2023年2月26日日曜日

オーバーホールのシーズンですが、皆さんのヘッドパーツは大丈夫ですか?


特にロードバイクの場合に多いトラブルがヘッドパーツのオーバーホールやベアリング交換です。


どうしても前傾姿勢で乗る為、ヘッド周りには汗が滴り落ちるので錆びやすいのですね。


このお客様の場合は室内でローラー台に乗ってのトレーニングが多くて、尚更汗をかく量が通常よりも多くなるのです。


写真はヘッドのベアリングは錆びてゴリゴリどころか、シールドベアリングが分解して下の椀がフレームに固着した状態です。


最近はフレームの軽量化に伴う剛性確保でオーバーサイズ化しており、またフレーム素材もカーボンモノコックが増えた事もあって、ヘッドパーツの構造も独立した形状の物よりも、写真のようにフレームに直接埋め込むインテグラルヘッドと呼ばれる構造が主流になっています。


これも隙間から汗や雨水が侵入して錆びやすくなった、近年のロードバイクの特徴です。


とりあえずヘッド上部のベアリングは写真の通り、少しだけフレームよりもはみ出していた為、プライヤーで挟んで握り潰せば・・・



このように握力で十分破壊できます。


これでヘッド上部は新しいベアリングを装着できる状態に回復できました。



しかし問題はヘッド下部のベアリングの取り出し・・・。


こちらも錆でバラバラに壊れて椀の部分がフレームに固着。


それも上部のようにはみ出しておらず、完全にフレームの中に埋め込まれています。


そもそもカーボンとステンレスが固着?って思うかも知れませんが、金属は錆びたり酸化すると膨張するので、それで抜けなくなってしまうのです。


カーボンフレームを傷つけないように椀の内側2ヶ所をルーターで研磨しました。



地道な作業でしたが2時間ちょっと研磨し続けて、何とかフレームから引き剝がす事ができました。


ここまで見事に錆びて固着されてしまうと、最悪フレームを破損する可能性もあるので、できれば二度とやりたくない作業です 。(苦笑)


なので自転車屋に持ち込んで作業をお願いする時は、壊れて使い物にならなくなっても文句は言えないし、そうなっても作業にかかった時間分の工賃は請求されるものだと覚悟して頂きますようよろしくお願い致します。


今回は無事に大成功で終わったのですが、初めてのケースだった事もあり少し時間がかかってしまった為、工賃は実際にかかった作業時間に対してかなり安くはさせて頂きました。


次回はもう少し時間を短縮して作業できるとは思います。


ああ、でもできる事なら・・・こんなに集中力を消耗する作業はもうしたくないので、ヘッド周りのメンテナンスをサボっていると心当たりのある皆さんは、是非早めにベアリングの交換やオーバーホールをするように意識して頂けると幸いです。


あと室内でトレーニングされる方は汗を吸収する汗ガードか、またはタオルをハンドルからトップチューブにかけてから自転車に乗るようにして下さいね!

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