2020年7月22日水曜日

2020年2月の思い出・・・その②・・・レンタサイクルの実態


JICAさんのレンタサイクルのメンテナンスの時期がやってきました!

十数台の安全点検と修理を定期的にやっています。

JICAさんのようにレンタサイクルのメンテナンスをきっちりやって下さる所のレンタサイクルは安心して乗れますが、メンテナンスをケチったレンタサイクルは危険です!

なぜレンタサイクルのメンテナンスが重要なのかを、写真を参照しながら理解して頂けると幸いです!

ちなみにJICAさんのレンタサイクルは外国人の方が利用するので、とにかく使い方がハードです。

ただでさえ体格も良くパワーのある人が、まるでMTBにでも乗っているくらいの使い方をするもので、ハードブレーキングは当たり前!

タイヤの偏摩耗やドライブトレイン、ホイール(ハブ)のがたつきなど日常茶飯事です。

写真の自転車はカゴに新しい衝突の形跡があったので悪い予感しかしません。


この車体はまだマシではありましたが、やはりフロントフォークが圧されて後ろに入っていました。


これは別の車輌ですが完全にアウトです。

外国人の方は何かにぶつかって止まる習慣でもあるのでしょうか?と思えるくらいレンタサイクルの扱いが極めて酷いです。

僕もレンタサイクルを体格の良い外国人さんに貸した事があるのですが、まる一日貸しただけでBBがガタついて、ヘッドやハブにまでガタが出ていました。

決してママチャリの作りが安っぽいからではありません。

明らかに乗り方がアグレッシブ過ぎるのです!

写真の自転車は当店で用意したブリヂストン製の自転車です。

その新車が1年でこんなにも変わり果ててしまうのですから、外国人にレンタサイクルの扱い方をレクチャーする人が必要なんじゃないかと思えてしまうほどです。


カゴが明後日の方向を向いているのが判ります。


カゴステーの曲がったところがぶつかった場所ですね!

しかしそうなるとカゴの向きとステーの曲がり方の辻褄が合いません!

どんな事故をしたのでしょうね?


正面から見たらこんな感じ。

当店で組み立てて販売した自転車に対しては、どうしても親のような気持ちで見てしまうので、こんな扱いをされたと思うと本当に心が痛みます。

特に今回最も扱いの酷さを感じたのが・・・


スタンドの歪み方!


なぜこんな斜めを向くのだろう?


一見真っ直ぐに見えるスタンドですが・・・


スタンドを足で踏んで揺さぶってみると・・


グラグラなのが判りますか?


これは特に判りやすいですね!

要するにスタンドを立てた状態で自転車に乗ったり、キャリアに腰かけたりしているのでしょう。

体重も80kgを超える方が少なくないので、そういう積み重ねがこういう事になります。


スタンドだけでもこれだけ交換しました。(汗)

因みに右側クランクも今回交換したものです!


こんな感じでペダルが開いているの判断できますか?

クランクとペダルは垂直じゃないと、足首をこねってしまうので正常なペダリングができません!

これもアグレッシブな走りの末、止まり切れずにハンドルを左に切って、車体右側面で建物の壁にぶつかった・・・そんな損傷の仕方でした。


シートポストも左右にひねりながら上下の高さ調整をしているのが判ります。

シートをひねって上げ下げするなんて、自転車が好きだったら絶対にやらない禁忌です。

だってポストに傷が入ったら嫌でしょ?

新車が1年でこうも傷物にされたら・・・ショックですよね。


これはシートポストの限界線を越えてシートを上げている車体です。

この状態で体重100kg以上の人が乗ったら、シートポストが曲がったりフレームが歪んだりするパターンです。


スポークが折れている車輌も何台かありました。

少なくとも全体的にホイールは振れていたので、やはりアグレッシブな乗り方をする人の比率が多い事を意味しています。

当店でも若い学生さんや、ノリで淡路島まで走りに行くような人には、レンタサイクルを『借り物』とか『商売道具』として認識していない人が多く、戻って来てから修理や廃車など・・・トラブルが多かったように記憶しています。

レンタサイクルの維持・・・初めての貸し出しでメチャクチャに壊された車両もあるので・・・

そう考えるとレンタル料金とか免責保証の導入なども熟慮して運営する必要があると思っています。

今回のJICAさんのレンタサイクルは16台メンテナンスしたうち、2台が廃車という結果になりました。

どうか利用される方には良識ある乗り方をして頂きたいと切に願います。

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