まず話は前日、12月19日(金)に遡る。
連日寒波の日々だったのが、落ち着いたので・・・
「明日は再度山に行きたいなぁ~」
「あっ、でも店長!明日は雨って言ってますよ。」とはマサやん。
この日マサやんは悩んでいました。
「コスミックエリートって、ぶっちゃけ重くないっすか?最近鉄下駄に思えてきて・・・」
「何をまた今更・・・」
「いやね、重けりゃ重いでいいんですけど、何か思っている以上に進まないような気がしてきて。」
「ベアリングの問題じゃないのかな?」
「そうなんですかねぇ・・・。確認の為に一度トンプソンに付いてるホイールで走らせてもらったらダメっすか?」
「いいけど作業は自分で出来る?」
「出来ますけど、一応見て頂けますか?」
ってな感じで写真上のように、トンプソンに装着しているポルトガルのブランドだとかいう、TRCのホイールに付け替えて走ってきた途端・・・。
「店長!これどういう事なんですか?トンプソンのホイールの方が加速がいいんですけど!」
「一度それぞれの重量を測ってみようか?」
コスミックエリートとTRCでは、TRCの方が前後ペアの重量で約200g強重い結果だった。
前後で2kgのまさに鉄下駄ホイールですが、リムの重量がある分TRCのホイールの方が慣性が働くんでしょうね!
「時代は猫も杓子も軽量!軽量!って言うけれど、ヒルクライムに特化する訳でもなけりゃ、ホイールの重量なんて気にする事はないよ。むしろ剛性とかベアリングの精度の高いホイールの方が全然良く走る!」
「そういうもんなんですね。でもそうなると僕のコスミックはやはり転がらない鉄下駄ですから・・・。ああ~っ!ホイールの新しいのが欲し~い!」
「SFIDAのホイール?うちのオリジナルホイール?」
「あ~っ。そこ悩むんすよね~。何かリムハイト40~50mmくらいで、安くて軽くてよく転がるホイールないっすかねぇ~。」
「楽しそうな悩みやね。でもホイールにコストかけて・・・新しいフレームはどうするの?」
「エヴァディオかサーベロか、ラピエールかルックか・・・で迷ってます。ああトンプソンのフォースも捨てがたい。」
「フォースにあれだけ(エネルギーを)吸われても?」
「あのくらいヤバイフレームじゃないと、乗りこなしてやろう!って気分になれないじゃないですか。」
「それはもう病気やね(笑)!僕も以前はそうやったから解らんでもないけど。誰よりも速く走りたいが為に悪魔に魂を売るような気分?」
「そうっすね。僕は上りも速くなりたいですけど、まずは平地で誰よりも速くなりたいです。」
「そりゃもう、是非そうなって欲しいね。」
それにしてもホイールって難しいですよね。
僕はベアリングさえ抵抗なく回って、剛性さえしっかりしていればなんでもいい!って人間なので、基本的にそこまで重量にこだわりません。
最近はやたらホイールにこだわるライダーが多いですが、そもそもエンジンはどうなんよ?って話でして・・・
使いこなせないくらいなら楽なホイールにしといたら?って思うこともしばしば。
今から20年前とか・・・
それこそホイールに20万~30万とかかけるなんてありえない!って言っていた時代の人間から言わせれば、最近の完組ホイール自体が???な訳で・・・(笑)
いや、そんなこと自転車屋の店主が言うのか?って話ですが、実際当時は手組みが基本で、練習用ホイールはマビックのGP4のリムにバテッドスポークで組んで・・・アルミニップルは割れると嫌なので真鍮で・・・っていうのが当然の時代でしたから。
僕はマビックのGL330で組んだホイールと、FIRのシリウスで組んだホイール、アンブロッシオのフォーミュラ20クロノで組んだホイールをトレーニング用に使ってましたが、GP4は飛び抜けて頑丈だったので、時々お世話になっていましたね。
決戦用にはアラヤのエアロ4で組んだホイールと、マビックGEL280で組んだホイールを用意していましたが、それは主にヒルクライムで使用していました。
どれも特別にリムハイトの高いものはなかったのですが、普通に平地で60kmや70kmで走れていましたから、特別バリバリのエアロホイールを付けなきゃ速く走れない!なんて事はありませんでした。
強いて言うなら当時貧乏学生だった僕が、カンパニョーロのシャマルが欲しくても高くて買えないって時に(でもヒルクライム用に組んだGEL280には15万円かけたが・・・)、とりあえずディープリムのホイールの良さを知りたいなら、とりあえずこれを使ってみたら?ってジ・ピエンメのテクノ416ってホイールを買ったんですけど、これはめちゃくちゃ良かったですね。
とにかく一回転がりだしたら止まらない!って思えるくらいよく回るホイールで、前後で2kgくらいあったけど、一旦加速したら、上りでも失速せずに勢いで上れてしまう。そんな感じでした。
そういう意味では当時憧れていたディープリムは、使ってみたら確かに良かった訳で・・・
現在においても、完組ホイールでディープリムは有りだと言えるんですよ。
ただ・・・本当に最近のホイールは高いですよね。(笑)
ホイールに15万円以上つぎ込む意味が未だに解らない!
