2016年10月21日金曜日

北アルプスチャレンジ!・・・その6 『奇跡再来とアンビリーバボーな宿・・・前編』

9月20日(火)13:40過ぎ

唐松岳山荘を出発した僕は八方池山荘を目指して下山する。

30分程前に下山した10名程のパーティがまだ歩いているかも知れない。

それ以外に現状このルートを歩いている登山者は、恐らくもう誰もいないだろう・・・時間的に考えても僕より後に・・・というより、この日僕以外に登った人はいないと思うんですよね。(苦笑)

ゴンドラ&リフトも概ね下山者の為に動かしています・・・といった具合じゃないでしょうか?

実際ゴンドラ乗り場から出発する際には、「えっ?ホンマに行くの?」と言いたげなリアクションをされていましたので。(笑)

とりあえず同じルートを歩いているのであれば、今からでも十分に追いつける!

それだと少し賑やかに下山ができるかな・・・。

やはり一人で誰もいない山・・・それも真っ白けで何も見えない世界で歩くっていうのは心細いと感じるものです。

地元の六甲山とかであれば、夜中であっても一人で歩くのは別に平気なんですけど・・・不思議だ。

登山マップによる唐松岳山荘~八方池山荘の下山の目安時間は2時間20分とあったので、目標タイムは1時間30分に設定!



ところで最近歩くのに腹筋を意識する癖が無くなったせいなのか、どうしても大腿四頭筋に頼り過ぎる傾向がある。

吸汗スパッツのサイズが小さいのでお尻がずってきて、クライミングパンツの中では半ケツ状態になってしまい、それを度々直すのも非常に煩わしいのだが、何しろ締め付けが窮屈で・・・

余計に筋肉の動きが固くなっている。

大腿四頭筋の疲労は膝のダメージに直結します。

そして膝のダメージは下山に響きます!

特に岩ゴツゴツの八方尾根の登山道で、シューズ選びで墓穴を掘った僕などは、足裏の激痛を耐えながら、膝への衝撃にも耐えないとならない・・・

それでいて大腿四頭筋は既にパンパンに出来上がっている状態。

鎖場を過ぎるまでは苦で無かったものの、ハイマツ群生地からの岩の階段とかはかなり衝撃が強いです。

そんな事を想像しながら歩いていると・・・

「うおっ!雷鳥だらけ?」

目の前に4羽も並んで歩いていました。(驚)

それも別段慌てて逃げるでもなく・・・

僕は両脇に2羽ずつ引き連れて歩いているような状態で、200m程並んで歩く。

なぜ逃げない?

そして鳴き声が可愛いのと、羽毛のモコモコ感がたまらない!

「ううう・・・持ち去りたい!1羽くらい抱きかかえて帰っちゃならないものか?」

そんな邪心が芽生える程可愛かった。(笑)

ハイマツ林の細い道の所まで来ると、今度は先ほどの道案内してくれた雷鳥じゃないかと思われる雌の雷鳥が1羽、登山道の真ん中で待ち構えていました。

案の定、細い登山道を逃げもせずに2m前を先導。

なんて心温まる日なんだろう・・・

今回は3~400m程でしたが、ハイマツ林のしんどい区間を一緒に歩いてくれたので、すごく楽しい気分で歩けました。

しかも最後は1m未満の距離まで近付いても座ったまま逃げないで、僕が立ち去るのを見送ってくれました。

携帯電話のカメラが不調で写真に収められなかったのが、非常に残念で仕方がなかった。



それ以来・・・丸山ケルンの前後に至るまで、もう雷鳥を観ることができませんでしたが、今度は扇雪渓付近からはダケカンバの林を歩く度に、ルリビタキが近くまで飛んできたり・・・

