2019年2月15日金曜日

キャッスルウォール

そう言えば昨年の12月10日に人生2度目の芦屋ロックガーデンに行って、キャッスルウォールに登った時の記事を書いていなかったので、今更ですが更新しておきます。

一応本来の目的はブラックフェースにフリー(命綱無し)で登る事で、その前哨戦としてキャッスルウォールにフリーで登って、ウォーミングアップとする予定でした。


芦屋の西山町の駐車場からロックガーデンの入口まで歩きます。

まだ紅葉が楽しめる時期でした。


一応この看板より先には関係者や宿泊者しか車で侵入してはいけない事になっています。


それにしても12月だというのにエサ不足なのか・・・若いイノシシがうろついていました。


またイノシシ。

サイズは可愛らしいものの、ご年配の方や女性、子供は要注意ですね。


近くに親のイノシシとかがいる可能性もあるので、慎重に周りを注意して進みます。


こんな看板もありました。

イノシシのイラストがサツマイモに見えてしまうのは僕だけでしょうか?(笑)


久々にここへ来ました。

ここまでは自転車で何度か上って来た事があります。


しかしここから先へ歩くのは今回が初めて。

前回ロックガーデンへ歩いてきたのは、六甲山頂付近の一軒茶屋から逆走で来て、風吹岩~黒岩~荒地山経由で往復した時です。


初めてなのでドキドキとワクワクがすごいです。


入口付近にはお茶屋さんや宿泊施設などが4軒ほど集まっています。


間もなく高座の滝に到着。


いよいよ滝の横から本格的な登山道になります。


なかなか雑な案内地図です。(笑)

左へ斜面を降りて行けば地獄谷ルートですが、相変わらず12:30スタートで時間にゆとりが無いのと、岩登り初心者のスタッフXが撮影スタッフとして同行しているので、今回は割愛させて頂きました。


岩場が出てくると楽しさが増してきます。


ちゃんと階段もあるのですが、僕は敢えて岩場を登ってきました。

じゃないと勿体ない気持ちになるのです。


風吹岩へは何通りかルートがあるのですが、僕が目指すルートは荒地山・奥高座の滝方面です。

ここでは右(東方面)へと逸れて進みます。


少し進むとこんな標識もありました。

間違いなく右へ向かいましょう。


高座谷では工事も行なわれているので、くれぐれも邪魔にならないよう注意して進みましょう。


途中で滝壺にぶつかりますが、左手に迂回路があります。

夏だったら沢登りも楽しめそうです。


結構な急斜面を登って堰堤越えです。


しかし荒地山への核心部はまだまだ先です。


だんだん大きな岩がゴロゴロと転がっていたり、道が崩れていたりと、荒地山の名に相応しい様相の道になってきました。



時々道が判らない箇所もあったりしますが、沢沿いに歩けば概ね何とかなります。


左岸も歩けそうな道が確認できたのですが、我々は右岸の斜面を登るルートで進みます。


この先で道が・・・恐らく台風の被害だとは思うのですが、塞がれている箇所があったので、別ルートを探して迂回します。


これは塞がれて進めなくなった方の道の写真です。


右の斜面を登って左へ曲がったら、本来の登山道に合流できます。


向こう(西側)の山に見える、鉄塔の向こう側はピラーロックのある付近です。


いよいよこの2段の堰堤を越えたら、間もなく核心部に近付きます。


堰堤の下にある標識です。

道は間違っていなかった模様。


堰堤を登り切りました。

ここにも標識がありますが、写真右上にキャッスルウォールの白い岩壁が見えています。


標識の向こうには風吹岩への道も繋がっています。


堰堤裏の斜面ですがかなり岩が崩れており、崩れやすいガレ場になっています。

しかしここは無視して沢沿いに北上します。


この先には奥高座の滝もあるはずですが、伏流水なのか沢は干上がっています。


沢の右岸にキャッスルウォールへの道が見えるはずなので、注意深く歩きます。


キャッスルウォールのてっぺんの岩が見えました。

間もなく分岐です。


ここを左手奥へ進むと奥高座の滝経由で、前回僕が迷いそうになりながら歩いた黒岩経由の荒地山への登山道となっています。


キャッスルウォールとブラックフェースはここで右の斜面を登って行きます。


キャッスルウォールまでは結構なガレ場の急斜面を登らないといけません。


もう少しでキャッスルウォールです。


その壁は突然現れます!


