2020年8月12日水曜日

2020年3月の思い出・・・その➀・・・混沌の予兆


3月7日・・・この時点ではまだ新型コロナウイルスによる影響がここまで世界的に深刻なものになるなんて、多くの人が夢にも思っていなかったと思います。

ただ昨年末の時点で武漢での新型コロナウイルスの報道が既に問題視されており・・・

それであるにも関わらず、何の対策も問題解決も無いまま、春節の休暇で世界中に中国人観光客が放出された事に対して、ただただ違和感しかなく・・・

ダイアモンドプリンセス号の騒ぎも無事に収束し、また何事もない日常へ戻る事を期待しつつも、不気味な胸騒ぎがあった事は間違いありません。


いつしかHAT神戸で姿を見なくなっていたトビが戻ってきました。

綺麗な青空です。


これは点検で持ち込まれたブリヂストンのデュアルドライブです。

当店で組み立てて販売した自転車ではありませんので、念入りに点検です。

まずライトの配線ですが、コネクターが剥き出しです。

確かに少々の事ではショートを起こさない構造のコネクターですが、安全な自転車を販売するべき自転車販売店のスタンスとして、コネクターを剥き出しのまま販売するお店の神経が理解できません。

見た目にも不細工ですし、いたずらされたらどうするんでしょうね?


配線の取り回しも雑です。

配線をまとめるクリップとか付属していたはずなんですけど・・・


悪い予感がしたので前輪モーター部のコネクターカバーを外したら、やはり剥き出しでした。

こういうのは念の為にビニールテープなどで中に水が浸水しないように防水処理を施してからカバーを取り付けるものだと思います。

これで大雨の時に乗ってショートでも起こしたら、言い訳なんて絶対できません!

電動アシストなので、天候や災害時における電気系統のトラブルなんてあって然りじゃないですか?

それだけに「販売店としては念の為にできる処置は施してますので、これで壊れた時は状況的に止むを得ません!」と言えるくらいの事はやっておくべきだと思うのです。


そしてフロントブレーキのキャリパーですが、センターリング調整のアジャスターボルトが謎に飛び出していました。

一体どんな調整をしたらこうなるんだろう?


ここのボルトって微調整レベルでしか使わないのに、ここまで飛び出しているって事が異常なんです。


スイッチ&ブレーキセンサーのコネクターを収納するカバーです。

当然防水処理をしていないし、それどころかカバーからコネクターがはみ出しています。

こんな適当な組み立て方をする自転車屋さんがあっても良いのでしょうか?

憤りすら覚えます。


しかもよく見て下さい。

水抜きの穴が上を向いています。

つまり上下逆さまにカバーを取り付けているって事です。


それでTSマークのシールを貼っているとか・・・意味不明。

TSマークは安全整備士の資格を取っているお店しか取り扱えないルールです。

安全整備士の資格を持っていてこの程度のクオリティーなのか?

これが安全整備士の資格が必要かどうか・・・

わざわざ売上度外視してまで時間をこしらえて取得する程の資格ではないという根拠です。

こんな雑な仕事をやっているお店が「安全整備士のいるお店です!」って堂々としている事に納得がいきません。

どこのお店とは言いませんが。


3月らしい空です。

山の上は雪が降っていそうです。

毎年2月中旬と、3月10日前後に寒波が来るか来ないか・・・

それで春先の自転車の売上も左右されます。

今年はただでさえ新規事業に向けて大きな出資をしている中で、危機的なスロースタートでした。

久しぶりに目隠しの綱渡りをしている気分にさせられました。


そんな時にちょっと明るいニュースがあったのが、『松本情報工科専門学校』のスポーツバイシクル学科の学生さんより面接の応募がありました。

この学校はシドニー五輪代表だった鈴木雷太氏が特別講師をしている事でも知られており、授業のカリキュラムも僕の新規事業に必要な内容が含まれる。

専門学校って事で、短期間でどこまでのスペシャリストになれるかは判りませんが、そこの記念すべき一期生が当店に興味を持ってくれた事は嬉しい限りです。

正直自転車屋の運営一本で生計を立てるのは厳しいです。

言い訳ではありませんが、今の日本の経済環境が小売店を窮地に陥れている事は周知の事実です。

それだけにもっと応用を利かせた強みが無いと生き残れないようになっているのです。

そういう意味で鈴木雷太氏は上手にされています。

自身の知名度もあるので確実に自転車に関わる多くのプロジェクトを進展させていると思います。


某日、M籏君の友人がクロスバイクを購入してくれました。

M籏君との卒業旅行で色々と体験している中で、自転車の購入を薦めてもらったそうです。

彼は進学で地方に行くので、そこでの移動手段としてクロスバイクが活躍する事を祈り、気持ちを込めて自転車を組み立てました。

ところで当店の卒業後も時々臨時スタッフとして助けてくれたM籏君ですが、いよいよ就職という事で大阪の寮へ引っ越す事になりました。

これからは世界的企業のS社で頑張る事になります。


そして待ちに待ったビクシズの『パトス』がイタリアより届きました。


勿論イタリア国内が新型コロナウイルスのパンデミックになるよりも前に完成して日本に送られてきたものです。


中身は昨年スカイプでドリアーノ・デ・ローザ氏と話し合って制作して頂いた、僕専用のチタンフレームです。


さすがにイタリアを代表する自転車ブランド『デ・ローザ』の一族としてカンパニョーロと親交のある、ドリアーノさんの作ったフレームですので、シマノで組み上げるのも気が引ける訳で・・・


やはりスーパーレコードで組むしかないのか・・・


そう思うと当分組めそうもありません。


スーパーレコードは超高価ですし、ホイールもハイペロンかボーラ、百歩譲ってもシャマルでって考えたら、エヴァディオのヴィーナスRSの仕上げと合わせると、ざっと卸値で100万円以上のコストがかかってしまうので・・・当分はお預けです。


そして新型のカンパニョーロはクランクのデザインがダサい!


シマノ=機能美、カンパニョーロ=造形美と云われた頃はいつの日だったろうか?


ここ3年で僕も自分の預貯金をいたずらに浪費してしまいました。


2018年、2019年と週末の雨と台風に泣かされ、そして2020年は新型コロナウイルスに始まり・・・


さて今後一体どうなるんでしょうね?


ネガティブな事ばかりで嫌になりますよね?


僕はネガティブに物事を考えつつも、実はそれを乗り越える手段を常に模索している性格なんですが、さすがに立て続くと精神衛生上にも限界が近くなってしまうので、正しい判断ができなくなったり・・・鬱になって気持ちと身体がシンクロしなくなってしまったり。


まあ3月はよく切り抜けたなぁ・・・と、今だから話せるくらい僕の精神状態はズタボロでした。


そしてそのズタボロの状態からコロナ渦を迎えるのでした。(苦笑)

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