2024年7月30日火曜日

2024年若狭路センチュリーライド(5月25日~26日)

5月25日(土)6:00起床。


既に心と身体もズタボロだった。

前日は祖母の95歳の誕生日。

上高地へ連れて行くとしたらそろそろ最後のチャンスだと思った矢先の4月下旬から肺炎で入院。


せめて誕生日くらいは早めに店を閉めてお見舞いに行ってあげたかった。


ところが想定外の出来事が多過ぎてギリギリまで若狭行きの準備ができなかったのである。


若狭美浜支店の2人。

とは言っても基本的には現状『若狭海遊バザール千鳥苑』のスタッフとして頑張ってもらっている2人なのだが、彼らには色々と反省点が多く今後の成長を急がせないとならない。


昨年11月には今回のお仕事を頂ける話になっていたのですが、大会を盛り上げる為にメーカーや卸業者にもブースを出してもらいたくて、ブース使用料が掛かるか否か、使用できる面積と、正確なレイアウトの予定図を準備してもらいたかったのに、窓口になっていたアキラ君は主催者側の意見待ちでいつまで経っても正確な情報が入ってこない。


僕はここ1年で祖母の介護の度合いがヘビーになって一段と動けなくなっていたので、基本的に窓口を現地にいるアキラ君に任せており、久保君がそのサポートをするはずだった。


もっと現場の平面図を使って主催者側へ提案し、具体的なイメージを描かせれば良いだけだと指示は出していました。


メーカーさんや卸業者さんには僕の方から根回しはしていたのですが、具体的な情報が無ければスケジュールを組むわけにもいかず、また他のイベントと被ってしまった会社も多く、結果的には他のイベントの参加が決定したコーダーブルームのホダカさんのみが、若狭に参加ができない代わりにテントと幟、試乗車などを貸出してくれる事になり、当店のスタッフの誰かがコーダーブルームの営業マンになりきって接客をする流れになりました。


どうやら若狭の2人は「今週末若狭でこんなイベントをやるんですけど参加しませんか?」って言ったら、大半の企業や参加者が「是非参加させて下さ~い!」と、喜んでやって来るものだと本気で勘違いしていたらしい。


アキラ君に至っては昨年の試乗会イベントもそれで失敗してめちゃくちゃ怒られています!


何だったら当店の10周年記念イベントでも怒られていたはずなのに!😰


実は当店の取り組みとしては、毎日彼らに報告メールを送ってもらい、確認や指示した事の結果や回答を追及したり、千鳥苑の売上や予約状況、お客様の反応に至るまで確認して次の指示を出しています。


8年前に千鳥苑の社長から「若狭の観光を助けてくれ!自転車で何とか変えてくれ!」そう言われてから若狭進出する事になった為、千鳥苑とは一蓮托生の想いで、若狭の2人にも常々「いつまでもバスツアーに頼らない施設作り、新しいものの発信をするように!」と、陰ながらアドバイスを出して2人に試してもらっています。


最近ではバイキングの評価も上がってきて、2人の接客も観光客の方々に喜んで頂けるようになり、少しづつですがリピーターも増やせる動きになってきました。


ところがそこまで管理及び徹底した指示をしているのに、4日前になって更にとんでもない事実が発覚!!


僕の認識では若狭の2人は半年前からセンチュリーライドの時は千鳥苑のシフトに入れない事を申告済みで、更には千鳥苑の物販ブースも現場に準備するつもりで、どんな若狭土産を用意するかについても、前もって千鳥苑内で打ち合わせしているものだと思っていました。


むしろこちらからも再三、打ち合わせができているなら進捗を報告して欲しい!と指示していたにも関わらず、2人とも千鳥苑の通常業務にシフトされていたのである。


お土産物の物販ブースの件もあまりに返事が来ないので、1週間前に確認したのですが、千鳥苑側は寝耳に水状態でした。


「今まで半年間、君たちは一体何をしていたんですか?」


急遽千鳥苑の社長がシフトの見直しを協力してくれる事になり、お土産品物販の準備は間に合わないものの、大会の前後でお土産を買いにお立ち寄り頂けるように宣伝できる商材とPOPを用意してもらう事に。


なんでビジネスチャンスを活かす努力をしないかなぁ~😅


『若狭の為に!』『千鳥苑の為に!』『うちのサイクリングツアーや新店のPRの為に!』


本来なら『これぞまさに一石二鳥どころか一石三鳥みたいな話』やのに。


段取りと根回しの重要性がホンマに解っていないというか。


更には自転車部品の物販コーナーでどんな商品を用意するか?参加者が大会で忘れ物するとしたら・・・そんな話で打ち合わせして、前もってリストを作ってみてくれと指示を出しても偏ったリストしか作れず。


