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2014年12月16日火曜日
中部・北陸サイクリング~その8~完結編・・・国道8号線バイパス爆走!それでも届かぬ冬の夕日・・・
内灘総合公園の南西にある展望台と風力発電施設。
内灘浜に限らず、能登半島の西側沿岸は基本的に風が強い。
僕が初めて参加した『第8回ツール・ド・のと』(1996年)は、丁度2日目に台風が能登半島をかすめて行ったので、大荒れでした。
初日は宿泊施設の数の関係等で、輪島ゴールグループと、曽々木ゴールグループの2組に分かれるのだが、輪島と曽々木では18km以上離れている。
しかし2日目のスタート時間は全く同じ時間なのである。
輪島スタートだった僕は暴風吹き荒れる中、18km先をスタートした先頭グループに追いつく為に単独で時速30km以上をキープしながら追うのだった・・・
基本的に『ツール・ド・のと』はセンチュリーライドの代表格みたいな大会ですが、3日間で400km以上を走る訳なので、当時の僕は腕試し程度に考えていたんですね。
初日は最後尾くらいからスタートして、約1時間前に出発した先頭グループを追いかけ、単独ながらも常に時速50~55kmのスピードを維持して走り、羽咋の中山エッグ休憩ポイントまでには先頭に追いついてしまい、そこからは昼食ポイントだった門前健民体育館前までは、自衛隊の先導車を追い抜く事ができないので、フラストレーションを溜めながら走り・・・
サイクルコンピューターの平均時速は、せっかく金沢市内を抜けてから38.6kmにまで貯金していたものを、門前町では31.9kmまで落としてしまい、少しでも挽回したい気持ちからわざとスタートを遅らせて走りだす。
しかし序盤の疲れが昼食休憩の後にドッと出てきて、ラストの難関である円山峠の上りで脚が攣ってしまうのだった。
下りでストレッチをしながら走っていたら、現役の競輪選手って人に抜かれ、下りで人に負ける事が許せなかった僕は猛追し、そのまま輪島市内までもつれ込んで、ラスト4kmからスプリント勝負になり、ゴール前200mで競り勝った僕の平均時速は32.8kmまで回復。
ちなみに初日に走った距離は126km。
そんな経緯があっただけに2日目は、台風だろうがなんだろうが、「今日こそは平均時速40kmを超えてやる!」って思いで走っていたのですが、真っ直ぐ走る事さえ困難な暴風の中で、1度は突風に煽られて、対向車線側の道路脇の岩盤に叩きつけられ、それでも落車する事なく無事に木ノ浦のチェックポイント(休憩所)に着いたものの・・・
その頃には既に満身創痍で、40km少々の距離を走って平均時速28km。
その数字を見ただけで、もはや心が折れかけていたという時に、僕は木ノ浦CPでデローザ・チタニオのジロ・デ・イタリア優勝モデルに乗ったY様と出会う。
その時僕が着ていたジャージは94年モデルのゲヴィス・バランチームのジャージ。
そう、94年にジロを制したチームのジャージです。
当然当時の僕が最も憧れていた自転車はデローザ・チタニオ。
一瞬で意気投合してしまったそのY様と僕は一緒に走る事になったのですが・・・
このY様のスピードもさながら、完璧なアシストもあって、僕は単独で走るよりも息の合った仲間と走る事の大切さを学んだのでした。
能登半島の先端を回ってからは風の影響も落ち着き、再び時速50~55kmをキープして走り続ける。
当時平地と下りのスピードでは誰にも負ける気がしない・・・そんな中二病だった僕のスピードにもピッタリついて来てくれて、当時はまだ苦手意識が強かった上りでは逆に僕をリードしてくれて、傾斜が5~10%程度の上りも時速36kmを割る事なく走り、あっと言う間に平均時速も上っていく。
しかし風の影響は去ってもこの日は悪天候。
珠洲も穴水も通過して、間も無く和倉温泉ってところで、左は海で右は潟って一本道が存在するのだが、そこでタイミング悪く波が迫ってくるのが見えた。
「あかん!なんちゅうタイミングやねん!うお~っ!」
海面すれすれの道路脇に申し訳程度ある防波堤?に打ち付けて砕けた波を頭からバサリと被り、「こんなルートをコースに入れやがって、殺す気かボケ~ッ!」って叫びながら走り、更には能登島大橋を渡る最中から雨雲の下に入り、ラスト10kmはようやく追いついた先頭グループと土砂降りの中でスプリント合戦。
ゴールライン通過時に前後輪とも滑って、横にスライドしながら走ったあの恐怖を今も忘れない。
しかし悪天候の中2人でアシストし合いながら走って、40km地点では平均時速が28kmを切るか切らないかで走っていた僕が、177km走破した時には35.4kmまで挽回したのだから、今考えてもすごい走りをしたと思う。
内灘浜の波を眺めながら、ふと昔の事を思い出して、よく考えたらこの日僕が着ていた長袖ジャージは96年モデルのゲヴィスチームのジャージ。
別に意識して着てきた訳じゃないだけに、何か運命的なものを感じてしまう僕でした。
それにしてもY崎様3号にお借りしたスチールロード。
さすがにそろそろしんどく思えてきました。
いくら乗り心地がいいといっても、トップスピードの伸びは時速40kmを超えてからが頭打ちで・・・
30km台前半で走るなら楽だけど・・・っていう性質が、ロスタイムを巻き返したいと考えている僕にはちょっと重荷になってきました。
おどけて幸せの鐘を鳴らしているA部様ですが、かなり疲れています。
僕の乗っている自転車より軽量な、カレラのカーボンフレームとはいえ、だいぶ脚を使ったので、かなりフレームに体力を吸われていると想像できます。
そう考えたらやはりTREKのドマーネは優秀ですね。
