2014年10月31日金曜日

第43回『TEAM EURO』走行会!・・・例のあの呪いが発動か?悪夢の失速

10月25日(土)の走行会。

この日は待ちに待った組み合わせ!

僕とI藤様、H川様が箱学ジャージで勢ぞろい。

更に京伏ジャージを着たN様2号も参加!

そこにマサやんが加わって5名で出走。

H川様にしてみれば地獄のような組み合わせだったと思いますが、よく一緒に走ってくれました。

この日H川様以外は全員、「再度ドライブウェイでバトル!」ってモードに入ってましたので。



ただ・・・僕が当店オリジナルホイールを装着した・・・とはいえ、色々と物議を醸しているトンプソン・フォースで出走する事に対して・・・

「えっ?店長、正気ですか?」

「勝負を捨ててませんかそれ?」

「そう?いや・・・ピナイさんに乗りこなせて、自分がいまいち乗れていないって事が許せないじゃありませんか?やっぱり自転車をしっかり評価する意味でも、今一度ホイールを変えて試乗する価値はあると思いません?」

「それは解るんですけど、でもその自転車で上りは辛いでしょ?」

「そこが先入観の可能性もあるじゃないですか?実際ピナイさんは気持ちよく上っていましたし。」



そうなんです・・・フォースはまたがって踏み始めて間無しの瞬間は、どうしようもなくポテンシャルをちらつかせてくれる自転車です。

「やればできるかも?」って勘違いワールドへ引きずり込んでくれます。

そして力尽きた瞬間、容赦なく乗り手に牙を剥きます。

そんな悪魔的自転車の性質、そのままの自転車なんです。

過去にもそんな悪魔的な自転車は色々と乗ってみましたが、フォースは特にエグイですね。

元々乗りこなすのが難しい自転車ですから尚更って感じです。

僕のジタン・マッハ3001もそんな性質の自転車でしたが、購入した当時は僕も今とは比べ物にならないほど体力が有り余っていましたので、それほどダメージも無かったのですが、一度プライベートで乗鞍岳を全力で走った際、標高が高いせいもあるかも知れませんが、ゴールして地に足を着いた瞬間、重力に押し潰されるような感覚になって倒れ込み、10分くらい立ち上がれなかった経験があります。

実際に走っている瞬間、自転車に命を吸われている感覚は確かにあったんですね。

それでも僕は個人的にそういう自転車が何よりも大好きです。

自分の命を削ってでも速く走れるのなら、迷いなく僕はそんな自転車を選びます。

なのでジタンの時とは明らかに感覚は違うけど、非常によく似た性質を持っているフォースを手なずけたいって気分になるのは、僕にとっては極々自然の事でした。

車でもそうなんですね。

悪魔的な加速をする車とか・・・ステアリングとシフトノブを握った瞬間ゾクゾクしてくるでしょ?

最近・・・今乗っているランエボが、燃費が悪いくせに反応が遅いというのが、どうにもつまらな過ぎて、もちろん別に公道で飛ばす訳でもなんでもないのですが、トルクが不足してもっさりした反応がイライラするんですよ。

なので自転車にも同じような素直さをつい求めてしまうんですね。

もう10代や20代の頃のような狂気的な感覚ではありませんが、僕は速度という快感に魅入られて一度は中毒にまでなっていた人間なので、スピードを出さなくなった今でも、自転車や車の反応が自分の要求について来ないとストレスに感じてしまう訳です。




話は戻り・・・

とりあえずいつも通り国体道路を西へ走り、神戸電子専門学校前の坂道でウォーミングアップして山本通を進む。

この時点では普通に走れているし、異変はありませんでした。

ただ決して体調は万全ではなく、例の如く寝不足&朝食を食べずに出走って状態だったので、僕のイメージでは「30分を切るくらいで走ろう!」って感覚でいました。

これまで魔界ばかり走っているので、30分で走っても余力が残せるだろう・・・という考えと、I藤様がこれまでギア縛りばかりだったので、今回は一緒に走って使うギアを指示して欲しいとの要望を受けての事でした。

H川様がスタートしてから信号を2回待つ。

それから4人で一斉スタート!

