僕も子供の頃は「誰よりも先に誰も成し得ていない記録に挑戦したい!」ってチャレンジ精神が旺盛でした。


小中学生の頃F-1グランプリにハマって、高校卒業の頃は打倒シューマッハ!なんて夢も見ていました。


片山右京さんが高校卒業時に車の運転免許を取って、そこからレース活動をしてF3000での活躍からF-1に進んだって現実を目の当たりにして、お金が無くても努力とセンスがあれば可能性はある!


そう思っていました。


僕は以前にも書いたかも知れませんが、小学5年生になる前の春休みに継母の希望で実家を追い出され、一人暮らしをしていました。


同じマンションに住む祖母と義祖父のサポートを受けつつ、高校からは学費は自分で働いて工面していました。


不動産経営をしていた父親はバブルの崩壊で苦境に立っていましたし、祖父母に頼る事も出来ず、大学受験の費用と入学金を貯蓄する為に、高校卒業後派遣業に就職して、ホテルの配膳業をするようになる。


西元町のホテルシェレナをベースに、ヘルプでポートピアホテルや、北野クラブ、ハイアットリージェンシー、リーガロイヤル、ウェスティン、シルフィード(現コンチェルト)などで、主に結婚披露宴の配膳サービス及び、照明や音響などの演出を担当していました。


それをしながらどうせ浪人するならと、一流国立大学を目指して自宅で勉強していましたが、そんな事情もあってF-1レーサーへの道は諦める事に。


しかし刺激が無いと生きていけない体質だった事から、何か他人と競い合う競技がしたい!レースがしたい!という気持ちが高まり、自転車を本格的に始めたいと思うようになる。


同時に他人が聞いたらアッと驚くような事がしたいとずっと思っていて、子供の頃から自転車で世界一周とか、エベレストの無酸素登頂最短記録など、とにかく歴史に名前を刻みたいって事ばかり考えていました。


で小学校以来の友人と立ち上げたアウトドアサークルとは別に、新たにサイクリングチームを立ち上げる事にする。


初めての挑戦は四国を4日で一周でした。


僕の高校生の頃に計画していたヨーロッパ縦断の前哨戦として。


フィンランドのヘルシンキを出発して、スエーデン、ノルウェーを交互にスカンジナビア半島を南下し船でデンマークへ、更にドイツはメルヘン街道~ロマンチック街道を走りオーストリアへ、ザルツブルグ~ウィーンと巡ってからイタリア半島一周へ、モナコ経由でフランス入り・・・最後はスイスかイギリスか?そんなプラン。


若い頃の生島ヒロシさんの話も聞いていたので、毎日平均200kmを走って、主要な町で空手の実演とかストリートパフォーマンスをしながら食費や宿泊費を稼いで、ビザの期限内に走破できるように頑張ろう!っていう、少し思い切った計画でした。


かなり無謀な考えでしたが、「やってみないとわからない!」って話で進めていました。


ところが四国一周サイクリングで僕と友人には決定的な溝ができてしまう。


計画達成への執念や情熱が、2人の間であまりにも温度差があり過ぎた事。


友人は他人にアッと言わせるすごい事をやる!ってワードがモチベーションになっていましたが、僕はその先に『ツール・ド・フランス』で戦えるだけの選手にならないといけない!という目標が重なっていたので、パニアバック装着の30kg近くはあるMTBで、目標の平均時速は最低36km/h以上で走破するというとんでもない計画で考えていたのです。


そのくらいの走力が無ければヨーロッパのレースでは太刀打ちできないという感覚があったからなのですが、それが僕と友人を決定的に決裂させました。


最低平均時速36km/hはどこまで行っても最低目標だったので、あくまで僕の希望は平均時速42km/h以上。

高校の頃から毎月欠かさず購読していた八重洲出版の『サイクルスポーツ』で、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアのリザルトを常に目にしていたので、各ステージの優勝者の平均時速を見ていると概ね42km/h以上である事が多いからである。


当時の僕にはまだ集団走行の恩恵など知る由もなかった為に、自力でそのスピードを維持できる持久力がないと戦えないのが、本場ヨーロッパのロードレース界だという認識でした。


どんなジャンルでもいい、日本人初!世界初!日本一!世界一!新たな発見であったりスポーツ等の記録であったり・・・何でもいいから歴史に名を刻む男になりたい!

そんな強烈な野望があったので、当時は一度やると決めたらどんなに辛くても最後までやり抜く精神力と、忍耐力を持ち合わせていました。


友人も当初は僕の意気込みに同調していたのですが・・・


高松東港から徳島の吉野川大橋を渡り切るまで1時間50分で走った辺りで、彼は僕に同調した事を後悔したらしい。


その後小松島のマクドナルドで補給するが、彼の判断力に僕は戸惑う。


ビックマックが100円だか150円だかのキャンペーンだったと思うが、まさかの一人で5個も購入したのである。(僕はダブルチーズバーガー2個)


なので最初は気を使って僕の分も買ったのかな?と思ったのですが、どうやらそういう訳でもなく、1人で5個食べれる気で買ったら3個しか食べれなかったらしい。


そこから友人のペースはドッと遅くなる。

食べ過ぎたのと休み過ぎて身体が動かなくなったらしい。


気合と根性で何とかしろ!と言ったら「お前がペースを落としてくれたらいいんじゃないのか?」と言い返される。


初日にして友人は完全に目的や目標を見失ってグロッキー。


結局僕が折れてゆっくりペースメーカーになって走る事になる。


もっと自分の可能性を引き出したかっただけに悔しかったが致し方ない。


そもそも徳島県の南部からスタートの予定が、震災直後でフェリーの発着場が変わってしまったのと、今みたいにスマホどころか携帯電話も普及されていない時代だった事もあり、友人の立てた計画に乗っ取って神戸東港に行ったら高松行きのフェリーしかなかったというオチ。


