10月13日(月)3:00起床。
前日の雨で夜間の気温が下がっているので、朝に相当冷え込まないと雲海の発生条件には及ばなくなる。
しかし実際に現地へ行ってデータを取ってみないと、確実に雲海を観測できる条件を知ることが出来ないので・・・
この日は駄目もとで和田山まで出向く。
今回は留美さんとミワさんが、雲海を観に行きたいという事で、3人で出発し、吉川から高速道路を使って走る。
鈴蘭台を出発したのが4:30って事もあって、急ぎたい気持ちはあったけど、睡眠不足につき行きはミワさんに運転をお願いして少し寝る。
篠山の手前で雲海が広がっていたので、少し期待がかかる。
青垣付近で外気温を確認したら9℃だったので、夜間の気温が20℃以上あったなら雲海が発生している可能性は高いんだけどなぁ~って考えていました。
遠阪トンネルを抜けて山東に着いたら、遠く養父の方まで雲海が・・・
「おお~っ!これは期待が高いぞ!」
しかし北近畿道はお年寄りのノロノロ運転に加え、同じように竹田城を目指す車が多くて、思うように進まない!
イライラ・・・
ステアリングも握ってないのにイライラしている僕に、ミワさんから「はい店長!うるさいので少し目をつむっといてもらえませんでしょうか?」とお叱りが入りました(苦笑)
しかし竹田城に雲海がかかっていなかったのは・・・
決して僕がイライラしていたからではございません。
「はあ~っ。マジかぁ~っ!」
一気に脱力。
しかしせっかく来たからには、金梨山と立雲峡に登ってみて、どのアングルから竹田城を観るのが一番美しいのかを検証せねばならない!
車を『まちなか駐車場』に駐車してから、まずは金梨山(かなしやま)を目指す。
本来は5:30までには到着したかったのだが、すでに時計は6:10!
もう随分と明るくなってきました(汗)
竹田の町中を抜けて諏訪橋まで北上。
諏訪橋(円山川)を渡って、民家の畑の脇に金梨山への登山口があります。
本当に登山道なのか?
そう疑念を抱くほど判りにくい道です。
日が昇ってきて明るくなったとはいえ、非常にもの寂しい登山道。
雨上がりなので湿地帯みたいにぬかるんだ場所を抜けたら、小さな鳥居が本格的な登山口の目印です。
真夜中でもライト無しで、六甲山の登山道を一人で歩ける僕が珍しく・・・
一人じゃ絶対に登りたくないって思える道かも・・・。
慣れてない道っていうのもあるけど、なにやら常に気配を感じるというか・・・
しばらくは伐採林の急斜面を登るのですが、見通しがいいので他に誰もいないのは間違いないのですが、妙な視線を複数感じてしまう・・・そんな落ち着かない雰囲気があります。
楽しそうに登っているお2人には一切そんな話はしませんでしたが・・・
でもこんな落雷を受けた木を見たら、楽しそうだった2人も、別の意味で恐がっていました。
しばらくはひたすら・・・
こんな道無き道を進みます。
まあ道に沿って伐採していると思えば、迷うこともありませんよね。
30分も登らないうちにお2人は息が上がって、表情から笑みが失せてました。
「まだ半分以上残っているよ!元気出して行こ~っ!」
ところどころ指標はあるものの、次の指標までの距離があるので、途中で道に迷ったら最後です。
6合目くらいまでは尾根伝いに登る感じなので、何とかなりますが・・・
こんな鬱蒼とした箇所もあったり・・・
これ・・・道なのか?って、首をかしげながら歩く箇所も多々あり・・・
でも6合目付近まで来ると、向こうに竹田城が見えてきます。
今で標高が同じくらいってところでしょうか。
こちらは朝来山(あさごやま)です。
丁度写真中央付近が立雲峡でしょうか?
金梨山大権現まで続く参道(山道)は6合目で一旦ピークに立ちます。
ピークは視界が開ける分、「どっちに行ったらええねん?」って突っ込みたくなる要素が満載です。
迷わない為には所々、木にリボンが巻きつけてあるのを、目ざとく辿って行くしかありません。
ここで尾根の反対側へ少し下って、山本体へと登山道は続きます。
リボンの付いた木が倒れていて判りにくい箇所もありましたが、指標がこのように倒れている箇所も2~3箇所ありました。
どっちへ行けばいいのかは、本来あるべき指標の姿を想像できれば判断が可能です。
だからって・・・
ホンマにそっちでええのんか?
