2018年8月7日火曜日

FARNA-SL2を購入する方に一言

コーダーブルームの営業さんから新製品について気になる点はないかという質問がございました。

凄く良くできた自転車だったので全体的には問題ないのですが、強いて挙げるとすればバーテープが気になったかな。

といっても当店も既に巻いてしまった後なので、写真による解説が出来ない事をご了承くださいませ。

尚、「なんでこんな面倒くさいバーテープを採用してるんだ?」と思った事は事実ですが、だから綺麗に巻けないとか、すぐに緩むような巻き方をしたとあっては、店のレベルが低いと思われるだけなので、そのバーテープに合った巻き方で処理はしていたのですが・・・

そのことを伝えるとコーダーブルームの営業さんから、そのバーテープについての具体的な意見を求められました。

「バーテープなんて消耗品で、半年~1年(ものによっては2年)もすればボロボロになって交換するんだから、そんなに神経質にならなくても大丈夫でしょ?」

それが僕の結論なんですが、コーダーブルームの営業さんってものすごく研究熱心というか、自社製品が常にベストな商品であることを望んでおられるので、今回工場側が採用したバーテープについて色々と心配をしているようなのです。

なのでFARNA-SL2に採用されているバーテープの特徴を簡単に説明します。



≪メリット≫

①両面テープ(粘着剤)が付いていないので、何度でも巻き直しが出来るという事。

②伸縮性が高い素材なので、通常のバーテープよりも癖がつきにくい。(巻き直しに貢献)

③吸汗性が高そうな素材である。

④グリップ力が高い。

⑤断面形状が平行四辺形の形になるよう、両サイドにスラッシュ加工がされていて、薄く凹凸の少ない仕上げが可能。

⑥薄く巻くと下り坂などで、下ハンを握った時のブレーキがしやすくなる。

⑦薄巻きなのに十分な衝撃吸収性がある。



≪デメリット≫

①両面テープ(粘着剤)が無い分巻きにくい、巻くのにテクニックが必要。

②①を踏まえて初心者ライダーが使用するとバーテープが緩んで解れる可能性が高い。

③伸縮性の高さも②に拍車をかける可能性が高い。

④吸汗性が高いが、汗や水を吸ったら途端にグリップが損なわれるんじゃないか?という懸念がある。

⑤スラッシュ加工のせいでテープの両サイドが薄くなっている。落車などで傷が入ったら簡単に破れてしまいそう。



ざっくりと言えば上記の通り評価です。



それに対する僕の意見ですが・・・



巻き直しが出来る・・・これって必要か?って思うのが一般的な考え方。

だって消耗品じゃない?

強いてこのメリットを真にメリットと言うならば、「バーテープの巻き直しくらい自分で出来るようになりたい!」って思うような人にはある意味練習材料になって超メリットだと思います。

納得いくまで何回でも巻き直しして下さい!

以前当店で働いていたN富君は、最初はそれこそパンク修理すらもまともにできないスタッフだったのですが、『綺麗に完璧な作業をする』という事にかける情熱が強かったので、入社して1週間後くらいには「バーテープの巻き方も綺麗に早く巻けるようになりたい!」と言って、自分のロードバイクのバーテープを、自宅に帰ってから徹夜で何十回も巻き直して、僕に見せても一発でOKがもらえるくらい綺麗に巻けるようになった・・・なんていう、世の新人スタッフさんに爪の垢を煎じて飲ませたいくらいのエピソードもあったりするので、そういう根性のある人には凄くありがたいバーテープですよね。

伸縮性の高さは正直いらない!無駄!

初心者の乗るロードバイクにありがちなのが、バーテープの緩みやズレ。

握るところが偏りがちで、しかも必要以上に力が入ってしまうので、どんなにしっかり巻いたバーテープでも緩んだりズレたりするものなんです。

FARNA-SL2が初心者にも優しいロードバイクだと証明された今、このバーテープの伸縮性の高さはちょっと邪魔かもしれません。

汗や雨で濡れた場合、滑りやすくなるんじゃない?って意見についてはそこまで懸念するほどの事ではないと思います。

素手で触って滑りやすくなったとしても、ローディーなら基本的にグローブをするのが常識じゃないですか?

仮に素手でもグローブありでも滑るものだったとして、雨の日に乗らなければいいだけの話です。

雨の日に走って・・・バーテープのグリップが悪いからコーナーリング中に手が滑って落車・・・

それをバーテープのせいだからってコーダーブルームさんにクレームを入れるの?

場合によっては訴訟問題に発展するの?

もしそんな話にでもなったら嫌~な世の中ですよね?

僕は事故になる事も想定せずに雨の日に走った人が悪いと思うんですけどね。

汗で滑るかどうかも、グローブをしていてそこまでの状況になるとは到底考えが及びません。

なので、その点に関しては論点から省いても良いと思います。

むしろ僕が気になったのはスラッシュ加工で薄くなった、バーテープの両サイドですね。

コンビニなどどこかに立ち寄る際、ビルの壁に立てかけたり・・・

落車したり・・・

そういうので擦り切れやすいのは確かです。

耐久性は通常のコルクバーテープの半分くらいに考えておいた方がいいかも知れません。

僕が気になるのはその点くらいかな?

あとはスラッシュ加工に気付かない、その加工の意味も解っていないショップさんだったら、裏表逆に巻いてしまったり、左右でチグハグになってしまったり・・・

そういうのはあるかも知れません。

このバーテープは巻くときに表裏と、巻き始めの向きに注意する必要があります。

(厳密に言うとこのバーテープには表裏の概念はなく、ここで言う表裏とはスラッシュの重なり方に対しての表裏を表します。つまり巻き始めの向きが全てを左右します。)

うちの山ちゃんもそんなの気にも留めずに巻き始めて、僕が「スラッシュ加工してあったやろ?ちゃんと意味解って巻いてる?」って聞いたら、「あっ!なにも考えずに巻いてました。」って、即巻き直し。

なので、面白い巻き方になっているお店も・・・きっとあるんじゃないかな?

まあそれはそれで有りな気もするので、左右がチグハグにさえなっていなければ、是非ポジティブに受け止めて欲しいレベルの話です。



以上、バーテープについてですが、半年から1年使えたら上々だとご理解下さい。

初心者の方が使う場合、どんなバーテープでも半年綺麗に使えたらすごい方だと僕は思っていますので、そんなに騒ぐほどの事ではございません。

ほぼ気にしなくてもいいレベルの話なんですけど、コーダーブルームさんの心遣いもあったもので、僕なりに検証して意見を書かせて頂きました。


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