2016年2月24日水曜日

自転車を買う時によく見てほしいポイント。

エヴァディオのバッカス01を買おうか、どうしようかと悩んでいたO様2号が(悪い事を)やってくれました。(苦笑)

他店でセールだったというFOCUSのカヨを買って、それを乗ってきたのです。

「せめてゴルフの練習の時に前振りしといてよ!いきなりじゃ心の整理ができへんやん!」(笑)

などと思いつつ、仕様の変更が必要か、するとすればどんなパーツを用意すべきか・・・等と相談を受けて、自転車をチェックする。

とりあえず7900デュラエースのホイールに11速のスプロケが対応しない事を改めて確認しつつ、今のホイールを売って新しいホイールを買うのか、10速用ハブに対応する11速スプロケを買う方がいいのかを悩んでもらっている間に自転車の組付けを見させてもらったら・・・


シフトインナーワイヤーケーブルが綻(ほころ)んでケバケバになっていました。


フロントディレーラー側もこの通り。


これは酷いですね。

そもそもこのシマノの新型のインナーワイヤーケーブル。

1本2000円近くもするのにトラブルしか起こさない駄作だって事を、いい加減みなさんに気付いていただきたい。

STIレバーの中で綻んで、どんどん摩擦係数が増え、結果的にレバー内でワイヤーが切れる。

ST-9000がいつの間にかST-9001にすり替わった背景は何か?

11速用STIレバーのブラケットカバーをめくって見てください。そこにはレバー内で千切れたワイヤーの頭を取り除く為のポケットがあるはずです。

摩擦係数を減らすための新技術のはずが、トラブルの原因になっています。

プロショップでも、綻びを作らずに綺麗に組みつけの出来るショップが一体どれほどあるか・・・



話はO様2号の自転車に戻りますが、フロントディレーラーの取り付け位置も低めで、セッティングが出ていない状態。

インナー×トップとアウター×ローのいずれも、チェーンがブレードに摺っているのを確認。

「Oさん、これはアウターとインナー共に、トリムを使わないと摺りますね。」

「はい。買ったお店でも両方でトリムを使って下さいと説明を受けました。」

それは間違いですよ。

トリムを使わないと駄目だなんて、メカニックの怠慢ですよ。

確かにフレームのディレーラー台座の溶接位置がずれていたり、フレームの構造上ディレーラーとの相性が悪い・・・といった事例は無くは無いと思っています。

なので、どんなに調整を頑張ってもインナー×トップがどうしても摺るって言うのであれば、そういういい訳も場合によっては容認できるかも知れませんが、しかしアウター×ローが摺るなんていうのは、明らか組み付けたメカニックの技量不足です。

インナー×トップなら普段はまず使わない設定と考え100歩譲る事ができたとしても、アウターでトリムを使うなんて・・・そんな手間な話を誰が容認するんですか?

それにしてもワイヤーの扱いが雑ですねぇ。



ブレーキインナーワイヤーはテフロン加工したワイヤーを使用していましたが、その肝心なテフロンが削れているんですけど・・・


こちらはリアブレーキですが、この写真だと判りやすいですね。

ブレーキの握りも固過ぎて、握力のない方や手の小さい方には使いこなせないセッティングでした。

その代わりホイールは前後輪共にセンターが出ていて縦横の振れもなかったので、元々アタリだったのか、ショップの組み付けでホイールは別の担当者がチェックしたのか・・・そんなふうに見て取れました。

既に組みつけている完成車を購入するのであれば、こういうところをしっかりとチェックしてから購入して下さい。

ブレーキとホイールは走行中、命に直結する大切な部品です。

変速の精度もそのショップのメカニックが、いかにメカニズムを把握しているのかを証明する大切なポイントです。

バーテープやインナーキャップの処理が綺麗かどうかなんていうのは、話のついでに過ぎない。



最近持ち込みのあった自転車で、最も腹立たしかったのは・・・

新車なのにヘッドががたついていて・・・

ステムを外してみたらフォークのコラムをカットし過ぎて、いつカーボンコラムが応力に負けて潰れるか判らないようなレベルの酷い状態でした。(ステムの厚みの3分の2以下の長さしかコラムが刺さっていなかった)

更には新品のフレームに前の自転車の部品を移植したものだったのですが、フロントブレーキのロングナットの長さが余っていて・・・

つまりどうなのかって?

フロントブレーキをかけたらブレーキキャリパーが持っていかれそうになる・・・

ガタガタのスカスカで、しっかりとフォークに固定されていないって事。

フレームを交換するって事は、新しいフレームに合った小物を用意する必要性が出るんです。

なぜメカニックは組み付ける時に確認しないのか?

長さが合わないって判ったら、ロングナットくらいは予備のを持っているはずなんだから、それくらいは無料サービスで交換できるじゃないか!

そんないい加減な組付けで工賃を取るなんてありえないでしょ?

組みつけが出来たら完璧な状態かをテストするのがメカニックの仕事ですし、それがプロと呼ばれる所以じゃないのか?