「今日は何やら鳥に好かれる一日だなぁ~。」と、本当に楽しく歩けました。



結局先に下山したと思われたパーティには出会えなかったので、恐らく五竜岳を目指して牛首を通って南下したのでしょう。

第3ケルンのお地蔵様に無事下山の挨拶と、雷鳥たちに出会えたお礼を報告して・・・

八方池山荘に15:00過ぎに到着。

登山道が沢のようになっていたので、両足が水浸しで・・・

更にリフトもゴンドラもしばらく停止していたみたいで、それぞれ運転準備の間待っていたものだから、完全に低体温症になってしまった。

雨の日のつがいけサイクルや乗鞍を、自転車で下山する時を思い出すくらい寒い。

リフトでぶるぶると震えが始まった。

しかし、黒菱平から下りるリフトの上からようやく白馬の町が一望できた時、下山の安堵もあってリュックから一眼レフカメラを取り出して・・・


ここで標高1600~1650mくらいあるので、白馬の町との標高差は約1000m程。

雨は降っていない訳ではなく・・・

この写真を撮って以降はやたらとレンズが曇って、まともにいい写真が撮れなくなってしまった。

そしてゴンドラの兎平駅に着いた時には寒くて歩くのも嫌な状態になっていた。

レストランが開いていたけど、空腹よりも寒さが勝っていて立ち寄る気分になれない・・・

ゴンドラに乗る。

兎平駅に牧場がどうのこうの・・・とは書いてあったが・・・


「うおっ!マジか?いつからこんなこと(放牧)始めたんやろ?」

知らなかった。(笑)

それにしてもリーゼンスラロームの斜面・・・

中級コースとはいえ30度近い急斜面ですよ。

牛さん・・・雨の降る中、元気だねぇ~。

僕はもうあんな斜面を歩くのはまっぴらゴメンです!(笑)

無事下山・・・

白樺ゲレンデの駅内にあるお土産屋さん・・・

色々物色したい気持ちはあったけど、やはり寒さには勝てませぬ。

携帯電話の電池も後わずか・・・

こんな時の救世主、スタッフXに緊急連絡!

「寒くてこのまま車で神戸に帰るとか絶対に無理!なのでどこか温泉宿にもう一泊したいので、代わりに宿を探して~。」

「どの辺で探します?」

「どうも台風の接近が微妙に思えるから、明日にちょっとした望みを残す意味で・・・今夜も大町温泉郷で!」

「昨夜泊まったホテルでは?」

「嫌だ!連日バイキングとか・・・しかも部屋にお風呂が無いとか有り得ない!」

「ちょっと高級な旅館だったら、早速ピックアップできましたよ。」

「高級結構!でも可能な限り予算はお財布に優しい方向性で・・・。」

「相変わらず無茶苦茶いいますねぇ。」

「わがまま言って申し訳ない!」

「あっ、これ・・・いいのありましたよ、訳あり格安物件!」

「えっ?何それ?何か出るんとちゃうやろなぁ。」

「さあ・・・台風で当日キャンセルが7件ほど出たので・・・とか書いてますよ。」

「あっ、そういう事?で、どんな宿?」

「純和風旅館で、お部屋は和室10畳でお風呂付・・・。」

「ご飯は?」

「会席っぽいですよ。」

「で、肝心な料金は?」

「入湯税込みでも10000円いかない感じです!」

「それ決定!じゃあ電池がもうないので、予約が完了したら連絡下さい!」

そう言って八方第2駐車場から出発!

携帯電話はとりあえず充電。

車内の空調・・・

完全な冷房にしていたのですが、180度暖房に切り替えました。(笑)

アクセルを踏む脚が生まれたての子鹿のようにプルプルと震えております。

しかも軽く高山病にかかったっぽくて、頭が痛くて気分も悪い・・・。



大町のコンビニで暖かいコーヒーを飲んでくつろいでいた頃、スタッフXより連絡が入りました。

「予約取れましたよ!チェックイン一応19時にしてますけど・・・。」

「はあ?もう大町に着いてるから10分~15分あったら行けるんだけど?」

「そのくらい自分でどうにか交渉して下さい!あと住所が・・・・・・・。」

「いや、さすがに住所で言われても、ナビ付けてないし。近隣のホテルや旅館との位置関係さえ判れば大丈夫!まず立山プリンスホテルよりも北か南か、東か西かで答えて。」

そんなやり取りで場所も判明したので早速向かって16:30過ぎにチェックイン!

18:00~夕食との事で、まずは濡れた物を全て乾燥させる為に、絞って干して・・・

それから温泉へ向かう。

温泉・・・

ものすごく熱かった!(汗)

久しく入っていない江戸っ子風呂。

湯船の温度は間違いなく50℃を超えている!

足を入れた瞬間、「グオオオオォ~ッ!」って全身硬直。

湯温に慣れるのに苦労しました。(笑)

しかし熱い風呂に入ると気持ちいいっすね!

風呂から上がったら、「ああ~っ!もう・・・死ねる!」って、気持ちよく布団に飛び込めます。

ところがなんです・・・

実はこの宿に到着してから、ずっと違和感が付きまとっていたのです。

次回・・・違和感の理由と、迫り来る不安と恐怖の話です。

気が向いたら読んで下さい。(笑)

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