満を持して完成しました。
新形のスーパーレコード12S・・・クランクの形状がダサ過ぎて購入意欲が湧かなくて、カンパニョーロらしさが残る2014年モデルのスーパーレコードを探して購入。
コロナで若狭の新規事業も停滞中です。
このままだと僕もどこまで商売を続けられるのか・・・正直不安しかありません。
そんな時にこんな高級なロードバイクを組み立てていて良いのか?って話ですが・・・
まあせっかく当店では名前ばかりの有名ブランドではなく、素性の確かな・・・しかも古くなったら価値の下る自転車ではなく、年数が経っても価値の下らない自転車を主体に販売している訳ですから。
そういう意味でも早めに組み立ててお店で見せられる状態にした方が良いかな?って判断したので、思い切り無理して完成させました。
以前も紹介しましたが、BIXXIS(ビクシズ)こそが本物の『デ・ローザ』バイクなのです。
デ・ローザの歴史にはエディ・メルクスの活躍を支えたウーゴ・デ・ローザとの二人三脚の物語があって成り立った、『世界一優れた職人の作るフレーム』という代名詞がありました。
今やカーボンフレームが主体で、その多くを台湾の他メーカーの工場に委託製造させている以上、少なくとも僕の中ではもうデ・ローザというブランドは死んだも同然なんです。
そして先代ウーゴの次男にして、マエストロの称号を引き継いだドリアーノ・デ・ローザ氏もそこに危機感を感じていたそうで、密かにデ・ローザを辞めて独立したのがビクシズという訳です。
巨匠ウーゴ・デ・ローザの築き上げた伝統を、そして職人の魂が込められた古き良きロードバイクの活躍したあの時代・・・
それを風化させないために生まれたブランドがこのビクシズです!
デ・ローザというネームだけで売れる自転車を作ろう!なんてビジネススタイルがダメとは言いませんが、今となってはブランドがブランドである意味すら感じない時代になっていると僕は思います。
カーボンは自在に強度や弾性をコントロールできるから、メーカー毎にオリジナリティーは出せる?
いやいや、他社に真似ができてしまう技術に独自性なんて本当にあるの?
だったら中華カーボンの存在はどう説明するの?
金属フレームは職人の技術と工夫で走りが変わるし、同じフレームでも作る職人さんや、その時の気分や体調の違いで、全く同じフレームにならないところに、逆に魅力を感じてしまう。
少なくとも2000年代前半まではメーカー毎のオリジナリティーは守られていたと思うのです。
確実に名車と呼べる自転車が無数に存在していました。
21世紀に入ってからのロードバイクで、記憶に残るような名車っていったい何台ありますか?意外と少ないと・・・僕は少なくともそう感じています。
ビクシズのコンセプトは「21世紀の為の(本物の)イタリアンバイク」なのです。
https://bixxisjapan.com/about/
ところでこのチタンフレームの『パトス』は、1994年のジロ・デ・イタリアや、リエージュ~バストーニュ~リエージュ、フレッシュ・ワロンヌで、圧倒的な勝利を収めたデ・ローザ『チタニオ』を現代のテイストで再現させた名車なのです。
そして僕の注文したフレームはベースジオメトリーですが、1994年のジロ総合優勝バイクと同じジオメトリーで作って頂きました。
ドリアーノ氏にはトップチューブ長550mmくらいで勧められたのですが、僕には大きいから無理だと申し上げ、エフゲニー・ベルツィン選手のジオメトリーをお願いしたところ、「トップチューブ長535mmだけどいいの?」って言われましたが、迷わずそれをお願いしました!
僕の学生時代に組み立てたジタンも、当時ベルツィン選手のスペアフレームを98年ツール開催中にチームから空輸で送って頂いたフレームですが、そちらはトップチューブ長540mmでした。
まあ身体が硬くなっている今乗るんだから尚更535mmで程良いかな?って感じです。
メタル製のロゴはボルトでヘッドチューブに取り付けられています。
右のチェーンステーにはドリアーノ氏のサインが。
紛れもなく氏の制作したフレームである証拠です。
左のチェーンステーには、ドリアーノ氏のご息女であるマルティナ嬢のサインもオプションで入れてもらえます。
僕のサインも含めて、今回サインの全てはサンドブラストで入れて頂きました!
勿論リアブレーキ台座のブリッジにもサンドブラストで刻印が入っています。
チェーンステー内側には先ほども書きました「21世紀の為のイタリアンバイク」というBIXXIS(ビクシズ)の名前の由来にもなったポリシーが刻まれています。
ただでさえ頑丈なデ・ローザ仕込みのチタンバイクなのに、チェーンステーにブリッジを溶接するだけで剛性が増し、走りも変わります。
そして溶接の美しさもマエストロの作品である事の証明です!
ディレーラーハンガーは交換式ではありません!
まあチタンですから、そう簡単に曲がりもしないと思いますが、落車にはくれぐれも気を付けたいと思っています。
クリスキングのヘッドパーツはフレームセットに含まれています。
ヘッドパーツの圧入は比較的簡単に終わりました。
ところが問題はこの後なんです。
このハンドルはデ・ローザのチタニオが活躍した時代で言うところの、3Tのプリマ220には及ばないけど、チネリのダイエットエビオス並みの軽さではあります。
あとは全体的に赤系のパーツでアッセンブルしているので、ステムの上に5mmのコラムスペーサーを入れたのですが、ワンポイントでブルーカーボンのスペーサーにしました。
それにしてもシート穴が狭い!
最初3cmしかシートポストが差さらなくて、ここまで4時間かけてやっと4cmまで差さるようになりました。
タダでさえ硬いチタンパイプのリーミング作業・・・手の平が腫れるくらいの重労働です。
先端の4cmしか差さらなかった証拠写真です。
5cm以上掘削しないとシートポストは貫通しません。
更に後日2時間半程作業を続けて、ようやくシートポストが貫通するようになりました。
トータル6時間半って、作業工賃を請求するなら3万円(税別)は頂かないと割に合わない重労働でした。
シートリーマーだけで工賃3万円・・・前代未聞です。(笑)
しかしビクシズでロードバイクを組む以上は、制作側も職人としてマエストロの作品を美しく仕上げなければならない使命があるので、とにかく手抜きができない!
今回ばかりはアキラ君の手伝いも基本拒否しました。(撮影時のみ協力してもらいました・・・笑)
シートリーマーが終わった後は・・・
まずボトルケージ取付けボルト穴をタッピングして、最後にBBのねじ山をタッピング。
今回は右側はタップがしやすかったけど、左側は固かったので、タッピングして正解でした。
やはり綺麗に無難にまとめるなら、バーテープは白が良いな~。
まあ僕仕様なのでこれで良いのですが・・・。
サドルもエヴァディオのエアーフィットサドルですが、こちらは受注生産のカーボンレール仕様!
乗り心地とフィット感に優れ、更に単体で実測80gの超軽量サドルです。
シートポストはフレームセットに付属の物ですがPMP製の超軽量チタンポストです。
ここまであれこれ部品にこだわって組み立てたのですが・・・
スーパーレコードアッセンブルなのに重量は7.1kgでした。(涙)
まあペダル抜きだと6.8kg少々ですから軽いっちゃ軽いのですが・・・
とりあえず気になる走りは、また改めてインプレ書きます!
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