2018年8月15日水曜日

穂高連峰日帰り縦走にチャレンジ!(第一話)波乱の幕開け!

今回チャレンジするに至った経緯は最後に書きます。

まず・・・

今回はさすがに命懸けのチャレンジなので、人生で初めて遺書を書いて臨んだという事。

義祖父と祖母にも頭を下げてから出発したという事。

しかもタイミングは最悪で、身体作りもなにもできていない状態だったのです。

そして穂高連峰は国内屈指の人気登山スポットであると同時に、国内でも1~2を争う危険地帯(一般登山道最難関ルート)なんです。

以前チャレンジしようとして、台風で全行程を歩くことが出来なかった黒部渓谷の『水平歩道(下の廊下)』も、高さ数百mで道幅60cm足らずの断崖絶壁沿いの細道を数十km歩き続ける、恐怖の渓谷だったのですが、今回行くところはそれに輪をかけて強烈な場所です。


これが僕の最も登りたい山『ジャンダルム』で、山頂の標高は3163m。

見ての通り、足を踏み外したら100m以上の高さを一気に落下して、更に転がり落ちる事になります。

ここで滑落なんてしたら、身体の原型はまず残りません。

そもそも3000m級の山々の稜線上を7km以上歩き続ける、綱渡りのような登山ルート。


このように仲間同士で来ている人は、ザイルで命綱をしながら歩いたり登ったりする箇所も多数あります。


ほぼ垂直のルートも多数あるのですが、最低限の鎖場とハシゴしかないので、経験とセンスとテクニックを求められる原始的なルートです。


単独の場合はザイル無しで岩の割れ目に手や足を掛けてボルダリングのように登ったり下りたり・・・


足幅の半分程度の道を壁伝いにトラバース(水平に移動する事)する箇所も多数。

通常は岐阜県側の新穂高ロープウェイで登り、西穂山荘に1泊してから西穂独標~ピラミッドピーク~西穂高岳~間ノ岳~間天のコル~天狗の頭~天狗のコル~ジャンダルム~ロバの耳~馬の背~奥穂高岳~穂高岳山荘と歩くのが一般的です。

でも長期で休みを取れない僕としては山荘での宿泊は取らずに、一気にグルっと1周するスケジュールしか選択肢に無く。


こんな感じで新穂高を槍ヶ岳方面に歩いて、白出沢沿いに穂高岳山荘まで直登し、そこから逆走ルートでロープウェイの西穂高口駅まで歩く・・・

しかも下山のロープウェイは最終16時45分発なので、それに間に合うように歩かなければいけない超ハードスケジュールなんです。

前回の唐松岳で計測した自分の歩くペースを参考に、多少体力が落ちている事を考慮して赤文字で自分のスケジュールを書き込む。

地図内には平均的な移動時間も記入されています。

後でわかった事なんですが、白出沢の荷継小屋跡~穂高岳山荘の登りの平均タイムがこの『山渓』の地図上では3時間となっていますが、最新の登山アプリによるタイムレコードでは3時間30分となっているそうです。

とはいえ初めて歩くルートですから、僕はこの地図を信じて歩くしか仕方がない訳で、多少の誤差なら歩きながら調整するくらいの気持ちで臨みました。


8月11日(土)

朝に一度お店に立ち寄ってから神戸を出発。

お盆休みとあって、神戸を脱出するだけで1時間半以上かかり、舞鶴若狭道や、東海北陸道で相次いで事故による渋滞や通行止に出会い・・・

途中新規事業の為の打ち合わせをする要件があったので、寄り道したとはいえ・・・

新平湯温泉に到着したのが19時45分。

ホテルから心配のご連絡まで頂きました。


こんなに真っ暗でこじんまりした温泉街ですが、祭囃子と太鼓の音が聞こえてくる。

どこか近くの神社でお祭りでもしているのかな?

でも夕食が本来19時半までに受付して欲しいって話でしたので、急いでチェックイン!


これがまた想像していたよりも豪華な夕食でした。

お盆休みでハイシーズン価格なのはともかくとして、数ある奥飛騨温泉郷(平湯~福地~新平湯~栃尾~新穂高~奥飛騨中尾など多数)の、ほとんどの旅館やホテルが満室の中、ラスト1室しか残ってなかったのがここだったのですが、料理は別室ですが個室でしたし、旬の地元の食材をふんだんに使ったメニューも美味しくて、最初から登山目的で来ている僕のような利用客には十分すぎる内容でした。

飛騨牛の朴葉みそ焼きも美味しかったですが、天ぷらは生地に朴葉みそを混ぜて揚げていてこれも美味しかった!

何よりある程度仕込み(作り置き)をしているはずの料理だと考えても、非常に驚きだったのがアユの塩焼き!