念の為の確認をしなかった僕にも責任はあるが、僕は僕で宿泊するホテルなど予約を入れていたので、本来は初日の宿泊は足摺岬の国民休暇村を目指すはずだった。


さすがに高松出発で足摺ゴールは初日で半周するようなものなのでキャンセルはしたものの、3泊目に泊まる高松の五色台の国民休暇村には最終日を楽しむ為に、料理内容までオプションで注文していた為、これだけは四国を一周したご褒美に楽しみたいという気持ちがあって、その為には2日目の宿泊は東予の国民休暇村まではさすがに無理でも、せめて松山市内(道後温泉)までは行きたいという願望があった。


つまり4日で一周の予定が3日で一周するくらいのペースで走らないとその計画は無理となる。


初日は少しでも距離を稼ぎたくて、僕としてはせめて須崎くらいまでは走りたかったが、結局は南国市野市の旅館で1泊。


初日で300km近い距離を9時間そこそこで走破したのは、今だったら良く走ったなと思えるのですが、自分の決めた平均時速を守れなかった事が悔しくて悔しくて。


足が痛いだの明日は雨が降るしリタイアしたいだの言っている友人に、イライラする気持ちを押し殺して励ましていたのが懐かしい。


実は四国一周サイクリングについては改めてちゃんと記事に書きたいと思っています。


とりあえず言える事は2日目は雨の中、須崎から中村までの区間で最長11kmの峠越えなどで身体を冷やし、四万十川で痛恨のパンク。


土砂降りの中でパンク修理に45分もかかってしまい・・・その後の足摺サニーロードで怪奇現象が立て続いた挙句、事故で怪我をして更に大型犬に追い掛け回される。


落車のショックで左腕が曲がらないし、出血も止まらない。


そんな状態でズタボロになりながら公衆電話で空きのある民宿を探していたら、友人は自分だけスーパーで弁当を買って呑気に食べている。


夕食の準備が終わったから素泊まりしか無理だと言われたのに、ずぶ濡れの僕らを見て暖かいご飯を作ってくれた女将さんの気遣いに感動して涙が出てきた。


それなのに「俺はもうお腹いっぱいでいらんから、食べたかったら俺の分も自由に食べてくれていいで!」という友人の無神経な一言に、とうとう僕の堪忍袋の緒が切れて爆発!


思わず殴り殺してやろうかと思うくらい怒り狂った(実際に怒りが限界を超えて胸を刃物で刺されたような激痛で15分くらい呼吸も辛くて動けなくなった)が、宿に迷惑を掛けられないので必死に押し殺し「腹いっぱいか何か知らんけどなぁ。人の好意を無駄にする奴はぶち殺すぞ!黙って死ぬ気で感謝しながら食え!食べきれない分は俺も死ぬ気で手伝うし食べ切るから、何があっても絶対に残すなよてめぇ!」って感じでもう修羅場でしたね。


全身の血が逆流しそう、或いは沸騰してしまいそうなくらいの怒りで胸を刺されたような激痛に襲われ、うずくまって動けなくなる現象を過去に3度経験しているが、そのうちの2度がその友人の発言や態度が原因だったので・・・いや、本当に何でつるんでいたんだろう?って思いますが、彼の名誉にかけてフォローすると、普段は周りへの気遣いができるイイ男だったんですよね。


その時から亀裂が大きくなって、友人が「足が痛い!死にそうだ!」って言えば、僕は「だったら勝手に野垂れ死んどけばええねん!俺は最後まで走り切るから、お前は勝手に腐っとけ!ボケ!」と罵り、僕は僕で所々で地図を見ながら距離と速度を計算し、泊まる宿を電話帳で探して彼に計画を伝えても無視されたり・・・


とにかく今思えば二人で無事に完走できたこと自体が奇跡だったのですが、神戸に帰ってからは二度と相手の顔も見たくない!ってなってしまい、半年以上和解できなかった事などから僕らのヨーロッパ縦断サイクリングの目標は夢と消えたのでした。


いくら気心が知れている友人とであっても、根本的に育った環境や目標設定が違う以上は、譲り合いや協力し合う心のゆとりと、万が一の場合に仲間をフォローする覚悟が無いと大きなチャレンジを成功させる事は容易くない。


もっとルールの設定をしっかり作らないと、誰かのワガママでお互いの考えや関係がこじれるんだ・・・という心理システムを、身をもって学んだのです。


お陰様で僕もこんな店を経営しながら、お客様の学生君がツーリングに行くだの、友達と一緒に走る計画なんだと聞いたりすると、事前にそういう実体験を基に大失敗しないようにプランを一緒に考えてアドバイスするようにしています。



先日も僕の過去の話を聞いた子が、「今度レースに出るんです!」って報告に来てくれて。


クリテリウムレースにMTBで参加するのだと。

僕はデビュー戦のクリテリウムをMTBで走りましたが、それはロードバイクを平地で捲る為に徹底的にベアリングやギア比を改造したものであり、彼のそれはさすがにそこまでチューニングしていません。

それでもかつての僕と同じようにチャレンジしてくれる、その心意気に対して素直に嬉しいと感じました。


正直僕の時もそうでしたが、クリテリウムにMTBで参加するなんていう事はロードバイクに乗って優勝を狙っている選手から見たら「お前レースを舐めてんのか?」って話になるので、まずもってスタートラインは最前列や2列目には並ばせてもらえないよ!って話の他、クリテリウムの走り方やルールや注意点などをあれこれアドバイスし、とにかく落車に巻き込まれないように、万が一の時の裏ワザとかも教えて・・・


どんな小さな事からでもいいので、何かに向けてチャレンジしようという気持ちを、多くの若者に持ってもらいたい。


どんなに辛くても!

どんなにしんどくても!

達成した時の喜びを味わってもらいたい。

似たような経験をした人たちと分かち合ってもらいたい。


失敗に終わってもそれは決して恥じゃない!

次なるチャレンジと成功に向けての大きな一歩になる!


少なくとも何もチャレンジしていないのに「無理」とか「できない」とか言って、前に進もうとしない意気地なしと比べたら完全に勝ち組だと思います。


僕ももう一度あの頃の気持ちに戻って、何か新しい挑戦に情熱を燃やしてみたいと思っています。


チャレンジ精神を持った人にたくさん来店して頂きたいものです。

僕のモチベーションは、そんなチャレンジ精神を持った仲間が増えればきっと復活すると思うので、是非仲間が増える事を心から期待したいと思います。

2023年5月9日火曜日

『若狭クリーン活動』始動しています!みんなで綺麗な砂浜にしましょう!