「二人ともさぁ、もう少しレースとかサイクリングイベントに参加する人の気持ちになってくれんかな?もっと想像力を働かさんとアカンわ。」


僕としては若者に自ら考えて行動させ、最後まで責任を持ってやり通してもらいたくて、成長を促すように努力をしているのですが、これって若者だけに関わらず現代病なのか、できない人が年々増えているような気がします。


ここ数年僕が若狭にこだわってきたのは地方の産業を盛り上げて、それもできるだけアナログにこだわり、便利過ぎる世の中に警鐘を鳴らしつつ、意外にもアナログの良さもあるのだという見直しを図る為である。


田舎の長閑さと癒しの風景、人と人の温かみ、豊かな自然と食の恵。


今一度原点に戻って生きている喜びを多くの人に味わってもらいたいからこその地方進出。


その活動の有意性を広める為にはまず、一つでも多くその地方に貢献する事が必要なので、今回の仕事を喜んで受けたのだ。


しかし・・・


朝10時に2人と千鳥苑で合流も、物販の商品を最終的に僕がどういう意図でラインナップを準備したのかも聞いてこない。


「商売に興味が無いのかこいつらは?」(苦笑)


現場(若狭町役場)に着くと既に三方五湖DMOの関係者が会場準備を始めていたので、まずはその手伝いに走る。


当然我々のブースも準備したいが風の強い中、幟の設置やテントの設置も一筋縄ではいかない模様。


僕はすぐに幟の設置作業に加わってパムコの従業員さんと打ち解ける。


留美さんやアキラ君も何かしら出来る事を探して動き出したが、ここで久保君が出遅れる。


「コラ~!何か出来る事を見つけてすぐに動け~!」



会場準備の後、ようやく自分たちのブースを設置しましたが、商品の陳列にてこずっています。

関連商品毎に判りやすく陳列したいのにこいつらは・・・適当に並べやがって!(苦笑)



しかしコーダーブルームの広報になり切ったアキラ君は、試乗車を説明しながら順調にコーダーブルームの認知度を広めていました。

珍しく「褒めてあげてもいいかな!」と心から思えた瞬間!


修理やメンテナンスの来客は思っていたよりは少なかったのですが、その中で意外に多かったのはDi2のトラブル。

輪行で持ってくる間に変速の設定が狂ったとか・・・そんな事あります?

年式や仕様によってジャンクションボタンの位置も違ったりはするけれど・・・

移動の時にボタンが何かに触れて設定がずれた?

まあちょっと可動域がずれたくらいなら、調整ですぐに何とかできるので問題はないのですが・・・

あとはヘルメットを忘れてくる人とか多いかな?って思ったら、今回はゼロでした。

ところがシューズを忘れた人はいらっしゃって・・・

シューズってサイズも細かいし、足幅の事も考えたら簡単にこれ!って用意ができないものなんです。

なので急遽敦賀の街でスニーカーを探してもらう話になってペダルはこちらでフラットペダルへ交換させて頂きました。

僕も過去に琵琶湖一周サイクルマラソンに出場する際にシューズを忘れてしまい、せっかくみんなと一緒に車で草津入りして宿でくつろいでいたのに、翌朝の為の準備をしようと荷物を開いて発覚!

慌てて一人で新快速に乗り、神戸までシューズを取りに帰ったあの時の情けなさ・・・。

つがいけサイクルの時にはドリンクボトルを忘れてしまい、白馬から鬼無里村を走り抜けて長野市内まで自転車屋を探しに行った経験もあります。

無事にボトルを購入して、帰りに薄暗い夕暮れ時の田舎道を走りながら見た、後立山連峰の美しいシルエットは忘れられません。

大会出場時はどんなにちゃんと準備したつもりでも、スケジュールが慌ただしかったりすると、何かしら忘れ物をしてしまうものなんです。


あと話は変わりますが実は直前にこんな魔法の水のお話があったのですが、若狭に行く直前過ぎて十分な準備ができなかった『アライバル』!


若かりし頃、乗鞍でレース中に脚を攣った際、同じチャンピオンクラスで出走した選手の中に、村山さんのチームメイトでお医者さんをしている方がいらっしゃって、その方から「君はカリウム不足だ。」と指摘されたことがある。

ずっとそれ以降レースの前には岩塩を舐めるようにしていたが、カリウムの含有量まで気にした事がなかった。

その話については改めて詳細を語るとして、要するに汗をかき過ぎて体内のミネラルが抜けてしまう事に問題がある訳です。

ミネラルを維持して水分補給量も抑えてくれるミラクルな液体!