K南様は訳あって(笑)シューズをスニーカーに履き替えているものの、まだまだ底力を隠し持っています。
丁度自転車競技場では変り種自転車の試乗会見たいなのをやっていました。
「なかなか楽しそうやん!」
ちなみにこの競技場の向こう側に僕が鎖骨を折った事故現場があるのです。
思い出しただけで左の鎖骨に違和感を感じてしまうのと、そろそろ時間もヤバくなってきたので・・・
「さあ!行きますか!」
内灘大橋と河北潟の景色ともお別れ・・・
帰りは県道8号線から県道25号線を経由して、国道360号線~県道20号線~県道148号線と走って尼御前に向かう予定だった。
僕が判断力を狂わせたのは犀川を渡った辺りでの事だった。
久々に来た金沢の景色が余りに変わっていたので、念の為にサポートカーのY崎様2号にこの先のルートを聞いたんですよ。
「もうすぐ8号線と合流ってなっているよ。」
「えっ?うそっ?(汗)」
そう、現在県道8号線を走っている事を考えたら、改めて合流する8号線って、当然国道8号線か?って思う訳ですよ。
僕の頭では国道8号線に合流どころか、接触もしないはずだという記憶があって、ここで混乱する。
でも実際のところ、その先で合流するのは同じ県道8号線の新道の方だった。
だって国道8号線は北陸自動車道よりも内陸だから、冷静に考えたら判るはずだったのに・・・
そう・・・実はこの新道と合流する手前で右折すれば、次の目標だった県道25号線に入れたのである。
それを突き止めずに新道へ合流した僕は、「???」な状態に陥っていた。
そして北陸道の白山ICが見えて初めて南下し過ぎたって事と、ここがまだ国道8号線ではないと自覚をする。
慌てて右折して再びサポートカーのナビを確認。
実はまだルート修正は可能だったのだが・・・
ナビに最短ルートを確認したら、松任から小松までは国道8号線バイパスを走るルートが最短最速と出たのである(汗)
「え~っ!マジか?おかしいなぁ~。そんなはずはないねんけどなぁ~。」
しかし下手に道を反れて、もしも本来のルートを見つけれなかった場合を考えたら、さすがに恐ろしく思えて・・・
「じゃあそのナビのルートに従います。」って結論に至ってしまったのです。
そして松任から県道291号線を経由して、いよいよ国道8号線バイパスに合流。
明らかに遠回りになってタイムロスだと感じた僕は、ここのバイパスで少しずつ加速。
K南様もA部様もついて来るのが確認できたので、ここで一気に加速して、実に松任から小松までのバイパスの区間、約11.2kmの距離を、まさに平均時速36km以上のペースで駆け抜けた。
僕のサイクルコンピューターは常に時速42~48kmのスピードを示している。
ちょっとした上りの区間も惰力で38km前後の速度を維持し、怒涛の快進撃である。
サポートカーのY崎様も驚くくらいのペースで小松を通過!
小松空港を抜けて安宅スマートICを横切った時には16時40分。
本来17時に尼御前に到着予定でいた事を考えても、かなり挽回したのであります。
30分のタイムロスを内灘でUターンする事で20分のロスへ減らし・・・
その後ルートを大きく外してしまったものの、この調子なら17時05分にはゴールできそうだ!
しかしなのだ・・・
西の空が分厚い雲に覆われてしまった事も含めてだが・・・
思いの他日没が早かったという(涙)
雲のせいで夕焼けすらも美しく見えない空模様。
安宅ICと片山津ICの中間で僕は他の3名から決断を迫られる。
「わかりました!これは行ってガッカリするくらいなら、少しでも早めに帰宅する方向性に行った方がいいですね。粟津温泉は当初の予定よりも内陸ですし・・・。帰りましょう!」
「ここから粟津温泉までは9km弱です!」
「よしそれなら頑張って走れますよね?」
「すいません店長!僕はここでリタイヤしてもいいですか?」
A部様がとうとう限界を訴えたのでした。
いやいや十分頑張りましたよ!
街中でダラダラ走った箇所もあるし、パンクやK南様のトラブルでゆっくり走った箇所もあったにも関わらず、僕の平均時速は26kmですよ。
多少の個人差があっても、事実上は平均時速30km以上のペースで100km以上の距離を走ったのですから、本当によく走りました。
「まさかこんなに速いペースで走らされるとは思いませんでした。」
そう言われると「ごめんなさい!」としか答えられません。
そもそも夕日を見るのならゴールの時間は16時半までに設定すべきだったし、初日の移動時間による疲れが皆さんにはきつかったのも事実です。
これはこれで次回のサイクリングイベントの企画では、参考にして計画できるので、そうですね・・・
次回は宿泊場所とコースを出来るだけ近い場所にしたいと思います!
そしてA部様がサポートカーに乗って間も無く雨が降ってきました。
「マジか?すごいタイミングですね。」
残った自転車組2人が走り出して左手を見ると・・・
小松空港の進入灯(着陸の誘導をする灯火)が綺麗に輝いている。
しかし携帯のカメラだとなかなかピントが合わないですね。
とりあえず無事に粟津温泉にゴール!
2日目の走行距離は110.9kmでした。
その後自転車を車に積んでからの帰りは、(少しでも安い)ガソリンスタンドを探して彷徨ってしまい・・・
せっかく予定通りくらいに帰路についたにも関わらず、晩御飯タイムが遅くなり、神戸への帰着時間も23時半を回ってしまいました。
まあもう少し早く帰ってくるというのも、今後の課題になりそうです。
それにしても今回も楽しいサイクリングができて本当に良かったです。
一緒に行った3名の方々、僕が留守中にお店をサポートして下さったメンバーの皆様、本当にありがとうございました!
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