初めて登る人には難易度が高過ぎませんか?(笑)
だんだん進むのが萎えてくる。
またしても倒木まみれの急斜面。
ゴールまであと少し!って思いながら登るより他に、モチベーションを維持する要素がありません。
ゴールが近くなった証拠に、倒木エリアから岩場のエリアに風景が変わりました。
しかし・・・人為的な石垣のように思えるのは僕だけなんでしょうか?
写真では判りにくいですが、転げ落ちたらエライ事になりそうです。
歩きながら撮影していたので、かなりぶれてしまいましたが、この岩場を登ったらゴールは目前です!
やはり!
これは明らかに人為的な石垣です!
金梨山大権現に関わる建築なのか?
或いは竹田城を防御する為の砦があったのか・・・
そういえば登山口の付近にも棚田のように階段状の石垣があったので、もしかしたら周辺の山には栄えていたであろう当時の遺構が所々残っているのかも知れない。
この石垣を登ったところに・・・
とうとう金梨山大権現の祀られている天然の岩の祠が見えてきました。
祠へはどうやって登るんだろう?
あの松を掻き分けて岩を登らないと辿り着かないのか?
それだとまるでどこぞの修行場じゃないか!
でも目標が目の前にあるのに、わざわざ迂回路を探すなんて・・・
野生児という名の単純バカには出来ませんので・・・
向こうにカバンを置いて、ここまで登ってきました。
これがそこから見た景色です!
右手には・・・
祠です。
自然に積み重なった大岩の中に祠があります。
大権現の正体は『コノハナサクヤヒメ』
RPGゲームやアニメで有名な『ペルソナ4』を知っている人なら、馴染みのある神様ですね。
しまなみ海道でお世話になっている大山祇神社の御祭神の娘さんにあたります。
ただ・・・お姉さんのイワナガヒメと共に嫁ぐ事になった相手(ニニギノミコト)が、イワナガヒメのみを拒否した為に、コノハナサクヤヒメまでが呪いをかけられてしまったのだとかで・・・
本来ならば、木の花のように咲き乱れ繁栄し、それは岩のように永遠のものとなるはずだったが、イワナガヒメを拒絶したことにより、木の花の命は儚いものとなった・・・という話。
そんな話に関係あるのか・・・
金梨山の由来は元々『悲し山』が語源だと云われています。
竹田城を落ち延びた姫が、この山から落城を悲しんだ事から・・・という話らしいのですが・・・
祠の奥まで行ったら・・・どこからともなく光が差し込んでいるではないか。
見上げると岩の隙間から木漏れ日が・・・
素晴らしい!
留美さんとミワさんにも「登っておいでよ~!」って声を掛けましたが・・・
「そんな所、恐くて登れませ~ん!」って返されてしまいました。
しかし・・・
僕の登ってきた岩の向こうに道らしきものが見えます。
向かってみると迂回路らしき道を発見しました。
決して楽ではないかも知れないけど、留美さんやミワさんでも何とか登れそうな道。
僕も一度降りて迂回路から登り直してみました。
「なんだこんなに楽な道があるんだったら判りやすく看板でも付けといてよ!」
竹田城も余裕で見下ろせます!
金梨山大権現と竹田城。
ようやくお2人が大権現に到着!
ホント・・・これが自然にできたって考えたら奇跡ですよね。
とても神秘的な場所でした。
雲海は残念だったけど・・・
この景色に出会えたのは素直に嬉しかったです。
迂回路の方から金梨山山頂へ続く道が・・・
左の枯れ木がまるでモンスターみたいに見える。
暗いうちに来なくて正解でした(笑)
ネットで調べたら「初心者には不向き」とか、「低山だと思ってなめて登ったらいけない山」だとか、散々な事が書かれていましたが・・・
本当に下りも散々でした。
ミワさんは「目の前にコガネグモが垂れ下がってきた!」って叫んでいましたし・・・
地蜂も多くて、僕も追いかけられました。
何度か道を間違えそうになりつつも、冷静に判断して無事に登山口に戻ってきました。
ここまで下ってきたら安心です!
この鳥居が登山口の目印!
そういえばこの向こうの森の中に幽霊屋敷みたいな古家があって、ちょっと怖かったです。
諏訪橋が見えてきました。
日頃登山をされている愛好家の方で、大権現まで70分かかると言っていました。
今回は登りが65分、下山が70分かかり、ほぼほぼデータ通りでした。
逆に言えば・・・
このお2人がよく頑張ったって話でもあります。
お疲れ様です!
この後車に乗って更に朝来山の立雲峡まで移動します!
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