2019年11月16日土曜日

今年初の奥穂高岳登山・・・その④~最強の夕焼けと満天の星空・・・しかし寂しさの残る穂高岳山荘での時間~


穂高岳山荘からの夕焼けは僕の今までの人生の中で最強の夕焼けである。

重たい思いをして運んできた一眼レフ・・・

失敗した~っ!

なんで300mmの望遠レンズなんか装着してきたんだよ~!

中途半端に遠くの写真が撮れる程度で役に立たない!

これはノーマルの~70mmレンズで十分だった訳です。

300mmが役に立つのは離れた位置にいるオコジョやライチョウの撮影をするときや、岩壁の上に咲く高山植物を撮影するときくらい・・・。

冷静に分析して装備をしてくるんだった・・・。

レンズが大きい分荷物も重いし、全くの無駄な労力だった。(汗)

今回は夕焼けと星空に的を絞って来たはずなので、「やってもた~!」って笠ヶ岳に向かって思わず叫んでしまった。


判る人にしか笠ヶ岳って判らへん写真・・・


あの山が雲で途切れた辺りの手前が今朝車中泊した新穂高温泉・・・

って言っても雲海の高さが既に標高2000m付近なのでピンとこない説明になってしまいます。

車中泊した駐車場は標高930mあるかないかくらいの標高です。

笠ヶ岳山頂は標高2898mあります。


これはジャンダルム側の写真ですが、300mmレンズだと近場が撮影できないので、敢え無く携帯電話のカメラで撮影しなおす。


ジャンダルムです!

Tシャツも購入しちゃったし、明日登れるといいなぁ~。

しかし山荘内では「明日は天気が崩れるかも・・・。」という噂が流れていて、不穏な空気が漂っていた。

僕はまだ雲の形とかで正確に天気の予測ができるほど達人ではないので、ただひたすら明日の天気が快晴であることを祈るしかない。


夕食を食べてから撮影に出てきたので、ちょっとベストタイミングを逃してしまった写真です。

あと10分早く撮影に出ていれば・・・。(涙)


こちらは変わって涸沢カール側。

せっかく持ってきたので一眼レフを使ってみよう。


薄暗かったのでシャッタースピードを下げて涸沢ヒュッテ(標高2307m)を撮影。


こちらは常念岳(標高2857m)です。ちょうど1ヶ月前にM籏君が登ったばかりですよね!

M籏君はここを左手から登って右に下り・・・


あの少し尖ったところが蝶槍で、そこを更に右手に歩いて・・・


あの一番標高の高い場所が蝶ヶ岳山頂(標高2677m)で、M籏君はその少し左手に見える、蝶ヶ岳ヒュッテの右手にテント泊していた訳ですね。


これは前穂高岳北尾根の5峰と4峰の間のコルですね。

基本的に前穂北尾根はアルパインクライミングというジャンルになるので、ハーネスやザイルを装備しないと登っちゃいけないバリエーションルートなんですが、さりげなくフリーで挑もうと目論んでいたり・・・

昨年もソロで登って滑落してヘリで救助されていた人がいたそうで、そんなカッコ悪い思いはしたくないので・・・

しっかり修行を積んで自信を身につけてから挑戦したいと思います。


一旦部屋に戻ってきました。

奥行きのある大部屋の一番奥から2番目の場所です。

受付で順番抜かししたオッチャンが一番奥ですが、この方ものすごいカメラ機材を持ってきてて・・・それについては「すげぇ~!」って思いました。

ただ僕が食事前に1時間ほど寝ていた時に脚を蹴られちゃいまして・・・

それで驚いて飛び起きた経緯から、オッチャンが立ち上がって歩き出す度に目が覚めてドキドキするようになる。(笑)

僕の泊った立山という部屋は、白出沢に最も近い飛騨側の一番奥の角部屋です。

窓が結露しているので夕焼けは堪能できず。

っていうか、この部屋・・・恐怖でした。

何が恐怖なのかはまた改めて話すとして・・・


これは読書室からの夕焼け。

みんなこの瞬間に日常のストレスを全て忘れてリラックスするんです。

たまらなく幸せな一時・・・。

このあと穂高岳山荘オリジナルDVDの上映会が始まって、暖炉の周りが賑わいました。

ただ・・・画面に近い人がやたらと姿勢を変えて、その度に頭が被って見えなくなるので、ちょっとイライラ。

1時間程度のDVDを観るのにじっとできない大人ってどうなの?

やはり僕みたいな性格の人間はテント泊の方が向いているのだろうか?

周りに気をつかえない人が本当に嫌いなんです。

実はこの日の夕食も楽しくなくて・・・

いつもなら「皆さんどのルートからお越しなんですか?」って質問から始まって、情報交換やアドバイスなど、山の話で盛り上がるんですけど・・・

この日の夕食は6人テーブルに少し遅れる形で僕が最後に席に着いたのがそもそもまずかったのですが、既に5人はご飯もお味噌汁も自分の分をよそって食べ始めている訳。

僕は隣の人の前を跨ぐ感じでご飯をよそったりしないといけないので、非常に気まずいんですよ。

「前を失礼します!」って声をかけているのに無反応とか・・・

どうフォローすればいいの?みたいな。

僕が最初に席についていたなら、「それじゃあ僕がご飯入れていくので、運ぶ係と・・・お味噌汁を入れる人と運ぶ人、お茶を入れる人と運ぶ人・・・。」って役割分担を決めて・・・。

もしも一人だけタイミングがずれて加わった場合は自分が率先してご飯を入れたり、お味噌汁やお茶のフォローを指示したりして、その遅れてきた人を受け入れる態勢を作ったりするものなんだけど・・・。

最近の人って大人も含めてコミュ障になってないか?

