ユル原君がずっとメルカリばかり見ている。
僕はよく知らないのですが、個人売買やオークションのようなもの?
たまに掘り出し物があるらしい。
どうやらユル原君の物欲はかなり強烈なようだ。
僕も中学生の頃から中古車情報誌を買って読んでいて、「F40高ぇ~っ!なんで2億5千万もするんだよ~!早くお金稼ぎてぇ~!」とかいいながら眺めていました。
高校生になってからはバイク雑誌も追加して・・・「NSR買うんならやっぱロスマンズカラーのSP仕様やろ~。ああ・・・でもV4(RVF)も捨てがたい・・・。っていうかアプリリアがもう少し安かったらなぁ~。」などと、買えもしないのに妄想に更けている時間が至福の時でした。
とりあえず非現実的なフェラーリF40を意識するのは早過ぎると、高校生で自覚はしたものの・・・
「インプレッサかっこよ過ぎ~っ!欲しい!今すぐ欲しい!」って97年のWRC(世界ラリー選手権)を観て一目惚れ。
ようやく98年型のSTiバージョン5を買ったのは2001年の年末だった。
しかも納車日前日に泥棒に入られ、200万円の入った現金袋を盗まれたお陰で・・・当分はチューニングも出来ずにノーマルで乗る事になったんですね。
それでも初めて憧れの車を手に入れた、あの時の悦びってハンパ無かったですね。
バージョン5とバージョン6は今でも好き過ぎて、また買いたいし・・・できれば死ぬまで乗っていたい車の一つです。
現行のSTiとか一つ前のインプレッサとか、ぶっちゃけ全然興味なくて、何が何でもGC8後期型!
出来れば通常のセダンの他に、クーペタイプのタイプRと400台限定の22Bと、計3台所有したい!そのくらいGC8が好きでたまらない。
あれほど運転が楽しくて、ワクワクさせられる車はそうそう無いと思う。
人は年式や走行距離にこだわるだろうけど、名車に年式とか・・・そんなの関係ないし、潔癖症だかなんだかは解りませんが、そんな表面上の事をゴチャゴチャ言うのってナンセンスだと僕は思います。
どれだけ優秀なデバイスを加えた最新鋭の車であろうが、トータルの味付けがアンバランスだったらただの鉄の塊である。
GC8はイメージ通りに振り回せる従順な戦闘機って感じで、あれほど一体感を感じられる車を、なぜどこのメーカーも作ろうとしないのだろう?って不思議に思えるくらい。
トータルバランスに優れ、運転の悦びを感じさせてくれる車って最高じゃないですか!
自転車も同じですよ!
本当にいい自転車は、乗った瞬間に5感を震わせます。
そういう経験をした事のない人は「何をオーバーに言ってやがるんだ!」と思うでしょうが、人を疑う前に色々と乗り比べてみて下さい!
その微妙な違い・・・あるいは全く違う乗り味を感じる事が出来たなら、ある時どうしようもなく欲しくて仕方ない!って思えるほどの名車に出会えるかも知れません。
人によって十人十色ではありますが、名車といわれる自転車は、概ね誰が乗ってもビビッとくるものです。
そして長くなりましたが、今回はそんな隠れた名車に出会った話になります。
ユル原君が余りにも自転車を乗り換えたい!乗り換えたい!というもので・・・
さすがに新車だと彼の予算では価格が厳しいと思ったので、普段なら絶対にやりたくありませんが、中古のフレームで程度のよい物を探してみたのです。
後日フレームが届きました。
「なんだこりゃ?小さくないか?フレーム・・・入ってるの?」
「もしかしたらエスパー伊藤が出てくるんじゃないの?」
「はい~っ!」
「やらなくていい!」
そんなコントはさておき、ハンドルやステム等は新調し、コンポやホイールはポタリングメンバーのS藤様が以前使用しておられたジャイアントの取り外し部品を流用。
BBはおなじみTOKENを新調しました。
そしてだいぶ形になってきました・・・
そうです中古で仕入れたのはエディメルクスです。
エディメルクスは価値の解らない人には「これっていいの?どうなん?」って思わせるブランドですが、紛れもなく超一流ブランドです。
ロードレース130年の歴史上、最強と云われた伝説のレーサー『エディ・メルクス』
彼が選手引退後、フレーム作りがしたくて師事したのがウーゴ・デローザ!
