2020年12月16日水曜日

希望を抱かせる自転車

 


撮影した場所の違和感はともかく・・・


アキラ君のエヴァディオ・ヴィーナスRSが最近活躍している。


彼の大学の友人たち数人に乗ってもらった時の話。

1人を除いて他は全員ロードバイクどころかクロスバイクも乗った事が無いという。

そんな友人がこのヴィーナスRSに乗った瞬間、「加速の伸びる感じが本当に判る!なにこれ?自転車に乗るってこんなに面白いものなの?」ってなったらしい。


ハッキリ言おう。

それはエヴァディオ・ヴィーナスRSだからです。


僕が初めて自分のロードバイクを手に入れて乗り始めてから、今まで25年の間に数えきれないくらいのロードバイクを乗ってきて、中には名車中の名車と呼べる素晴らしいロードバイクも数多くまたがってきましたが・・・


今まで乗ったロードバイクで本当に乗った瞬間、自分が覚醒したんじゃないか?って思えるくらいワクワクして、イメージ通りに速く走れたのは、後にも先にもエヴァディオの初代ヴィーナス(SLも含む)と、このヴィーナスRSだけ。


この自転車だけは異次元の走りが体感できる。


他の自転車と比較する事自体がもはや愚か。

そこまで言い切れる自転車だという事を知ってもらいたい。


ことさら日本人というものはブランドイメージに弱い人種で、エヴァディオなんて日本の新しい小さなメーカーだと思っている人の方が圧倒的に多いと思う。


初代ヴィーナスが誕生してからまだ12年だから無理もない。


自転車はとかくヨーロッパ発祥の乗り物であり、伝統的なスポーツである。


だからヨーロッパ一流ブランドのロードバイクに乗る事は、車で言うところのフェラーリやランボルギーニに乗る事と同じで、紛れもなくステータスだと本能的に感じているところも少なくはないと確信している。


僕も過去はそうでした。


しかし90年代までのロードバイクは、『メーカー対メーカー』『職人対職人』の維持と誇りと新しい技術のぶつかり合いでした。

世の中が良い自転車で溢れていた時代なんです!


だから伝統あるブランドの、職人の想いや魂をより感じる自転車を探して歩きました。


最終的には自分の予算との話し合いも含めて的を絞る事になるのだけど、当時の僕は今中大介さんの感性が自分の感性とかなり近いと感じていて、恐れ多くも直接ご本人にお電話でフレーム選びについて相談した事がある。


プロライダーの意見は当時の僕には神の声でしたので、本当に参考になりましたし、それによって多くの発見もありました。


それまで自分が考えていた理論とか哲学の裏付けまで確信を持てたというか・・・


なので有名ブランドにこだわるよりも、自分の求める純粋な速さに応えてくれる自転車を選ぼう!となってジタンに乗り換えたのが1998年でした。


また、僕のジタンはたまたまサイズの在庫が無く、プロ供給モデルをわざわざ空輸して頂いたのですが、市販モデルと違いフロントディレーラー台座がついていません。


それについてもクレームではありませんが、何故本来溶接されているはずの台座がついていないのかを今中さんに確認したところ、「プロ選手の中には台座の溶接個所がレース中に折れる事を嫌う選手もいるので、剛性も高く、破損しても替えの利くバンド台座を好む傾向があるので、チームに供給されているモデルは基本的に台座が溶接されていない場合が多いんですよ。」って答えが返ってきて「なるほど~!」って感動しました。


プロ選手やチームの生の声、意見が聴けたのも貴重な体験でした。


実際にあの頃がロードバイクの黄金時代だったと今でもそう思います。


しかし今は伝統やメーカー毎の個性やポリシーを守り、それらに基づいて新しい技術を取り込むはずの一流ブランドが軒並みビジネスに走っている事実を、一体どれほどのサイクリストが気付いている事だろう?


カーボンフレームが一般的になってその傾向が一段と強くなりました。


最近では自動車もプラットホームをシェアする傾向が強く、ポルシェとアウディとフォルクスワーゲンが同じフレームに似たようなエンジンと、サスペンションを載せてロゴとライト等、若干のエクステリアを変える程度で売っている時代ですから、自転車も然りなのかも知れません。


カーボンフレームなんて金型の製作にコストがかかるのであって、一度作ってしまえば量産するのは安くできるもの。


しかも金型は部分毎に分離及び結合ができるので、チューブの組み合わせを変えて全く違う自転車にする事もできる。


だから最上級グレードのフレームと同じ金型で、カーボンのグレードを落したりして、「同じ設計コンセプトで更にお求めやすい価格で最高の自転車を作りました!」的な売り文句で販売する阿漕な戦略を平気でするブランドもあるじゃないですか?