トンネルを抜けるまでは1分25秒。かなりペースを抑えています。

ビーナスブリッジの橋の下を4分15秒で通過。まあ普通のペース・・・(って事はトンネルを抜けてからのペースはやや速いペースである)

ここでN様2号が先頭に出る。

いつもは無理に追わないけど、なんだか普通に行けそうだったのでついて行く。

ゼブラゾーンはトラクションが逃げないように目一杯意識するが、やはりここで余計な筋力を浪費してしまいますね。

その後最初のヘアピン2つ手前の右コーナーに差し掛かった時に8分を経過。

「ああ・・・14年前ならもうヘアピンを曲がっているよなぁ。」とか思いながら走るも・・・

「あれ?でも最近ではもう2つ手前のコーナーで8分だったから、これっていつもより300mくらい速く走れている?」

そうです。

この時点で僕は28分前後で走れるペースで上っているって自覚をする。

しかし次の瞬間・・・

「うわっ!なんやこれ?」

僕の両脚の太ももに子供くらいの重量がそれぞれ圧し掛かってきたのです。

突然重くなって動きが鈍くなりました。

同時に胃酸が喉まで逆流して気分も悪い。

「ハンガーノックか?でもこの脚の重さは何なんや?あかん!僕はもう無理やから行って下さい!」

すぐに僕はマサやんとI藤様に道を譲る。

それまで39T×21Tを踏んでいた僕は、一気に25Tまでシフトダウンしたが、それでも踏めないほどパワーダウンしていた。

結局フォースに28Tまでスプロケのギアがあったので助けられた感じ。

最初のヘアピンが見えた時、N様2号が9分で通過して、その10m後ろをマサやんとI藤様が追って行く、そして先ほどからなかなか追いつけないでいたH川様もそこにいるのが見えた。

でも脚が棒のようになった僕は10分で最初のヘアピンを通過。

それでも30分を切るのは可能なタイムだが、ここからが全く伸びない!

次のヘアピンが見えた時H川様が曲がって行くのが見えた。

「先頭は10分前後で碇山のヘアピンを通過か・・・」

下手をすれば26分台で走るペースで3人が走っているのだと思うと、突然走れなくなった自分が許せなくて情けなくて・・・

もうリタイアして下山したいほど脚が重い。

それでも最悪H川様に追いついて、H川様のアシストができるなら走る意味はある。

その為だけに堪えて走りました。

H川様は僕の見込み通り速くなっていました。

いつもなら信号2つ待ってもビーナスブリッジで追いついていたのに、今回は明らかにペースの速かった僕らでさえヘアピンまで姿を確認できなかったのですから。

「これはひょっとしたらH川さんは35分以内で走れるかも・・・。頑張って追いつかなきゃ!」

しかし気持ちは前へ前へ行こうとするものの、身体がいう事をきかない状態になっていて・・・碇山の最後のカーブを曲がり切った瞬間、H川様が最初のピークを通過してシケインへ消える背中を確認しました。

「あかん・・・H川さんにも追いつけない!」

ちなみにそんな状態でしたが、最初のピークを何とか16分ジャストで通過。

恐らく先頭グループは確実に14分以内で通過しているであろう。

得意な下りも一切ペダルを踏めない。

惰力はできるだけ無駄にしないようにアップダウンの連続を走るが・・・

大竜寺の手前の上り区間では、とうとう僕は後ろから両手を腰に回すようにして何かにしがみつかれる!

凡そ自分と同じくらいの体重の、誰かにしがみつかれたような感覚に陥ったのである。

「マジかよ?なんで急にこんなに身体が重くなるねん!」

気持ち悪いほどハッキリとした感覚で、後ろからしがみつかれているのが判った。

ハンガーノックの症状の延長でこうなっているのか?本当に霊的な何かなのか?

バカみたいな話ですけど、そう疑いたくなるような状況に陥っていました。

追いつきかけていたH川様の姿は遠退き・・・

走ること自体が苦痛に思えてきました。

でも無理さえしなければ少しは回復する!って信じて、行きたい気持ちを抑えながら39T×28Tのギアを回して身体の調子を整える。

再度公園の分岐を23分40秒程で通過。

外人墓地への上りの向こうにH川様を確認!

