ラピエールの自転車は妙な癖がなくて乗りやすい物が多いのですが・・・
昨年ピナイさんに作ったゼリウス・アルチメイトは、通常のゼリウスとは似て非なるものでして。
とにかくスパルタンな印象しか残っていません。
今回購入して頂いたA様は、当初トンプソン・フォースを購入する予定でいましたが、結果的にエアコード・アルチメイトを選択!
既に品切れで入荷未定な状態だったのですが、2015年のFDJチームカラーの在庫があれば、それが欲しいという話で入荷致しました。
2016年モデルのエアコードSL・アルチメイトとはフレーム素材のカーボンファイバーのグレードが変更され、約90gの軽量化がされているかどうかの違いであって、2015年モデルでも既に十分な完成度である事は間違いない。
今回はDi2仕様で注文が入り、コストダウンの為Di2パーツをアルテグラで、それ以外(ブレーキ、クランク、スプロケ、チェーン)はDURA-ACEで組み立てる事になりました。
何よりラピエールのフレーム作りにおいて、ここは他のメーカーにも真似してもらいたい!と思える箇所が2点ある。
(携帯電話のカメラだからなのか)アップにしてピントが狂ってしまいましたが、このBBハンガーの内部に注目!
通常外側のボリュームさえあって、容積を大きくすれば、BB周りの剛性がUPするので、グレードの低いカーボンでも容易に高剛性のフレームを作れるっていうもんで、中身の事は気にしていないメーカーが多いように思えますが、ラピエールは内側もしっかりと壁を作っており、コード類の処理ができるポケット穴程度しか穴が空いていません。
こうする事で本当にBB周りのねじれにも強く、ダイレクト感のあるペダリングを実現しているように思えます。
もう一点はブレーキケーブルのガイドですが・・・
アウターケーブルを受けて、インナーケーブルだけをフレーム内に内蔵するシステムではなく、アウターケーブルごと内蔵するシステムで・・・
通常ケーブル内蔵式のフレームだと、先にライナーを通してからそれにインナーを通して貫通させ、その後ライナーを抜いて代わりにアウターケーブルをインナーに従って差し込む訳です。
しかしこのフレーム、アウターケーブルの太さで内部にトンネル構造を作っており、ライナー要らずでアウターケーブルごと貫通させる事ができるのだ!
最近はそこまで手間をかけて作ったフレームが少ないだけに、なんてありがたいフレームなんだろう!
非常にメンテナンス性に優れているのである。
今回ホイールはA様持ち込みのボントレガー・アイオロスを装着しましたが・・・
こちらはスポークテンションが狂ってセンターもずれていたので、一度バラして組み直しました。
そして・・・
完成しました!
ボントレガーのホイールはTREK以外に似合わないなんてウソですね!
全然カッコイイです。
サドルも最初はアスチュートの白/赤を希望されていましたが、実際に付けてみたら黒/赤の方がしっくりきました。
Di2のコード関係の防水用のキャップ類は若干固定力が不足していましたが、全体的に親切丁寧且つしっかりとした作りのフレームだったと思います。
重量はこの状態で7.3kg弱だったので、十分過ぎるくらい軽かったです。
そして何よりもその走りですよ!
恐ろしくストレスフリーです。
踏み出しは軽く、加速も申し分なく一気に立ち上がる。
乗り心地もマイルドで、見た目の厳つさからは想像できないような上質な乗り心地です。
思わず「パルシウムなんて要るか?」って言いたくなるほど、素晴らし過ぎる完成度です。
何しろどんな脚質の方でも、その走りに見合った反応をしてくれるフレームって感じで、臨機応変にその走りのシーンに合わせてくれるオールラウンダーバイクです。
誰でもすぐに乗りやすい!って実感が得られるでしょう。
反応の良さで言えば僕が今まで乗った事のある自転車の中でもトップ3に入るかも知れません。
唯一難点かも?って思えたのはハンドリング!
恐ろしくクイックで、コーナーリングは異常に切れ込みます。
山に上った後の下りのコーナーリングは恐怖ですね。
ただ・・・操作に慣れれば、恐ろしくダウンヒルの速い自転車であると言えるでしょう。
この自転車は最近組んだ自転車の中では、飛び級の優等生かも知れません!
それも優等生過ぎて面白みの無い自転車ではなく、乗り手の意思に応えてくれるあたり・・・
毎日でも乗りたくなる自転車なんじゃないかなぁ~って、ついベタ褒めしてしまいました。
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