 


福井県民となって現在『若狭海遊バザール千鳥苑』で働いているアキラ君ですが、4月から海水浴場の清掃を始めてもらっています。


しかし当初は千鳥苑のある坂尻海水浴場がメインでした。


勿論そこも綺麗にしたいのですが、世間的に見たら「自分の職場の前の海水浴場やねんから、そんなもん綺麗にして当たり前やんけ!」と言われても仕方のない話になってしまいます。


それで僕の提案としてまずは美浜町のメインビーチである久々子海水浴場で清掃活動をするように指示しました。


千鳥苑は社長もスタッフも美浜町と若狭を愛している人ばかりなのに、地元の人たちからは「観光バスがいっぱい停まっている場所。」っていう認識で、町との一体感が感じられなかった事が、旅行会社で働いていた頃からず~っと僕の心の中で引っかかっていたんですね。


そろそろ千鳥苑が地元に根付いて美浜町の観光の立役者として注目を浴びたっていいじゃないか!


そういう想いからアキラ君とマッスー(増井氏)に頑張ってもらっています。


これから僕や久保君も加わって精力的に活動していくので、更に一緒に清掃に加わってくれる仲間が増えると嬉しいです。


既に清掃活動をしてくれている別団体も確認できていますので、それぞれ情報共有しながら透明度の高い若狭湾の海と、白砂のビーチを維持できるようにネットワークを拡げていけたらと思っています!


我々の活動を多くの人に応援してもらえると幸いです!

2023年4月21日金曜日

2023年04月08日(土)若狭美浜店がプレオープン!

 


僕が旅行会社時代にお世話になった『若狭海遊バザール千鳥苑』内のテナントを使わせて頂くようになって3年。


元々4年半前に同じ美浜町のコルパという施設を助成金付きで借りる予定でしたが、町役場とどんな裏取引があったのか・・・九州で高速道路のSAを運営しているとかいう業者に権利を横取りされました。


僕は現小浜市の議員さんと若狭美浜観光協会のトップとの3人で美浜町役場へプレゼンに行き、また僕自身が福井県内で付き合いのある観光事業者が多いので、今後各施設と連携を取ってビジネスを確立できるって事を町役場自体が理解を示していたにも拘わらずですよ・・・


3年間で5700万円の助成金付きという物件だったのですが、その九州の業者は結局美浜町に大きな貢献をする事もなく、単なる助成金泥棒のまま3年で撤退。


あのタイミングで僕が借りる事ができていたら・・・と思う事もあります。


空き家になった施設は現在、三方五湖DMOが継続して使用しているそうですが、このDMOという団体・・・


そもそも美浜町と若狭町が手を取り合って協力すれば・・・って提言したのは・・・


こちらが動けないでいるうちに、あれこれと先手を打たれて頭に来ることは多々ある。


どうして誰かの為に頑張ろう!とか恩返しがしたい!って思っている人間が、こうも邪魔ばかりされないとならないのか?


色々と憤りを通り越して・・・もはや笑えてくる。


企業の共同体とか、行政相手じゃ個人事業主の力なんて蚊ほどでもない訳だ。


僕はやられた事は絶対に忘れない。


この怒りのエネルギーを何とか笑いと喜びに変えられないだろうか?


そういえばコロナの影響もあって・・・やはり旅行会社時代から付き合いのあった敦賀の観光施設が倒産しました。


僕もコロナで若狭の事業計画は停滞しましたが、それ以上に人材の獲得が上手くいかなくて大変な3年間でした。


何人か若狭に移住する予定で雇い入れました・・・


面接の時は面白そうだとか、都会に疲れたので田舎で働きたいとか、地域おこしビジネスに興味があって・・・等々、調子の良い事ばかり言うものなんです。


コロナ渦に加えてウクライナ情勢で売りたくても売る商品が無かったり、仕入れや物価も上がって自転車業界としても売上の氷河期に入りました。(現在進行形)


そんな大幅赤字の状態で預貯金を削り、人員を増やして仕事を教えていたのですが・・・


単身住み慣れない田舎に移住する事は勇気のいる事かも知れませんが、それを言い訳にして仕事の集中力が散漫になったり、何カ月指導しても一向に仕事や経営理念を覚えない、そもそも店の売上に一銭の貢献もできないような人材にまで期待しないとならない事に僕が疲れ切ってしまいました。


それでも何とか今年になってアキラ君と、若狭在住の増井氏が新店の準備から協力してくれる事になり、更に6月下旬からは久保君が加わる予定です。


これでようやく動き出せるようになってホッとしました。


とはいっても僕の狙いはあくまで現地の各観光施設との相乗効果ですので、アキラ君と増井氏にはまず千鳥苑のスタッフとして雑用から学び、観光施設の現状を知ってもらうところからスタートさせています。


団体バスツアーの昼食の対応から、掃除、片付け、料理の仕込みや盛り付けなど・・・


これからはお土産の販売や、予約業務、ウェブ担当のサポート等も学んでもらえればと考えています。


なので『プレオープン』と言ってもまだ本格的に自転車の活動はしていません。


どちらかと言えば現地の観光施設の社長たちとアキラ君をつなげて活動しやすいように、僕がアキラ君にリモートで指示を出しているような状況です。


若狭美浜店を開店する理由は、『銀輪劇場あるかんしぇる』のレンタサイクルの管理やガイド事業とは別に、サイクリングで若狭に訪れたお客様方の自転車のメンテナンスや、もしもの時のレスキューサービスができるようにしたいのと・・・


何よりも地元美浜町の方々のご来店を増やしたいからです。


千鳥苑自体がこれまで長年観光バスツアーばかりをメインに活動していたので、地元の方が近付かない施設になっています。


社長の橋本氏は誰にも負けないくらい美浜町と若狭を愛している人なので、僕としては地元民にも愛されるドライブインになってもらいたい気持ちが以前よりありました。


きっと現地のスタッフの方々も、それぞれ地元愛があるはずなので、それぞれに主役になってもらえるような、スタッフもお客様も楽しく感じてもらえるような環境にできるようにサポートするのが僕の役目だと思っています。