「これ・・・本当にフリーで登れるの?」

今見えている部分だけで高さ25m以上あるそうです。

ただ少なくともこの時点での僕は、『キャッスルウォール=ウォーミングアップ程度の岩』だと認識していたので、フリーで登る気満々です。


壁の右手の岩場にルートを見つけたので、まずはその岩場をよじ登る。


斜めに亀裂のようなものが見えると思いますが、そこが歩けるルートになっています。


こんな感じで足幅よりちょっと狭いくらいの幅ですが、荷重移動に気を付けながら、ここを歩いて最初のテラスまで登ります。


ここで既にこの落差なので、もう落下したら無事では済みません。


指を突っ込んで掴める場所を探りながら登ります。


左右の足を入れ替えないと次の足場に届かない箇所があったり、掴む場所が無くて一か八かで壁にもたれかかりながら足だけで登る箇所もあった。

一度進んだら戻れない程狭い足場だったので、本当にギャンブルでしたね。


スタッフXはここから先のエリアには登れないので、キャッスルウォールの下で撮影しながら待機。


ようやく最初のテラス(休憩ポイント)に到着!


キャッスルウォールの丁度中腹付近が最初のテラスである。


下を見下ろして撮影したらこんな感じ。

写真左に見える岩の出っ張りが歩いてきた足場です。


一応余裕をかまして手を振ったりしているが、実は結構怖かったので内心ホッとしている。


ここでスタッフXはキャッスルウォールの左手の少し高くなったところまで移動。


そこから次のテラスまでをどう登るかですが・・・

ちなみにくどいようですが、初めて登る場所なので、テラスがある事もこの時点では何も知りません。

とにかく確実に安全に登る事。

その為のルート探しに集中している状態です。


僕から見て右手に階段状に足を掛けて登れそうなのですが、上部がオーバーハングして見えるので、この高さから墜落する事を想像すると怖くて登れない。

スタッフXの角度から見たら、実はそんなに難しくない事が後で判ったのですが、僕のいる位置からだとオーバーハングした岩が迫ってくるように見えるので、安全に登れる気がしません。

僕の正面やや左のところも、この写真で見たら余裕で上れそうなのですが、僕の位置からだと正面の岩が出っ張って、やはりオーバーハングしているので上の様子が見えなくて、そのすぐ上がテラスなのに・・・初めて来た場所だから尚更の事、安全の保証が無いから登れない。


やはりこのキャッスルウォールを把握していない現状としては、そこまでリスクのあるルートを選択できないので、更に左側から巻くようにして登る事にした。


すると左の奥にこんな迂回路を発見!

普通の人からすればこれでもかなり危ないルートだとは思いますが、さっきまでの壁から比べたら簡単すぎて拍子抜け。


それでも下を覗き込んだらこんな感じ。

迂回路とは言えほぼ垂直の壁です。

左手の棚になっている所が最初のテラスから出てきたルートです。

全部迂回路で登る事も可能なのですが、それではキャッスルウォールに来た意味が無いので、とりあえず次のテラスへ回り込みました。


ここまで来るとあとはここを登るだけです。

この上は階段状に岩場が続いています。


第2のテラスから下を見下ろします。

右の出っ張った岩の下が、先ほどいた最初のテラスです。

下の方に男の登山者がいます。

彼は右手の藪から出てきました。

きっとあの藪からブラックフェースへ行けるものと思われます。


更に覗き込んだら最初に登ったテラスがハッキリと見えました。

本来はこの写真の左側をよじ登って来なくてはならなかった訳ですが・・・

上から見てルートが確認できたからこそ、行けていたであろう事が判断できるのですが、実際のところ途中まで登りかけて下を見た際に、思いっきり足がすくんでしまった訳で・・・さすがに一度怖いと認識してしまったら、思いきれないものです。


まあそれはともかくここを登りたいのですが・・・


そこに左足を置き、その上の段に右足を運んで・・・回り込むように登るのですが・・・


その下はすとんと切れ落ちています。

そして藪から出てきた登山者とスタッフXが井戸端会議を始めてしまいました。

いつまで待っても話が止まりません!

僕は撮影の続きをしてもらいたくて、しばらく待っていたのですが・・・

3分程待っても話が途切れないので、止むを得ず登る事にしました。


すると懸垂下降の準備をしているお父さんがいて・・・

邪魔にならないように回り込んで登り切りました。

そこにいた猫ちゃんです。

僕の右でお父さんはザイルを繋ぐ為のハーネスを装着しています。


準備ができたみたいなので見送りに行こうと思ったら、猫ちゃんがもう一匹いました。


ところでこのお父さん・・・78歳との事。

懸垂下降のやり方はインターネットで独学をしただけだそうです。

しかし2018年はここのキャッスルウォールだけでも約150回も懸垂下降の練習をしているそうで、2019年には剣岳にも行く予定だとか。

すごい人がいたものです!


これは今僕が登ってきた所。

下にいる2人はようやく井戸端会議が落ち着いたみたいで、懸垂下降のお父さんの動きに注目しています。


その際にスタッフXが撮影した写真。

登っている時に撮影して欲しかった・・・(涙)


それにしてもキャッスルウォールの上に立っただけでこの景色。

先ほどの2段あった最後の堰堤があんな下に見えます。

高所恐怖症の僕としては「良くこんな所を登ったなぁ~!」としか思えません。


そしてお父さんは岩に打ち込まれたハーケンにザイルを繋いでいます。

僕には「初めてなのにこんな所をフリーで登ったらいけないよ!お兄さんもちゃんとロープクライミングを練習しなさい!」って言いながらも・・・

「ブラックフェースだったらわしも3回ほどフリーで登った事があるんやけど・・・でも正面からフリーで登るなんて危ないからやっちゃダメ!」って、説得力があるのだか無いのだか・・・。


準備が整ったみたいだ!

