2014年6月30日月曜日

越前サイクリング!~往路その3~意味不明な季節感とグルメに酔いしれて・・・

「だぁ~っ!三国に着いたぁ~!!」

懐かしい三国の町並み。

「え~。くどいようですが・・・越前そばと三国バーガー、どっちいっときます?」

「そりゃあもう三国バーガーでしょう?」

「やっぱそうですよねぇ?」

盛安の十割そばも食べたかったが・・・

いやね、「両方食べたらええやん!」って話なんですよ。

しかし東尋坊に待ち受ける海の幸を思うと、下手にお腹を満たせられないというか・・・

「う~ん。残念だ!残念だが仕方ない!」

特に食べたいものがない時の悩みとは訳が違う!!

食べたいものが多いというだけで、かくも悩めるものなのか?

これってある意味幸せな瞬間ですよね。

人の悩みがみんなこんなだったら、きっと楽しいだろうな~。

とりあえず三国の旧市街に入り、目指すは『三國湊座』!


着きました。

ちょっとしたスタジオみたいでしょ?

いやいや!I藤さん。それはどういうポーズなんですか?

すいません。先にくつろがせて頂いてます。

かなりお疲れ気味のO様2号も、三国バーガーが食べられるとあって笑顔に・・・

これは僕の注文したセット。

グレープフルーツジュースはクエン酸が豊富なので、乳酸の溜まった身体の回復には最高です。

手前の白い物体は揚げ酒饅頭!

酒饅頭は三国の名物の一つらしい。

ちなみに三国バーガーっていうのは、ご存知『ご当地バーガー』の一つです。

元々『佐世保バーガー』や『横須賀ネイビーバーガー』が発端で全国的に広がったブームだったと記憶していますが、佐世保も横須賀もアメリカ海軍基地のお陰でファストフードが根付いたパターンで・・・

言うなれば沖縄の人に『飲み歩きの締めにステーキを平らげる文化』が根付いたような感じ。

しかしご当地バーガーというのは町おこしという命題の他に、地産地消という最大のテーマが含まれていなければ、それはご当地ものでも何でもなくなる訳で・・・

そういう意味では本来の意味するところの『ご当地バーガー』として、三国バーガーはかなり早い段階から名乗りを挙げていた先駆け的存在の一つである。

僕はB級グルメがB級グルメと言われるようになる前から、ファストフードを含めて、所謂『ご当地もの』を食べ歩く事を趣味としていたのですが、そんな僕でさえ最初三国バーガーの噂を聞いた時は「なんやねんそれ?何でも地名を付けたらええってもんとちゃうやろ?」ってな具合に、頭からバカにしていたんですね・・・

当時はまだまだ知識の浅い若僧だったので、福井県の食文化がどれ程卓越されたものなのかも解っていなかったんですよ。

ところがその一見何の変哲もないハンバーガーに込められた、地産地消の匠(工夫)というものに魅せられて、素直に感動した事は記憶に新しい。

まずパティに含まれるビーフは福井県産。

福井県産の牛肉ってどうなん?って思われる方も多いでしょうが、若狭牛というブランド牛もあるくらいで、牛肉愛好家の中ではそれなりに知られた和牛です。

僕の知る限りでは脂は少なめ、甘味よりはうま味を重視したお肉って感じで、米沢牛に近いと言った方がイメージしやすい牛肉です。

なので本来はつなぎが必要な肉質なんですが、そこに豚肉をブレンドする事でつなぎを使わずして練り上げているってところが最大の工夫。

それによって『赤身のしっかりした肉』本来の特徴を、上手く引き立てるパティに仕上がっている。

まあ料理を知っている人ならそれくらいの芸当は普通なのかも知れませんが、それは今のご時勢だからこそ言える話で、当時まだ所詮ファストフードと思われていた時代背景を考えたら、実に素晴らしい工夫だと思うんですよ。

とにかく噛んだ時の食感で、そのクオリティの高さは十分判るはずです!