登山でも使えるよね?って思いつつ、まさにロングライドやヒルクライムで使ってみたい商品だと思いませんか?

夜は4人でご飯を食べながら大会当日のミーティングと合わせて物販とアライバルの話をする。

翌朝は早朝の4:30に千鳥苑で合流して大会本部へ向かう約束をして解散!

まあ何というか、大会前夜なので時間が足りないのです。

それに4月中旬から副業を始めた僕は前夜も深夜に副業。

眠たいなんて言ってられないから気を張ってはいたけど、宿まで車の運転をしているうちに睡魔が・・・。

お洒落な旅館にチェックインしてお風呂に入る。

就寝23:00頃


そして5月26日!起床3:50


外はまだ薄暗く月が綺麗。


敦賀湾は完全なる凪!水面に景色が映っています。


4:15分チェックアウト!


水晶浜を通過!


遠く常神半島が見えています。


いつの間にか月があんなところまで・・・

合流予定の千鳥苑はあの月の真下です。


到着!そして誰もいない!

そう4時前のグループラインに返事がなかったので、何度も二人に電話をしたのですが反応なし!

そしたら4:32に久保君から「すみません。直接若狭町役場(本部)集合でお願いします!」と連絡が来る。

若狭の2人は見事に寝坊だった!

合流してから朝ご飯を買って現場で食べようかと思っていたが、それどころではなかった。

先に現場について荷物を降ろし、すぐにでもテントを設営できる段取りをして2人を待たないと!

一応現場の本部は当日受付が4:30~とあったので、既に人の動きができ始めていた。

準備をしていたら・・・


昨日受付で見かけたシャア少佐(大佐)のコスプレライダーさんに挨拶をして頂きました!

自転車はシャア専用デローザですが、何とセカンドバイクにコーダーブルームのロードバイクを所有しているとかで、コーダーブルームにもシャア専用ファーナとか出して欲しいとのコメントを頂く。


エヴァディオで組むならザクでもサザビーでも、デザインは僕がラフを担当しますが?(笑)


なにしろ現在『Zガンダム』のデザインで制作中なもので。


それにしても当日は駆け込み需要があるかと思って構えていたのですが・・・


よりによってヤバいのが来ましたよ。

リアディレーラーは反応するけどフロントディレーラーが反応しない!

またしてもDi2仕様のロードバイクです。

キャニオンという時点で自転車屋の敵なんですけど、よりによって中古で購入したばかりなのだという。

その中古販売店でメンテナンスはキッチリやってもらったそうなのですが・・・

「コネクターを外してつなげ直したり、色々試していますが反応はしませんね。でもリアディレーラーを動かすとトリム調整はしてくれるので、確実に通電はしています。移動中に何らかのショックが加えられたのか?原因は判りませんが、スタート前のこのタイミングではどうにも手の施しようがありません!シンクロシフトの設定がされていれば、ギア比と回転数でインナーに落ちてくれる可能性もあるので、とりあえずこのまま走るしかありません。それよりもリアディレーラーのチェーンの通し方が悪くてガイドプーリーとテンションプーリーの間で爪の外側にチェーンを通しているから、このまま走ったら最悪でしたね。」

そういってリアディレーラーは直して差し上げました。

フロントディレーラーについても本来ならこんな差し迫った状況で一通り点検をしているので、その分の報酬も頂きたいところですが、そもそも僕は成功しなかった作業の費用は取りたくなかったもので、リアディレーラーの修理代で600円だけ請求しました。

ところが「え?お金かかるんですか?」って返されてしまい、言葉を失ってしまう。

この場合大会側の案内が明確じゃないから問題なのか?

単に参加者さんの認識が、人によっては全て大会参加費用に含まれていると勘違いしている場合もあるからなのか?

これはものすごくモヤモヤする案件だと思いました。


当日受付で自転車を持ってくるなりいきなりパンクの人とかも多くて、それなりに当日需要はあったように思いますが、今大会の参加者人数から考えると少な過ぎ?

恐らく実際には変速の状態や空気圧管理、チェーンの伸びやオイルとか絶対にベストな状態が解っていない参加者も多数いるだろうな~っていうのが僕の所感。

大会主催者側からは以前より参加者には車両点検用紙を配布して、事前にプロショップなどでメンテナンスを受けるように促していました。

大会によっては受付時に車検をする団体もあります。

ところが今回の若狭路センチュリーライドでは、「当日までに自転車プロショップでの点検を受けて下さい!」としつつも、「それが難しい場合は自転車整備の経験者に点検してもらって下さい。」とあり、その結果実際には点検らしい点検もしていない参加者が増えたのではないかと推測する。

参加者の裾野を拡げる為には緩い設定にしないと厳しい事も理解できるけど、整備不良車両で走られて事故をされたり、最悪他の参加者を巻き込んでの事故が発生すると危険です。

もしも油圧ディスクブレーキでエアーの噛んでいる事を自覚していない参加者がレインボーラインを走ったとしたら?