日本人・・・こんなんで大丈夫なん?

結局6人が淡々と食事を終えて次々に席を立っていくという。

寂しい・・・。

グループで来ている人たちは仲間内と盛り上がっていればそれでいいのでしょうが、でも昨年はグループで来ている人でさえ、僕みたいなお一人様にも話しかけてくれて、ルートのアドバイスを聞きに来てくれたり・・・他の山の話なんかでも国籍とか年齢とか性別も関係なく盛り上がって面白かったのですが・・・。


僕・・・ここで過ごす時間が本当に好きなんですよ。

生まれて初めてですよ、こんなに何度も来たいって思った場所。

だから今年も・・・本当に来る時間を作れなくて、作れなくて・・・ようやくスケジュールにねじ込んでやって来れたっていうのに・・・

何だか寂しくてつまらない・・・

何ていうか・・・コンパの人数合わせで呼ばれて、結局話の輪に入れてもらえない虚しさに近いような・・・

って言えばこの日の酷さが伝わるでしょ?(笑)

昨年の登山が本当に楽しかっただけにとっても残念です。

とりあえず20時頃までオーディオスペースでDVD鑑賞と天気予報の確認をして、早々に部屋に戻って寝ました。

睡眠不足も半端なかったので。

しかし20時過ぎから急に風が強くなって殴りつけるような大雨が降り始めました。

僕の部屋は特に風の影響がすごい!

恐らく秒速10m~20mの風が当たり前のように吹き荒れている。

窓がガタガタと激しく揺れる。

時々猛烈な突風が吹いて部屋の壁が壊れるんじゃないか?って思えるくらいの振動が布団伝いにも伝わってくる。

これこそがこの部屋の恐怖だ・・・。

まだ「ここ・・・事故物件なので幽霊が出ますよ。」・・・くらいの方がネタになって面白い。

改めて飛騨から吹き上げる突風の恐ろしさを感じました。

こんなに強烈な気候の場所に建っている穂高岳山荘・・・やはり偉大である。

暴風吹き荒れる稜線の騒がしさに慣れて寝付いたのは何時だろう?

ふと目が覚めたら真夜中の1時半だった。

妙に静かだったので目が覚めたのである。

「あっ!これなら星空の撮影ができるかも?」

そう思ってカメラとウインドブレーカーを持って部屋を静かに抜け出す。

ロビーでウインドブレーカーを着て、靴を履く・・・

ヘッドランプを忘れてしまったが・・・まぁいっか!


風はいくらかは穏やかになっていたけど、時々突風が吹く。

体感温度としてはマイナス10度以下かなぁ~。

シルエットは前穂北尾根です。


露出を最大にするためシャッタースピード30秒で撮影するが、実際に見えた星の数はこんなものじゃない!

そしてシャッター速度を遅くした分、少しでもシャッターを押すときに振動を与えるとぶれてしまう。

シャッターが閉じるまでに風が吹いて揺れてもダメ!

せめてリモコンシャッターは必須だった・・・反省。


他の人が撮影するみたいに美しく表現ができない!

そもそも300mmレンズも大失敗!


奥穂高岳のシルエットも、PCで明るさ調整してようやく判るレベル。

僕の求める星空の写真はこんなんじゃない!


涸沢ヒュッテとテント村。

同じく星空を眺めている人がたくさんいるって事ですね!


涸沢岳山頂のシルエットと星空。

本当は天の川も見えている。

睡眠不足と疲れで夜間視力がまだ完全に回復していない僕でしたが、それでも肉眼でハッキリと天の川が見えている。

どうやったら写真で映し込めるんだ?


穂高岳山荘の煙突と星空。


なんかメッチャ悔しい!

せっかくいつもより重たい荷物を背負ってきたのに何でやねん!


そして300mmの望遠レンズではオリオン座も北斗七星も1枚の写真に収める事が出来ない。

悉く装備が裏目に出てしまった。

ここで見上げる星座は巨大で迫力満点!

1枚の写真に綺麗に収めたかったなぁ~。(涙)

天の川を撮影する技術を学んでからまたリベンジだなぁ~。

この美しい星空を見上げたら、誰もがきっと涙を流して感動すると思うんだよね。

結局満足のいく写真も撮れないまま、45分も極寒の稜線でじっと撮影をしていたので、めっちゃ冷えました。(笑)

そして同じくヘッドランプも点けずに暗闇を静かに歩いている登山者が何人かいて、気配もなく後ろから間合いに入られた時などは、本当にゾクッとしてしまいました。

危うく回し蹴りを繰り出しそうになってしまい、違う意味でドキドキしてしまうとか。

とりあえず星空撮影は不完全燃焼のまま部屋に戻る事にしました。

それではまた次回!

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