次にピクルスの代わりに地元産のラッキョウを使用しているのですが、これも見事にマッチしています。っていうよりラッキョウが入ってるって教えてもらわないと、気付かないくらい融合してしまっています。

なによりバンズの素材に米を使っているのですが、福井県は米どころとしても有名。

福井米は魚沼産に引けを取らない、最高級のコシヒカリです。

強いていうなら十分シャキシャキして美味しいトマトですが、これが『越のルビー』だったら間違いなく究極のバーガーだったんじゃないかと思えるくらいで・・・

いや、十分過ぎるほど完成度の高いバーガーだと断言できます!

これだけうんちくを並べておきながら何なんですが・・・

実は僕の一番のお気に入りポイントは使用しているソース!

ここの特製バーベキューソースは、より深みのある照り焼きって感じで・・・

三国バーガーを一度食べたら病みつきにして止まない、最大の武器は間違いなくこれだと言えますね!



それにしても・・・この日はこの後お店が貸切になっていて・・・

「いやぁ~そんな前情報は無かったから、危なかったですねぇ。」

もう少し遅い到着だったら、他の3人の参加者にこの味を知ってもらう事ができないところでした。


ところでこの『三國湊座』に着いて以来、ずっとお店の前で呑気に昼寝をしている猫がいました。


おいおい!

自転車を置くのにお邪魔したというのに、いっさい気にせず知らん顔。

こんな感じで自転車を4台置いたのに逃げもせず・・・

なかなか人に慣れているというか・・・

肝の据わった猫である。

バーガーを食べ終わって出てきたら今度は玄関先の道路でくつろいでいた(笑)

こんなに接写しても臆することなく・・・

僕が自分の自転車を入れて撮影したいから「もう一度元の場所に戻って欲しいな~!」って呟くと急に立ち上がり・・・

はい・・・このように、ほぼ元の場所に戻ってくれました。

「人の言葉を理解できるのか?すごい猫だ!」とみんなもビックリ!!

さあそんな三国を出発し、東尋坊まであと少し!

雨上がりなのに十分過ぎるほど青くて美しい海が広がってきた。

撮影する後ろから撮影される絵面が定着してきましたね。

空を舞う鳶の鳴き声が波の音に混じってハーモニーを奏でる。

「いいっすねぇ~!」

みんなここまで走ってきて良かった~!って感動に浸る。

そんな風景の中、走っていると次々に不思議なものを目にする・・・。

「あれ?つつじがまだ咲き残っている?枯れかけとはいえ1ヶ月以上遅くないですか?」

「ん~っ。そうですねぇ。言われてみたら・・・。」

「はあ?むくげが咲いてるって・・・。あれ8月の花やろ?」

「ええっ?そうなんですか?」

「うわっ?うそやろ?なんでオニヤンマが飛んでるの?幾らなんでも早過ぎへんか?」

「本当ですね?どうなっているんでしょうか?」

僕は今回で東尋坊に来るのが6回目となるのですが・・・

「ここってこんなにジュラシックパーク(植生等が不思議な場所を僕はそう呼んでいる)やったかな?」

「この暑さですから。自然界の季節感もボケてきているんでしょうかねぇ。」

これはあまりよろしくない兆候ですよね。

明らかに今年の気候が荒れているって証拠ですから、この先何が待ち受けているのか不安になります。

長閑で美しい風景の中を走っているはずなのに、どうにも合点がいかないモヤモヤ感を抱きながら東尋坊タワーに到着!


思っていた以上に観光客も多く、寂れてる感じが無くて嬉しかったです。

っていうか『辰ちゃん漬』さりげなく頑張っていますね(笑)

観光地に関係無いはずの芸能人プロデュースショップとしてはかなり長寿なのではないかと・・・?

うお~っ!日本海の絶景や~!!

皆さん撮影タイム中です。

この後観光客のお姉さま方に撮影の依頼をされた僕は、臨時カメラマンを任せられるのですが・・・

しかしたくさん観光客がいる中で、なぜ我々のようなセクハラかコスプレかわからないような格好の人に声をかけたのだろうか?

いささか腑に落ちない僕でしたが、せっかく任されたので限りなく完璧なアングルとタイミングで数枚撮影して差し上げたら・・・

スクリーンを確認して「うわっ!プロみたい!メッチャいいやん!」って喜んでくれました。

以前は旅行パンフレットの写真も撮影していましたから・・・一応プロです(笑)

これが雨上がりでなかったら、もっと美しいエメラルドグリーンなんですよ!