実際に先日現地のスタッフさんと会議をしたのですが、やはり現地スタッフさんたちも地元の来客が無い事を寂しく思っているそうで、やはり実際に地元愛があって地元でも愛される職場にしたいという想いがある事を感じる事ができたので、是非僕の事業が上手くそういった想いを実現につながる切っ掛けになる事を心から願いつつ準備を進めております。


尚、アキラ君がいる時であれば対応ができますので、自転車のメンテナンスや購入などをご検討されている方は、取り急ぎ『千鳥苑(0770-38-1101)及川宛』にご連絡下さいませ。




千鳥苑から自転車で10~15分程で行ける水晶浜(ダイヤモンドビーチ)からの夕日。

夕日は心の疲れを癒す効果が高いです!

サイクリングで汗を流した後は夕日を眺めながら美味しいビールで乾杯とかしたいですよね!


お刺身や海鮮料理に合わせて開発された若狭の地ビールです!

ヴァイツェンやアンバーエールは肉料理など味の濃い料理にも合います。

美味しさを追求する為に敢えてコストのかかる瓶にしています。



千鳥苑と言えば県内でも美味しいと評判の『鯖のへしこ』が有名ですが、最近は一本ものを買っても調理できない方が増えています。

そんな訳で現地の女性スタッフが試行錯誤して生み出したへしこフレークもビールのあてに大人気です。


当店(神戸店)でも注文できます(配送は現地から)ので、ビール好きな方は是非お試し下さいませ!

2023年3月31日金曜日

令和5年4月1日よりヘルメットの着用が努力義務化!

 どこの自転車メーカーや業者も「ヘルメットを装着して安全に自転車に乗りましょう!」なんて言っていますが・・・


正直僕は物申したい気持ちでいっぱいです。


まず物理的な理由として、政府がそれを義務化に向けて動き出したタイミングです。


ヘルメットメーカーも突然問い合わせや受注が増えて、供給が間に合わない状況に陥っているのであります。


当然お買い物メインの主婦層がロードバイク用のヘルメットなんて被りたい訳もなく・・・


一応女性用の帽子のようなお洒落なデザインのヘルメットや、カジュアルなファッションに溶け込みそうなヘルメットも出ているのですが、とにかく供給が追い付いていません。


もう少し段階を踏んで義務化に向けて働きかけて頂きたかったというのが一つ!




次に根本的な話なのですが・・・


「今更何言ってんねん?」って気持ちが一番物申したい要素です。


そもそもロードバイクやMTBを競技レベルやレジャーでされている方々はヘルメット着用が2001年頃から当たり前になっています。(それまでは大会のみ義務とされ、日常においてはしなくても怒られなかったのです。)


つまり今回の着用努力義務に至った理由はそこの層の話ではないのです。


道路交通法で自転車の走行ルールも徐々に厳しくなっています。


にもかかわらず宅配サービスの事故を筆頭に、ながら運転や信号無視、車道の逆走、歩道で歩行者を優先しない乱暴な運転、轢き逃げ案件・・・などなど、自転車運転のモラルを問われるような事件や事故が度々ニュースなどで報道されるようになった事がこういった流れになったと見ています。


いやいや、だからってヘルメットをかぶったら事故は減るの?


マナーの悪い自転車が減るの?


何か根本を履き違えていないだろうか?


当店の地元でも赤信号なのに原付や自転車が信号無視して斜め横断とか、そういう身勝手な行為が常習的に横行しているので、特に原付と自転車に関してはもっと明確なルールを提示してもらいたい。


しかし最近のニュースを見ていると「本来自転車は車道を走るもの!」と紹介されているものが増えていて、いつの間にかメディアによる誘導で常識を勝手に情報操作されているように感じる事もある。


別に歩道も絶対に走ってはいけない訳ではないので、月末の金曜日とか交通量の多い日はむしろ車道が危険なので、歩道でも良いと感じる事がある。


歩行者も複数人で並んで歩いたり、スマホ画面を見ながら歩いている人が多く、あと歩行者優先って最強神話に頼り過ぎかなぁ~とも思う訳です。


歩行者の安全は当然・・・それについては自転車や自動車に乗っている人は絶対に最優先すべき事なのですが、歩行者側も周りの通行車両の状況とかに気をかけてあげて欲しいなぁ~と思う事も多いです。

歩行者の多い交差点など右左折車両がいつまで経っても曲がれなくて渋滞になる事も多いですから。


結局のところ自転車も自動車も歩行者さえも周りへの気遣いとか譲り合いの精神があれば全体的なイライラも解消されて、事故って少なくなると思うんですよね。


それに加えて交通マナーの徹底した取り締まりを実施する事で更に事故やトラブルって少なくなるんじゃないかなぁ~って。


間違ってもヘルメットをかぶったくらいで世の中そんなに変わらないと思うのが、全国的に見ても交通マナーの悪い神戸市の一市民として感じる僕の独断と偏見です。



尚、ヘルメットはスポーツバイク用の本格的なものは2万円前後が平均相場なので高価ですが、その代わり軽くて風通しも良い。

肩こりの人には300gのヘルメットでも重くて余計に肩が凝ります。


ちなみにこのモデルは235gと超軽量でデザインも悪くない!

しかもバイザーも取り外し自由なのに4400円(税込み)と破格の逸品です。

しかし現在人気で供給が遅れております。

当店も在庫が無くなり次第次の入荷は未定です。


本格的なヘルメットはどうも・・・って方向けのヘルメットも増えてきていますが、軒並み入荷未定が多いです。


まるで乗馬用のヘルメットみたいな帽子タイプもあります。


これならご婦人も恥ずかしくなく使えそう?