更に突っ込んで話を聞くと、元々のフレームは返してもらえたものの、そのフレームについていた付属品など5000円相当の部品を返却してもらっていないとかで、それもありえない話です。

普通は『また使えるであろう部品』は全てお返しするものです。

お客様が処分してほしいと言わない以上は、勝手に処分することも、流用することもならないのです。

O様2号の件もそうですが、どこのショップかなんて事はあえて聞いてはいませんが、何か納得のいかない話ばかりです。



ハンドルの高さやブラケットの位置、向き、角度・・・

サドルの角度や突き出し、高さ・・・

せめてそういったポジションの調整も適当にやらず、真剣にお客様のニーズに応えてもらいたい。



これはまた別の日に、たまたま見に行ったディスカウントショップで販売されていたクロスバイクですが・・・


6段変速つきでライトとワイヤー錠のオマケがついて19900円!

素人ならそれだけで食いついて「これメッチャ安いしいいやん!」って買うのかも知れない。

しかしよく見てほしい。

ブレーキレバーの角度がメチャクチャ・・・

そしてフロントホイールのクイックレバーが右にあったり左にあったり・・・

そもそもクイックレバーの向きが、上だったり下だったりバラバラ過ぎるし、ちゃんと締め込めていないものもある。

走行中に緩んだりしないだろうか?

クイックレバーの位置は車体の進行方向に対して左が原則。(フロントに関してはどちらでも機能的な問題はないのですが、作業性の効率や見た目の統一感を考慮すると左に合わせるのが一般的)

細かいことを言えばハブ本体の文字が、自転車に乗っている人から読める向きにするとか、バルブ位置をそのハブの文字の向こうか真向かいに合わせてホイールを組み立てるとか、タイヤのロゴをバルブ位置に合わせるとか、ちゃんとプロが組み立てたんだってアピールするポイントがたくさんある訳で、このように一貫性もなく適当に組まれている時点で素人が組み立てた自転車である事が一目瞭然なのであります。


適当さを露呈している最大のポイントはタイヤの向き。

真ん中の車両は前輪タイヤのトレッド向き(回転の進行方向)が逆になっている。

こういった細かい事も間違ったら自転車屋のメカニックの恥だと思わなければならない!

恐らくこのクロスバイクたちは、ブレーキや変速の調整や、各部品の固定に至るボルトやナットの締め付けトルクすら均等に揃えて組まれちゃいないだろう。

ハズレに当たったら走行中にいつ死んだっておかしくない!

僕はブレーキレバーの左右の握りがバラバラって言うだけで、気持ち悪いと感じる性格なので、例えば一般車(ママチャリ)で右グリップにグリップシフト(変速装置)が付いている車種など、左右でブレーキレバーの位置が違う事が大半なんですが・・・

それが無性に我慢ならないのであります。

ここにも自転車屋(メカニック)によって、組みつけの理論が全く異なるポイントがあって・・・

通常は見た目重視で左のブレーキレバーはグリップに引っ付けて固定するお店が大半である。

メーカーでもそういう組み付けをしている。

しかし僕はそれには大反対で、あくまで左右のブレーキレバーの握り位置を揃えて組み直す。

身体のバランスを考えたらそれが当然だと思っているからです。

見た目重視で売れれば、後はどうなったっていいのか?

僕はそういう考え方が許せないので、リアルに使いやすさや安全性を考えています。



サドルの角度についても自転車屋(メカニック)によって様々な持論があります。

大半のスポーツ用サドルにはくぼみがあって、そこに骨盤を安定させるようなセッティングが求められるので、概ね先端の盛り上がり部分とテールの反り上がり部分を結んだ線が、地面に平行になるようにすればニュートラルになると僕は考えています。(例外もありますが)

お尻が前にずってくるのは前下がりセッティングなので、大腿四頭筋に負担をかけてしまいます。

また腰を反らしてペダリングをすれば腰にも負担をかけます。

しっかり骨盤を立てて座り、踏むだけではなく、引き足も使えるような効率の良いセッティングにしようとすれば、大半の方はニュートラルよりも、やや前上がりなセッティングがベストポジションになるはずなんです。

サドルの突き出しもBBの軸から垂直に線を引いて、そこからどのくらい後退させるか・・・

それも身長や脚の長さ、脚質によって微調整を求められる部分なんです。

そういった事を購入されたお客様の乗り方を見て不自然さが無いかチェックし、違和感が見て取れる場合は、きっちり直してから納車を完了させるのもプロの仕事です。

そんな事もしないで、メーカーから送られてきたまま、ダンボールから出したまま(シートポストとサドルは組み付けたまま入っている)フレームに差し込んでハイッ!って手渡されても・・・

そんな自転車屋さんに、お客様を満足させようという誠意を感じないのは至極当然でしょう?

その時点で僕が消費者なら「ごめんなさい。やっぱりこの自転車キャンセルさせて下さい!」って一旦お断りして、担当者が間違いに気付いてきっちりと仕事をこなすまで絶対に許さないと思います。

もちろん一旦注文した自転車をキャンセルするなんて事は、重大なマナー違反ですからそんな事はしませんけどね(笑)

まあそういう事も含めてお店選びや自転車選びをして頂ければ、ハズレを引く可能性も大幅に減るんじゃないかと僕は思うんです。

是非参考までに・・・ご自身の行きつけの自転車屋がおおちゃくをしていないか、抜き打ちで調べてみて下さい。

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