2018年4月7日土曜日

2017年10月の色々・・・その2


今回は東商会の展示会に行った時の話です。

MASI(マジィ)はフレームのポテンシャルが非常に高く、このフレームでデュラエースや高性能ホイールと合わせて組み直したら、恐ろしく戦闘力の高い自転車に仕上げる事が可能です。

アルミフレームとかスチールフレームとか、『安い自転車』ってイメージで見る方が多いので誤解されがちですけど・・・

90年代後半~2000年前半のアルミフレーム全盛期の頃・・・

当時はアルミフレームでも、フレーム単体で30万円以上するものがざらにあった時代ですが、その頃にほぼアルミフレームの完成度は成熟し切っており・・・

現在の廉価モデルに使用されているアルミフレームも、メーカーやグレードによって当たりハズレはございますが、中には当時のフラッグシップモデルと大差無い性能の逸品もあったりするのです。

MASIはそんな隠れた優等生を販売しているメーカーの一つ。

完成し切ったフレームなので、特にカラーの変更をする以外に大きなモデルチェンジもしない。

モデル名が変わってもベースのフレームが同じとか・・・

ある意味面白味には欠けるかも知れませんが、ここのアルミフレームは飛びぬけてコストパフォーマンスが高いことから、僕が今まで乗り比べた数ある自転車の中でもオススメ・べスト10に入ると思います。

ただ完成車に付いているコンポーネントやホイールは、グレードをかなり落として販売していたりするので、どうしても通勤用だとか・・・セカンドバイク的な用途でしか薦めにくい自転車である事が難点です。

つまり最初から・・・或いはいずれ・・・部品を総換えするくらいの予定で買えば、100%満足のいく自転車に仕上げられる可能性があるって事です。


ちゃんと女性専用モデルだって用意しています。

ところで東商会さんと言えばTOKEN(トーケン)のホイールも扱っておられますが、TOKENのTBT(チラミックベアリング)は本当に良く回ります。

セラミックベアリングを採用しているXENTIS(ゼンティス)のホイールもすごく良いのですが、それ以上にTOKENのTBTが滑らかに回り続けるっていう事を知っているので、僕ならTOKENのホイールをオススメします。

MASIのフレームにTOKENのホイールで組み合わせれば、予算が安くても高性能な自転車に仕上げる事が可能です。


スチールフレームの自転車も今は希少車種になりました。

カーボンフレームの需要が増えてきた事や、欧米の有名ブランドの自転車も、今ではほとんどが中国や台湾などで生産されているような事情もあって、腕の良いフレーム職人さんもその多くが職を失っているような時代です。

本来は職人の中の職人が溶接して造られた金属フレームの方が、造形美を堪能できて・・・しかも乗り味も味わい深くて・・・とにかく所有欲を満たされる『作品』であるものなんです。

いつからこう味気ない自転車ばかりになってしまったのかなぁ?

MASIのスチールフレームも例外なくアジア産ですが、乗り味は20世紀の職人が造る自転車が良かった頃の乗り味のままなので、是非この乗り味を多くの人に知ってもらいたいと思っています。

尚、スチールフレームにも色々と材質の違いがあるので注意して下さい!

俗に『クロモリ』と呼ばれるのですが、クロモリ(クロームモリブデン鋼)はスチール鋼材の一つに過ぎません。

ハイテン素材のフレームもクロモリとして売られている事が稀にあるので、絶対に鋼材の詳細を確認して下さい。

ロングライドを気持ちよく走りたい方には、粘りのあるマンガンモリブデン鋼のフレームがオススメです。

僕はコロンバスの得意としているニバクロム(ニッケルバナジウムクローム鋼)の乗り味が忘れられません。


そして実は良く売れているMASIのミニベロ。


いつも「MASIのミニベロが欲しい!」ってお客様が来店された頃には、東商会さんの在庫がゼロになっているという現象が2年に1度は訪れます。

しかし当店にご来店なさるお客様の多くはミニベロのニーズが少ない為、下手に在庫を抱えられないという辛さもあります。


今回観たMASIの中で僕が個人的に最も欲しい!と思ったのがこのカーボンフレームです!


この塗装が渋いですよね!