ハンチング帽タイプも気になります。


ダンディなおじいちゃんにはこんなヘルメットも悪くないです。


まあヘルメット業界が儲かってくれるなら僕らも頑張って販売はしますが、とにかく今は供給待ち状態ですので、連日お問い合わせを頂いている中で、納得のいく回答ができなくて本当に困っているのも事実です。


自転車通いOKの中学生や高校生がかぶるようなヘルメットなら今の所入荷可能ですので、また気になる方がおられましたら是非ご来店下さいませ!



2023年3月2日木曜日

三連勝カタナ・・・少しづつチューニング!


K様の依頼でブレーキレバーを600アルテグラのエアロブレーキレバーに交換。


僕の記憶では当時(1993~1996年頃)のブレーキレバーだとデュラエースの次に軽かったのが105のレバーで、次にRX100(現ティアグラ)で、アルテグラはその次だったような・・・


あくまでカタログ値のデータですけど。


僕もアマチュア時代はカタログ値を参考に安くて軽くてコストパフォーマンスに優れた部品を探して、低予算で自分の自転車を軽量化する事にハマっていた時期がありました。


実際の所そこまで重量に大差がないと思うので今回はアルテグラのレバーで。


このダークグレーのカラーリングがハンドル周りを引き締めてくれるので、雰囲気は良くなりました。



旧車の改良点としてBBの交換は必須事項!


スチールフレームの場合パイプ内側の結露でできた錆びた鉄粉などもBB付近に溜まっていたりするので、BBを外してフレーム内の汚れも出してBBも新品に交換!


シャフトは本来113mmの物を110mmに短縮。


重量が軽くなるだけじゃなくてBBハンガーの捻じれ応力を軽減し、ダイレクトなペダリングを可能にする。


ただしやり過ぎるとチェーンステーとインナーギアが干渉するので、極端な短縮は厳禁。


当然ですがフロントディレーラーの可動域も変わるので要調整。



 クランクボルトもついでに変更して、少し雰囲気が精悍になりました。


スプロケは12Tー28Tなんてワイドギアレシオの物を使ってらっしゃるので、是非8速化して12Tー21Tを使って頂きたいものです。


ペダルは中古でPP396を探しているみたいです。


旧型のLOOKのペダルは初心者にオススメなんです。KEOよりもトルクを掛けやすくて楽なペダリングができます。


難点は旧型のデルタクリートが入手困難な事。


でも僕個人としてはLOOKに旧型のペダルを復活させて欲しいと願っています。


もしも中古で旧型のLOOKペダルを買うならPP396かPP296、或いは一番古いPP65がオススメかな?


アルミボディなので破損しにくいんです。


僕が駆け出しの頃使っていたPP256はグラスファイバーボディなので2年半ほどで根元から割れて、走行中にスピンドル(シャフト)が抜けてしまいました。


それよりはアルミボディの方がしっかりしているので、一応オールドパーツである事を加味してお探し下さい。


近年色々なロードバイクに乗ってみて面白くない自転車が増えたなぁ~と思う事が多かったのですが、最近になってようやく「あれ?」って感じる事に気が付きました。


「最近のロード乗りってダンシングが下手な人が増えてない?」って。


シマノのSPDーRに始まり、最近のペダルは薄くなって限りなくシャフトに近いところを踏んでいる。


ダイレクトなペダリングは解るが、重たいギアが踏めなくなった要因の一つになっているなぁと感じました。


加えてカーボンフレームが増えて軽量化を追求した結果、BBの規格も増えたが・・・何よりもBBハンガーのボリュームが大きくなった。


つまりフレーム剛性が硬いのである。


ことごとくダイレクトな自転車が増えてしまった感じ。


僕はロードバイクは全身で走る乗り物だと思っている。


知らない人は「脚が太くなったりしないの?」とかよく聞いてくるけれど、脚力だけで走るスポーツではない。


上半身のパワーも、肘の屈伸もフルに活用する。


どんなに自転車を左右に振っても、身体の軸さえ地面に対して垂直ならタイヤのトラクションは逃げたりしない。


しかし最近のライダーを見ていたら自転車をリズムよく綺麗に振っている人が少ないです。


それだけ自転車が硬くなって踏みやすくなった証拠でもありますが・・・。


僕は若い頃、全身のパワーを最大限に活かす為のダンシングを身に着けました。


直線が200mあれば0発進でも時速70kmまで引っ張れる瞬発力をずっと鍛えていました。


何なら100mで時速70kmに達するくらいの瞬発力を磨こうって気持ちで走っていました。


最初はただがむしゃらに・・・ではありましたが、ダンシングで全身の筋力としなりを駆使して、自転車を左右に振ったりペダリングのコツを掴んでテコの原理を最大限に生かしてロケットのような加速を実現するべくトレーニングしていました。


『弱虫ペダル』の巻島先輩のダンシングは人間業ではありませんが、イメージとしては最初はあんな感じで良いと思います。


車体を左右に振るのと、ペダリングのタイミングがシンクロすれば綺麗なダンシングはできます。


K様もアキラ君もぎこちないダンシングだったので、昨日の午後はほぼライディング教室になってしまいましたが、お陰で2人の走りも加速が鋭くなって良い走りに変わりました。


ビンテージバイクに乗る事でこれまで忘れていた大切な事を、ようやく僕も思い出せたような気がします。

2023年2月26日日曜日

長く乗っている自転車を維持する難しさ。


 今は大半の自転車がシマノの変速ユニットを使用している世の中ですが、一昔前の自転車には写真のように中野鉄工所の内装変速ユニットハブを使用している自転車もある。


もう20年以上乗り続けているブリヂストンの小径車だ。


そろそろハブのベアリングがガタついて、走れなくなる日も遠くない。


変速ワイヤーの取り回しがシマノとは逆。


しかもフレームもこの変速システムに合わせた構造。


現行のシマノの変速ユニットに交換する事は不可能ではない。


しかしそれはそれでやり方は邪道。


この自転車はVブレーキなので、通常の内装3段ハブを取付するには工夫が必要。


Vブレーキを殺してローラーブレーキ化するにしてもフレームのエンド幅が微妙に違っていたり、アルミフレームだとエンド幅を閉じたり開いたりすれば、溶接箇所から割れる可能性もある為そうそう気軽に請け負える仕事ではない。


