9月29日(火)
閉店間際にエヴァディオの試乗車を返却する事になった。
イタリアの大手C社に製造ラインを失われ、少数生産となったヴィーナス01。
その01フォークモデルは、いよいよ残った在庫で廃番となるらしい。
手に入れるなら今が最後のチャンスでしょう。
一応今後はペガサス用のフォークをアレンジして、新型ヴィーナスとして近々発表されるそうだが・・・
ペガサスは既に出来上がった感があって、これ以上進化する必要も無い感じ。
違うフォークをつけたら、それはそれで違う走りを楽しめそうではあるが、今のままが一番バランスが取れて扱いやすいし、乗ってて楽しくもある。
試乗したいと言いながら、来れなかったお客様には申し訳ないが、一旦返却します!
ところで社長の息子さんから素晴らしいお話を頂きました。
「是非東さんに乗ってもらいたいフレームがあるんです・・・。」
それは商品化するにも価格設定で苦しみ、結果的に売れる価格にすると採算が合わないって事で、事実上ボツとなったプロトタイプのフレーム。
実際に製作したのは2本だけだそうだ。
そのうちの1本は息子さんが乗っていたらしいのですが、最近お客様からどうしても欲しいといわれて譲ったそうで・・・
今回はその残ったもう1本のフレームを、僕にどうですか?という・・・非常にありがたい話でした。
一見ブルーに見えますが、実際にはマジョーラカラーで、見る角度や光の当たり具合で色が変化するあれです。
昇り鯉?なんだか極道好みの紋々のようなデザインで、少々厳ついですね(笑)
この写真だとマジョーラ感が少し判りますか?
マジョーラカラーにも色々あるそうですが・・・
これはアンドロメダ2というカラーに近いような。
ところでこのフレーム・・・ヴィーナスの新型としてラインナップする予定だったようですが・・・
素材はカーボンではございません。
なんとスカンジウム合金なんです。
インテグレーテッドシートポストと極太カーボンフロントフォークの演出が、乗り味にどう影響するかはまだ判りませんが、組み上げるのが楽しみです。
スカンジウム合金といっても、結局アルミだろ?って言われるかも知れません。
最近はアルミ=廉価グレードと捉えられがちなので、勘違いして欲しくないのですが・・・
アルミフレーム自体がある程度完成されて、これ以上極端な進化もしない今だから、価格もこなれて安くなっただけで・・・
最近では20万円以下の完成車に使われるようなアルミフレームが、15年前だったらフレーム単体で30万円以上はしたであろうって考えたら、価格が下がっただけで性能が低いわけではないとご理解頂けるだろうか?
自転車も車のようにどんどんモデルチェンジするので、最新モデルの自転車が良いに決まっている!って思われている方も多いかも知れない。
しかし技術の進化で多少軽量化と高剛性化が進歩したくらいで、乗り味自体はそれほど劇的に進化したとは思えないし、今でも90年代~2000年代初頭の自転車に乗って、「やっぱりこの自転車はいいよなぁ~!」って思える自転車は数多い。
ある意味今よりもお金をかけた自転車が多かった時代なので。
なので高い自転車=良い自転車っていう公式は、必ずしも正しくはないと思って下さい。
ところがこのスカンジウム合金のフレームは今の時代においても高級素材なのである。
過去にエディーメルクスのスカンジウム合金フレームが、『北の地獄』と云われるパリ・ルーベで3年連続で優勝に輝くなど、石畳の悪路を物ともしないしなやかな走りが可能なのだが、生産コストを考えたら・・・と手を出さないメーカーがほとんど。
現在デ・ローザのラインナップにあるスカンジウムフレームは、税込で約50万円するフレームです。
アルミベースのフレームだからといって、決して安くはないのです。
恐らくエヴァディオでも最もコストのかかったフレームだと思います。
それなのにカーボンのヴィーナスや、チタンのペガサスより安く販売するとなると・・・
間違いなく採算が合わない訳です。
実に貴重なフレームを譲って頂ける事になりました。
またいずれ組み上げたらインプレッションを兼ねてレポートします。
世界に2台しかない幻のエヴァディオを!
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