2021年8月26日木曜日

後立山連峰縦走の旅7月26日(月) ~その2~ 想定外の連続だった白馬乗鞍岳!

 


初めて歩くルートなので良くわからず登っています。


こんな木道ばかりだとありがたいのですが、所々岩がゴツゴツだったりぬかるんでいたりと、とりあえず言える事がひたすら登りの階段です!


白馬乗鞍岳への道程・・・


「思いのほか急登じゃないか!」って感想からスタートとなった。


登り始めて4分・・・



これまた僕のジンクスになってきているが、早速ヒキガエルに出会う!


カエルに出会う事は『無事に帰る』って事に繋がるので験担ぎにはなります。


ありがとう!カエル君!


念の為に書いておきますが、山でヒキガエルに出会っても絶対に触らないで下さいね!


『ガマガエル』と呼ばれることもあるカエルで、耳線と背中から神経系や循環器系に影響を及ぼす毒が分泌されるので、触ると炎症を起こし、誤って口や体内に入ると死に至ることもあります。



登山開始17分で既にモチベーションダウン!


登り始めってなんでこんなにつまんないんだろう?(笑)


似非(エセ)登山家のワガママ大爆発!


大自然に感謝して登ろうという謙虚さを持てないまま登った今回、天狗原(てんぐっぱら)までの登りは苦痛でしかなかった。


ちなみにこの写真を撮影した直後、左手の笹藪の中で人間と同じくらいの大きさ・質量と思われる生物が、僕の気配に驚いて逃げて行くガサガサ音と振動がした。


姿をハッキリ見た訳ではないが、恐らくクマと思われる。


ここ数年全国的にエサ不足でクマの動きが活発というか・・・人間の生活域にまで及んでいるので、これから秋にかけては更に警戒が必要になるんじゃないかと思われます。



クマと思われる気配が逃げた方向には栂池自然園がある。(写真右下)


まあさすがに人を襲うような感じではなかったので、観光組に知らせる程でもないかぁ~って思いながら歩を進める。


頭の中は『怠い!怠い!怠い!』が(鬼滅の刃の)煉獄さんの「美味い!美味い!美味い!」くらいの大音量で響いている。


僕は足だけで登るルートが本当に退屈で仕方ないのである。



そして登り始めて26分で『銀嶺水』(雪解けの冷たい飲料水が汲める水場)に到達!

ここまで来ればまもなく天狗原である。


そしてよくわからないけど傾斜がなだらかになってきたので、ここからは呼吸を整えて登れそうだ。



天狗原にはまもなく到着しそうです!

向こうに見える雪渓(雪田)の上が白馬乗鞍岳の山頂です。


笹藪の他にハイマツ林、ダケカンバ林が織り交ざった天狗原。

そろそろ雷鳥とかオコジョとかを期待しても良いエリアに入って来たのかも!


目の前に雪田が現れた!

アイゼンは持って来ていないが、あれくらいなら何とかなりそうだ!


見た目以上に凍っていて、先ほど登って行ったパーティーにも滑って転んだ人がいた。

この後すれ違った人も盛大に2度滑って転ぶ。

僕は出来るだけシャーベット状の箇所を探りつつ、爪先を立てながら足場を作って登って行った。


天狗原に到着~っ!

スタート直後に10m標高を落してから登り返すので360m程一気に登りました。

正面の人は両手を挙げて立っているが、誰かに銃口でも向けられているのだろうか?(笑)

タイムレコードではここまで1時間10分のところを、今回は45分で登ってきたので、まずまずのペースだと思います。

しかしまあこれが僕の『若造の頃』なら間違いなくその半分足らずのタイムで登っていたと思えます。

ここから白馬乗鞍までどんなルートで登るのだろう?って向こうの斜面を見てビックリ!

あの雪渓(雪田)のど真ん中をぶち割って抜けるように、狭い岩場の急斜面のようなルートが見えます。

そこを様々な色(登山者の服の色)が移動しているので、間違いなくあれが登山道。

「マジか・・・ここに来てまさかの直登ルートかよ!」

周りにいた登山者に聞いたら「そうですよ!あそこから直登ですよ!」って・・・

視覚的なプレッシャーは半端なかった。


ここからはしばらく木道を歩きます。


栂池自然園や尾瀬のような木道と風景です。



ここでは水芭蕉を観れないのかな?