死亡事故につながりますよね?

これについては点検項目もより詳細に箇条書きして、点検したショップの印鑑にしっかりと責任を持たせた方が良いと思うのです。

そして事前のメンテナンスに費用が掛かる事を嫌うようなら、そんなライダーには無理して大会に出てもらわなくても良いのです。

そんな一部の不精な参加者の為に、大会が今後継続できないほどの重大な事故を起こされるくらいなら、目先の参加者や参加費よりも、長く継続できるマナーと安全性を選ばなくてはなりません。

という厳しい目線を持って、本当に安全にサイクリングやレースを楽しみたい参加者を守ってこそ、良い大会は長く継続できると思っています。


念の為に変な音のする自転車がいないかパトロール!


いよいよスタート時間が近付いてきました!

自身の体調も自転車も、本当に今から80~160kmの距離を走破できるベストコンディションですか?

僕もしばらくレースとか出ていないとはいえ、スタート地点に立つとつい周りの参加者の表情や自転車を見回してチェックする癖が出てしまいます。

やる気満々な人や緊張している人、何かしら不安を抱いた人、空気を読めていない人。

どこの大会でも様々な人がいて、特にレースではスタート直後のトラブルに巻き込まれたくないので、周りの面々を見渡して概ねスタート直後の動きを予想し、自転車の整備がいい加減な人や、怪しい動きの参加者からは距離を取ってスタートラインに並ぶようにするもの。

そういう癖はいつまで経っても抜けないものなんです。


まもなくスタートなので、その前にメカニックサポート2号車のアキラ君がスタート!


GTウイングを付けたチョロQが走り去ります!

彼は千鳥苑~水晶浜エイドステーション周辺で待機してもらう事に。


僕は最終走者の後追いになるのでスタート地点で知っている参加者さんたちを応援!


最初は160kmを走るロングの部参加者から15~20人ずつのウェーブスタート。

ここにはいつもアキラ君や久保君をサイクリングに誘って下さる福井新聞社の方や、若狭塗箸『箸匠せいわ』の社長も写っています。


今回の参加者は1000名以上いますので、全ての参加者がスタートするまで約1時間かかります。


サイクリングの大会を初めて見るという久保君が興奮して撮影をしておりますが、内心僕は「あなたは留美さんと一緒に店舗ブースを守る事に専念しなさい!」と言いたい気持ちを押し殺しつつ、知っている参加者さんたちに笑顔で手を振る。


これはどういう絵面かというと、ミドル(120km)とハーフ(80km)の参加者の中には、スタート時間に合わせてのんびり会場に現れる人もいたり、向こうの行列の中で所狭しと待つよりも、ここでのんびりとスタート時間まで待つタイプの人もいるという図。


いよいよ太陽も上がってきました。

日差しが強くなる前にスタートしたいですね!

スタートのゲートの傍らに立って応援しているのが、今大会の初期からサポートライダーとして参加者の安全を見守っている『うめぼしマン』さんです。

朝隣に車を止めはったので、コスチュームに変身する前のうめぼしマンさんと挨拶を交わしましたが、とっても気さくで爽やかな人でした。

大会中も行く先々ですれ違う事が多かったのですが、毎回手を振りながら笑顔で「ご苦労様です~!」ってお声掛け下さって、そのお陰で僕も気持ちよく仕事をさせて頂きました。


ところでハーフの参加者ですが、普通に考えたら半分の80kmしか走らないんだからスタートが遅くなっても問題ないだろ?ってなるのかも知れません。

実はその点についても僕は疑問視する部分があって。

というのもセンチュリーライドでは順位や速度は競わない訳じゃないですか?

そこで敢えて距離の短いクラスに参加されるという事は、初心者で自信がない人や、夫婦や恋人とペアで走るような方も多い訳で、明らかに160kmを走ろうなんて考える人たちよりもアベレージスピードが遅いはずなんです。

それを想定して関門の通過時間を設定しているはずですが、実質1時間近く遅れて出発した場合、その1時間が命取りになる事だってありますよね?

その辺のアナウンスも入れた方が良かったんじゃないかと。

元々開会式の際に僕も一言トークをさせて頂く予定だったのですが、時間的にその話がなくなりイベントDJを本業でやっている方が喋りまくっていたもので、僕が当日までに話そうと思っていた注意喚起は一切話せずじまいでした。


いよいよ僕の乗るメカニックサポートカー1号車が出発。


最後尾はサポートライダーとスクーターの係員がメインで参加者の安全を守ります。


そこにはうめぼしマンさんも混ざっています。


前日にうちのブースにも来てくれた陽気なお兄さんが最終走者として走っていますが、どういうつもりで最後にスタートしたのだろうか?

