2019年11月6日水曜日

M籏君の初北アルプス縦走記・・・その④『最終回・・・山への未練と現実の狭間』


9月 6日 16時

M籏君にも観る事が出来ました・・・『ブロッケン現象』です!

ちょうど西陽がガスを照らしたライン上にM籏君が重なったんですね。


ズームアップすると画質が乱れるのが残念ですね。


でもブロッケンを観れてM籏君嬉しそうでした。

真っ先に「ブロッケン現象が観れました!」ってメールでの報告があったので、すごくテンションが上がった事だろうと、僕も嬉しい気持ちになりました。


その時の西の空はこんな感じです。

上空は晴れているのに、穂高連峰(恐らく槍ヶ岳も)に厚い雲が被っている状態。

これがエヴァンゲリオン好きの言うところの、第2新東京市を守るATフィールドの現物です。

まさに今、悪天候から松本市を守っている真っ最中な訳です。

まだ積乱雲にまでは発達していないので、現状は見た目ほど酷い天候ではないと思いますが、もしもあれが積乱雲だった場合・・・

当然奥穂高岳山頂も荒れてしまいますし、稜線は暴風が吹き荒れて歩くどころではありません。

積乱雲の中はとてつもない暴風です。

そんなタイミングでジャンダルムにいたら、すぐに長野県側の斜面に降りて、近くの大岩にしがみつかないと吹き飛ばされます。

更には落雷の危険性も高いので、直撃を受けなくても近くの岩に当たって・・・そんな可能性だって無視できない状況になってしまいます。

なので現在穂高の稜線に出ている登山者は、慌ててテントや山小屋に避難している頃じゃないでしょうか?

風は飛騨側からの吹き上げが特に強烈なので、北穂高小屋も山頂の東側に建設されています。

穂高岳山荘は白出沢からの恐ろしい吹き上げにも耐えられるように建っているので、ある意味奇跡の山荘です。


大キレットの長谷川ピークがギリギリ雲の下に確認できるので、標高2850m以上の地点が雲に埋もれた状態って事になります。

M籏君は山の天気の面白さを味わいながらチューハイで乾杯!


安曇野方面は晴天です。

アルプス公園や大王わさび農場に観光で来ている人たちは槍穂高連峰に感謝ですね。


あの雲の西側に回り込めばまたブロッケン現象が観れますよ。


徐々に雲が薄れてきました。

穂高の峰々が雲の発達を阻止したのでしょうか?

特に奥穂高岳と涸沢岳の働きには感謝しないといけません。


この山の方角を示すレリーフはいつ頃作られたものなんでしょうね?

年月の経過を感じさせる味わいです。


こちらは蝶ヶ岳ヒュッテです。

その山でしか購入できないTシャツなどがあるので、登山の際には是非山小屋に立ち寄って欲しいですね。

僕は昨年8月に買わずに帰って後悔し、10月に再び登った時には売り切れて無くなっていました。

未だに買わなかった事を後悔しています。

山小屋Tシャツは、そこに登った人にしか着る事を許されないTシャツです。

下界では販売も購入もできないし、ネットオークションで中古を購入する事すらタブーなので、やはり登った時に買って帰りたいものですよね。


この調子だとそのうち『あれ』が観れるかも知れません。

M籏君はなかなか持っていますね。


これ誰が積み上げたんでしょうね?

素晴らしいバランスで建っています。


右から明神岳、焼岳、六百山&霞沢岳、その向こうに乗鞍岳、その左向こうが御嶽山です。


これは安曇野方面です。

東の空も夕焼けに染まっています。


きた~っ!

夕日と槍穂高連峰のシルエットです!

これを観ることができるのは常念山脈だからこその特権です。

M籏君が蝶ヶ岳ヒュッテに留まった事は正解でした!

この日本一の稜線をシルエットで眺められるこの瞬間は、贅沢以外の何ものでもありません。

長い縦走の最後のご褒美じゃないかと思われます。

左から前穂高岳、吊尾根を経て奥穂高岳(左手に薄っすらとジャンダルムらしきシルエットも見えています)、白出のコル(穂高岳山荘)を挟んで涸沢岳(涸沢槍は同化している)、亀岩のシルエットもくっきりで、そのまま奥壁バンドを経て滝谷ドーム、北穂高岳の南峰&北峰・・・

そして大キレット、南岳、中岳(小さく尖っているピーク)、大喰岳、槍ヶ岳・・・

登山好きなら誰もが憧れる標高3000mオーバーの稜線を独り占め!