中野鉄工所は今もエアハブなど、特殊な自転車用部品を製造販売している会社ですが、さすがにこの内装3段ユニットハブは製造もしていなければ在庫も残っていないそうだ。


同じくレアな変速と言えば、シマノの中でも左側にプッシュロッドを差し込む旧型の内装変速もあるし、プッシュロッド方式以外にもワイヤーを引っかけるタイプもある。


更にはこれもレアなパターンではあるけれど、イギリスのスターメーアーチャー社製の内装変速を装備した自転車が修理で来る場合もある。


自転車屋で働くスタッフといえば、ロードバイクやフルサスペンションのマウンテンバイクの組み立てができる事が花形の仕事で、それを「メカニックとして優れている。」と考えている人が、スタッフ側にもお客様側にも少なくないと思います。


ところが昔の実用車でロッドブレーキの修理をして欲しい!とか、30年以上乗っている自分にとっては身体の一部のような自転車なんだ!っていう人の愛車も触らないといけないのがこの商売なので・・・


部品の仕入れができるか否か?修理で対応できる状態なのか?ワンオフで代用できる部品を即席で製造できるのか?など、実際にはそういう悩ましい相談や修理も少なくないので、消費者の方々にはスポーツ車ばかり扱っているお店がプロショップなのではなく、臨機応変に対応できる事がプロショップたる所以である事をご理解頂きたい。


そして愛着ある愛車を長く乗る事、ビンテージバイクを所有する事は、補修部品一つ用意するだけでも苦労をする事があるという覚悟を持って欲しいのです。



オーバーホールのシーズンですが、皆さんのヘッドパーツは大丈夫ですか?


特にロードバイクの場合に多いトラブルがヘッドパーツのオーバーホールやベアリング交換です。


どうしても前傾姿勢で乗る為、ヘッド周りには汗が滴り落ちるので錆びやすいのですね。


このお客様の場合は室内でローラー台に乗ってのトレーニングが多くて、尚更汗をかく量が通常よりも多くなるのです。


写真はヘッドのベアリングは錆びてゴリゴリどころか、シールドベアリングが分解して下の椀がフレームに固着した状態です。


最近はフレームの軽量化に伴う剛性確保でオーバーサイズ化しており、またフレーム素材もカーボンモノコックが増えた事もあって、ヘッドパーツの構造も独立した形状の物よりも、写真のようにフレームに直接埋め込むインテグラルヘッドと呼ばれる構造が主流になっています。


これも隙間から汗や雨水が侵入して錆びやすくなった、近年のロードバイクの特徴です。


とりあえずヘッド上部のベアリングは写真の通り、少しだけフレームよりもはみ出していた為、プライヤーで挟んで握り潰せば・・・



このように握力で十分破壊できます。


これでヘッド上部は新しいベアリングを装着できる状態に回復できました。



しかし問題はヘッド下部のベアリングの取り出し・・・。


こちらも錆でバラバラに壊れて椀の部分がフレームに固着。


それも上部のようにはみ出しておらず、完全にフレームの中に埋め込まれています。


そもそもカーボンとステンレスが固着?って思うかも知れませんが、金属は錆びたり酸化すると膨張するので、それで抜けなくなってしまうのです。


カーボンフレームを傷つけないように椀の内側2ヶ所をルーターで研磨しました。



地道な作業でしたが2時間ちょっと研磨し続けて、何とかフレームから引き剝がす事ができました。


ここまで見事に錆びて固着されてしまうと、最悪フレームを破損する可能性もあるので、できれば二度とやりたくない作業です 。(苦笑)


なので自転車屋に持ち込んで作業をお願いする時は、壊れて使い物にならなくなっても文句は言えないし、そうなっても作業にかかった時間分の工賃は請求されるものだと覚悟して頂きますようよろしくお願い致します。


今回は無事に大成功で終わったのですが、初めてのケースだった事もあり少し時間がかかってしまった為、工賃は実際にかかった作業時間に対してかなり安くはさせて頂きました。


次回はもう少し時間を短縮して作業できるとは思います。


ああ、でもできる事なら・・・こんなに集中力を消耗する作業はもうしたくないので、ヘッド周りのメンテナンスをサボっていると心当たりのある皆さんは、是非早めにベアリングの交換やオーバーホールをするように意識して頂けると幸いです。


あと室内でトレーニングされる方は汗を吸収する汗ガードか、またはタオルをハンドルからトップチューブにかけてから自転車に乗るようにして下さいね!

2023年2月25日土曜日

新たなトレンドの流れ?

 


最近自転車も旧車の良さをしみじみと味わう事が地味にトレンド化してきたように思う。


勿論当店のような業態だと基本は新車を売ってナンボの商売なのだが、古物取り扱いの免許も持っているので、今後はこういったビンテージバイクを売るようにシフトしてみるのも悪くない。

しかし当店がそもそも中古自転車を取扱いしてる事をネットでも紹介されているためか、「中古の自転車って扱っているんですか?安くて乗れたらなんでもええねんけど?」って問い合わせも実際のところ多く、対応するたびにストレスを感じる事があります。

店のポリシーには乗れたらなんでもいい!って言葉(価値観)が存在しません!

車と同じで今後何年経っても価値が落ちる事のない希少な名車か、元々のオーナーが大切に手入れしてきた新車並みに状態の良い中古車両しか僕は取り扱いしたくない。

特に名車と呼ばれる車両については、80年代と90年代の自転車をよく知っているという事が取り扱う際に真価を発揮する。

90年代後期に進化し尽くした『本物のロードバイク』が僕にとってのすべての基準になっている。

ここでいう『本物』とはどういう意味か?