この日は台風接近並みに風が強くて、とてもじゃないけど見た目とは裏腹に明らかに初心者だったお兄さんは、信号で捕まったお陰で他の参加者に置いて行かれ、暴風の中必死に頑張るのですが一向に追いつく気配もなく、ここでサポートライダーが風除けのトレインを組んで必死にサポート!

しかし残念ながらお兄さんは集団走行のメカニズムもご存じじゃないらしく、サポートライダーの必死のアシストも空振りに近い状態。

スタート直後からまさかこんなにも混沌とした状況を見守りながら走る事になるなんて!

ところがここでヘルプ要請の無線が入りました!

梅の里会館前でクロスバイクのパンク車両発生との事!

サポートライダーに失礼して現場に駆け付ける!

ここで痛恨のミス!

クロスバイクと聞いていたのにまさかのマウンテンバイク!しかも27.5インチのチューブレスタイヤだった。

レースではないのでマウンテンバイクでチューブレスは極めてレアだろうと踏んで、車に予備チューブを積んでなかったのである。

「10分だけ待ってもらえますか?」

僕はそう言って大会本部までターマックラリーの如く全力でかっ飛ばす。

店舗ブースにストックさせていたのを取りに行ったのである。

道中、一般観光客の車もいたので結果的には11分もお待たせしてしまいましたが、パンクした参加者の方が僕の作業がしやすいように準備してくれていたので、そこからは特急仕上げで作業させて頂きました。

一緒に走っていた女性のパートナーさんには僕の到着時に先にスタートして頂いておりましたが、「これならレインボーラインを上り切るまでには、彼女に追い付いて合流できると思いますよ!」と勇気付けて送り出し、僕もレインボーラインに急ぐ!

実はチューブを取りに戻って梅の里会館に向かう道中、レインボーラインでeスポーツのチェーンが外れて戻せないトラブル発生!の無線連絡があった。

ドライブインよしだの前を通過してレインボーラインのゲートを侵入したところで先ほどのパートナーさんが上り始めていたので、「修理が終わって6分遅れで追いかけていますので、気にせず山頂を目指してマイペースで上って下さい!」って声を掛け、そこからまたラリーモードで山頂手前の現場を目指す。

封鎖しているとはいえ、レインボーラインを全開で走るのって初めてなのでそこはこっそり楽しませて頂きました。

現場では複数のサポートライダーもいらっしゃったのですが、外れたチェーンが固く挟まってしまい一切動かないのだと言われました。

当事者の参加者様からまず「どうして外れたんだろう?」って質問をされたので、「登坂で変速をするリスクはご存じですか?」と逆に問いかけました。

案の定、明確な認識はお持ちじゃなかったので、トルクのかかる状態でワイヤーを引く変速のリスクをレクチャーしながら作業しました。

リアディレーラーを軽いギアにするのってワイヤーを引っ張りながらの作業なので、ペダルに全体重をかけた状態で変速をしたら最悪リアディレーラーが折れたりチェーンが切れたりします。

まして電動アシストの力も加わりますから。

今回はそうならなかっただけでも非常にラッキーですよ!って教えつつ、eスポーツなのでクランクとチェーンリングはフリー機構になっていて、クランクを逆回ししても空回りするため、尚更どうにもできない症状だと理解。

念の為にクランクを外して構造を確認。

次にチェーンリングのボルトを外し、ゆっくりずらしてチェーンリングを取り除いたらチェーンも解放されました。

あとはそれを組み直すだけ。

何とか10分ちょっとで修理が完了したので、その方は颯爽と走って行かれました。

サポートライダーさんが「そんな方法で直せるなんて!」と感心してくれて、「千鳥苑に支店を出してるなんて知らなかったから、これからまた何かあったらよろしくお願いします!」と握手されてとても嬉しかったです。


これは山頂手前の分岐点です!(右は展望台へ登る第一駐車場への道)

美浜町へは左へ下ります。ここの下りは景色は最高ですが、カーブがトリッキーなので注意が必要!


時間いっぱいまで第二駐車場で休憩していた人たちが慌てて下山開始!


何とか最後尾で心配だった人たちも無事に下山。

パンク修理でお付き合い頂いた、大阪からご参加のお二人も無事にこの後合流しました。


最初のエイドステーション『美浜町レイクセンター』はかつて旅行会社時代に僕もお付き合いがございました。

多い時はバスツアーのお客様を月に5000名ほどお願いしていた頃もありました。

近年廃れていたのが、新たに船を作り直して復活したばかり。

ここでは1名だけリタイアを申請されましたが、レインボーラインを走破しただけでもよく頑張りましたよ!