安曇野方面の夜景です。

相変わらず星空は綺麗でも、携帯電話では撮影することができません。


9月 7日 4時48分

テント場から東の空を撮影。


槍穂高連峰も浮かび上がってきました。

穂高岳山荘と北穂高小屋の明かりがハッキリ見えます。

槍ヶ岳山荘の明かりも何となく・・・ですが確認できます。


そしてM籏君が撮影した不思議写真その2。

西側斜面の下から上ってくるガスを撮影したのかな?

そのガスに朝焼けが写り込んだ写真なのか・・・ちょっと不気味な写真です。


富士山と甲斐駒ヶ岳、北岳のシルエットが見えます。

蝶ヶ岳の山頂にもたくさんの登山者が集まっています。


浅間山の向こうから太陽が顔を出し始めました。


いよいよモルゲンロート劇場が始まります。


乗鞍岳もハッキリと見えます。


山の上は寒いのですが、太陽の光で温かく感じる瞬間です。

この瞬間がまたとっても気持ち良いのです。


昨日通過した常念岳です。

遠くに見える山々は妙高方面の山々ですね。

雨飾山、焼山、火打山、妙高山、黒姫山辺りでしょうか?

妙高山と小黒姫山(御巣鷹山)はカルデラの、外輪山に囲まれた真ん中に顔を出すようにそびえているので判りやすいです。


これから徐々に光の垂れ幕が下がっていきます。


温もりを感じるご来光です。


M籏君の靴がもうボロボロになっています。

次に北アルプスへ来る頃には新しい登山靴を新調しないといけませんね!


時間はまもなく5時半です。


今日はM籏君、下山するだけなので・・・しばらく余韻に浸っていたい心境だったと思われます。


昨日歩いた稜線が見えます。

あんなところから歩いてきたんですよね!


この石積み・・・風が吹いても大丈夫なのかな?


そろそろテントを畳んで出発の準備をします。


ヒュッテ内では5時半~朝食って感じじゃないでしょうか?

大半の登山者は6時頃から出発し始めるので、混雑しないうちにスタートできるようにしたいですね。

混雑すると自分のペースで歩けないので。


6時09分

丸い光は太陽光が何かで屈折したり反射してできるものなんでしょうか?

前日の朝撮影した不思議写真その1も同じ理屈なのかなぁ?


結局朝ご飯も食べてから出発したので、現在6時47分。

思ったほど混雑も無く歩けそうです。

槍穂高連峰の見納めです!


長塀山を抜ける長塀尾根を経て徳澤まで下山します。


ここへ来るまでに『妖精ノ池』ってあったはずなんだけど、M籏君は気にならなかったのかな?

僕は個人的に名前の由来とか気になるもので・・・。(笑)


長塀山からはひたすら森の中を下って行きます。

景色が開けていないので退屈です。

実際にM籏君からも「ここの下りは退屈でした。」と報告がありました。(笑)


木漏れ日が爽やかではございますが、北アルプスの登山においては景観が命(楽しみ)なので、森の中を歩くのはガッカリするものです。

せめてリスやオコジョに出会えたなら、幾分か楽しくもなるのでしょうが・・・


8時50分に徳澤園到着!

標準コースタイム3時間15分のルートなのに2時間で下山しました。

M籏君の膝が心配。


徳澤園はカレーとソフトクリームが名物だとM籏君には教えていたのですが、時間が中途半端だったからなのか、立ち寄らずに上高地へ向かった模様。


ここから河童橋までのルートも退屈・・・だったりする。(笑)


左手に徳沢のテント場や徳沢ロッヂを見ながら森の中を進みます。


前穂高岳と明神岳です。

空はおそろしく青空です!

こんな日にジャンダルムに行きたいですね。

今このタイミングで奥穂高岳にいる人はラッキーです。


白沢から見た明神岳です。

この角度から前穂高は見えません。


これが白沢。

珍しく川の流れがあります。

ここはほぼ伏流水の事が多いので・・・。


まもなく明神館前に到着!


ここから梓川を渡れば嘉門次小屋や明神池があるのですが、今回はスルーですね。


このやたら脚の長いクモみたいな生き物は『ザトウムシ』といいます。

留美さんがかつて学校からのキャンプで徳沢にテントを張った際、ザトウムシの群れに襲撃されて全員のテントがパニックになったとかで・・・

ある意味トラウマになった虫なんだとか。

上高地では頻繁に観られます。


明神岳は標高こそ前穂高より低いですけど、相当の技術が無かったら登れない山です。


しかし梓川のターコイズブルーは相変わらず美しい透明度を誇っています。


小梨平に着きました!・・・そろそろ河童橋です。


梅花藻も元気そうです。


徳澤園から1時間半で河童橋までやってきました!


記念撮影だけではなく・・・


奥穂高岳を仰ぎ、山行の無事を感謝!

