そして荷物を軽くするために、ゼリーなどの補給食を全て食べ尽くす。
岩の間を抜けて重太郎新道へ・・・(9:00スタート!)
いきなりこれです。
僕が今立っている左側は何もない切り立った絶壁です。
こんな狭い急斜面をいきなり下りるところから始まります。
しかも10名ほどのグループが登ってくるので渋滞です。
皆さん鎖を持って一生懸命登ってくるので、僕は右側の岩壁に点在する隙間に収まりながら、登ってくる人を優先に道をお譲りする。
頭は痛いけど鎖には頼りません。
滑りやすい岩ですが、亀裂や凹みにかかとを入れて、半ば滑り台のように下りる。
何度も言いますが写真の左側には何もありません。
崖です崖!
頭痛が無かったら・・・きっとこんなに楽しい道はないでしょう。
最初はあまりの高度感で面喰いましたが・・・(笑)
とうとう上高地は大正池まで見渡せるようになりました。
上高地で観光散策している人たちには、こんな別世界のような危険なルートを歩いている人たちが、双眼鏡を覗いたら見える・・・なんて知る由もない。
25分程下ってきて振り返る。(渋滞待ちもあったので、本当ならここまで10分くらいで下って来れます)
しかし怒涛のような下りなので、どこを歩いてきたのかも判らない。
恐らく中央上の痩せ尾根を登った先に紀美子平があるはずです。
最初のハシゴ区間を登った所で奥穂高岳とジャンダルムを見上げる。
その区間を時計回りに巻くように下ると・・・
『雷鳥広場』・・・らしい。
肝心のライチョウが見当たらないので、らしいとしか言いようがない!
僕のフラストレーションが溜まります。(笑)
更に下ると『岳沢パノラマ』です。(よく見たら岩に文字が書いてあるのが判ります)
ここでまた忍者のように速いお一人様が2名(男性1名と女性1名)追いついてきたので、道をお譲りする。
気温は随分暖かくなってきたのですが、頭痛が一向に直らなくて、2人と競ってペースを上げる元気が湧かない。(涙)
この段差を降りるのって頭痛にはガンガン響くのです。
『天狗のコル』から岳沢小屋へ下りるエスケープルートを探るが・・・
写真左に見える道みたいなのがそうなのか?
いずれにしてもあまり人が歩かないルートなので、廃道寸前の悪路だそうです。
岳沢小屋が見えました。
見えただけでここからのルートがまだ長いのであります。
下りもなかなか・・・
2つ目のハシゴ区間。
ハシゴは2つあります。
岳沢小屋~紀美子平を結ぶ、重太郎新道のほぼ中間地点です。
『カモシカの立場』・・・?
一体どんな立場に追い込まれているのでしょうか?
ここの岩場に立ったら貴方もカモシカの立場が理解できますよ!(笑)
3つ目のハシゴ区間!
ここのハシゴは長いです。
登ってくる人を優先して譲り合って下さい。
岳沢小屋が地味に近付いて来ています。
こんな狭い岩の間を潜り抜けます。
落差もあるので要注意!
岳沢小屋の上にテント設置場所があって、そのガレ場を抜けて沢を一つ渡ったら岳沢小屋です!
奥穂高岳山頂(標高3190m)から1000m以上の高低差を下ってきました。
11:20 岳沢小屋に到着!
コカ・コーラが無かったのでペプシを購入したのですが・・・
カロリーオフのペプシじゃ、化学甘味料の味が不味くて前回のような感動は蘇らない。
しかも開けた瞬間泡が噴出して、落としてしまう・・・(涙)
(飲み口は汚れなかったので飲む事はできた)
ここでご婦人の登山グループに話しかけられて会話していたが、頭痛に響いて元気が出ない。
少しでも回復させたくて、ここでお昼ご飯を食べる事に・・・
岳沢小屋はカレーに甘口と辛口があって、辛口を頂いた。
美味しいけどレトルトなので、北穂高小屋のカレーに軍配が上がる感じです。
そしてここでまた僕の電話に着信が・・・(11:51)
「な~んて時に電話をかけてくるんだよ~!」(笑)
わざと大げさに出て見せた。
今お昼ご飯を食べたところだったから普通に通話できるけど・・・
もしも当初の予定通り西穂高岳までの縦走路を歩いていたとすれば、今頃天狗の頭の逆層スラブを下っているところか、間ノ岳のほぼ垂直の北壁を登っている最中だったはず。
そう考えたら全然シャレになっていないタイミングだ。
その区間は一瞬の気の緩み=墜落死の可能性大の区間です。
岳沢に下っていて本当に良かった。
そして岳沢小屋を出発。(12:00)
ようやくストックを使う気になったので取り出した。
小屋を出て上高地までの下りルートは、また沢を渡って林道に入るのだが、その前で白人男性とバッタリ出くわしたので道を譲った。
ところが白人男性は僕へ先に行けと言うもので、止むを得ず先に沢を渡る。
