僕がK合様やY田君と中房温泉に上っている頃・・・
H川様とO川様、K原様にA部様の4人は安曇野アートラインの美術館巡りの為に走っております。
『碌山美術館』をスルーしてしまったのは残念ではございますが、まずは『安曇野ジャンセン美術館』を目指す。
どうも一旦は気付かずに通り過ぎてしまったらしいのですが、途中で気付いて辿り着いたそうです。
確かにここって判り難い場所にあったと思います。
H川様とA部様が交代で記念撮影!
基本的に安曇野の美術館とかって森の中にひっそりと佇んでいるものです。
ここはフランスの画家ジャン・ジャンセンの、油絵などのコレクションが集められた美術館。
ここは油絵を楽しんだ後にランチやティータイムも楽しめます。
O川様が「彫刻はわかるけど、絵はわからん!」とおっしゃっていたのですが、ジャンセンの絵は比較的見やすい絵なんじゃないかと思います。
その後松川にある『ちひろ美術館』へ行きたがっていたのがH川様とK原様でしたが、当初15:00~15:30には『こねこねハウス』の駐車場に戻るように話し合っていたので・・・
「このまま松川まで行くと、時間までに戻れそうもありませんねぇ。」
「どうします?」
「ではそこの絵本美術館に行ってみてはどうでしょうか?」
って4人が向かったのが・・・
『安曇野 絵本館』
絵本美術館とは全く別で絵本館があるのです。
アートライン共通割引券が使えなかったと聞いて、何故?って調べたらそういう事でした(笑)
その代わり入場したらドリンクサービスがついているので、ゆっくりとくつろぐ事が出来そうです。
「大人のための大人向けにつくられた絵本館」というのがコンセプトらしいのですが・・・
O川様に言わせると・・・
「大人の絵本ってどういう意味なんやろ?」って疑問に感じたらしく、そこにH川様が・・・
「O川さん!今ちょっといけないことを想像してたでしょ?」と突っ込む。
「えっ?・・・いやそれもちょっと考えたけど、真面目に考えてわからんなぁ~って・・・。」
そんな遥か昔に土曜日の深夜にやっていた番組のネタが飛び交うなんて・・・
後でその話を聞いて、「それは大人の絵本違いや~!」って、僕が吹き出しました(笑)
僕が思うに「童心に還れ」って意味じゃないかと思うんですね。
言い方を変えれば「原点に還れ」とでも言うべきか・・・
今の世の中は物を大切にする心や、思い出や過程を大切にする繊細さを忘れている人が多いように思うんですよね。
そういうのって、絵本を読んで、登場するキャラクターの思惑や過程、結果を見ながら、子供の頃の自分に還って、ここで自分は何故怒ったんだろう?何故嬉しくなったんだろう?って考えるところに、忘れかけた大切な心があるんじゃないか?と考える訳ですよ。
それがここのコンセプトなんじゃないかな~って。
O川様は僕の感じる限り、遊び心も持ってらっしゃいますし、まだまだ少年の心を忘れていない方だと思うんですね。
是非男性陣はそうあって欲しいですね。
現実問題働いて、稼いで、家族を養っていかないとあかん訳ですが、常に夢や目標を掲げて前に進む冒険家であって欲しい。
失敗をも楽しむくらいの気持ちで暴れなきゃ、何の為に男として生まれたかわからないじゃないですか!
