2019年7月28日日曜日

現在の心境

僕が『自転車好房ラルプデュエズ』を立ち上げて間もなく7年となるのですが、この7年で色々ありました。

改めて考えてみると、僕の自転車への愛情と、現在の自転車業界の商業的スタンスはどう修正してもリンクしない事を確信してしまい・・・

逆に言えば・・・そのお陰で売りたい自転車が随分絞れたなぁ~って思う訳。

だっていくらメーカーや卸業者との取引やお付き合いだからって、お世辞でも良いとは思えない自転車を毎年の契約更新で買わされて、それを捌く為にお客様を騙して売るなんて詐欺行為はしたくないでしょ?

僕はどこのメーカーであろうが、本当に楽しませてくれる自転車の登場をずっと期待している訳で、それがOEMだったり製造工場が一緒だったり、高級ブランドなのに廉価商品を作ってみたり・・・クオリティなんてあったもんじゃなかったり・・・期待するだけバカみたいな月日を味わっている現状です。

絶望する事の方が多いのだけど、それでも世の中にはまだまだ面白い自転車は少ないながらもあったりする訳です。

価格は控えめなのに、自転車のポテンシャルを誰にでも引き出しやすい!

しかも重量が軽くて乗り心地も悪くない・・・初心者の味方のような自転車。

そんなブランドの代表格が『コーダーブルーム』ですし・・・

何でこんな乗り味の自転車を実現できるんだ?と毎回驚かせてくれる『エヴァディオ』とか・・・

間違いなくエヴァディオの自転車を乗りこなせば、レースで表彰台を狙えないはずがないと言い切っても良いくらい、他のどんな高級ブランドと乗り比べても段違い。

次元が違い過ぎて、わざわざリスクを背負ってまで取り扱いブランドを増やす意欲すら湧かなくなるくらい・・・エヴァディオはすごい。

そして僕が若い頃から最も憧れて、いつか乗りたい自転車と崇めていた『デ・ローザ』も今となっては職人気質のブランドではなく、ミーハーな高級ブランドに成り下がっている訳で・・・

水面下でそのデ・ローザを脱退して『BIXXIS(ビクシズ)』を立ち上げたのは、紛れもなくウーゴ・デ・ローザの後継者であるドリアーノ・デ・ローザその人。

BIXXISのチタンバイクもスチールバイクも乗ってみましたが、最新の素材で作ったロードバイクなのに、乗り味は90年代の良かった頃のロードバイクそのものでした。

まだメーカー・ブランド毎にオリジナリティを出し合って切磋琢磨していた頃の、職人の作るロードバイク。

それを守ってくれる職人さんがいるって事は、僕を含めた自転車マニアにとっては非常にありがたい現実で・・・

僕がBIXXISを取り扱いする事に何の迷いも感じなかった理由です。

勿論それ以外にも『LOOK』や『トンプソン』、『ラピエール』など、素晴らしい自転車を作っているメーカーはあるのですが・・・

LOOKは乗れば間違いなくその良さを感じる事が出来るのですが、上位モデルのヘッド・ステム周りの形状に馴染めない方が多いのと、超高級フレームの代名詞である事からなかなか注文は入りません。

トンプソンはカラーオーダーも安価で、FORCEなど素晴らしい作品もあるので推したいのですが・・・

かなりスパルタンな自転車なので、誰にでも勧められる訳でもなく・・・

日本での知名度もまだまだ低い事もあって、敢えてトンプソンが欲しい!って客層がなかなか現れない現状です。

誰にでも乗りやすいモデルはあるし、それだと下手な高級ブランドのフラッグシップモデルを買うより半額くらいで、同等くらいの性能が手に入れられる訳ですが、日本人てブランド志向ですし、『定価の高さ=性能の高さ』と錯覚している人が多いので、なかなか理解してもらえないんですよね。

ラピエールは2015年辺りから全体的に価格が上がってきましたね。

それまではコーダーブルームのように『良いものが安く買える救世主的なブランド』って感じだったのですが・・・

最近どこに向かいたいのか迷っているようにすら思えてしまいます・・・

でも相変わらずアルチメイトモデルのフレームは、価格の割に他のブランドのフラッグシップモデルよりも遥かに高性能なので、ラピエールを買うならアルチメイトモデルか、低予算ならアルミフレームのアウダシオかな?って感じではあります。

なので当店では『コーダーブルーム』・『エヴァディオ』・『BIXXIS』の3本の矢を基準に、予算やニーズに合った自転車をあれこれお客様に提案できるので・・・

現状取引しているメーカーさんで充分間に合っています。

つまり僕が今の時点で自転車屋の経営者として出来る事はほぼ確立できたかなぁ~って考えています。

当然今後も新しい商品が出る事については引き続きアンテナを立てつつも、少なくともお客様に自信を持って案内できるブランドは揃えられていると断言します。

という訳で、もう・・・いつまでも自転車屋の店主として箱の中で働き続けるのはしんどくなってきたので、そろそろ僕にとっての楽しい仕事をさせて頂けませんか?

店長業務の後継者を心から募集します。


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