実はそこに罠があった。
道は譲られた側が急いで通過しないと待たせて申し訳ないという心理が働く。
その場合道のペイントや看板を見落としがちになる。
しかも僕の場合白人さんが立っていたので、一切の目印が見えていない。
そのうえ白人さんが誘導して進行方向を手で示してくれたのは、沢沿いに下る道・・・。
後でDVDを観てルートを確認したら、確かにガイドさんが「ここは間違って沢に入らないように注意して下さい!」と言っていた。
僕は完全に悪意のない罠にはめられてしまったのである。
どこまで下ってもペイントや看板が見当たらないし、先に出発したご婦人方の姿も見えない。
しかも石段の高さが最初30~50cmくらいだったのが、途中から1mくらいになってきて、「これって女性や年配者にはあり得ないだろう?」って疑問に思ったので足を止める。
完全に無になって耳を澄ませると、登山者のクマ鈴の音が聞こえてくる。
左手の崖を登ったかなり上だ。
「くそっ!今から来た道を戻るなんて手間だしカッコ悪いし・・・仕方がない登るか!」
そう思って崖をよじ登る事にしたのですが、かなり低木が邪魔をしていて、崖なのに枝を跨いだり、潜ったりしながらでないと登れなくて大変でした。
ヘルメットを脱いでリュックサックに入れていたので、枝を潜るとリュックが引っかかって動けなくなったり・・・
僕が身動き取れなくなったところを、目の前にメジロが飛んできて・・・
「ぷぷぷ・・・お前そんなところで何をしてるの?馬鹿じゃない?」とでも言っているかのように、しばらく見つめてから飛び去って行った。
ここでのロスタイムは20分くらい。
そしてストックの先端のラバーキャップを1個紛失。(崖を登る際に土に埋もれて抜けてしまった)
新調したカーボンストック・・・使用開始30分で役に立たなくなる。
ラバーが抜けてしまうと雪用になっちゃう為、岩を突いたら割ったり傷つけたりしてしまうので・・・
本気で地面を突く事が出来ません!
という訳で、バランス取り程度にしか役に立たなくなってしまいました。(汗)
想定外の大被害です!(笑)
そして岳沢~上高地ルートが最も地味でしんどいルート。
岳沢湿原(標高1520m)までの標高差650m
摩耶山頂から王子公園駅まで一気に下るような感じですが・・・
所々ガレ場があって足を挫きそうになるので油断は禁物。
途中10か所に看板があって、位置を把握できるようになっていますが、なかなか次の看板が出て来なかったり、見つけられなかったり・・・結構ストレスに感じます。
なので僕は自分の感覚を頼りに・・・
「今で標高1850m・・・1800m・・・。」といった感じでカウントを取りつつ、時々見つける看板に記載されている標高と比較して、「よし!ニアやん!」と当てて喜んだりしながらじゃないと、本当に退屈で仕方がないルート。
これはほぼ後半に出てくる風穴!
女性が一人で休憩を始めたので、邪魔をしてはいけないと思い、風穴の涼しい風を味わう事も無く下山。
岳沢湿原に到着!
途中2ヵ所ほどオコジョの糞を確認したのですが、オコジョそのものを見る事が出来なくて、またフラストレーション!
そう言えば北海道からお越しの二人組は、前日のザイテングラートの登りでオコジョに出会ったそうです。
うらやましいですよねぇ~。
ガイドの方が多くのハイカー達に岳沢湿原の説明をしています。
ここの遊歩道は嫌いです。
尾瀬や栂池自然園のように木の板で作った通路が2本あって、明神へ行く人と河童橋へ戻る人とで分けて歩くようになっています。
GWに来たら嫌でも判りますが、岳沢湿原周辺は雪が積もって普通に歩けないのと、高山植物や生物を保護する意味合いで、高床式通路ってスタイルにしています。
観光で来ている人って写真を撮りまくるのはいいのですが、板の通路の上で突然立ち止まる訳ですよ。
そして何枚も撮影します。
なので、反対向きに歩く人がいないのを確認して、そっちの板に飛び移って、撮影している人をかわしてもう一度進行方向の板に飛び移ろうと考える訳。
それなのに抜いた瞬間その人も急に動き出して、それもすごい早歩きをし始めるんです。
僕は20年前から8年前までは、毎年っていうくらい上高地へ遊びに来ています。
その頃から変わらないのがこういった現象。
人に抜かれると1本道だから自分のペースで歩けないので嫌がる人が多いのです。
だけど写真も撮りたいのです。
そんなわがままな観光客に歩きにくい思いをさせられるのが煩わしくて、梓川の右岸を歩くのが嫌いになった経緯があります。
これはホテル白樺荘の北の梓川岸壁から撮影した岳沢カール。
岳沢の紅葉はまだもう少し先って感じでしょうか?
