2019年3月12日火曜日

BIXXIS(ビクシズ)オーナーご来店!


本日BIXXIS-JAPANの静観(しずみ)代表よりもメールを頂いておりましたが、ご夫婦でBIXXISのロードバイクに乗ってらっしゃるS夫妻がご来店。

元々ご夫婦でDEROSA(デローザ)に乗ってご来店頂いた事のあるお客様ですが、自転車への想いは並々ならぬものをお持ちです。

以前から所有するDEROSAチタニオについて、「誰が溶接して組み立てたフレームなんだろう?」とか、ずっと気にしながら乗ってらっしゃったそうなんです。

やれピナレロ、やれコルナゴ、やれスペシャライズドって言うけれど、カーボンフレームが主流になった業界において、フレームビルダーって何よ?って話じゃないですか?

そこに製作者、設計者の意匠ってどの程度含まれているの?

世界的デザイナーが設計したフレームだったとして、「じゃあ聞くけど、そいつは自転車に乗ってるの?レースで走った事あんの?」って質問したら、きっとサイクリング程度に乗った事があるだけなんじゃないかと思う訳ですよ。勝手な話ですけど・・・

CADで応力計算や空気抵抗も出せる時代なので、フレームビルダーのノウハウが無くたってそれなりに計算されたフレームを作る事はできる訳だけど・・・

20世紀に自転車にハマった人たちって、そういうのを求めていた訳ではないと思うのですよ。

職人さん同士で鎬を削り合って、より良い乗り味を求め・・・その中に軽量化とか剛性感、空力などのプラスαが求められた時代は今や過去の話。

だから今の自転車に魂がこもっていないと感じる訳なんですけど。

デローザもコルナゴも、元々選手として走っていた人がビルダーとして自転車作りをしていた訳で、エディ・メルクスのような伝説的な自転車選手と二人三脚でフレーム作りをしていたからこそ、そこに選手の求める走りとビルダーの匠を感じる事ができた・・・

あの当時のフレームの乗り味が恋しいと思う事があります。

当時十代だった僕は逆にF1テクノロジーじゃないけど、カーボンモノコックのフレームに憧れていたのですが、TREKのOCLVカーボン5500やラティードのモノコックフレームに乗った時に「軽くていいんだけど、何か違うんだよなぁ~。」って違和感を感じた事がございます。

カーボンには無い金属フレームの良さっていうものがあるんですよ。

今日お二人の自転車に試乗させて頂きました。

ご主人の乗る『プリマ』はビクシズさんではクロモリと表記されていますが、コロンバスのスピリットというパイプを使用しています。(実際にはビクシズ用にチューンナップしているそうですが)

コロンバス・スピリットはニオブ鋼をブレンドした合金なので、硬さと耐久性を兼ね備えた超合金ということらしいです。

初めて乗る自転車ですが、とても安定感のある走りで、時速25kmを超えてからの速度維持性能が素晴らしく、ペダリングもソフトです。

時速25kmまで持っていくまでは乗り慣れるまで少し硬さ(反発)を感じるかも知れませんが、スチールフレームなので急加速を求めなければ基本的に優しい乗り味です。

何より付属のカーボンフォークの出来がすごく良くて、ハンドリングの安定感を感じました。

実は少しステムが左に向いていたのですが、他の自転車だったらバランスが悪くてダンシングができないところを、この自転車は普通にダンシングできてしまうので、フレームの精度の高さを感じずにはいられませんでした。(ステムの向きは試乗後に修正しました)


次に奥様の『パトス』に乗ってみました!

こちらは3AL2.5Vのチタン合金フレームです。

サイズが奥様用で小さめだった事もあるかも知れませんが、やはりチタンフレームの方が初速の立ち上がりの加速感や反応性は良かったです。

ただあまりに反応が良いので、つい踏んでしまいがちなのですが・・・

その場合脚が売切れてしまいそうな予感を感じてしまいました。

『プリマ』、『パトス』共にレーシングスペックだという印象を感じましたが、特に『パトス』は1994年にエフゲニー・ベルツィンがジロ・デ・イタリアを制した当時のデローザ・チタニオに試乗させてもらった時の感覚が蘇りました。

プロチームのエースが駆るチタンバイクとはこれだよ!って感覚。

エヴァディオ・ペガサスが僕の中で言うところのチタンバイクの完成形だと思っていますが、でもこの感じはデローザ・チタニオやビアンキ・メガチタン、コルナゴ・ビチタン、ライトスピード・ボルテックスでしか味わった事のない感覚。

久々にレースを楽しみたいと感じる自転車に乗れたなぁ~って思えます。

勿論サイクリングに使うのも問題ない自転車ですが、走りは生粋のレーサーです。

やはりマイスターと呼ばれる最高の職人さんが生み出した自転車なので、魂がこもっています。

所有欲も満たされますし、これほど満足感を得られる自転車は・・・このご時世ではもう皆無じゃないかと思われます。

当店では『予算の少ない初心者でも、第一線の走りが出来る自転車』としてコーダーブルームを推しています。

次に『心躍る最高の走りを求めたい人』にエヴァディオを推しています。

そしてこのビクシズは走りの良さも然る事ながら、所有欲も満たせる訳で、車で言うなら歴代GT-Rを買い揃えて毎日乗り比べるような気分になれる!?

まあその表現が正しいかどうかはともかく、当店とすれば三本柱の最後の一本がこのビクシズだと確信出来ました。


先日東京でハンドメイドバイシクルの展示会があったのですが、M籏君が見学に行ってきました!

人生初の飛行機と一人旅を体験しがてらに・・・


ビクシズさんのHPで掲載している写真にもM籏君の後姿が写っていました。(笑)

彼にはいずれフレームビルダーをしたいっていう夢があります。

今の業界を見る限りでは食っていくのも厳しいぞ!とは伝えていたのですが、これから先の未来・・・遅かれ早かれ本物志向の需要が復活するとも考えています。

コスト度外視!とまではいかないまでも、信頼できる職人さんの作る自転車にロマンを感じる人が増える日が、また戻って来るかも知れないので・・・

是非M籏君の夢が単なる夢ではなく、目標とできるように応援したいなと思っています。

早ければ2月・・・と聞いていましたが、ようやくS様(ご主人)の『パトス』が届いたそうなので、近日中に当店で組付けを致します。

実は既に興味をお持ちのお客様からも「現物を見たい!」とのご意見を頂いておりますので、是非またブログでご紹介させて頂きたいと思います!

0 件のコメント:

コメントを投稿