あとサポートライダーの皆さんやエイドステーションの皆さんに勧められて、お茶とバーベキュー串を頂きました。

朝から何も食べてなかったのでありがたいというか、実際これ以降終了するまで何も食べる事ができないままの一日となりました。

だからここで出会った方々の優しさはありがたかったです。


千鳥苑前に来ました。

アキラ君が第3チェックポイントの『こるぱ』に向かったと無線で聞いたので、美浜町東部~敦賀エリアが手薄になるので、待機場所には千鳥苑が最適!


ロング参加者など、早い方々は敦賀市を抜けて再びここに戻ってきます。

しばらく待機しつつ参加者に手を振って応援し続けていたら無線が入りました!

次は敦賀の自動車学校前付近でパンクだとの事。


27号線バイパス寄りの交差点でパンクしている方に出会いましたが、チューブの取り付けは自分でするとの事で部品代のみの請求となりましたが、フロアポンプの貸し出しなどサポートはさせて頂きました。

それよりは風の強さが尋常ではない!

明確な場所やタイミングは不明だが、参加者と一般の自動車が接触したという情報が入ってきた。

どうもここを抜け道にする人がいるらしいのだが、大半のドライバーが本日サイクリングの大会が開催されている事を認知していない様子だった。

また風が強いので致し方は無いのですが、参加者の自転車が風にあおられて道路真ん中に膨らんだりしてとにかく危険!


それでしばらくの間ここでライダーたちの誘導と、一般の自動車に「ご協力ありがとうございま~す!」ってお辞儀して対応していました。

関峠からは風の影響も優しくなるので、疲労困憊されている参加者さんたちに「まもなく関峠ですよ!もう少しだけ頑張って下さ~い!関峠からは風も落ち着きますから!」って、どこまで行っても気休め程度にしかなりませんが、モチベーション回復の為にエールを送る!


千鳥苑まで戻って来ました。

いつの間にかロータス・エリーゼのオフ会が開催されていた。

僕も長い事インプレッサやRX-8のオフ会とか開催も参加もしていないなぁ~。

また雪のビーナスラインとかドリフトしながら楽しみたいなぁ~。

ここで2号車のアキラ君から、「こるぱのエイドステーションでパンク修理をしながら、クリート交換の参加者さんを待っています。」と連絡があったので、僕は一旦本部に戻る事にしました。

予定ではこの後アキラ君が熊川宿~小浜のルートをフォローし、僕がミドルの参加者のフォローをする為に上中経由で田烏へ向かう予定でした。

しかし久保君が千鳥苑に向かうタイミングも考えないとならない。

なのでその打ち合わせもしたいから、作業が終わり次第本部に戻るようにアキラ君に伝える。

ところがここでまた問題発生!

アキラ君は久保君を千鳥苑に送る為に本部に戻れと指示されたものだと早とちり。

暴風吹き荒れる中、一向にアキラ君が戻って来ないし、久保君もハーフのゴール風景を撮影に行ったまま戻って来ない。

その間に熊川や上中でトラブルがあったら大変なので、テントを留美さん一人に任せて上中へ向かう。

時間短縮の為に国道27号線に向かったら、交差点で見慣れた車が隣に停車しているではないか!

しかも助手席に久保君も乗っている!!

「どういう事やねん?まだその時間じゃないやろ?今すぐ本部に戻れ~!」

結局本部に3人を待機させる。

アキラ君はミドルの参加者のトラブルがあった場合に出動。

久保君は時間いっぱいまでは物販のサポートと暴風時のサポート。

テントを留美さん一人に任せたまま一言もなく立ち去るなんて、人としてスタッフとしてそれはさすがにありえないので、そこも深く反省してもらいつつ、時間が来たら千鳥苑まではうちのレンタサイクルのクロスバイクで帰ってもらう事になる。

僕は上中のガソリンスタンドで給油しながら本部の3人に携帯電話で指示を出し、無線で現在上中から熊川へ向かう事を大会本部に連絡。

熊川宿までに最後の峠道があって、ロングコース参加者にとっては正念場となる。

熊川宿では参加者たちが、どこまで自転車に乗ったまま侵入していいのか判らず判断に困っていました。

一般の観光客もそれなりに歩いているので、大勢のサイクリストが自転車に乗ったまま宿場町に入ってしまったら混乱するかも知れません。

それも考えて大半の参加者は自転車を押しながら歩いてエイドステーションへ向かっていました。

ただそうなると歩く距離が長いなぁ~。

ちょっと熊川宿のエイドステーションで参加者が休むにはゆっくりできなさそうで気になりました。

そこから僕は小浜へ向かいマーメイドビーチにある最後のエイドステーションで待機。

時間的に西陽が強くなって暑いタイミングです。

僕も完全に日焼けしました!