話は戻りまして、絵本館のカフェでティータイムって時に、僕から連絡が入ったそうで・・・
僕らが遅れますって話を受けて4人は「もう1軒行きましょう!」って話になり・・・
『安曇野アートヒルズミュージアム』に向かう。
ここのメインは『エミール・ガレ』の作品展示。
あとはガラス工房の体験とか、ショッピング、レストランなど・・・
ここらじゃバスツアーなんかでも特に人気のスポットです。
まあエミール・ガレだったら神戸の異人館でも見れますし、骨董品屋でも売っているくらいなんですけど、アールヌーボーってのは形に捕らわれない芸術なので・・・
作品の色々な変化を楽しむっていうのがポイントです。
僕もガレやラリックの時代のガラス工芸は好きなんで、以前はよく諏訪湖にあるガラスの里とか、あちこち観に行ったりしました。
それにしても安曇野っていう土地柄と、アートって組み合わせは絵になりますねぇ~。
僕も時間があったら美術館巡りに加わってみたかったな~。
4人がアートヒルズを出発する頃、僕とK合様、Y田君の3人は下山の最中だった。
僕はヘルメットを忘れた戯け者なので、ウェットな路面と狭いワインディング、対向車に細心の注意を払いながら、出来る限りハイペースで下っていく。
元々タイヤはチューブラー派の僕は、近年クリンチャーばかり使っていて・・・
正直安物のタイヤは無意味です。
そんな事は人から言われるまでもありません。
僕も現役でレースに出ていた頃は、トレーニング用でも決戦タイヤは当たり前で、安くてもクレメンのクリテリウムやTUFO(いずれも1本7千円前後)以上のタイヤを使っていました。
でも今はタイヤのこだわりって以前ほど無くて・・・
というものの、ビットリアのコルサCX-TTの19mmイエローバージョン以上に、自分に合ったタイヤが今の世の中に存在しないので、もう何を使っても一緒!っていうのが本音。
少々硬かろうが、グリップが悪かろうが、見た目がかっこよくて、腰砕けじゃなければ何でもいい!
そもそも今の自分に1本1万円以上のタイヤを使って、満足な走りが出来るほどのパフォーマンスが戻ってないのに、何を持ってタイヤの良し悪しやねん!というのが根底にある。
もちろん僕がお客様に薦めるのなら、コントロール性や乗り心地、グリップの良さを推してはいきたいのですが、こと自分の自転車に限ってはパナのカテゴリーS2で十分だと思っています。
乗り心地もグリップも決して最高ではありませんが、剛性とコントロール性は合格点だと思っています。
だからウェット路面の下りでは、少々グリップに難はあるけど、ある程度はコントロールが出来るので、僕は割りとダウンヒルを楽しんで走っています。
中房温泉の手前にある水門小屋。
調べたら『冷沢堰堤』って言うそうで、どうやら水力発電の施設のようです。
雨の後じゃなかったらもっと綺麗な水だったんでしょうね!
先ほどは強烈な下りだった坂を今度は上る。
そしてまた下る・・・
この時点でK合様もY田君も遅れていました。
本格的な上りが始まる手前の橋(大王橋)です。
ここも晴れの日だと水の色は最高に美しい事でしょう!
まあこの状態でも十分綺麗な川だと思いますけどね。
ここで2人を待っている間に4人へ連絡したのですが、移動中なのか誰も出てくれません。
で、撮影をしていたらH川様から着信が来て・・・
思わずカメラを落としそうになってキャッチしたものの、自転車を右側に倒してしまいました(汗)
まさかの不覚です。
ハンドルとリアディレーラーを打ちつけてしまいました。
「だいたいK合さんが遅いから、またピナイの呪いにかかったやんか!」って思っていたら、Y田君がようやくやって来て・・・
「店長!パンクさんがピナイです!」
「えっ?何て?ピナイさんがパンクしたんか?」
「あっ!はい!そうです。」
「なんでこんな急いでいる時にパンクなんてするかな~。自分で出来るって言ってた?」
「大丈夫だって言ってました。」
「そっか。それは良かった。」
まさかの『自分に呪いをかけてしまった』的な話でしょうか。
15分ほど待ってK合様が追いつきました。
「思ったより早かったやん!作業頑張ったんやね。」
「すみません!お待たせしました。」
そしてその後僕は、そこから下って宮城交差点を右折し、県道25号線を有明ではなく上高地方面へ向かいたかったんです。
下り傾斜はこっちの方がきついので、一気に穂高まで下れるって考えと、もしかしたら駐車場まで戻る道中で4人のメンバーと合流できるかも・・・