メーカーによって使うパイプも違えば、ラグ(パイプ接続部の金具)も違う。

パイプを加工してみたり、装飾にこだわってみたり。

その使用するパイプの特性も含めて、ジオメトリーがフレームの性質や性格を決定付ける。

それを更にどう活かすかを味付けするのがフロントフォークである。

かつての自転車メーカーには選手目線でフレーム造りをする名工が何人もいた。

溶接や後付けの加工も必要ない非金属であるカーボンモノコックフレームでさえ、当時のメーカーはそのフレームを供給する選手の走りを研究して、ジオメトリーや剛性を考えて金型を作っていたはずだ。

ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリア、ワールドカップで活躍する選手たちと名工たちが二人三脚で自転車フレームを生み出していた時代は、僕の知る限りでは2005~2006年頃を境目に急激に減少したように思います。

そういう職人の想いが込められた作品を、僕は『本物』と呼んでいます。

それ以降は軽さが正義だったり、硬さが正義だったり、空気抵抗削減が正義の時代へと推移して、それらを自由に設計出来てすべての要素を実現できるカーボンフレームがすべてのロードバイクの頂点に立ってしまう。

だが僕の理論では・・・軽さは確かにあると嬉しい。特にヒルクライムで自転車の軽さがタイムに影響するというのは単なる都市伝説ではない。しかしそこまで軽さが必要か?と言われると、それよりは全体のバランスが重要だと強く訴えたい。なぜなら乗り手の体重や筋力によっては剛性不足だったり、筋力が無く体重の軽い人には硬過ぎる場合もあるからだ。

硬さは人によって、特に初心者で運動経験の少ない人や女性にとっては踏み出しが軽いという意味で正解だが、レースやロングライドにおいては膝や腰にダメージを蓄積させる諸刃の剣とも言えるので、長くロードバイクを楽しんでもらいたい当店のコンセプトでは基本的に勧めない要素である。

エアロロードについては、空気抵抗の事ばかり考えたフレームの落とし穴として、翼断面状のパイプ形状で元々縦剛性が高い上に、捻じれ剛性を意識し過ぎて更に硬いフレームになりがち。だからしなりが発生しにくいので巡行性能はかなり低く、最高速の伸びもいまいち。基礎体力やライディングフォームを徹底的に訓練した人じゃないと乗りこなせない。

わざわざエアロロードを選ぶ必要がないと思える根拠としては、自転車の空気抵抗の80%以上は乗っている人間が占めているからであります。つまりエアロロードの効力は40km以上の距離で競うタイムトライアルで、世界最高峰クラスの選手が僅か数秒のタイムを競い合う時に発揮するレベルだと知ってもらいたいのです。

ところで現在の自転車業界の面白くないところは、各メーカーが台湾や中国を中心にアジアでフレームの製造をしているところ。

かつてメーカーごとの良さがあった時代とは違い、現在は欧州の自動車産業と同じで自転車業界も完全にモジュール化されているのである。

例えばカーボンフレームの金型をパーツ分けして組み換えをすれば全く違う見た目や乗り味の異なるフレームにできてしまうので、実際のところ同じ工場で素材やパイプの形状など似通った製品が多く作られていて、それにメーカーごとのロゴを付けているというのが残念なポイントである。

2000年以降中国が自転車生産量と輸出量で世界一になった時から自転車は品質よりも低コストが当たり前になったのだが、それを台湾のGIANT社とMERIDA社が、ライバルの垣根を越えて手を取り合ったから、台湾製の自転車は価格競争に巻き込まれることなく高品質な自転車を生産できるようになったという点では、台湾製自転車の信頼性は間違いないのだが、単なる工業製品に成り下がった感が否めないというのはどうしても付きまとう。

つまり今の現行モデルの多くが、当時のロードバイクとは開発のコンセプトからして全くの別物であり、職人の魂も感じない無機質なものがほとんどであると言いたいのだ。

ところがそうは言っても、例えば無機質なフレームの代表みたいなカーボンモノコックフレームの中にも、レーサーの求める物が何かを解った人が設計し、作り出されたフレームであれば、間違いなく乗った瞬間に笑みがこぼれるものだって少なくはないので一方的に否定している訳ではない事をご理解頂きたい。

対するビンテージバイク。

他人によっては所詮中古かも知れないが、名車には当時の情景が焼き付いている。

フレームビルダーの情熱や匠が今も根付いている。

それとは別でロードバイクを本気でやりたいのだったら、「まずは鉄に乗れ!」って言うのは時代に関係なく常識だったりします。

スチールフレームは合金の種類によっても変わりますが、判りやすい例で言うならレイノルズの得意なマンガンモリブデン鋼のフレームなんかは、しなってその反動で推進力を増す自転車フレームが作れるので、乗り心地もよく巡行性の高さも誰にでも体感できるレベルである。

本格的なレーサー程、硬いフレームを好む傾向が強いが、例えばクロモリ鋼なら、一般の人でも程よい硬さとしなりや伸びをバランスよく感じられる。

要するにスチールフレームのロードバイクこそ、楽しく長く走る為に必要な要素を兼ね備えているという事。

乗り手を大きな故障もなく安全に成長させてくれるのもスチールの良さ。

しかも合金の違いや加工一つでレーシーな乗り味のものまで作れてしまう。

ちなみに僕は個人的にコロンバスのニバクロム鋼で作ったフレームが一番好き。

硬くて軽量化の為に肉薄化したフレームの場合、応力による金属疲労で溶接箇所が割れるなど、耐久性にはやや難ありなのだが、しなった後の反発の速さや、推進力に変わるタイミングが鋭くて、キレのある走りが楽しめたからである。

僕は今でも97年スペックのデローザ・ネオプリマートの乗り味が忘れられない。

デローザのスチールフレームはチェーンステーが菱形に潰し加工されていて、それが反応の良さを生み出している。

また97年スペックはラグ溶接タイプではなく、ユニクラウンタイプの武骨なフロントフォークだったのだが、このフォークがまた下りのコーナーリング時に時速70kmオーバーのスピードで突っ込んで行っても恐怖を感じないくらい、コントロール性と剛性のバランスが高次元で成り立っていたんですよね。

あんなにレーシーな走りに耐えられて、安心して自分の命を預けられる自転車はそうないと思う。

勿論僕は2000年以降の自転車でも名車と思える自転車には何台も出会ってきましたが、90年代に比べたら所有しても乗ってみても感動できる名車は大幅に激減したなぁ~というのが素直な感想。