選手時代に数々の勝利を手にできたのは、2人3脚でレースに勝てるフレーム作りに努力してくれたデローザの協力があってこそだ!とウーゴ・デローザの下で修行を重ね、満を待して立ち上げたのがこのブランド。
しかもこの『TEAM SC』はスカンジウム合金アルミという、未だ高級アルミフレームの座に君臨するマテリアルを使用。
このフレームは2003~2004年のチーム『Lotto Domo』が使用したモデルの色違いなんですが、Domoチームがこのエディメルクス『TEAM SC』を駆って、北の地獄と呼ばれるクラシックレース『パリ・ルーベ』を3連覇したといえば、いかにこのフレームがすごいかが判ると思います。
これが2001~2002年に使用されたデザイン。
2001年パリ・ルーベ覇者・・・セルヴィス・クナーヴェン
2002年パリ・ルーベ覇者・・・ヨハン・ムセーウ
サイクルスポーツファンなら誰もが知る『フランドルのライオン』の異名を持つ90年代最強クラスのクラシックハンター。パリ・ルーベでは3度のチャンピオンになっている。
これは2003~2004年モデル。
2003年パリ・ルーベ覇者・・・ペター・ヴァンペーテヘム
といった具合に10大クラシックレースの中でも、最も過酷で知られるパリ・ルーベで3連覇したモデルとなれば、その乗り味がますます気になりますよね?
実際に僕が乗ってみた感想としては・・・
「こんな自転車に乗るなんて反則!」でした。
何なんでしょうね。
アルミフレームとは思えない乗り心地の良さ・・・
すごく気持ちよくて、100kmでも200kmでもドンと来い!って言いたくなるような優しい乗り心地。
それでいてうねる様なしなりが爆発的な加速の伸びを実現する。
思い切り左右に振ってくねらせながらダンシング・・・
するとロケットのように加速する。
「これは反則だ!セコイ!卑怯だ!」
思わずそう言いたくなるくらい、とてもいい!
僕も欲しくなった。
シートステーにアルミ(スカンジウム合金)の上から巻きつけているカーボンシートが、絶妙なしなり方をサポートしている模様。
元々所有していたオーナーが、それほどガシガシ乗ってなかったからなのか、10年落ちなのに全然ヘタリもなく絶好調な感じ。
いや~。よかったねぇ~ユル原君!
こんないい買い物、普通だったら出来ないよ。
コンポはシマノ・2300なので、人によってはDisる人もいるかも知れませんが・・・
自転車はまずフレームが命ですので・・・
パーツなんて後で交換すればいい!
実際にこの日もメチャクチャ元気に飛ばしてくれました。
K君(O様1号の息子さん)が初参加と言う事もあって、この日は薬科大の壁~ライト坂と走って、大師道で甲山を上る。
この洗礼の儀式でユル原君が大暴れ!
ユル原君の友人のS井君も、トレーニングの成果あってか、以前より確実に強く、そして速くなっているのに、最後にはユル原君にスッと抜かれてしまうのだと、悔しがっていました。
O様2号も絶好調でしたが、ヒデさんとユル原君、S井君のバトルには全くついていけず・・・。
同じ高校生の先輩たちの走りを見て、K君は何を学んでくれたのでしょうか?
是非負けたくないっていう気持ちと、心から速くなりたいっていう執念を培って頂けると幸いです。
車も自転車も年式は問題ではありません。
走れる名車は必ずあります。
そう思うと中古車もバカにはできませんね!
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