2015年9月27日日曜日

9月 5日(土)走行会・・・エアロホイールに頼る意味?

何でみんなエアロホイールにこだわるのか・・・
 
特にマサやんとかユル原君とか、若い人間がそんな道具に頼るような必要性あるの?
 
僕も94年頃からアルミディープリムの『カンパニョーロ・シャマル』ってホイールに憧れていました。
 
シャマルは今でもラインナップに残っていますが、全く別物になっています。
 
当時のシャマルはジロやツールのチャンピオンがはいてこそカッコイイホイールで・・・
 
完組みホイールが当然の時代で、しかもヤフオクやメルカリなんかで安く中古が手に入る現在においては、誰でも高級で剛性のあるホイールを買えてしまうのが、妙に物悲しいというか・・・。
 
 
 
98年の秋になって、ずっと手組みホイールにこだわっていた僕は、初めて完組みホイールに手を出す事になる。
 
シャマルを買うほどのお金が無い僕に、当時お世話してくれたショップの店長が、『ジピエンメ・テクノ416』を、僅か5万円で売ってくれたんです。
 
                       (写真はテクノ420)
 
前後で2kg近い鉄下駄(クソ重たいホイールの通称)でしたが、シャマルのような外観と、しびれるくらいの剛性!
 
「東君の脚だったら使いこなせるはずだよ!」って言われて、その年のツール・ド・おきなわの市民ロード200kmでいきなり採用する事にした。
 
「時速40kmを超えてからその恩恵が判るんだ!」
 
その言葉を信じて使った感想ですが・・・
 
重量があるので初速はもたつく感じ。
 
しかし一度回ってからの伸びは尋常じゃない!
 
慣性がついて加速が増していく感じ。
 
時速50km以上のペースで走っても持続できる素晴らしさ。
 
スタートして80km地点を過ぎた普久川ダムの上りは大会側が用意してくれる高低図では、8kmの距離で標高差400mを上る、平均5%の傾斜だったので・・・
 
「一気に上って・・・せめて1本目の山岳賞だけでも貰って帰らなきゃ!」って思った僕は、今までの人生で最大の出力を出し切って走ったんですね。
 
上り始めで2人の選手がアタックを仕掛けたのに便乗して、僕も飛び出したんですけど・・・
 
その2人があまりにも遅かったので、一気に抜き去って単独のアタックになってしまったんです。
 
平均斜度5%という情報を信じていた僕は、53T×15Tのギアを120回転以上回して必死に逃げ、山岳賞ポイントまで残り3kmの付近まで時速50~56kmのスピードを持続していました。
 
あれだけの集中力で120%以上の力を出し切ったのは、後にも先にもそのレースの時だけでしたが・・・
 
残り3km地点を越えてから、いよいよ何かがおかしいと感じた僕は、道路脇に登坂10%の看板を目にして「やっぱり!」と現実に戻される。
 
高低図を信じ込み過ぎた分、現実を叩きつけられたダメージは大きい。
 
途端に慌ててインナーへシフトダウンするも、惰力が速過ぎて、ギアと回転数と実際のスピードがシンクロしなくなって余計なロスになる。
 
さっきまで時速50km超だったスピードは一気に32km程度にまで失速し、慌てて36kmまで加速するも後ろを振り返ったら、さっきまで見えなくなっていた集団が、縦一列になって追い上げてくる。
 
僕なんかに山岳賞を取らせない!って思っている選手も当然いる訳で、154名いた参加者のうち30~40名程の先頭集団が時速40km以上のスピードで、一気に僕を抜き去っていった。
 
山岳賞ポイントまで残り1kmの看板を目前にした時の事だった。
 
「リタイアしても構わない!それでも山岳賞だけは勝ち取って帰るんだ!」そう思っていた僕が、10%の看板を見た際に、せっかくツール・ド・おきなわの大舞台で走っているのに、完走しないでどうするんだ?っていう迷いを生じた事が集中力を切らせた敗因。
 
あのまま身体がぶっ壊れても良かった。
 
1つ目の山岳賞だけでも勝ち取れりゃ、それだけで名誉だった。
 
ゴールまで120kmを残してのアタックは早過ぎたのか?
 
山岳賞ポイント通過時に関門のスタッフに、先頭とのタイム差を聞いたら1分と返され、「くそっ!たった1kmで1分かよ!」って焦って下り区間に突入するも、脚が攣りそうになって下りで踏めない!
 
下りでは時速65km前後で走りつつ、ストレッチをしながら・・・必要以上にタイム差をつけられない事だけを考えた。
 
ツール・ド・おきなわでは、先頭から15分以上遅れたらタイムアウトになる。
 
200kmっていう長丁場で考えたらかなりシビア。
 
沖縄本島の辺戸岬を通る海岸線は、山岳で脚を使い切った人間には過酷過ぎるアップダウンの連続区間。
 
僕のせいで先頭集団から分断された第2集団や第3集団の選手たちは、それでも僕に対して罵声を浴びせるどころか・・・
 
「まだ走れるか?しばらく引いてあげるから、頑張ってついて来いよ!」って声をかけてくれて・・・
 
しかし僕はもう時速40kmですら出せないくらい消耗し切っていて、「ありがとうございます!でももう足手まといになるので気にせず行って下さい!」って答えるしかできなかった。
 