そしてこれがまたカーボンのグレードを落した方が、むしろ日本人・・・というより、アスリートではないホビーレーサーには扱いやすくて快適な自転車に仕上がる事が多いという偶然も重なりやすいので、「・・・・の自転車は乗りやすいし楽しいよ!」って口コミが拡がって、そこにメジャーツールでの活躍も重なると、信憑性までもが高まってくる。


更に言えば、それで満足したライダーは後にお金を貯めて「今度こそはフラッグシップモデルを手に入れるぞ!」と頑張る訳だが、ようやく念願叶って最高級バイクを購入して乗った時に爽快感を得る事は稀である。


なぜならプロスペックで売り出されている自転車は概ね数字上のスペックにおいての超一流なので、到底乗りこなせる代物ではないケースがある。


或いは変わらず乗りやすいので、満たされるのが所有欲だけに留まってしまう場合も少なくはない。


それを・・・

自分の感覚が鈍いからなのか?

初めてロードに乗った時の感動や感覚が風化してしまったのか?

と感動の薄い自分の感覚を疑ってしまう人もいるでしょう。


大半の人は困惑するし、困惑しない人は所有欲を満たした達成感が強過ぎて、結果的に乗り味はそれほど気にしていないのでしょう。


何だか良く解らないけれど・・・心から「うおーっ!すげぇ~!」となった人は一握りじゃないかと思う訳ですよ。


困惑した多くの人は高い買い物をしたのに「思っていた程良くなかった・・・。」とは恥ずかしくて言えないし、この自転車に乗っている事を自慢したかった思惑に反する事なので、尚更「きっとこれは勘違いに違いない!絶対に自転車は良くなったはずだから、前よりも走りが良くなったはずなんだ!あっ!そうだ!きっとプロスペックだから自分がまだ乗りこなせていないだけなんだ!」と自分への言い訳を考えて、必死に違和感を忘れようとするに違いありません。


そのうえ更に思う所として・・・


だいたいそんな高い自転車を買わされているのに、街中を走っているライダーを見ているとまともにポジションも出してもらっていない人が多いですよね?


よくそんなフォームで乗っているよね?って感じる事は割と多いです。


中には更に高いお金を出してフィッティングサービスを受けて、サイズを割り出して自転車を買っている真面目な方もいますが、「それ貴方の身体に合っていませんよ?」って言いたくなる人も本当に多いんですよ。


大体の人が規格外に大きなサイズのフレームを乗らされている。


在庫整理の為にウソ言って買わせたんじゃないか?って疑いたくなるくらい酷いです。


あのフィッティングサービスってどんな理論でやっているのか?

単純に担当者によって大きく誤差が生じるのか?


いずれにしてもポジショニングは徐々に変化するものなので、100%正解って言えるものが基本的にない訳で、わざわざそこまでお金をかけるサービスではないんですよ。


当然頼まれたら採寸したり計算する手間もかかるもので、料金は発生して当たり前なんですけど、限りなく100%に近いベストポジションを出せないようなら、そんなフィッティングほど無駄なものは無いと断言します。


大切なのは乗る人の感性なんです。


その自転車に乗ってあなたは五感を揺さぶられるような衝撃を受けましたか?って事なんです。


その感覚が生まれるのはその方のポテンシャルを引き出せる・・・ポジションが限りなく100%に近いレベルで出ている時だけなんです。


2005年頃より今日までカーボンフレーム全盛期・・・


最近では3D-CADで構造解析テストまでできる時代ですので、どう力を入力すれば、どこにどれほどの応力がかかるかも判るし、空気抵抗や乱気流の発生するポイントまでシミュレートできる訳だ。


中には風洞実験施設を使って開発しているメーカーもあるのですが・・・


例えば重量も軽くて剛性があって、空気抵抗も少なくて・・・非の打ちどころの無い究極のロードバイクの完成です!って言われたとして・・・


「ほんまかいな?」って話なんですよ実際のところ。


いやそれって誰が乗って証明したの?

どの自転車と比較したの?

プロ選手はスポンサー様から供給された自転車ですから、基本的には文句も言わずに乗りますよ?


数字上のスペックがいくら優れていても、生身の人間が乗る以上、そのエンジンの性能をどう活かすか?


或いはその自転車のポテンシャルを乗っている人間が、自分に必要と思えるレベルで引き出せるか?


それが良い自転車の条件なんじゃないの?って常々思う訳です。


要は乗ってみないと良いか悪いかも判断できないし、特徴も把握できないじゃないですか?


例えば空気抵抗ですが、自転車がどんなに空気抵抗を減らしても、乗る人間が一番大きな抵抗を作っているので、その人のフォームを限りなく空気抵抗の少ないものにしない限り、その自転車の性能なんて言うものは死んでしまいます。


だったらそんな微々たるスペックよりも、気持ちよく走れて、加速が伸びる躍動感を味わせてくれるバイクの方がよっぽど精神安定剤にならないか?って結論に至りますよね。


例えばなんですけど、同じ150万円するロードバイクを買うんだったら、カーボンバイクとチタンバイクとではどっちが良いか?