これは自転車屋としてではなくて、一人の自転車乗りの意見としての本音。
確かに70万円するライトウェイトのホイールはすごく良かったですよ。
しかし40万円するカンパニョーロのBORAがいいか?って言われたら、悪くはないけど値段が値段やし、カルトベアリングがグリス要らずって話については僕は信じていません。お金持ちかプロチームのエースが、ここ一番のレースで使うのならどうぞ!って感じでしょうか。
それに対して、価格から考えても10万円のSFIDAがそれに劣っているかといえば、走りそのものは全然負けてなかったと思うんですね。
安くてもいいホイール・・・それが貧乏ライダーの味方ですよ!
それにフレームとホイールの相性ってのもあって、これが一番曲者なんです。
はめて乗った瞬間、イメージと全然違った!なんて話はよく聞きます。
そもそも、いちいち古臭い事を言いますが、ダイレクトな接地感や剛性感に加え、軽さを追求するなら、やはりチューブラータイヤでしょ?
クリンチャーを選択している時点で、逃げているとしか思えないのです。
「チューブラーってパンクしたら終わりでしょ?」とか・・・
「チューブラータイヤって高いじゃないですか。」って言う人が多いですけど・・・
まず滅多にパンクなんてしません!
高速走行中に轍や段差に突っ込んだら、リム打ちでパンクする事は多々ありますが、下り坂で時速60~70kmを当たり前のように出してでもない限りは、そうそうありません。
値段は高いですけど、タイヤそのものの剛性や真円度が高い分、乗ればその違いが判るくらい、転がりは軽いです。
当然ホイールの剛性も上るし、重量も軽くなる!
どうして今チューブラーが少数派になったのだろうか・・・残念でならないです。
手組みホイールにしてもそう・・・
重量は軽量化に限界があるとしても、スポークの太さや形状、ハブの重量やフランジ幅、ベアリングの精度、リムの形状や重量によっても性格が変わるし・・・
何より組み方を4本組み、6本組み、8本組み、ラジアルのどれにするか、イタリアンなのかJISなのか、ニクロム結線するのか・・・
それ次第で自分のニーズに合ったホイールを、あれこれ作る楽しみが無限に脹らみます。
僕は密かに手組みホイールと、チューブラータイヤの復活を期待しているんですよねぇ~。
ところで話は戻りますが、翌日の走行会について、マサやんは雨さえ降らなければ参加しますと言って帰りました。
ただし、一滴でも降ってたら休むとか・・・
その後配送があって車で東灘区を走っていたら、またとんでもない車を見かけました!
今度は初代マスタングGTですよ!
「うお~っ!かっこええ~!」
そんなものを見てしまうと、ついまた良からぬ事を考えてしまうのです。
「明日はサーキット形式にしよう!」
空港島にするか・・・アップダウンを伴うコースにするか・・・
そして翌朝・・・12月20日(土)
天気予報とは裏腹に、曇りだが路面はドライコンディション!
それなのにマサやんが来ていない!
「仕方ないですねぇ~。」とH川様。
本当に仕方がないので、2人で出走しました(笑)
「今日はどこを走られる予定ですか?」
「そうですねぇ~。今日は周回コースをサーキットトレーニングで考えています。」
「ほぉ~。」
「それでは高羽から鶴甲を上って、六甲台を下り・・・それを何周かしましょうか?」
「は・・・はい?」(汗)
「えっ、微妙な反応ですね?」(笑)
もちろん全開で走る訳ではなく、何周か走れば程よいインターバルになるだろう・・・
そういう意図があっての事だったのですが・・・
ちなみに僕はラピエール・ゼリウスに、野口君の所有する1100g弱という超軽量なエンヴィのホイールを装着して走ったのだが・・・
ゼリウスとの相性もそうだが、僕のペダリングともマッチしていないみたいでした。
このホイールが28万円なのに対して、元々付けていたイーストンのEA70ですが・・・
値段は5分の1以下ですが、確実に加速が鋭くて良かったですね。
そんな事を言ったら野口君に怒られるかも知れませんが、僕はエンヴィじゃなくてもいいです(笑)
カーボンリムだとブレーキも気を使いますしね!
六甲台の下りでスイスストップのブレーキシューが、鰹節みたいにドンドン削れていくので・・・
見るに見かねて2周で止めました。
H川様も太ももを攣りそうになったそうですし・・・
「H川さん!お腹空きましたね!」
「そうですねぇ。」
「モーニング行きましょうか?」
「それがいいですねぇ。」
そして灘駅の近くでモーニングをしていたら、9:35頃から雨が・・・
「これはマサやんが来なくて、ある意味正解でしたね。」
そしてこの日はそこで解散しました。
不完全燃焼です(笑)
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