そう思っていました。
宮城交差点までは3人離れずに走っていたはずなんです。
ところが同じく右折するバイクが遅くて・・・
ゆっくり右折しているうちにY田君だけが車に追い越されて道を塞がれたらしいのですよ。
で、僕とK合様が右折したのか直進したのかも確認できないまま信号に捕まったのだと・・・
僕の後ろを走っていたK合様は200mほど走ってそれに気付く。
「あっ!」
そう言ったのは聞こえましたが、先ほどの交差点を3人離れずに曲がったという確信を持っていた僕は、Y田君がはぐれた事を知らない。
なので「どうせまたK合様が僕に油断させて、アタックでも決めようとか思っているんやろ?」って思い、真っ直ぐ走っていたんですね。
ところがそこからかなり長い坂道を下って、ふと後ろをふり返ったときには、もう2人の姿は無く・・・
「あれ?K合さんまたパンクか?」って感じで、僕は丁度ジャンセン美術館の近くの交差点で待っていたんですよ。
しかしいつまで経っても来る様子は無く・・・
電話をしてもどちらも通じない。
余りに遅いので僕も戻る決心をする。
そして、それこそ絵本館まで戻る手前でK合さんと合流。
「またパンクしたの?」
「いえっ!違うんです。そうではないんですけど。」
「じゃあ何があったの?っていうかY田君は?」
「その件なんですけど・・・」
この時点で何かもうまずい話になっているって事は判りました。
「K合さん回りくどいから、もっと単刀直入に言ってくれへん?」
「あの・・・まず・・・。」
「一から説明しないと無理?」
「すいません。まず僕らが右折した時、後ろにいたはずのY田君が来なかったんですよ。」
「それで?」
「僕がそれに気がついた次の瞬間信号が変わって、Y田君が真っ直ぐ信号を渡ってしまったように見えたんですね。」
「はあ。」
「それで慌てて僕が交差点に戻った時には、もう姿が見えなくなっていて・・・
「要するにY田君がはぐれてどこに行ったかも判らない状況ってことやね?」
「はい、そうです。」
「K合さん!そういう時はもっと大声で、店長!Y田君がはぐれました~!って叫んでいただけませんか?あと2人共電話に出ないとかどういうことですか?何の為のライフラインなんですか!」
Y田君の異変に気付かなかった自分にも腹立たしいし、さすがにK合様に対してもかなりきつく怒ってしまいました。
「店長。どうしましょう?」
「とりあえず振り出しに戻ろう!少なくともY田君は真っ直ぐ下って、もと来た道を逆走しているはず。もし僕らがどこかで待っていると信じて走っているなら、僕らを探しながらゆっくり戻っているはずですし、迷っていたなら尚更のこと早く追いついてあげないと!」
「そうですね。」
「とりあえず美術館組にも連絡しときます!・・・もしもし!Y田君が迷子です。もしそっちに一人で帰ってくる事があったら連絡下さい!」
そして宮城交差点までの強烈な上りをアウターのままガシガシと上って行く。
せっかく温泉で疲れが抜けたっていうのに、ここで一気に力を使い切る。
最初に上ってきた道をひたすら逆走するが、なかなかY田君の姿が見えない。
結局駐車場まで戻っても彼はまだ帰ってなかった。
「店長どうします?」
「そりゃ探すしかないでしょ?」
そう言った次の瞬間。
向こうの道路をロードで下っていく影が見えたので・・・
「Y田く~ん!お~い!」って叫んだんですよ!
するとピタッと止まってUターンし、こちらに走ってきました。
そうです、Y田君だったんです。
「もう!なんで携帯電話を使わなかったんや~!」って、お説教しようとした途端・・・
うわぁ~ん!
って大声で泣き出してしまいました。
Y田君も余程心細かったんでしょうね~(笑)
なので僕もお説教は改めようかと思い・・・
「Y田君無事でよかったな!さあ早く自転車を片付けるぞ!」って肩を叩く。
K合様やO川様、A部様もY田君を慰めつつ、片付け作業完了!
なんだかんだで16:45になってしまいました。
H川様からは事前に「松本城は諦めますから大丈夫です。」とは聞いていましたが、非常に申し訳ございません。
「とりあえず一応松本方面に向けて走ります。」
メインのサイクリングは無事誰一人怪我もなく終われましたが、帰りも安全運転で帰りましょう!
次回エピローグをお楽しみに!
ちなみにピナイの呪いはまだ続きます!(笑)
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