写真の花はヒオウギアヤメ。



これは綿毛になったチングルマかな?と思ったらワタスゲでした。



そして木道の先にはいよいよ本格的な岩ゴツゴツルートが・・・


写真のように沢になっているところもあるので、足を滑らしたらえらいこっちゃです。



ここまで来るとアスレチックのようなものです。


岩から岩へ飛び移りながら向こうへ回り込みます。



段々傾斜が険しくなってきました。



とうとうスキー場のチャンピオンコース並みの急斜面が現れました。


もしもこんな大岩が落石したら死者が出ますね。(汗)



これ実際に後ろを振り返ったら垂直に感じるくらいの急斜面です。


ここで下山してくるグループと登る人たちの激しいライン取りバトルが始まったので、僕が下山グループに指示を出してルートを誘導し、お互いがスムーズに進めるようにサポート。


本来グループ内にそういうリーダーがいてもらいたいのですが、余りの急斜面で躊躇が激しい感じです。


それで僕が誘導役を買って出たという・・・



まあ皆さんご無事で下山なさって下さい!


あの天狗原の木道からたった15分でこの高度感を味わえる直登ルート!


想定外の面白さです!


白馬乗鞍岳・・・バカにしていました!


とんでもない!最高に面白くなってきました!


一応下山する人たちには天狗原の向こうの雪田が滑りやすくて危険である事なども全て伝えています。



レスキュー活動しながらも、どんどん前を行くグループを追い抜いていきます。


こういう岩場に来ると自然とテンションが上がってスピードアップしてしまいます!



更に急峻な斜面になって、複数の下山者がルートファインディングに困っています!(下山は覗き込まないとペイントマークを探せないので、高度感による恐怖心からルート探しに困る人が多いのです)


今助けに行きます!待ってて下さい!


お節介スイッチ発動しまくりの区間でした。



雪田のある向こうの斜面は緩やかに見えますが、凍った雪の上で滑った場合にあの斜度は生死に関わる危険な角度です。



岩も蛇紋岩がほとんどなので、比較的滑りやすい為みなさん慎重に下っています。


木道からここまで25分。


そのうち約10分は下山のサポートをしていたので、まあまあのペースで登って来ちゃいました。



そして白馬乗鞍岳最後の難関が近付いてきました。


雪渓(雪田)の縦断です!


このもう少し左手にルートが作られていました。



もうしばらくは蛇紋岩の大岩から大岩へジャンプしながら小走りで登って行きます。



この先でまさかのアクシデント!


滑りやすい蛇紋岩の上を走っていたのですが、一ヶ所想像以上にグリップした岩があって、そこで躓いて岩と岩の間の大穴に落ちてしまいました。(汗)


落ちた際に右脚のすねを岩の角に強打して一瞬痛みで固まってしまう。


でもまあ気合と根性でよじ登って再び走り出す。


弘法も筆の誤り!河童の川流れ!


そういう事もあります。



雪渓(雪田)縦断ポイントが見えてきました!


何人か雪の上を登っているのが見えます。



アイゼンを持って来ていない僕にこれを登れるだろうか?


こんな箇所がある事は事前情報では知らなかったので想定外!



しかし迂回路は無さそうなので行ってみるしかないよね?



一応、万が一の為のロープは用意されていました。


結局僕はロープに頼らず爪先で階段を作りながらササッと登りました。



下山する人々の中にも僕同様、アイゼンを持たない人もいたので、何人かにアドバイスをしてからお見送り!


時間は丁度11時。


栂池自然園からここまで1時間半もかかってしまいましたね。(汗)


でもまあ誰にも邪魔されずに歩いていたら、若き日の僕ならここまで50分もかからなかったと思います。



そして山頂に向かう所で雷鳥の鳴き声がしたので、慌てて声の聞こえた方を撮影!


当時はどこにいるか気付かなかったのですが、この写真をよく見たらちゃんと一番上にいましたね!


自覚は無かったものの、今回は久々に雷鳥に出会えたのです!


嬉しいですねぇ~!



皆さんも雷鳥に気付いていない模様。(笑)


遠くに白馬の街が見えていますね!



向こうの尖ったピークは小蓮華山へ行く途中の雷鳥坂~船越ノ頭付近です。

その手前に白馬乗鞍岳のケルンが見えてきました。


その右手に見える山の左下に白馬大池があります。


ちなみにあの山には名前がありません。


でも標高は2469mと白馬乗鞍岳の山頂より少しだけ高いのです。(笑)



ケルンが近付いてきました!



標高2437mの山頂に到着!


って、白馬乗鞍の標高は三角点の場所で計っていますが、このケルンの左手が最高地点で標高2456mあったりします。


一体どっちの標高が正しいんでしょうね?


スタートしてから1時間40分。


まだまだ白馬岳までの道程は長いです。


果たして僕は無事に白馬岳まで登れるのでしょうか?


そして次回はこれまで勝手に天上の楽園と思っていた場所に初めて立ち寄り、そしてそこから地獄の小蓮華山ルートへ向かうところまで書きたいと思います。

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