2024年8月8日木曜日

塩とミネラルの話

ここでは自転車に乗る人や、マラソン、登山などをする人向けに、やや特化した評価として塩とミネラルについて書かせて頂きたい。

勿論僕は料理評論家でもないし、栄養学の権威でも無い事だけは理解の上で、素人の雑学に付き合って下さい。

まず僕は40代の中年オヤジになるまで塩についてそこまで知ろうとはしていなかった。

いつもなら自分の納得のいくまで調べつくして使う性格なのに、塩についてはそこまで深く考えた事がなかったのである。

1996年8月末。

21歳の時、初めてエントリーした乗鞍のヒルクライム。

チームメイトの誘いでチャンピオンクラスで出場したものの、ウォーミングアップをダラダラしていたらスタート会場で早い者順に並ばされており、結果後方からのスタートとなりました。

おかげで序盤は思うようなペースで走らせてもらえず、道は決して狭い訳ではないけど、その道を横切るように大きな排水溝が点在し、しかも溝の蓋をしている範囲が狭く、道幅の半分もカバーしていない状況。

集団の混雑がたまらず車列から飛び出した途端、溝にはまって落車する選手も何人かいた。

僕はそこをホッピングという技を駆使して、走りながら溝を飛び越えどんどん遠くに消えていく先頭グループを追いかける。

今思えば余計なエネルギーを使ってまで追う意味があったのかは不明。

そもそもこの日、僕はドリンクボトルを持たずに出走している。

たかだか22km程度のヒルクライムに水分補給なんて必要ない!とにかく余計なバラストは載せずに軽量化!

昭和生まれの僕には科学的根拠よりも根性論を信じる愚かさがあった。

何事も「何とかなる」のではなく、根性で「何とかする!」という思考回路。

そして大抵の場合僕の身体は期待に応えてくれて、全ての困難を根性で何とか貫き通してこれた事も、当時の僕の根性論を正当化させてしまったのかも知れない。

第一チェックポイント通過時、猛追するためにペースアップしていた僕は、ボランティアスタッフが配布してくれるアクエリアスも水も受け取らずに林道へ入る。

8月末とはいえ、山頂付近では万年雪でスキーを楽しむ人もいる乗鞍岳は標高3026mの山です。

標高1400mの乗鞍高原をスタートし、日本の車道の最高地点である標高2800mまで走ります。(ただしこの数値はどういう意図かは不明ですが若干盛った数値らしく、現在は訂正されていますが、実際には標高1460mから2716mまで上るレースです。)

晴れていても山頂付近は気温が10~14度程度。(雨が降って0度だった時もある。)

しかし日陰がほとんどないので気温はともかく、ずっと日光を受けながら走る為、暑い事は暑いのです。

最大傾斜15%の激坂区間までは順調に順位を上げながら走っていましたが、そこから間もなく標高2100mを越えた辺りで両脚のふくらはぎが痙攣し失速。

この頃の僕は、それまでのパワーに任せた踏み足重視のペダリングを修正する為に、引き足を意識したペダリングを習得中でした。

片足だけに負荷をかけるのではなく、両足で均等に負荷を分散した方が効率よく体力を温存でき、筋肉の疲労蓄積をセーブする事ができるのです。

そうはいってもこの当時はまだ、ペダリングのスキルを物にできていない頃でした。

それも腓腹筋の疲労要因だと思っていますが、水分保持ができなくて体内のミネラルが汗と一緒に流れてしまった事も痙攣の原因だったみたいです。

たまたま同じくらいのペースで上っていた方に、当時の日本の山岳王である村山利男さんのチームメイトにお医者さんをされている人がいて、その方から「単純にカリウム不足だよ。」と言われ、ドリンクボトルも装備せずに上っている事自体も「ヒルクライムを舐めている。」と窘められました。

恥を忍んで「カリウム不足は何で予防すればいいんですか?」と走りながら質問したら、「スタート前に岩塩でも舐めるといいよ。」と教えて頂きました。

それ以来トレーニングの時もレースの時もスタート前にはアルペンザルツを舐めて、いざって時の為に小袋にも少量のアルペンザルツを入れて携帯するようにしていました。

アルペンザルツの名誉の為にも言いますが、料理にも使えるし好きな岩塩です。

でも当時の僕は塩にそこまで探求心が湧かなくて大きな過ちを犯していたのです。

塩のミネラル含有量をもっと調べて網羅すべきだったのです!

当時もっとミネラルの詳細を研究して、水分を保持して走る術を学んでいたなら、逃げ切って勝てたレースも何試合かありました。

当時の自分の未熟な探求心と無駄で無謀な根性論に反省しかありません。(笑)


この塩は以前、内蔵機能を回復させつつダイエットの為にファスティングをしていた頃、ファスティング仲間から薦められて購入したアムウェイの塩。

岩塩ではなく海塩です。


裏の成分表を見たらスペックは一目瞭然。

食塩相当量という表記の数値は100g中の純粋な塩分です。

90gだと世間一般の食塩よりも減塩効果は高いです。

皆さんご存じのJTの食卓塩などは、ここの数値が99gなので、如何にミネラル含有量が少ないか?という話になります。

着目して頂きたいのはカリウムの含有量!