いつもの僕ならここから8分かからずに関の茶屋にゴールする事を考え、今回は10分くらいかかる予想をする。

次にH川様が2~3分前にスタートした事を踏まえると・・・

「35分台で走れるかどうかの瀬戸際やなぁ~。何とか最後の上り区間で追いついてアシストしなきゃ!」

そう思って外人墓地からの下りを走るが・・・

「H川さん速いな~!下りでも追いつけないや。」

2連続ヘアピン区間を抜けた時には、もうH川様は学習の森のコーナーをとっくに通過していたのである。

更にタイミング悪く後ろから車が2台、僕を追い抜きにかかったので、速度を落とさざるを得なくなって、「行くんならさっさと行かんか~い!」って思わず怒鳴ってしまった。

お陰で学習の森コーナーからの上りで惰力が使えず、自力でジワジワと上るしかなくて・・・

ようやくH川様に追いついたのは、森林植物園西口の2つ手前のコーナーだ。

「H川さん!今で経過時間は何分ですか?」

「え~っと、約33分半です。」

「マジっすか?際どいですね。ついて来れますか?」ってリードする。

西口からゴールまではいつものペースで2分弱かかるので・・・

できるだけH川様のリズムに合わせて、速度を調整しながらラストの上りを引く。

H川様は以前に比べても、まだまだ余力が残っている感じでスムーズについてきます。

ゴールしてみたら僕のタイムが33分25秒。

H川様は残念ながら36分54秒だったそうです。

そんなにかかっていたようには思えませんでしたが・・・

それでもH川様はこれでまたタイムを大きく更新する事ができました。


写真は関の茶屋にてマサやんの撮影!I藤様が泉田君(自称:変態)の決めポーズを真似しています。

それに触発されたN様2号が、御堂筋君のモノマネをして撮り直すとこうなる・・・


なぜかI藤様までキモキモポーズをとっていた。

H川様だけが何のポーズを真似ていいやら困っていたという状態です。



で、問題の先頭グループがどうなったかというと、我慢できずに抜け出したマサやんが27分57秒で逃げ切り、N様2号は追い込めずに28分30秒で2着、思いの他伸びなかったI藤様は30分10秒ほどで3着だったそうです。

まあ前半のスピードを考えたら当然の結果ではありますが、嘘か誠かつい最近までは34分くらいかかっていたというマサやんがまさかの27分台です。

ポジションの見直しをしてから一段と速くなりましたね。

自転車を乗り換えたら・・・更にもっと速くなるかも知れません(笑)

I藤様はそろそろタイヤが限界かも知れないので、早くニューバイクが完成するといいですね!

今塗装に入ってますのでフレームは11月10日頃までには出来上がりそうです。

あとはシマノパーツのみですね。

やはりいつもの如く納品日が遅れています。

納品が遅れてお客様から「プロ意識がないのか?」って怒られるのは僕らショップや卸業者、自転車メーカーの方なんで、きっちりと期限どおりに準備して頂きたいものであります。

でもこれでいよいよI藤様もエヴァディオデビューですね。

「鬼に金棒!I藤にエヴァディオ!」って具合に、また異次元超特急に磨きがかかりそうです。

マサやんもエヴァディオ・バッカス01かペガサスにするか・・・次の自転車を模索中で、先日K林様のバッカス01に乗させて頂いた時には目を輝かせて感動していました。

ちなみにI藤様のエヴァディオは、ベースフレームがバッカス01のようですが・・・

実は世界に1台だけのエヴァディオにしようと思って、ワタナベ塗装さんに無理なオーダーを聞いてもらっています。

僕もその仕上がりが楽しみで楽しみで仕方ありません!



とりあえず胃酸が逆流して気分の悪い僕は、カフェオレを1本飲んで少し落ち着きました。

しかしここまで悪霊に憑依されたような、ずっしりと身体の重いハンガーノックは初めてです。

時間的にはまだまだ六甲山まで上れる時間でしたが、表六甲の旧道がまだ復旧していないのと、僕自身また身体が重くなって走れないと恐いので、この日はここで折り返して帰る事にしました。



ところがその帰り、カフェオレで少しは集中力が戻った僕でしたが、トンプソンが逆ブレーキ(左右のブレーキが欧州仕様になっている)である事も加わってか、思うように下り坂のコーナーリングでラインを作れない。

ブレーキングはフロントブレーキの絶妙なるコントロールに真髄がある。

自分の自転車を含め、通常自転車を組み上げる際は、右手がフロントブレーキなので、コントロールをしやすいのだが、それが左手となると思うように微調整が出来ない。

この2ヶ月間トンプソンに乗って、かなり逆ブレーキには慣れたつもりですが、やはり集中力が切れていたのでは上手く走れないですね。

後ろから珍しくH川様にプッシュされていました。

H川様も少しずつですが、最近は下りも速くなっています。

学習の森からの外人墓地までの登坂では、I藤様の追撃を交わしつつ、何とか気持ちよくは上れました。

帰りのルートはさっきみたいな症状にはならずに走りきれそうです。

次に大竜寺の上りを、自分の調子を測りながら上っていたら、また誰かがものすごい勢いで追い上げてくる音が聞こえました。

「I藤さんか?Nさんか?」って思って振り向いたらマサやんでした。

BMC・TMRは初速こそそれほど速くないものの、一定の速度からの伸びは恐ろしく速い。

まあ、ラインをカットすれば一気に失速するんですけど・・・

そんなピナイさんみたいな高等技術は使えないので(笑)