そう言えば重太郎新道を下っている時にすれ違ったお兄さんが、「前穂高岳~明神岳をピストンします!」って言っていたけど・・・
紀美子平から見た明神岳です。
写真を撮ったつもりがセーブしていなかったので、ネットから拝借しました。
明神岳主峰までは歩いている足跡が残っていたので、普通に歩けそうでしたが、小ピークまでの登りと、2峰が大変そうです。
特に2峰はほぼ垂直なので、登ったはいいけど帰りの下りは『懸垂下降』が基本だというのです。
でもそのお兄さん岳沢小屋に荷物を預けてきたって言うし、ザイルとか持ってなかったので当然無しで登るつもりでしょう。
しかもお一人様です。
無事に行って帰って来れただろうか?
ちょっと気になりながらも、河童橋まで戻ってきました。(14:00)
梓川の透明度は完璧に復活です。
美しいターコイズブルー!
しかし疲れました。
ここまで来ると安心ですからね。
橋の上からもう一度岳沢!
奥穂高岳もジャンダルムも一望できます。
N村さんからご指南頂いて改めて気付いた事があります。
風景写真とか山の写真って、人がいるから臨場感やスケール感が判るんだって。
特に山は雲がかかっているくらいの方が迫力があって、かっこいいとか・・・
肖像権の問題とかあるから避けるようにしていた事なんですが、実はそういう要素こそ大切にしないと良い写真って撮れないって教わり、本当に勉強になったというか・・・
次はもっと素晴らしい山の写真を撮りたいと思うようになりました。
やっぱりこのアングルは鉄板でしょう?
そしてせっかくなのでプロのカメラマンに撮影してもらいました。(僕の携帯で)
プロの撮った写真は、上高地が大好き過ぎてたまらないうちのばあちゃんにプレゼントする為に購入しました。(1300円)
最後にもう一枚鉄板のアングルから・・・
上高地から沢渡までのバスで、隣に座っていたお一人様観光客のオジサンと会話を楽しむ。
オジサンは木更津からわざわざお越しのようで、死ぬまでに上高地と黒部ダムの絶景を観たかったそうなんです。
「今朝は雲が厚くて何も見えなくってねぇ。山の上もすごく曇ってたんじゃない?」
「いいえ、山の上は快晴でしたよ。まあ少々寒かったですけどね。実は上高地だけが雲海に覆われていたんですよ。」って写真を見せる。
これから松本まで戻って、JR大糸線で大町まで行くんだそうです。
僕は沢渡の岩見平で下車・・・。
そう言えばN村さんが僕の直後くらいに河童橋に到着したそうで、バスも僕の後に出発のバスだったそうです。
また会ってお話ししたかったなぁ~。
まあ、またきっとどこかの山でお会いできると思いますが。
インプレッサは残り10ℓを割ったところで点灯する。
急いでガソリンスタンドに行きたいのに、前を走る貸し切りの上高地行きタクシーが遅すぎて、釜トンネル前の信号に捕まり、目の前を高山方面行きのバスなどが入ってしまい、思うように進まない。
しかも高山に入るなり目の前のレンタカーが一切ウインカーを出さない奴でイライラ。
とりあえず高山でいつも利用しているガソリンスタンドまで、ガス欠しないで間に合いました!
トリップメーターを割り算したら、何とか燃費はリッター10km超えをキープ出来ました。
帰りは面倒くさいので東海北陸道を一宮JCTまで下って名神自動車道に合流。
飛ばさなくてもスムーズに帰れそうだと思っていたら、乱暴な運転をするトラックが多くなって・・・
追い越し車線を走っていたら、直前でウインカーと同時に車線変更で割り込んでくる、あのトラック独特の・・・絶対わざとやろ?って思える例の嫌がらせをするトラックが彦根くらいから極端に増えてきて、ちょっとストレスが溜まってきたんですね。
それで瀬田東から京滋バイパスにルートを変えたのですが・・・
入って間もなく・・・石山を過ぎて南郷の直前で突然全車ストップ!
まさか・・・事故渋滞発生ですか?
パトカーと救急車の後に消防車が4台やってきました。
特殊な危険薬物を運んだトラックなど、3台のトラックが絡む事故だったみたいです。
ここで約4時間も缶詰にされて、お腹は空くし眠たいし・・・
帰りの道中は散々でした。
次の日の出勤は、前回(8月の初挑戦の時)に比べたら身体のダメージは少なかったけど、眠くて眠くてたまらない状態だったことは言うまでもありません。
しかし、10月 4日(木)はさすがに3連休を取った後なので、朝から修理の自転車でめちゃくちゃ忙しく・・・
先週末(10月13日)までは忙し過ぎて戦場のようでした。
今週も客注が多いので実は既に忙しく・・・
これでも山行ブログ頑張って書きましたよ。
そしてもう既に穂高岳に対してホームシックになっている。
あと後日談ですが、N村さんが神戸の摩耶山を2度ほど歩いてらっしゃって、先日シンズバーガーにもお立ち寄り頂いたようです。
嬉しいですね!
N村さんは埼玉県の方なんですが、単身赴任で大阪に住んでらっしゃいます。
また一緒に山行するのが楽しみです。
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