アムウェイの塩は100g中に477mgもカリウムが含まれています。

これはかなり優秀ですね。

次にネットで調べた成分比較表を見て下さい。


正直この比較表が制作された時期は不明なので、その後商品によっては多少の成分量が変わっているという事を補足させてもらいます。

アルペンザルツのミネラル含有量・・・オイ!なんてこった!(笑)

カルシウムの含有量だけ妙に多いが食卓塩と大差ない塩分98.5%だと?

カリウムの含有量もJTの食卓塩より少ない!?


某スーパーで見かけた淡路島の藻塩。

ミネラル含有量の最大値だけを見たら、カリウム9000mg?

最低でも2700mgも含まれているなら、十分すごいというのは判るけど、僕はこういうアバウトな表記をされている商品は疑って買えない性格。


次に驚いたのがこの『やさしお』!

塩分50%カットって・・・じゃあ残りの50%は何でできているの?


 正直この成分表だけでは理解できないけど、カリウムの含有量が異常なのは判った!(笑)

カリウムで減塩した分の塩の風味をカバーしているとか。

塩分50%を信じて使っている知人に聞いたら「これすごくいいよ!」って言っていたんだけど、そのあと違う話題から健康診断の話になって、「そういえば医師からカリウムの数値が高いと言われた。」って言うもので、「それ、やさしおの使い過ぎやろ!」って笑い話になってしまった。

レースで使うのだったら、痙攣防止のドーピングに有りかも知れないと密かに考えている。


結局色々調べて、沖縄の『ぬちまーす』か『雪塩』のどちらにしようか迷ったのですが、今はこの『ぬちまーす』を買って使っています。

250g入りが2500~3000円くらいする高級品ですが、ミネラルのバランスが一番高次元で塩分の含有量も75.5%と十分身体に優しい。


マグネシウムの含有量がダントツで高いのですが、カリウムも970mgとかなり優秀。

何よりこの『ぬちまーす』はどんな料理にも合う!

粉末状の塩なのでどんな出汁にもすぐに馴染むし、一番の驚きはお米を1.5合炊く前に、小さじ半分程度の『ぬちまーす』をふりかけて炊くと、驚くほどつやつやのご飯に炊き上がり、甘みも引き出されて「こんなに美味しくなって良いのか?」って思えるくらいご飯がたまらなく美味い!!


よくお米を炊くのに水は何を使うか?って話題になると思うけど、基本的にお米は硬水よりも軟水が美味しく炊けると言われています。

硬水はミネラルの含有量が多い水って事なので、米がミネラルにガードされて水分を吸いにくくなる為、パサパサのご飯になりやすいから不向きって話。

ところがそのセオリーに反するような事をしているのに、『ぬちまーす』を入れて炊くとふっくらつやつやで甘みも旨味も増すという不思議。


何はともあれ、自転車で走る時にもこれを舐めてから走れば痙攣癖のある僕でも脚を攣る事無く走れる可能性大!

そしてここにきて話がつながるのがこれです!


株式会社グリーンハート・インターナショナルさんが作っている『アライバル』です。

カリウム(ミネラル)含有量の高い塩と併用すると更に効果が増すかも。

『アライバル』はドリンクや水に少量を混ぜて飲むだけで、保水力を高め体内の水分とミネラルを汗で抜けにくくし、活動中の水分補給量も少なくできます。


つまりサイクリング中にボトルの水がなくなって「あ~っ!どうしよう!」となって困る時間を無くしたり減らしたりできるという事。


例えば登山の場合、上高地をスタートして槍ヶ岳まで歩くとします。

距離はざっと21~22kmで標高差は1600m強。

ザックの中に2リッターのハイドレーションを仕込んで歩きながら給水できるようにするのですが、6時間で登ろうと思ったらできるだけ荷物を軽くしたい訳で、1.5リットルだけ水を入れて歩いたのですが、途中自販機も売り切れ続きで、水はどんどん消費されました。

槍ヶ岳がようやく姿を現すグリーンバンドに着いた時には水は空っぽ。

ラストの1時間は喉の渇きと空腹で忍耐の登山でした。

もしもあの時ハイドレーションの水に『アライバル』を入れていたら給水回数が少なくて済んだはずなので、最後まで水を飲み切る事無く登り切れたと思うのです。(そうはいっても6時間歩き続けるなら、ハイドレーションの水は本来2リットルが望ましい。)

しかも体内の水分やミネラルが抜けると高山病にもなりやすく、一度は新穂高温泉から奥穂高岳に向けて標高差2000mを一気登りした際に、軽い肺水腫になった経験があります。

