既に名古屋のサイクルトレンド2016で試乗された方には、今更説明する必要もない話ではございます。
実はそれよりも少し早く、エヴァディオの最新モデルの試乗をさせて頂いたので、サイクルモード大阪2016の直前に、その評価をさせて頂ければ・・・と思います。
巷では八重洲出版さんの『ロードバイク・コンシュルジュ2016』なんて雑誌を見て、買うならこれかなぁ~って思いを巡らせている方も多いと思います。
残念ながら同雑誌にはエヴァディオの最新モデルは掲載されていません。
ついでに言うと巻末の方に掲載されている、ショップ毎の価格帯別のオススメバイクを紹介するページがあるのですが・・・
全くといって良いほど面白みに欠ける内容で、こんな結果になるくらいならアンケートをしなかった方が良かったんじゃないのか?って思えてしまいました。
どうせなら匿名性を持って、店長だけではなくスタッフ全員の意見を集計してもらいたかったですね。
メーカーの縛りがあるショップなどであれば、圧力をかけられる可能性だってありますよね?
そういうのが働いているんじゃないのか?って疑ってしまうような結果でした。
もちろん同雑誌で紹介されている自転車の多くは素晴らしい自転車だと思うので、是非サイクルモードなどのイベントで何種類か狙いを絞って試乗して頂くと、雑誌のインプレッションが果たして正しいかどうか、比較する事ができると思います。
そもそもインプレッションは乗る人によって感じ方も違えば、表現の仕方も異なるので、参考程度にしかならないのですが、信用できるテストライダーの評価は実に参考にしやすいです。
逆に通り一遍で、中身の無い在り来たりな言葉で表現しているようなチープなインプレッションは、まったくもって参考にならないとだけ付け加えておきます。
そして今回雑誌にも、ネット上にもほとんど紹介がされていないエヴァディオの新型・・・
これが『ヴィーナスRS』です!
2014年頃から最新モデルの開発が水面下で進んでいた事は僕も知っていました。
当初は東レのT-1000クラスのカーボンを使用して、フレーム重量700g未満の世界最軽量クラスのモデルを検討していましたが、軽いばかりが全てじゃない!っていう原点回帰的な考えにより耐久性や乗り味&乗り心地、コストを十分考慮して、誰が乗ってもスーパーバイクだ!って思えるフレームに仕上げ、満を持しての発表となった次第です。
T-800クラスのカーボン素材にデチューンしての完成ですが、もはやカーボンのグレード云々の話では語り切れない・・・
フロントフォークも数パターン組み合わせてテストを重ね厳選したものですが、最終的に決まったこのフォークとの相性は恐ろしくマッチしています。
この自転車に乗って何も感じない人はいないんじゃないか?って思える程、挙動に躍動感を感じます。
2008年に初めて初代ヴィーナスに乗ったあの時の衝撃が、良い意味でフラッシュバックのように甦りました。
むしろ初代ヴィーナスを遥かに凌ぐ自転車かも知れません!
フレーム形状は完全に一新されて、従来のヴィーナス~ヴィーナス01とは全くの別物になっています。
ヴィーナス01はヴィーナスフレームと01フォークの相性がいまいちで、面白みの無い普通の乗りやすいロードバイクだった印象ですが、よくぞエヴァディオさんここまで頑張ってくれました!
僕は自転車の評価(点数)を厳しめにつけています。
ただ乗りやすいだけではなく、乗ってワクワクするとか、どこまでも走りたい気持ちにさせてくれる自転車にしか高得点はつけません。
自分の店で取り扱っているとか扱っていないとか、そんな事関係無しに良いものは良いと言っています。
それでも今まで初代ヴィーナスより良いと思った自転車には出会った事がありません。
僕の評価の原点は初代ヴィーナスです。
その目線から見て今回の『ヴィーナスRS』の評価は120点以上!!
もはや比較する自転車が無いといっても過言ではありません。
良いロードバイクの概念を根底から覆す仕上がりです。
騙されたと思って各社のフラッグシップバイクを試乗してから『ヴィーナスRS』を乗ってみて下さい。
僕の評価が間違っているかどうか嫌でも思い知ると思います。
別次元の走りにきっと驚く事でしょう!
ちなみに今回は僕だけではなく、タケやんとユル原君も試乗して、「これはあり得ないほど良過ぎてビックリだ!」と、鳩が豆鉄砲を食らったような表情になっていました。
エヴァディオさんは売れる自転車を作っているんじゃなくて、走って楽しくなる自転車、レースで勝利を狙える自転車を作っています。
ブランドイメージに弱い日本人は、基本的にツールで常勝しているメーカーや、同等クラスの大手メーカーの作る自転車こそが間違いの無い自転車だと錯覚しがちです。
確かにS社やT社、C社やD社、P社など、お金さえ出せば良い自転車はいくらでもあります。
所有欲(ステータス)を満たし、自分が速く走れるようになる為の動機としてブランドイメージは必ずついてくるでしょう。
しかし冷静に考えて下さい。
そういうイメージを植え込む為に各メーカーは莫大な投資をしているんです。
プロツールを活躍する強いチームや、強い選手に自社のフレームを無償で供給し、更には何億~何十億円というスポンサー料を支払っているのです。
それだけの資金をかけて、狙い通り強い選手に実績を出してもらうから、そのフレーム・・・或いはその自転車メーカーの製品が世界中で売れるようになるわけです。
「俺も●●選手のように速く走りたい!」とかって思うことありますよね?