アユの塩焼きって作り置きだと硬くなって身をむしり難かったり、ゴムみたいに弾力はあるけど皮が硬くて綺麗に食べ難いなど・・・普通はそんなものじゃない?

それが滅茶苦茶柔らかくて食べやすく、味も落ちていない。

やはり岐阜のアユは絶品です!

ナツメの甘露煮も初めて食べました。

豪華だけど身体に優しいメニューで嬉しかったです。

食後僕は、真っ先に新穂高ロープウェイ駅近くの登山窓口まで、登山届を取りに行きます。


ちゃんとスケジュールやルート、自分の服装の特徴などを書き込んで届けるようになっています。


書かずに登山すると罰則の対象になる場合があります。

僕の行くエリアは完全に危険区域に指定されています。

何か事故があった場合の保険だと思って下さい。

勿論ちゃんと保険にも入りました。

遭難してヘリに救助されるなんて事態になったら、出動に関するコストとして300万円くらいかかる事もあるそうです。

皆さんも必ずそういう保険に入ってから入山するようにして下さい!



ところでここで困った事態になりそうな予感・・・

登山客用の無料駐車場である深山荘の駐車場が既に満車状態。

新穂高の第1と第4駐車場は空いていたけど、第2は使えないそうですし、第3も既に満車でした。

翌朝3時くらいに来るつもりですが、果たしてどこかに駐車できるのだろうか?

そう心配しながら宿に帰って温泉に浸かる。

日頃蓄積されている疲労が少しでも癒せたらいいなぁ~と思いつつのんびり入浴。

でも結局あれこれとルート上の注意点などを、過去に日帰り縦走をした事のある登山者の記事を読み直しながらチェックしていたら日が変わってしまい、1時間半くらいしか寝れませんでした。


8月12日(日)  1時40分起床

2時からまた温泉に入って軽くストレッチ。

「今から行くんだ!」って覚悟を決めて登山用の服に着替える。

装備品の確認も済ませて3時前にホテルを出発。

ホテルから新穂高までは道が綺麗で広くなった事もあって10分もかからない。

3時過ぎに登山届を提出。

ところが予想通りの展開。

深山荘の駐車場は当然満車のままだが、第4駐車場も埋まっていた。

確かに夜中から車の走り抜ける音が多かったので、深夜スタート組が想像以上に多かったって意味なんでしょうけど、そうなると僕はどこに停めればいい?

第1駐車場のランプは青のままだったので早速向かうがゲート前に6台くらい車が並んでいる。

何事かと思い、外に出て他の車のドライバーに事情を確認すると、「ランプは青で空車があるのに、どうにもゲートが反応しないらしいんだよ。」との事。

きっと観光者向けの駐車場だからゲートの開閉は時間の制限があるのでしょう。

さあ困った・・・

もう一度登山届の窓口に戻る。

駐車場案内の地図が置いてあった。

周りの登山者に話を聞くと「鍋平の駐車場なら空きがあるらしいんだ。でもその代わりロープウェイはまだ動いてないから、自走でここまで下山しないとダメなんだよ。まったく参ったよなぁ~。」って教えてくれた。


標高差200m以上も下山しないといけなくなった。

結局第8、第9駐車場も満車になったので、第7(地図で言うP7)駐車場に最後の1台として滑り込みで駐車が出来ました。

②~③間の下山所要時間は20分とあるけど、真夜中の真っ暗けの獣道じゃないか!と、少々怒りも湧きあがってきたが、怒っても仕方がないので、他の登山グループと一緒に下山口を探す。

今まで夜間登山でも一度もヘッドランプなんて使った事のない僕でしたが、最近のヘッドランプは小型で軽く、そして明るいので使いやすい!

ジェントスのヘッドランプが安くて明るいので助かりました。

さすがに整備されていない獣道になると、僕に分があるというか・・・歩き慣れているからなのか、どんどん他のパーティを抜いていく。

道の迷いそうな箇所や、足場の危険な箇所だけは大声で知らせてあげながらペースを上げる。

すると若くて背が高くてスタイル抜群のおねえさんが、僕と同様のおひとり様登山で歩いていました。

お友達になりたいものの、このシチュエーションで余計な声掛けをしたら変質者になってしまうので、激励だけして早々に抜き去りました。


ヘッドランプをしていてもこの程度の視界です。

結構狭くて危なっかしい道だったので、周りの登山者を見ているとちょっと心配になります。

そういう僕は本格的な登山は初心者なんですけど。(笑)

果たして大波乱の幕開けですが・・・

無事にチャレンジは達成するのでしょうか?

また次回!

0 件のコメント:

コメントを投稿