先ほど山ちゃんがブリヂストンのHYDEEの後輪ががたつくって話で修理をしていました。
僕は詳しいいきさつを聞いていなかったのですが・・・
とりあえず山ちゃんが「ローラーブレーキの内側の板が変形しているんですけど。これって直さなくていいんでしょうか?」っていうもので、その時チラッと確認をしたら、放熱板が確かに歪んでいた。
恐らく何かがぶつかったか絡みついてなった歪み。
しかも後輪のがたつきがそこを中心に起きているので、僕は「放熱板はこのくらいの変形でも問題ないから直さなくていいけど、中のナットが緩んでいるから必ず外して作業してよ。」そういって任せていたんです。
ところがその後お買い物に行ったお客様がすぐに帰って来られて・・・
山ちゃんが「あと15分くらいで終わりますので、中でお待ちになりますか?」と言っている。
僕は他の作業をしていたのですが、そこまでの山ちゃんの作業が『いつになく早い』と感じたので、自分の作業の手を止めて確認に行く。
後輪を間もなく取り付けようってところでした。
「もうがたつきは大丈夫なの?」
「はい、もう大丈夫なんですけど、一度確認して頂いてよろしいですか?」
「それだったら取り付ける前に先に声をかけてくれよ!」
そういってハブの回転を確認すると、玉当たり調整が締めすぎて固い。
「もう少し緩めて」
そうして緩めたものを山ちゃんが回している。
一見スムーズに回っているかのように見える。
「がたつきは?」
「あ、まだ確認してません・・・・・・あの、多少がたつきが出ています。もう一度ハブナットを増し締めし直した方がいいですか?」
「そうじゃない、ブレーキはちゃんと外して中を確認したのか?」
「いえ、ブレーキは触っていません。」
「なんで外してないの?放熱板の歪みは無視していいけど外せって言ったよな?」
HYDEEに限らずローラーブレーキ装着の自転車は、ブレーキ装着側のハブナットが緩んでハブががたつく症状が出る車両が多い。
案の定カシメていたハブナットが5mm以上外側に緩んでいた。
「俺が言っているのはこういう可能性を見逃すなって事。すぐに締め直して!」
山ちゃんはロードバイクのヘッド周りとか、ホイールの玉当たり調整が本当に苦手で、2個のハブナットをカシメる際に、どっちのナットをどう回せば絶妙な微調整ができるとか・・・そういった作業がまだ感覚として身についていない。
当店ではそういうのをなくすため、新人のかなり早い段階でママチャリをバラバラに分解して組み立て直すオーバーホールをさせて、締め付けの感覚と、作業の見逃しをしないようにする研修を施している。
何とか無事に組みあがって修理は完了したのですが、その後がまずかった。
僕は今回の修理がどういう経緯のものか知らないから口出しはしなかったのだけど、どうやら修理代の事でもめているのは判断できました。
後輪を外してブレーキも外して、ハブナットの緩みを締め直して装着しているので、工賃2000円はかなり奉仕価格である。
山ちゃんの作業時間から考えても、本来なら3000円以上請求しても適正価格だと思えるほど。
しかしなぜもめているのか?
どうやら先週パンク修理で持ってきたこのHYDEEを山ちゃんが担当したらしいのですが、チューブの状態が酷かったので、チューブ交換したそうなのだ。
確かにそんな案件あったよな~って、僕もうっすら記憶しており・・・
その時にがたつきがあった事に気付かなかった可能性があったのでは?
そう思えたので「1000円お値引きして下さい!」と指示を出して、留美さんがフォローに入ったものの・・・
お客様は納得しきれない様子で帰って行かれ・・・
僕は改めて全員を集めて今回の経緯を確認した。
①先日チューブ交換したのは山ちゃんで、その時はがたつきなんて気づかなかったという事。
②今回のがたつきは酷くて、チューブ交換の際にここまでガタついていれば、さすがに放置はしなかったという山ちゃんの主張。
③留美さんが今朝、お客様と山ちゃんのやり取りを聞いた際に「チューブ交換して、それから2~3日後くらいからこうなった。」と話しているのを確認。
④ブレーキの放熱板が何かがぶつかってなのか、何かを巻き込んでなのか、大きく歪んでいたのが気になる。
⑤お客様は坂道の多いエリアにお住まいである。
まず①、②について、そこまで意識して部品に触ってなければ、気付かないレベルの不具合もあるという事で、これが僕の値引きの根拠です。
③がお客様の感じ方として正しかったのであれば、やはり症状が酷くなったのは後日であり、チューブ交換の作業をしたから起こったトラブルではない。
可能性としては小さいけれど、既にカシメ部分が緩んでいたハブナットを、急速に緩むきっかけを作ったのがチューブ交換作業だったら?これがもう一つのお値引きの根拠。
ただしそれを言い出したら言われた内容の修理だけで済まなくなる事案が増えて、結果的にお客様への請求額が増え、不満へと繋がってしまうとてもシビアな案件です。
まあ④の放熱板に何かが絡みついて、ハブナットが緩むきっかけを作った可能性もあると言えばあるでしょうし・・・
まずもって⑤の条件はブレーキの負担が多い地区なので、マメにブレーキ周りのメンテナンスをして頂きたいっていうのはあります。
ブレーキを握りっぱなしで長い坂道を下り続けるのはものすごく危険ですしね。
特にHYDEEは車両が重いし、重心位置も高めなので、ブレーキの負担はかなり大きいです。
いずれにしても僕が今回の経緯を把握していたら、お客様の納得のいく説明が出来ていたと思うので、大変申し訳ないことをしてしまったという気持ちで一杯です。
スタッフにはもっと情報の伝達を正確にするように徹底させておきます。
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