そういう気持ちが大切だと思います。


ここでソフトクリームの登場!

次回は徳澤園のソフトクリームも味わって下さい!


僕が初めて上高地に来たときは、既に現在の姿になっていました。

当時は安房トンネルもできて便利になったばかりでした。


こちらは焼岳。

最近地震を起こして活性化が心配な活火山です。

上高地の大正池は、大正時代に焼岳の噴火と火砕流によって誕生した事で知られています。

噴煙を吸って亡くなった方もおられますので、登山の際は火口に近付き過ぎないように気をつけましょう。


河童橋を渡りながらもう一度、奥穂高岳(岳沢カール側)を撮影!


バスの時刻表をゲット!

僕は平湯温泉で乗り換え飛騨高山まで出て、そこからJRで岐阜、米原で乗り換えて帰るか、高山から大阪まで高速バスで帰ることも提案したのですが、できるだけ青春18きっぷを活用したいのと、松本でもう一泊したいという理由で新島々までのバスに乗る予定。


河童橋と五千尺ホテル。

五千尺ホテルと言えばファイブホルンというレストランが松本にもあるので、料理やスイーツが美味しいとかで、知る人ぞ知るホテルです。


お昼ご飯にとろろそばを食べたM籏君。

全然足りなかったそうです。(笑)


上高地で2時間半程過ごしたM籏君は、16時05分発のアルピコバスで新島駅を目指す。

写真は上高地国ホテル前を通過するところ。

一度は泊まってみたい憧れのホテルですよね?

僕も有楽町の帝国ホテルだったら何度も泊ったことがあるのですが、上高地はまだ一度も利用したことがございません。

ここのスイーツも「プリンがでかい!」と評判です。


大正池・・・立ち枯れ木がほとんど残っていません。

あの立ち枯れ木と朝もやの、幻想的な風景が最高に癒しだったのに・・・

寂しいですよね~。


松本電鉄の新島々駅です。


こちらは旧島々駅舎跡です。

以前はこの辺りもお土産屋さんが多くて賑わっていた印象ですが、道の駅ができたり21世紀になって以来、年々お土産の購買率が落ちてきているのが原因で、新島々はおろか・・・松本駅前でさえお土産屋は激減してしまいました。

今は欲しくなったらネットで取り寄せられるものもあるので、お土産屋さんの需要が減ってしまいましたよね。

僕は八方尾根でスキーの際や、つがいけサイクル出場等で白馬を訪れたら、必ず白馬駅前のお土産屋『アラサワ』さんでお土産を買っていたんですけど、おじいちゃんが亡くなってから誰も継がずにお土産屋を辞めてしまったみたいなんですね。

情緒が無くなるのは寂しい事ですよ。

入りやすさや手軽さも大事だけど、もっと地元の個人商店を盛り上げていきたいものですね。


向こうに随分と古い車体が停まっています。


M籏君が一人で松本散策!

これは女鳥羽川。

向こうの山は美ヶ原と扉峠方面です。


今来た方向を振り返って。

写真右端に時計博物館が写っていますね。

これからナワテ通りを歩きます。


ナワテ通りと言えばかえるがマスコットです。


骨董品屋さんや雑貨屋さんがたくさんあって面白いですよ!


ここまで来たなら『喫茶まるも』で寛いだ後、オークラのチーズケーキを買って帰って欲しかったなぁ~。(笑)


ここをナワテ通りから左手(北)へ曲がってまもなくオークラチーズケーキ店がある。

土日限定のチーズケーキが最高に美味しい!

そして橋からは『喫茶まるも』も見えています!


ここの交差点を右に向いたら『喫茶まるも』がある。


右を向いた~!

なのになぜ行かなかったんだ~?(笑)

M籏君が松本観光をするんだったら事前に教えてあげればよかったなぁ~。


その後来た道を戻ったM籏君は松本城にやってきました。

松本城の左に城山公園が見えて、更に遠く有明山が見えている。


当初、あがたの森公園でテント泊をするつもりで考えていたM籏君。

あがたの森は心霊スポットだったり、溜まり場だったりするので、野営するなら城山公園かアルプス公園の方が良いんじゃない?って話をしたら・・・

やはり冷静に考えて、街中で野営は物騒だと考えなおしたM籏君は、その日のうちに神戸に帰る方向にシフトする。

17時過ぎに松本駅から出発して、東海道線で遅延が発生したものの、なんとか夜中の0時過ぎには無事神戸に帰ってきました。

青春18きっぷで行ったのは間違いだと気付いたM籏君。

何事もすべて経験です。

今回の経験を次に活かして・・・また新しい目標を抱いて頑張って欲しいですね。

初北アルプス登山の旅・・・お疲れさまでした!

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