幸い、うちの店は他店と被らないようにラインナップを揃えた結果、初心者に優しいコーダーブルームがあり、初心者からプロまで唸らせるエヴァディオに加え、ビクシズという唯一無二のブランドも扱いさせて頂いています。

どれも価値のある自転車を提供してくれます。

ビクシズに至っては150万円かけて完成したロードバイクが、30~50年後には1000万円以上の価値になる可能性すらある作品です。

まあそんな姿勢で自転車と向き合っているのが当店のポリシーなんですが、嬉しい事に最近は真剣に自転車の良さを知りたくて当店に通ってくれるお客様も少なくありません。


僕が初めて乗ったロードバイクが三連勝カタナだと聞いて、それが欲しくなったと購入したK様のカタナです。

スチールフレームの良さと、昔ながらのダブルレバー方式の変速フィーリングを体感してみたいという要望を叶えるべくオールドパーツで仕上げた1台。

歴史的背景として1993年にシマノがSTIレバーという現在の変速システムを発表。

同時にイタリアのカンパニョーロ社もエルゴパワーシステムを導入。

ハンドルを握りながら変速ができるようになってレースシーンは大きく変わりました。

1995年の夏、当時まだ震災後で神戸は街の復興も完全には終わっておらず、あちこち傷跡だらけの風景でしたが、そんな中で生き甲斐とか生きている実感を味わう為に新しい事に打ち込もうという気持ちもあって、春から僕が始めたのがサイクリングチームの設立であり、夏頃にはロードバイクのメンバーも増え、MTBに乗っていた僕もロードを買わざるを得ない状況になっていました。

当時のロードバイクは完成車がなかなか無く、完全なるレース機材として売られていた為、フレームとパーツをすべて自分の好みでアッセンブルして組み立てた場合、どんなに安いものでも30万円は下らない高級品でした。

入門者向けに各ショップでは、ショップオリジナルのロードバイクを少しでも安く販売していたりしたものだが、その場合は20万円足らずで作れるものの、レースで走るにはスペックも低く、何か物足りないものが多かった・・・

そんな中でロードバイクを新車で買う予算を持っていなかった当時の僕は、サイクルスポーツ誌の『売ります買いますコーナー』で中古の三連勝カタナを買いました。

オーダーフレームで533mmというイレギュラーなトップチューブ長で、身長174cmでこれからロードバイクを始める僕にはちょうど使いやすいサイズでした。

雑誌やロードバイクの教本みたいなものは根こそぎ購読していたので、自分にピッタリ合うサイズがどのくらいなのかは研究済みでした。

なお元のオーナーさんの計らいで使わなくなったパーツをおまけで追加してくれました。

震災被害の事も気にしてあれこれお気遣い頂いたんだと思います。

パーツは今は消滅したサンツアーというメーカーのSLというグレードで、2×7速のコンポーネントでしたが工夫すれば8速にも対応します。

ホイールは旧式のボスフリータイプでしたが、7速のスプロケ(12Tー21T)付きのアラヤ・エアロ4のチューブラーホイール前後をやはり中古で譲って頂きました。

当時はチューブラータイヤが全体の9割近いシェアを誇っていたのですが、実際にチューブラータイヤの方がレース向きの高品質なタイヤが多く、僕がチョイスしたクレメンのクリテリウムというタイヤは、しなやかさとコントロール性の高さが非常に素晴らしいタイヤでした。

当時車重9kgを割れば軽量と言われた時代です。

乗鞍に出場するようなヒルクライムマニアですら、まだ7kg台のロードバイクで超軽量を謳っていたのが懐かしい。

僕の三連勝は9.1kgとスチールバイクとしては十分軽量に仕上がっていましたが、ダブルレバーだったので、僕がレースにデビューした96年以降のレースシーンにおいては完全に負け組の装備でした。

STIレバー勢に対抗する為の僕の武器は?というと、フロントチェーンリングをシュパーブプロの54T×42Tにし、スプロケは12Tー21Tの組み合わせを駆使してスプリント力と最高速でカバーするしかないというものでした。

表彰台を狙う選手はみんなSTIレバーを使っており、そこに混ざってダブルレバーの僕が54T×12Tのギアを回し切って先頭を刺し返すために猛追。

いつも2位とか4位とかでなかなか優勝できませんでしたが、ダブルレバーでもまだまだレースで走れる事を証明したくて意地になっていたとは思います。

そんな当時の思い出も含めて、僕にとってはレーサーとして成長させてもらったロードバイクが三連勝だったもので、お客様が僕の思い出話を聞いて同じ三連勝カタナを購入してくれた時はとても嬉しい気持ちになりました。


これは以前にも掲載した96年のつがいけサイクルで初めてヒルクライムレースに出場した時のゴール後の写真です。

6月なのにまるで『雪の大谷』みたいな景色の中を走ったレースでした。

僕は元シドニーオリンピック代表の鈴木雷太さんと同じクラスで走り、彼のロケットスタートに付き合って序盤の5kmをかなりのオーバーペースで走った為、後半でペースが崩れて大幅に順位を落としてしまい、1時間13分36秒という平凡なタイムでゴールしたのですが、これが切っ掛けでヒルクライムにハマってしまうのでした。

翌年にはホイールを新調し8速化していました。(最初のホイールは下り坂を時速80km程で下っている際に轍にハマってグチャグチャに壊れる。)

アルテグラのハブにFIRのシリウスというリムで組んだのですが、この時にお世話になったのが、川西は鼓滝にあるサイクルショップカウボーイ。

そこの店長が僕にとってホイール作りの師匠にあたります。

結局98年の8月中頃まではこの三連勝カタナでダブルレバーのままレース活動をしていました。

そんな事を話していたら僕もまた、改めてスチールバイクに乗って初心に帰りたいなぁ~なんて気持ちになりまして・・・

実は博物館級のレアなスチールフレームを手に入れて、近いうちにそいつを復活させようと目論んでおります。

『エヴァディオ・ヴィーナスRS』や『ビクシズ・パトス』など、世界最高のロードバイクを所有していながら、今の僕にはそれをレースで乗りこなすだけの実力がありません。

もう一度『鉄』からやり直して、今後のロードバイクとの向き合い方を考えたいと思っています。