肺水腫になれば、呼吸困難で死に至る可能性が高くなります。

そういった視点から高山病予防の効果も期待できますし、トレイルランナーなど、荷物を軽くして山を走られる方には心強い味方になってくれそうです。


実際に日常の生活でも『アライバル』有りの時と無しの時では、1日の水分摂取量が少なくとも1リットルは変わるという事を実際に体験してみました。

自転車のロングライドやヒルクライム、登山やマラソンに効果的なのは間違いないと思われます。

今度は実験としてミネラルたっぷりの塩と併用して走り、その効果を試してみたいものだと考えています。



あと面白いのは、例えばアミノサプリ+に『アライバル』を2滴入れて飲みました。

実はアミノサプリ+って化学甘味料のアセスルファムKとかスクラロース、ステビアの3種が入っているので、正直美味しくはないんです。(少なくとも僕は苦手にしている味)

ところが『アライバル』を入れた途端に味が変わって、すごく飲みやすくなりました。

化学甘味料独特の味が苦手な人も、これなら美味しく飲めます。

その辺の使い方は『ぬちまーす』みたいで面白いと感じたところです。

先日友人に若狭の瓜割の水(めちゃくちゃ美味しくて整腸効果のある名水)に『アライバル』を混ぜたものを差し上げたら、やはり「すごく美味しい!」って喜んでくれました。


興味のある方には今ならお試しで試飲して頂く事が可能です。

お気軽に声を掛けて下さい!


2024年8月4日日曜日

ドグマF8の組み立て


GW前に預かったピナレロF8のフレーム。


高校生の男の子とお父さんが持ち込んできたものです。



部品もそうですが某サイトで購入したそうで、組み立てができるかどうか?

僕としてはGW中にでも乗り慣れてもらいたい気持ちでしたが・・・

部品チェックして判ったのが、BBとクランク、ペダル、チェーン、シートポスト、ディレーラーハンガーが不足しているのが判明。

Di2の配線も足りているのかは不明だったので、最悪こちらで買い足すとして・・・


問題はディレーラーハンガーもシートポストも専用品ってこと!

どっちも正規品だと高くて、それだけで軽く10万円以上の出費になります。


という訳で専用部品に関してはお客様の方で安く手に入れてもらう事にして、それ以外に関してはこちらで安く準備できるところから始める事にしました。


ハンドルもカーボンエアロハンドルなもので、内部はカーボンのバリなどもあって配線は楽ではありません。


ジャンクションスイッチもバーエンドタイプ。


大抵の配線図では2カ所とも配線しているのだが、無駄をなくした配線にするには1カ所のみの配線がベストかも。


バッテリーは空っぽだったので充電してからあらゆる配線パターンを試して動きを確認。


とりあえずイタリアン規格のBBで問題無い事も確認。


ディスクロードなので油圧だったら面倒だなぁ~と内心思いつつ、機械式とハイブリッドの2種を用意してくれていたので、迷わずハイブリッドを選択。

これならべパーロックのリスクも無いし、ただの機械式よりもよく利く。


念の為にオーバーホールしてフルードもチェック。


ブレーキパッドは1セットだけ摩耗が激しかったので交換。


5部山でそんなに持たないので、この場合は交換します。


ワイヤー関係をフレーム内に通す際の蓋になる部品ですが、片方だけ開いていて、反対側は穴も開いていなかったのでドリルで穴開け加工。


綺麗に斜めにケーブルが入るように計算して穴開け。


ハンドルに引き続きフレームにケーブルを通すのもひと苦労。


ある程度長めに切ったブレーキアウターを、ハンドル内部に通す前に長さの調整。

ミスって切り過ぎたら一からやり直しの鬼畜作業です。(笑)


6月初頭にようやく全ての部品が揃いました。


バッテリーをシートポスト内に差し込むのですが、振動で抜けないように滑り止め加工するのですが、重量が余計に増さないように材料を探すのがまたひと苦労。


BB付近にすべてのエレクトリカルワイヤーを集約してつなぐのですが、一番しんどい作業がここでした。


全ての配線に判りやすく目印を入れます。


これならどれがどの配線か判るでしょ?


これをBB裏に綺麗に収納するのがまた神経を使う。


ここまで形になってようやくドリンク休憩を取ろうか!って気持ちになれる。


やっと完成形になってきました。

あとはDi2の調整とバーテープを巻いたら・・・

完成しました!

配線も問題なく気持ちよく乗れます。

後日本人さんの体格に合わせてセッティング。

ものすごく感動して喜んでくれて嬉しかったです!

息子さんが志望校に合格したお祝いで、中古とはいえ、超高級ロードバイクを用意したお父さん。

これはお父さんも相当頑張ったと思います。

そしてうちの元スタッフだったM籏君の後輩だなんて!

是非落車しないよう大切に乗って下さいね!