ある程度のアタックならカウンターをかけるつもりでいたので、もちろん追いましたが・・・

後方メンバーが遅れているので、上り切ったところで速度を緩めて停まる。

「えっ?マサやん・・・行くの?それはあかんやろ!」

一応うちの走行会ルールはバトルのない時は、ピークや分かれ道で必ず後方メンバーを待つという暗黙のルールがあったのですが・・・

よく考えたらマサやんは最近入ったメンバーなので、その辺のルールはまだ知らないのである。

まあ根本的にN様2号といい、マサやん、ピナイさん等は、行きたくなったら行くタイプですね。

誰かのアシストをお願いしていても、途中で我慢できなくなるタイプなので・・・

致し方ないですね・・・

「仕方ない・・・追うか。」

一度は後ろを気にして振り向いた僕でしたが、マサやんを追う事に。

「さて・・・お手並み拝見!」

最後の碇山の上りで、今度は刺し返してやろうと程よい距離を保ちながらマサやんを追う。

しかし思った以上にマサやんの下りのスピードが速い!

いつもの遅いイメージでいたら、途端に離されそうになりました。

しかも下手に速度を上げて追いつくタイミングを誤ると、上りで速度差を作れなくなってしまうので、慎重に距離を保つ・・・

「今や~!」

そう思って一気に追い上げて上りきる30m手前で捉えるが、左側から刺そうとしたらブロックされ・・・

すかさず右側へ切り替えしたらまたブロックされ、思い切って反対車線から抜きに行けば確実に刺せると思ったものの、センターラインを踏んだ瞬間に思い留まって諦める。

オレンジの車線は追い抜き及び、はみ出しは厳禁です!

それにそこまでラフな走りをしてまで抜いたら、なんだか大人げが無いなぁ~って。

ピナイさんに引き続き、僕まで完全にブロックしてくるなんて、マサやんはなかなか巧い走りをします。

ここから先は基本的に追い抜き禁止なので、本気で抜く気はありませんでしたが・・・

見事にブロックをされたお礼はしないといけません!(笑)

「先頭を走る重さを知るがいい!」ってなノリで、後ろからプレッシャーをかける。

これまでのマサやんとは比較できないほど、この日のマサやんは下りでキレてました。

「速いなぁ~。これは本当に抜けないなぁ~!」

碇山のヘアピンへの突っ込みは正気の沙汰ではなくて・・・

「おいおい!それはオーバースピードやって・・・」

僕は逆ブレーキ故に慎重に、それでもキャットアイを踏まないギリギリのラインで曲がって行く。

すると次のヘアピンでマサやんが失速、そこから2つばかり先のコーナーまで速度が上り切らず、またラインもキレていない。

「はは~ん。さっきのでビビリが入ったな・・・さては。」

更に後ろから走りを見ている限りでは、左のブラインドコーナー及び、ヘアピンが苦手って事が判明。

左コーナーの度にインべたでタイヤをねじ込むと、マサやんが慌てて立て直す様子が見れて楽しい。

少し車間を離してはコーナーの度に一気に差を詰めて楽しんでしまう・・・

これって、車で峠を走りまわっていた人間の本能なんです。

前を走る車を追い詰めて追い詰めて、精神を衰弱させてミスを誘発しやすくさせる・・・

下りで僕の前を走っちゃいけませんね(笑)

ついスイッチが入りそうになってしまうので。

それでもマサやんは最後まで頑張って先頭を走り切りました。

「いやぁ~!よく頑張ったね。こんなに下りで走れるなんて思ってもみなかったよ!」

「僕、こんなスピードで下りを走ったのは、生まれて初めてっすよ。マジ恐かったっすわ!」

「まだまだ速くなれるんじゃない?」

「いやぁ~。あのプレッシャーは半端ないっす。」


実に関の茶屋からの僕の走行タイムは、後ろを待って立ち止まった時間を省くと16分ジャスト。

割りと速いスピードで下ってきました。

僕も再度の下りでここまで飛ばしたのは久々で、結構楽しかったです!

他のメンバーは少し遅れて慎重に下ってきました。



それにしても僕は・・・

今度は腕と手のひらが痛い!

ゼブラゾーンの振動が恐ろしく強烈で・・・

フォースと当店オリジナルホイールの組み合わせは、再度のコースでは最高に最悪でした。

「ここまで振動をモロに食らったのは初めてや!」

「そんなにですか?」

「今度マサやんもフォースで再度を走ってみる?」

「えぇ~っ!本気で言ってるんですか?」

「フォースが乗り方次第では上りも速く走れるって、誰かに証明してもらいたいなぁ~。」

「僕の脚質じゃ無理でしょ?」



という訳で、どなたかフォースで登坂に挑むチャレンジャーを求めます!



この後何とか仕事は頑張って乗り切りましたが・・・

次の日に疲れを残した事は言うまでもありませんでした(笑)

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