どうやら下でスタッフXと仲良く話し込んでいた登山者は、荒地山の山頂でこのお父さんと既に出会っていたらしい。

それでこの懸垂下降を見学する為に来たそうなんです。

スタッフXから僕がここをフリーで登る為に来ている事を聞いて「こんな危ない所をフリーで登る人がいるんだ?それ見たかったなぁ~!」って言っていたそうです。

いやいや、だったら井戸端会議をしないで先に見上げてくれたら良かったのに!


「お父さん気を付けてね!」って声を掛けたら・・・

「もう手を離したって大丈夫だよ!ほらね?」って、笑顔で下降を始めました。

ちなみにお父さんのしているグローブ・・・僕と色まで同じのグローブです。

やっぱり下手なクライミンググローブよりも、このグローブの方がしっくりくるんですよね・・・

なんだかちょっぴり嬉しい気持ちになる。


この時の様子を下からスタッフXも撮影していました。


僕はちゃんとお父さんに撮影許可を頂いております。


さらにスタッフXは動画も撮影しました。


お父さんは軽快に下降して行きます。


それを見送った僕は途中で画面から消えます。

更に上の岩場まで猛ダッシュで登って行ったのです。


向こうに見えるのがブラックフェースの上部付近かな?


この先まだまだ岩場がいっぱいです!


芦屋の市街を見下ろす景色も広がります。


大きな岩が出てくる度に、いちいち上に登って景色を楽しむ。


これは左手に風吹岩がある向かい側の山です。

前回は丁度写真中央の谷間を、迷いそうになりながら下ってきたと思われます。

写真右上に見えているのは六甲山のカンツリーハウス辺りかな?


その右手・・・荒地山の岩場が無数に確認できるようになってきました。


更に登るとこんな大岩があったので・・・


当然登ります。

せっかくなので先端まで行きます!


もう高座谷まで落差100m以上はあるでしょうか?

さすがに怖いけど・・・良い景色です。


そしてここまで登るとブラックフェースの全景が見えてきます。

向こうの岩壁を下から上までフリーで登る・・・

その為に来たはずなんですけど。

「今日はもうお腹一杯だからまたにするかぁ~。」

今来た道を更に進むと、城山方面と荒地山方面の分岐点があります。

しかもその手前くらいにブラックフェースに続く、もう一つの裏道があるはずなんです。

行こうと思えば10分もあれば取り付きまで行けそうだけど、この日はもうさすがに集中力を使い切ってしまったのと、スタッフXも待っているだろうから戻る方向性で・・・


ブラックフェースの左手奥には、前回登った黒岩が見えています。


突然ヘリの音がしました。

誰か滑落でもしたのか?ってギョッとしてしまいますよね?

とりあえず引き返してキャッスルウォールの迂回路を下りました。

ところが迂回路なのに足場が少なくて、降りるのになかなか緊張を強いられました。

で、芦屋方面へ下山する際に、再びお父さんと再会して、茶屋の所まで一緒に歩きました。

お父さんは大阪からわざわざお越しのようで・・・

またロックガーデンでお会いできる日が楽しみです。

っていうか、2019年は僕も剣岳に登る予定で考えていますので、色々と楽しみです。

あとなんでこんな危険な事ばかりやっているのか?って話ですが・・・

スリリングな事をやっている時が一番生きている実感を噛み締められるんで、その喜びが快感というか・・・

あと僕の事業計画ではもうとっくに次の店舗を立ち上げているか、別事業を立ち上げて法人化しているはずなのに、まだできていない訳で・・・

スタッフが育たない、或いは育ったと思ったら何かやらかして辞めたりする訳で、その度に毎度、毎度、振り出しに戻されている苛立ちというか・・・

走行会もメンバーが入れ替わったり来なくなったりとか・・・(僕が負傷して休んだりとか関係ない話じゃない?)

僕ってイメージ通りに事が進まない事がものすごく嫌いな性格なので、死んだらみんなの枕元に化けて出てやろうかと思いながら、毎回こんな危険な事にチャレンジしていたりするんですよね・・・実は(笑)

もし僕が滑落して死んだ!ってニュースを聞いた時には是非・・・枕元に注意して下さい。

まあそんな冗談はともかく、山は山でこれからも楽しみたいと思っています。

槍ヶ岳~穂高縦走ができる・・・まとまった休暇が取れるように・・・

これからも仕事を頑張って、新しいスタッフを育てていきたいと思っています!

0 件のコメント:

コメントを投稿