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2018年8月4日土曜日
待ちに待った!コーダーブルーム・FARNA-SL2参上!
コーダーブルームの新型『FARNA-SL2』
満を持して参上しました!
6066アルミ合金フレーム採用の新型は、ここ最近の輪界では珍しく名車と言っても過言ではない、先代FARNA-SLから比べて一体どう進化したのでしょう?
まずは仕様とざっくりとした公表データを紹介し、最後に重量の実測値とインプレッションを書かせて頂きます。
当店はシマノ新型105(R7000シリーズ)搭載モデルと、新型SORA搭載モデルの2車種をラインナップ!
まずは105搭載モデルですが・・・
R9100やR8000の流れを受け継いだ新型105なので、クランクの剛性は当然大幅に向上しています。
ホイールはWH-RS61からWH-RS500(WH-6800の後継モデル)へと変更。
RディレーラーもSSタイプでローギア30Tまで対応していますので、坂道が苦手な方にも優しい保険付きといった感じでしょうか?
初期装備としては扱いやすさ重視で11T~28Tのスプロケを装備していますが、シマノのラインナップでは12T~25Tと11T~30Tも用意されています。
チェーンリングは52T×36Tのミドルセッティングですが・・・
この自転車に関して言えばコンパクトドライブに依存しなくても大丈夫だと思います。
その根拠は後ほど書かせて頂きますが・・・
フロントフォークは当然ながらコラムまでフルカーボンです。
コーダーブルームのロードバイクは見えないところにもしっかりと、質とこだわりを追求した製品作りを徹底しています。
タイヤもマキシスのドロミテを装着しています。
700×25Cサイズはインターテックさんでも取り扱いにないレアなサイズですが、何が凄いって、パナレーサーのレースLエボ3に匹敵する超軽量タイヤなんですよ!
700×23のサイズしか重量を公表されていないので参考程度にしかなりませんが、レースLが180gなのに対してドロミテは185gといずれにしても超軽量タイヤだという事が判ります。
普通10万円台のロードバイクにこんなタイヤをアッセンブルしませんよ!
シートポストも先代のFARNA-SLから引き継いで櫓までフルカーボンのシートポストを採用。
これはOEMでタイオガさんからも同じシートポストが販売されていますが、このシートポストだけでも12800円します。
ちなみに僕もこのシートポストをエヴァディオのフレームに採用しています。
価格の割りに重量が軽く、櫓の前後をひっくり返せばオフセットの調整幅が大幅に増す作りなので重宝します。
特にカーボンレールのサドルを使用される方にはありがたい構造です。
尚FARNA-SL2-105に採用されているサドルはVELO社製のオリジナルですが、レールにはクロモリとチタンとアルミを融合させた材質を使っています。
融合=合金ではないとは思いますが詳細は非公表なので、じゃあ融合ってどういう意味なの?って、実は僕も???な感じではございます(笑)
あとシートのセッティングですが、乗ってみるとシートチューブが立っているような印象だったので、足の長い方は目一杯後ろへオフセットしないとセッティングが出ません。(普通に組み立てた状態の完成車は恐らくセッティングが出ていないので、性能も発揮できないという事を書き加えておきます。)
とりあえず今回のFARNAーSL2のスペック上の評価で言うと、先代SLに比べたらフレームの材質とその走りにこだわった結果、新型105とWH-RS500の他、多数の軽量パーツを採用したにも関わらず、重量はカタログ上200~300g程度増してしまったとの話です。
次に代わってSORA搭載モデルですが・・・
こちらは最高のポテンシャルを秘めたフレームを、目一杯コストダウンして誰にでも手が届く価格帯に仕上げようという努力が滲み出ています。
SORAは9速モデルなので、ホイールもWH-R501とコストダウンに貢献。
しかしクランクやブレーキキャリパーを他社製品にせず、シマノで統一する辺りは並々ならぬ企業努力を感じさせます。
SORAのチェーンリングは50T×34Tのコンパクトドライブなので、脚力に自信のない初心者にはベストです。
また6066アルミ合金フレームの特徴として、トルクフルな走りより高回転な走りの方が相性が良いので、そういう意味においてもベストなセッティングだと思います。
タイヤはマキシスのRE-FUSEと、これもコストダウンに貢献はしていますが、700×25Cサイズで235gの軽量タイヤですから、完成車価格115000円(税別)という、低価格帯の自転車としては、かなりトータルバランスを考え抜いたパーツアッセンブルだと思います。
この価格帯の自転車の場合、他のメーカーの完成車でここまで徹底して軽量化を追求したロードバイクは見たことがありません。
シートポストはオリジナルのカーボンシートポスト!
櫓はアルミ製ですが、この価格帯の自転車でカーボンシートポストって・・・
さすがにVELO製のサドルはクロモリレールにデチューンしているとは言え・・・
これで本当に採算は取れているのか?