こんなスポーツマンシップに満ち溢れた人たちと一緒に走れた事の喜びと、自分の不甲斐なさに対する怒りと悔しさ、全身がバラバラになりそうなくらいの強烈な痛みで・・・
 
スタートから120km地点を越えた付近から、僕は涙を流しながら走っていて、2回目の普久川ダムへの上りではとうとう、腰の激痛に耐える為、大声で泣き叫びながら走って・・・気を失ったままコースを歩いている所を、タイムアウト選手を収容するバスに拾われたという屈辱。
 
そんな痛い思い出が詰まったディープリムホイール。
 
それ以来、実力も無い人がエアロホイールをつけているのを見たら、「使いこなせるもんやったら、走りで見せてみろや!」って、やたら噛みつきたい衝動が湧いてくるようになったっていう・・・
 
 
 
それだけに個人的にはせめて全盛期の頃の脚が戻るまで、エアロホイールには頼らないようにしよう。
 
そう思っていたんですね。
 
ところがトミーさんのBORA-ONEを借りて絶好調で走るマサやんに対して、ぶち抜いてやりたい衝動に駆られた事と、久々にディープリムで走る感覚を味わいたくなったので・・・
 
密かに準備をしていたのです。
 
僕のテクノ416は下り坂で時速80km近いスピードで走っている時に、轍にはまってリム打ちし・・・
 
フロントリムだけ無残な姿になってしまったので、たまたま状態の良い中古を見つけて購入しました。
 
なぜテクノ416にこだわるのか?
 
まず僕は、ネコも杓子もカーボンっていうこの時代に苛立ちすら感じるところがあって、あえて逆らってみました。
 
重くても走るって解れば、軽量にこだわる意味が無い事を証明できる訳ですし・・・
 
最近はアルミのディープリムがなくなったので、復活の兆しを作れたら・・・って簡単にはいかないけどね(苦笑)
 
まあそんな訳で今回は、意地っ張りにもアルミディープリムホイールにこだわってホイールを組み直してみたのです。
 


テクノ416のリムにTNIの『エボリューションライトハブ』とサピムの『CX-RAYブラックスポーク』と組み合わせて組み直し。

まあホイール作りに長けている人なら、写真を見ただけで判ると思いますが・・・

これがまた残念な仕上がりに・・・(笑)

まずエボリューションライトハブのリヤ用に16Hモデルが無くて32Hのハブを使用。

そもそも前後ともに16HのホイールにサピムのCX-RAYじゃ、剛性不足過ぎるって話。


後輪フリー側は4本組で普通にタンジェント。


しかし32Hのハブで16H組するって事は、フリーの反対側でそれなりの工夫が必要になる訳で。

2穴毎にスポークを通すパターンで2本組み。

そうでもしないとバランスが取れないので、ラジアル組みなんてまず出来ない!


何とかそれなりに形にはなって、十分な張力で組む事はできたのですが・・・


一応見た目は悪くないけど・・・

ちなみにホイールの前後重量は1640gと、見た目より軽く仕上げ・・・

タイヤはTUFOの幅18mmの物を採用したので1本165gと超軽量!

これで前後セット1400g台のクリンチャーホイールに幅23mmのタイヤとチューブを装着するくらいの重量にはなっているはずです。


この日はヒデさん、トミーさん、N様2号、H川様、トミーさん2号と6名で出走。

前回の件でマサやんからしつこいくらいルールを解りやすく説明してから走ってくださいと頼まれていましたので、この日は本人は来ていませんでしたが、約束通りきっちりルールを説明の上スタート。

空港島では全員が先頭交代して、いつものコースを7周しました。

そして悪い予感が的中!

僕のホイールはラジアル組みしたフロントはそれほど違和感がないのですが、リアホイールは完全に剛性不足!

僕のトルクにきしみ音はするし、コーナーリングではホイールが寄れてブレーキに擦れて失速をするし・・・要するにコーナーで粘れないし、立ち上がりでダンシングでもしようものならホイールが曲がってしまいそうになる。

やはり重量は重くてもいいから強度の高いスポークで組まないと駄目ですね。

結局コーナーの立ち上がりでジワジワとしか速度を上げれない僕は、またしても6周目から遅れを見せてしまい、先頭から40秒遅れでゴール。

それでも今回は全員でのローテーションが少し上手くできたので、手応えは感じました。

そして前回『金魚の糞』って怒った件で、N様2号に謝罪をしたら・・・

「先週は久々の走行会だったのでサボらせてもらったのは確かなので、そんな事は気にしていませんよ!それに僕も伊達にプレミアの走行会を走ってたりしないので、少々のスピードなら頑張りますよ!」って・・・

むしろN様2号的には、早くみんなが協力し合って走れるようになってもらいたかったみたいで・・・

これからまた頑張りましょうよ!って話に落ち着きました。

僕もちょっと頭を冷やして、この9月からは色々切り替えていこうと思います。

とりあえずホイールは再び組み直して・・・

でも今の自分には普通のホイールでもいいから、そんな事よりは基礎から身体を作り直したいものです。

I藤様~!一緒に朝錬か夜錬しましょうよ~!(笑)

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