そして観光地においてはもはや、セクハラかコスプレかわからない格好での記念撮影!

後ろに見える島は”すべてのもの”が流れ着く島『雄島』。

それがどういう意味かは秘密です。

東尋坊の地形と雄島を一望できる絶景ポイント。

僕が撮影をしていたら他の皆さんが・・・

「店長!後ろ!」

「えっ?」

5秒間の沈黙・・・

そこにはまだ新しい花束が供えてありました。

この人は最後にこの絶景をみて何を想ったのでしょうか?

全員で手を合わせて黙祷。

そして写真でも判るとおり、先ほどから我々は自転車のビンディングシューズで岩場を歩き回っている訳で・・・

不可抗力でダイブしないよう気をつけながら商店街に戻る。

そういえば途中のお土産店で、外国人観光客向けに『変な漢字(日本語)のTシャツ』が売っていて・・・I藤様と2人で「面白れ~!」「欲しい~!」と見ていました。

「店長は買うとしたらどれが欲しいですか?」

「え~っと、この・・・ちょっと病んでます・・・かな。」

「マジッすか?」(笑)


最近そういったTシャツが海外で大人気なんだそうです。



ところで東尋坊にも以前の取引でお付き合いのあった海産物屋さんやお土産屋さんが多いのですが・・・

恐らく僕が旅行会社を辞めてから、こっち方面のツアーは消滅しているはずなので、あえて挨拶とかはしないで立ち寄る。

久々に東尋坊の『正太楼』で海鮮丼を食べるのもありかな~って中に入ると・・・
「うおっ!なんじゃこりゃ?」

「今は岩ガキがシーズンなんですよ!これから産卵の時期なのでだんだんプリプリになって美味しくなるんですよ。」

「へぇ~!今更ながら(旅行会社時代に)、岩ガキの存在はノーマークやったわ!」

「良かったらいかがですか?」

「皆さんどうします?これいっときませんか?」

「あ~いいですね!お酒が欲しくなっちゃいますけど・・・」

という訳で全員で食べる事になりました。

レモン汁としょうゆをかけて生のまま食べるんですが、何もかけないそのままでも十分美味しいっていうか・・・

「この強烈な磯の香り!まるで口の中に母なる海が広がるみたいな・・・う~ま~い~ぞ~!!」って、まるで『ミスター味っ子』の味皇様みたいなリアクションを、ついしたくなってしまう程の美味さ!

「あ~っ!たまんねぇ~!」

全員一斉に「生まれてきて良かった~!」「福井に来て良かった~!」って大絶賛でした。

そしてH川様が「この味を記憶して、それだけでお酒が美味しく飲めますよ!」って言った直後の事でした。

別のコーナーにいた売り子のおばちゃんに、半ば強制的におぼろ(とろろ)昆布を味見させられる!

そして磯の香りで満たされた、口の中の水分を見事に奪われ・・・

「ああ・・・岩ガキの味が思い出せない・・・」(涙)

その上昆布のうんちくまで聞かされて・・・

「そんなこと敦賀昆布館で散々教わったし地元民より知っとるわ!」って言いそうになりました(笑)

あっ!もちろんそういった売り子のおばちゃんの、トークや営業テクニックというものは、ある意味観光地の名物でもあるので、それはそれで・・・これでもかってくらい楽しませて頂きました。



あと東尋坊の自販機でドリンクを買って飲んだら、ゴミ箱が無くて慌てました。

「ゴミはお持ち帰り下さい!」がスタンダードのようです。

僕とO様2号は諦めて、背中のポケットに空きビンや空き缶を入れて、ゴミ箱のある近くの道の駅まで持ち帰る事にしました。

どうぞ東尋坊へ行ったお客様は皆さんゴミの持ち帰りに協力してあげて下さいね!

さあ・・・それではこれから復路と行きましょうか。

遠くに海岸線の切り立った断崖絶壁が見えますか?

あれが越前海岸です。

海風と闘い、あの向こうまで辿り着いたら・・・

僕の秘密のプチヒルクライムルートが待ち構えています(笑)

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