不思議です。どう計算しても理解が出来ません。
現在のコーダーブルームさんの感覚で値段をつければ、フレームだけでも11万5000円(税別)はするはずなんですよね。
SORA搭載完成車はボーナスプライスにも程がある完成車です。
組み立ての際に気になった個所としては・・・
ブレーキインナーケーブルの毛羽立ちとか・・・
シフトインナーケーブルが梱包によって変形しているのが気になりました。
フロントディレーラーの位置もチェーンリングに際々過ぎるのと、ブレードの角度も合っていない感じがあったので、それもひっくるめて・・・
コーダーブルームの営業さんには「もうワイヤーとか通さなくていいので、全部店に任せて下さいよ!」ってお願いしたのですが、一応ブレーキや変速機の動作確認まで、メーカーとしての品質管理を徹底するために行なっている作業らしいので・・・
そう言われたら納得というか・・・せめて僕らは綺麗に仕上げ直す事でフォローするしかないよなぁ~って話でした。
後は前後輪のセンタリングと振れの点検及び調整を済ませたのに、バックステーのセンターが出ない車両があったので、バックエンドを研磨してバリを整えてからきっちりセンターを出しました。
他にも同じような車両があるかも知れないので、各取り扱い店舗さんはしっかりと仕上げて頂きたいです。
それでは最後にインプレッションと車重の実測値を発表します。
昨年試乗した試作品よりも大きく走りが変化しております。
また今回のインプレッションではフレーム特性を引き出す為、カンパニョーロ製のホイールで行なっておりますので、そこを加味してご覧下さいませ。
以前は6066アルミ合金をどう活かしたいのかが良く判らない仕上がりだったのですが、最終的に仕上がった製品の方は完全に6066アルミ合金の特性を上手く掴んだ仕上がりになっています。
まず6066アルミ合金ってどうなの?って話からさせて頂きます。
6000系アルミと言えば6061アルミ合金が自転車フレームに幅広く使われています。
ちなみに先代FARNA-SLは6011アルミ合金製でした。
これは簡単に言うと6061アルミ合金よりも軽くて硬い素材にはなりますが、金属パイプって断面形状や焼入れ処理の程度によっても変わってくるので、そういう意味ではFARNA-SLの走りって硬いけど・・・硬さをそこまで感じさせない優しさがありました。
で、6066アルミ合金ですが、6061アルミ合金よりもマグネシウムやケイ素の含有率が高く、特にケイ素の割合が高いアルミ程引っ張りに強く粘りがある。
つまりしなやかなしなりが生まれるのであります。
エヴァディオのバッカスSLも6066ですが、やはりしなってその反発で推進力を増す走りをします。
逆の視点で見ればしなやかなので乗り心地も良い自転車だという事です。
『アルミフレーム=ガチガチに硬いフレーム』は決して定説ではないという事です。
あとはその素材をどう活かすかっていうのが各メーカーの課題なんですね。
今回のFARNA-SL2は試作品の時と違って、断面が四角形のごついチェーンステーに変わっています。
でも実際に乗ってみるとそんなゴツゴツした走りではなく、なんだかサドルにクッションでも付いているんじゃないか?って思うくらいしなやかな乗り心地です。
踏み出しの軽やかさは、僕の評価では10段階で7点くらいですが、M籏君や山ちゃんの評価では9点以上との事。
山ちゃんに至っては、「先代SLを90点とするならSL2は93点だ。」と言っていました。
エヴァディオのバッカスSLに乗っているM籏君によると「バッカスSLよりも良くしなってくれるので、僕はこっちの方が乗りやすく感じます。」との事。
僕はバッカスSLよりは判りやすいフレームだと感じましたが、コーナーリングのブレーキで荷重移動によってフレームがしなると、若干溜め込んでしまう感じが気になりました。
コーナー出口からの立ち上がりで詰まってしまう感覚です。
ただ他の2人の話と合わせて検証すると、恐らく体重の違いによる挙動の違いなんじゃなのかな?って印象を受けました。
現在の僕は80kg以上ありますから他の二人よりも遠心力がかかってしまいます。
逆に54kgくらいしかないM籏君が、素直に自転車の挙動を感じ取れるっていうのは合点がいくというか・・・
まあいずれにしても乗り心地重視で考えれば良くできた自転車です。
ポテンシャルを引き出すなら体重は70kg以下に絞った方が良いといったところでしょうか。
試作品の時は上りの走り(シッティングもダンシングも)がとても面白かったのですが、その感覚はチェーンステーの変更により殺されました。
その代わりトータルで見てバランスはよくなったと思います。
バッカスSL程マメなシフトチェンジも求められないので、ある程度トルクを掛けても進んでくれます。
それだけに初心者でも乗りやすい部類には当てはまっているはずです。
先代SLとの優劣はつけ難いかな。
それぞれが違うベクトルの乗り物で、それぞれが良くできている。
それが一番判りやすい表現じゃないかと思いました。
十分な名車だと思います。
気になる実測重量ですが・・・
まず105搭載モデルの465mmサイズ(トップチューブサイズ535mm)が重量7.92kgで、SORA搭載モデルで同サイズが8.65kgという結果でした。
10万円台の完成車としては先代SLに匹敵する世界最軽量クラスです。
これからロードバイクを始めたい方、人とは違うロードバイクを乗りこなしたい方に、自信を持って強くお勧めできるロードバイクだと申し上げます!
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