地元の乗用車はまあまあ大雑把な運転をされる方が多いので、「ご協力お願いしま~す!」って声掛けしながら、大会参加者と接触事故など起こさないように誘導しつつ、トラブルが無い事を祈って応援していました。

大雑把な運転とは申しましたが、地元住民の方々は僕が誘導したり、お願いしたら手を振って応えてくれたり、会釈をしてくれるなど優しい方ばかりでした!

途中から地元の参加者を応援するおじいちゃんまで僕のお手伝いをして下さり、一緒に誘導や声掛け、応援をしてくれて心強かったです。

7月には20年振りの市長選挙が行なわれる小浜市。

ここまで無投票で16年も市政を牽引している現職に対抗するのは、当店の若狭進出計画の初期段階でお世話になった事もあり、7年に渡り僕と付き合いのある小浜市議会議員の杉本さん。

友人だからというよりも、彼の小浜市民の声を大切にする議員としての姿を5年間見てきた一人として、何も変わらない保守的な小浜の街を変えていけるのは、この人より他にいないだろう!って思っていたのです。

そしたらひょんな事からそのおじいちゃんからその話を僕に振ってきて、「今度の市長選挙どう思う?色々と派閥があって大きい声じゃ言えないんだけど、わしは杉本君を応援したいと思っているんだよ。」って投げかけて来られて・・・。

「ああ実は僕、今日は神戸からこの大会の為に来てるもので、あくまで投票権のない部外者の立場からお話しさせて頂きますけど、僕も杉本さんにはお世話になった事がありまして、小浜市議会の際に秘書としてお手伝いさせてもらった事があるんですよ。小浜だけじゃないですけど、若狭の現状って余所者の僕から見ても最悪だと思いますよ。素晴らしい景観に、歴史や文化が根付いて美味しい食べ物も豊富なのに活気がない!新幹線を小浜まで引っ張るとかそれ以前の問題が山積みだと思います。市民との対話を重んじる杉本さんなら、街の活気も取り戻せるかもしれませんね。」

おじいちゃんは僕が神戸から来ている上に杉本さんの事や、若狭の事情に詳しい事に驚いていましたが、すごく喜んでくれていました。

後日談になりますが、実際に僕と若狭の2人で、杉本さんの演説会や街頭演説、ポスティングなど多岐にわたってお手伝いさせて頂くことになりました。

今の日本って幕末やフランス革命時と似たような状況ですから、民衆の声を聞いてくれる革命家は必要かと思うんですよ。

そんな人が市民に寄り添って市政を引っ張ってくれるなら、小浜を中心に若狭が変わるかも知れない!

そんな希望を抱いてお手伝い致しました。


あっと、ここで『箸匠せいわ』の社長と再会しました。

何とか余裕を持って完走できそうな感じです。

サイクリング仲間は序盤でパンクが立て続いてリタイアしたそうです。

呼んで頂ければすぐに直せたのですが・・・。


ここマーメイドビーチは、かつて人魚の肉を食べて不老不死になったという『八百比丘尼』(やおびくに)が愛する人を幾度も失う辛さ、歳を取らない事によりそれまで親切にしてくれていた人たちから化け物と呼ばれ、逃げるように新天地を求めて日本中を渡り歩かないとならない辛さ、変わりゆく故郷の景観に疲れ果て自害した地からほど近い場所にあります。

人に生まれたなら誰もが1度くらいは不老不死に憧れた事ってないだろうか?

人魚の伝説と不老不死の伝説はセットみたいなもので・・・

ある意味、浦島太郎よりも残酷な人生を送った悲運の女性の物語を知る事ができる場所。

思わず小説を書きたくなるような悲しい伝説もありますが、ここ小浜はかつて南蛮貿易の要所でもあり、まだ室町時代だった1408年にはインドネシアより象が上陸した最初の場所でもあり。

近年では地元の高校生の先輩後輩が何代にも受け継いで研究した鯖の缶詰が、宇宙食として実際に宇宙飛行士の野口さんに食べてもらえた事でも話題になりました。

そんな地元の学生さん達の研究熱心さに心打たれる場所でもあります。


ようやく最終走者たちが重い腰を上げてスタートします。

ここからは海岸線を世久見まで走って、そこからトンネルを抜けたら三方五湖。

絶景に酔いしれながら走れるルートですが疲れていますからね~。


この国道162号線は多少のアップダウンはあるものの、気持ちよく走れる海沿いの道路です。

しかし観光客の車などは、大会の開催中という事情を解っていない方が多くて、何度か参加者の自転車に煽り運転を仕掛ける車も見かけまして、悪質な車に関しては制止してまで注意しないとならない場面もありました。

その辺りも今後の課題として考えないとなりません。


田烏の棚田です。

田植えが終わったくらいでしょうか?