何処までも買う人の価値観なので、そこまでは僕も自分の価値観を押し付けるつもりはございませんが、無機質なカーボンフレームよりも、本物の職人が自分の為に溶接してくれたチタンバイクの方が生涯の宝物にならないかなぁ?と思う訳。


そんな話の結末にエヴァディオ・ヴィーナスRSを薦める理由は?と問われると・・・


100円以上する他社のプロスペック(高級車)などと乗り比べても異次元レベルで走りが違う。


すべて自分のイメージする走りに応えてくれて、むしろこう走った方が良い!と自転車からライダーに五感で感じさせてくれるところがこの自転車の凄さ。


ガンダムファンに解る表現をするならば、ウイングガンダムZEROに乗るような感じ。


潜在能力まで引き出してくれるような走りを実感できるので、その良さを説明するよりも実際に乗ってもらった方が早いかな。


「論より証拠」って話でね。


似たような走りをする自転車としてはビアンキのオルトレXR4とかスぺシャリッシマなんかが近い感じで、その反応性と加速感に僕も五感を刺激された覚えがあります。


しかしビアンキは乗り手を選びます。


あっという間に脚を持って行かれて売り切れます!(笑)


その点ヴィーナスRSは乗り手を選びません!


その人の体力に合ったベストの走りを引き出してくれるので、一切構える必要がないのです。


そしてカラーもデザインも限りなく自在にデザインできるので、見た目の満足度も走りの満足度も十分満たされるという訳で薦めたい究極のロードバイクと断言できるのです。


アキラ君も僕もかなり中二病満載のデザインをお願いしました。


アキラ君のヴィーナスRSは伊達政宗仕様になっていますし、僕のヴィーナスRSはカラーがスバルのソニックブルーマイカで、デザインは島左近仕様と、お互い好きな戦国武将をイメージして製作しています。


そして僕がまだヴィーナスRSを完成させていない理由は、ヴィーナスRSのお陰で速く走れても嬉しくないので、やはり自分がヴィーナスRSを乗りこなすに相応しい走りができるレベルに戻してからじゃないと乗りたくない!っていう想いからです。


最近はビクシズのパトスのお陰で久々に平地を楽しく走る感覚が蘇ってきました。



先日の走行会では5年ぶりにスプリントを楽しみましたが、これまでコーダーブルームのファーナSL2で時速52~3km程度しか出した事の無い(ファーナSL2はライダーを育てるバイクなので、粗削りな乗り方だと簡単には乗りこなせない)アキラ君が、ヴィーナスRSだといとも簡単に時速64km以上までスピードを引き出せたので、さすがエヴァディオ!と思いつつ、僕もビクシズ・パトスの加速の伸びを楽しく満喫できました。


これなら仕事中に眠くなるとか、後先考えずに走れば・・・まだ時速70km以上まで引っ張る事ができる!という実感も味わえたので、僕は僕でアキラ君のヴィーナスRSのお陰で楽しみが増えています。


そして昨夜は、ヴィーナスRSが本当に僕が言うほどの凄い自転車なのかを確かめたいって

お客様がご来店下さって、アキラ君のヴィーナスRSに試乗して『論より証拠』を体感して下さいました。


「凄すぎて言葉にならない!」という第一声。


単純ですがその一言が全てを物語っています。


エヴァディオの社長は全然ギラギラしていません!


一見するととても『すごい自転車を作りたくて情熱を燃やしている』ようには見えません。


とても物腰柔らかくて温厚な紳士です。


それだけにどうやったらあんなにすごい自転車ばかりを開発できるのかが不思議でならないというのが僕の所感。(笑)


バッカスSLは現行モデルのアルミバイクの中では間違いなく世界一速い自転車ですし、乗り続ける事でライダーを育成してくれます。(雑に乗ると真価を発揮しない)


ペガサスは6AL4Vチタンに匹敵するくらい軽量に仕上がった3AL2.5Vチタンのロードバイクで、軽さと重心バランス、専用設計のカーボンフォークとの相性、耐久性、ライダーの心境や体調、体力レベルに合わせて乗り味が変化するカメレオンのような性質・・・そのバランスの高さは確実に世界一の贅沢を詰め込んだロードバイクだと言えます。


ヴィーナスRSはペガサスよりやや攻撃的で、ライダーの五感を刺激して120%の走りを引き出してくれる、誰が乗っても世界一速く走れると感じるロードバイクです。


そしてどの自転車も25万円~60万円程度の価格帯で、その世界一の走りを体感できるのでコストパフォーマンスは異常なほど高いです。


コーダーブルームは更に低コストでロードバイクの楽しさを判りやすく教えてくれるアルミバイクを作っていますが、最高速の伸びは時速60kmを超えた辺りで頭打ち傾向なので・・・


初心者には判りやすいコーダーブルームで・・・慣れて来て自分の限界を知りたくなった人とか、より高みを目指したくなった人にはエヴァディオ・・・いつまでもその質実剛健かつ気品ある走りと価値が失われる事の無い永遠の宝物が欲しい方にはビクシズを・・・


勿論他の自転車メーカーも魅力ある作品は少なからずあるので、良い物は良いという事で扱いはしたいのですが、20万円以下のロードバイクでコーダーブルーム程コストダウンの為に部品をケチる事も無く、ライダーの安全性を第一に考えてくれるメーカーは他にありませんし・・・


僕の自転車の方程式はしばらく変わらない方向性ですね。

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