しかしその莫大な宣伝広告費がフレーム価格に反映する訳です。
一昔前なら40万円ほどで買えたフレームが、このご時世では60万円を下りません。
もちろんいい自転車フレームには違いないので、買って乗ること自体は反対しません。
しかし裏を返せば、そこまでお金をかけなくても素晴らしい自転車があるという事も確かなのです。
僕が初代ヴィーナスに乗った時に感じたのは、空を翔るような加速感!
今回の『ヴィーナスRS』はまさにその再来!或いはそれ以上の爽快感を与えてくれる自転車です。
僕がそこまで絶賛するフレームの基本的な定価は278000円(税別)と、値上がり著しい現在の自転車業界においてはミドルグレード並みの低価格!
しかし走りは確実に世界一と言っても過言ではない。
是非サイクルモードで試乗してもらいたい。
そしてもう一台、面白いフレームがあります!
『バッカスSL』です。
僕も絶賛するバッカス01の後継モデルですが・・・
何だかアルミフレームとは思えないくらい線の細いフレームになりましたね。
ヘッドパーツは異径ヘッドパーツを使用した01フォークから上下同径のインテグラルヘッドに戻し、なんとペガサス(チタンモデル)と同じカーボンフォークを採用。
ペガサス用のカーボンフォークは、見た目の細さと300g未満の超軽量からは想像がつかないほどしっかりしている。
フォーク単体で45000円(税別)もする訳ですから、当然といえば当然かも知れませんが、実際にかなり評価の高い完成度であります。
で、アルミの『バッカスSL』フレームとペガサスフォークとの相性ですが、これも抜群に良いです!
乗り味は前作のバッカス01と比べても、フレームの硬さ(剛性)は更に上がった感じで、更なる加速感を演出しています。
恐らくアルミモデルとしては世界でも最強クラスじゃないでしょうか?
比較したいのはコーダーブルームのファーナSLですが・・・
ファーナSLが素直で、比較的乗りやすいじゃじゃ馬だとすれば、この『バッカスSL』は丁寧かつ正確に乗らないと言うことをきかないスーパーカーってところです。
コーナー(カーブ)手前できっちり減速して曲がり、クリップポイントからコーナー出口にかけて加速をするのが速く曲がる為の基本ですが・・・
この減速の際に車の運転同様、シフトダウンも同時進行で行なう必要がある。
減速だけ済ませてシフトダウンを怠った場合、クリップポイントを過ぎてからペダルを踏み込んでも重くて反応しない。
慌ててシフトダウンしても、速度とトルクがシンクロしないと回転数が上がらない。
相当乗り込んでライダーの身体の一部にしてしまわないと、そのポテンシャルを発揮することすらままならない、まさに玄人向けの仕上がりになっている。
とはいえ、非常に面白い自転車であります。
是非乗りこなしてみたくなりますよね!
この『バッカスSL』は基本価格が148000円(税別)とかなりリーズナブル!
クリテリウムなんかで使ってみたい自転車であります。
これら最新モデルに関しては、カラーオーダーが今までのように出来ないかも知れませんが、デザインも十分カッコイイので、僕も欲しいな~って思っています。
いずれも初期ロットは50台ずつで、入荷予定は6月~7月頃予定。
当店では3月下旬頃、試乗会を行なう予定になっています。
サイクルモードに行けなかった場合は当店までお越し下さい!
当店での試乗会日程は、詳細が決まり次第HP又は当ブログにて発表致します。
どうも 以前コメントさせてもらったヴィーナスSL乗りです。NEWフレームはそれほど良いんでしょうか?すぐに買えるほど余裕は無いですが興味深々です。元々ヴィーナスは未だにメジャーになりきって無いのが不思議ですが。あと渡辺塗装さんが倒産したのが残念です。私も超めんどくさいオリジナルデザインをやってもらって大満足だったので。今のフレームは3年前バックステーを破損しカーボン修理した状態で走ってるんで耐久性含め若干心配なんで NEWフレームはいつか検討したいです。出来ればオリジナルデザインで。
返信削除メッセージありがとうございます。
削除今回のヴィーナスRSに乗ってみた感想としては、初めてヴィーナス(SL)に乗ったときの感動が戻ってきたくらい、素晴らしい出来のフレームだと断言できます。
ヴィーナスSLは軽量化した分硬くて薄いので、一度破損すると不安が残りますよね。
開発当初はフレーム重量800gくらいの新型をラインナップするつもりだったのに、よく思い止まって今回のフレームにしてくれたものだと、正直エヴァディオさんのフレーム作りの姿勢には毎度感心させられています。
現在ワタナベ塗装さんの代わりの業者さんで当店もカラーオーダーを2本注文しています。またブログでアップしますので、お楽しみに!