海と棚田と夕日のコントラストがたまらなく美しい地域です。


正面の島は見る角度によって亀に見えたり、森永製菓『おっとっと』のクジラに見えたりする『烏辺島』(うべしま)で、その向こうに『御神島』(おがみじま)と常神半島の先端が見えます。

『御神島』は基本的に上陸不可で、神様の宿る島だと聞いた事があります。

何気にパワースポットまみれの若狭。

世久見から三方五湖に入る辺りまでは最終走者たちに伴走して応援していましたが、西田梅林から本部までは先回りして帰ってきました。


ほとんどの参加者がゴールした後なので、大会本部は少しずつ人数が減ってきつつありました。

当店のブースも特に大きな売上もなく、何より若狭の2人はせっかく千鳥苑の皆さんが作ってくれたポップや、商品を陳列する事もなく、何の宣伝も満足にできないまま終了を迎えた事に「なぜそうなるんだ?」とガックリきてしまう。

大会帰りに美味しいビールやお土産を求めて立ち寄ってくれたかも知れないのに・・・。


アキラ君が『ぱむこ』で交換した後のクリート。

これは・・・事前に交換して大会に臨むべきだと思いませんか?

自転車人口が増えた事は素直に喜びたいのですが、こういうのを見せられると、大会に参加する人たちの意識とかレベルが、以前に比べて随分と低くなったものだと考えさせられる。

こんなクリートで全速力で走っている時に、もしもペダルから外れた場合は確実に大事故につながりますよ?

僕らは初心者の方々が、新たな楽しみ方を求めてこういった大会に出場する事を応援しますし、素晴らしい事だと考えています。

しかし実際のところ無責任に友人や家族を同じ趣味に巻き込んでおきながら、肝心な知識やマナーを教えない初中級者が多い事に悩ましく感じる事も多いです。

タイヤのトレッドの状態は摩耗が激しくないか?

空気圧が適正圧なのだろうか?

ブレーキシューやパッドの状態は?

そもそもホイールのセンターが出ていますか?

クイックシャフトを適正なトルクで締めていますか?

チェーンは伸びていませんか?オイルは?

クリートの摩耗も然り。

その辺の常識ともいうべき愛車の管理がおざなりになっている人が本当に多くなったと最近感じています。

高級なロードバイクやクロスバイクに乗っていながら自分の自転車のタイヤの適正空気圧も解っていない人が増えていて、時々何かもう親切に説明してあげる事すら嫌になる事が増えました。

こんな状態でDi2とか油圧ディスクブレーキとか普及させるのって無責任過ぎませんか?


今大会で多く見られたタケコプター。

コスプレといい、周りの参加者も楽しくさせてくれる人ってありがたいですね。


オタク系の人たちもいました。


シャア少佐も無事にゴールして、これで大佐へ二階級特進確実か??


無事にうめぼしマンさんの伴走付きで最終走者がゴールしました!


やはり若狭の夕日は綺麗ですよね!


三方五湖SAに年縞の説明などがありました。

こんな地味な場所にあっても気付かない人多いで!って突っ込みたくなる場所ですが、夕日は綺麗です。


これだけの荷物を積んで帰って、また店内に陳列し直すの面倒くさいよねぇ~。

若狭の2人は楽でいいよなぁ~!って思わず皮肉ってみたくなる。(笑)


そしてホダカからお借りしたコーダーブルームのストラウスとファーナの試乗車を洗車。

試乗車ってメーカーの大切な財産ですから、色々なお客様に乗ってもらって、当然雑な乗り方をする人だって少なからずいる訳で。

それをキッチリと洗車してメンテナンスして最高の状態に戻して返却するまでが僕らプロショップの仕事です。


これからも試乗車として活躍してもらわないとね!

まあ大会側の課題もいくつか気付く事のできた2日間でしたが・・・

うちも同じミスばかり繰り返すスタッフをどうやってレベルアップさせるべきか・・・

やはり半年前、1年前からゆとりを持って、何でも他人任せにしないで期限と責任感を意識して確実に準備をしてもらえるようになってもらいたいものです。

悩ましい課題が一杯だった今回のセンチュリーライドでした。

久々の長文お付き合い頂き、誠にありがとうございます!