シルバーかと思ったらパールのような輝きを放っていました。


ブレーキはダイレクトブレーキ専用になっています。


ダイレクトブレーキって言うだけあってブレーキパワーは強くなるのですが、応力もダイレクトになるので・・・フォークやバックステーの剛性も問われそうです。


ブラックの方もカッコイイですね。


こちらはラピエールのゼリウスSL・アルチメイト。

この自転車は未だ試乗車で乗った事が無いので気になって仕方がありません。


通常のゼリウスSLは乗ってみたのですが、2013~2015年モデルのゼリウスに比べると、ちょっと乗り味が引きずるような加速になったなぁ~って感じたので、それもあってアルチメイトの乗り味が気になっています。


エアコードもノーマルとアルチメイトでは雲泥の差。

アルチメイトの方が遥かにキビキビと走れて気持ち良いです。


サーベロはそろそろ全く新しい自転車を発表して欲しい感じです。

サーベロのフレームも大半がカーボンなので、材質を変えれば乗り味を自在にコントロールできる訳で、いくらでもバリエーションは作れるんでしょうが・・・

一番小さいフレームサイズでトップチューブ長が520mmって言うのは・・・

そろそろトップチューブ500mm前後のフレームでもサーベロらしい味付けのフレームを開発して欲しいですね。

身長160cm未満の女性が乗れる自転車が全く無いっていうのは、弱虫ペダルファンには何とも受け入れ難い事実です。

サーベロのフレームは基本がしっかりしているので、ステムを短くしてシートピラーのオフセットさえ何とか工夫すれば、身長155cmくらいの人でも乗れる事は乗れます。

でも・・・それで本当にいいのか?って話でしょ?

フレームの本来のポテンシャルも引き出せないセッティングで、無理やり「大丈夫ですよ!乗れますよ!」って・・・

そんな大嘘ついてまで売りたくないですよ!

そうでなくてもサーベロってだけで・・・相場の価格より30%くらい高いんですよ?

40万~50万円も出して自転車を買ったのにサイズが合ってない!っていうのは、販売店の詐欺行為でしょこれ?

そういうのがどうしても目に付いてしまうので・・・

いっそのことレディースモデルを作ってくれたらいいのになぁ~って考えてしまいます。

素材のカーボン素材も、女性の脚力やフレームサイズに合わせてグレードを落とせばいいと思うのです。

それが無理なら弱虫ペダル人気にかこつけた売り方は絶対にさせない事!

「サーベロは選ばれたアスリートの為だけのスペシャルバイクなんです!」と言い切ってしまった方が潔いと思う訳ですよ。


Sシリーズは乗りやすいし良く進むけど、速度の伸びがそれなりの脚力がないと難しいですし、そもそもPシリーズがあるのでエアロである必要も無く、Rシリーズは乗りこなすのが難しい。

いずれにしてもある程度レベルの高い人にしかオススメしちゃいけない自転車だと思うのです。


でもこういう極端に攻めたモデルを市販化してくるメーカーって、今では本当に少なくなりました。

そこはさすがというか・・・

トライアスロンでもサーベロとCEEPO(シーポ)のシェア率が半端無いのですが・・・

例えばグランツールに出場するプロチームが使用している自転車だから間違いない!って言うのは実は正しい判断ではなくて、それはチームの活動にスポンサーとして多額の資金と自転車を提供しているからなので、自転車が良かろうが悪かろうが関係ないのであります。

仮に良い自転車だとして、プロが使いこなせても・・・アマチュアには使いこなせないフレームも多数ある訳です。

逆にトライアスロンってアマチュアレースですから、そこでシェア率が高いって事は、純粋に良い自転車だからこその結果であります。

参加選手同士の口コミで良いって聞いて乗り換えて、それで実際に成績が伴って今に至っているからこそのシェア率。

T社やP社、S社、C社の自転車は概ね、プロツールでの勝利選手が乗っている率が高いから・・・っていうミーハーな理由が多いかと思います。

まあP社に至ってはスチールやアルミの時代からツール・ド・フランスでの勝利が多かったので実績はあります。C社もカーボンフレームばかりではなく、スチールやアルミ、チタンフレームでも数々の名車を生み出しています。

B社やD社のように色やロゴが可愛いとか、歴史が古いだの職人が造る自転車だのっていう側面が人気の、更にミーハーなメーカーもあります。

ただしこれらのメーカーで本当に名車と呼ばれる自転車を選ぶなら、最低でも100万円前後の出費は当然覚悟しなければなりません。

メーカーにこだわるなら予算度外視!

メーカーにこだわらなければ10万円前後~20万円でも、大手メーカーの150万円前後のプロスペックバイクに引けを取らない走りをする隠れた優等生が見つかる!

そういった情報や統計も参考にしつつ、貴方に合った貴方の為だけの自転車選びを楽しんで下さい。

0 件のコメント:

コメントを投稿