2016年10月28日金曜日

北アルプスチャレンジ!・・・最終回 『黒部渓谷に感じた魅力』


写真は今来た方向を振り返ったものです。

正面の山の右下が『内蔵助谷出合い(くらのすけだにであい)』になります。


前回も載せたこの写真は、次に進む方向を撮影していますが、岩に書いた矢印を見れば「なんでまたそんな茂みの中を歩かなきゃならないの?」って気分になる理由が判るかと・・・

この日は全力で丸腰!

前日の窮屈さが嫌で、車の中にほとんどの装備を置いてきました。

靴も安全靴ではない、ただのランニングシューズなので・・・

この状態でクマと遭遇したらさすがにヤバイです。

想像では水平歩道はもっと全体的に狭くて、クマも寄り付かないくらいの険しい道だと思っていたので、ここまで遭遇する可能性を秘めたルートだとは思っていませんでした。

この時点(コンディションと装備)でクマと遭遇した場合・・・

この岩場でなら何とか対処できそうですが、一度林や茂みの中に入って出くわした場合、脚の状態からも「腕1本じゃ済まないだろうなぁ~。」っていうのが容易に想像できてしまうので、無理しない方がいいという判断です。


そして僕はこういう場所に来ると、つい石の上を飛び移って、あの大きな岩の上に登りたい衝動に駆られるのであります。

靴の底はツルツルで、石は濡れています。

間違って滑って転んだら・・・それも右の激流側に落っこちたら・・・

そんなリスクを考えるとますますワクワクしてきます。

実際に大岩に飛び移ってから右足がズルッと滑りましたけど、両手も着いていたのでセーフでした!


滑り落ちなくて良かったです。(笑)

こんな所にはまったらえらいこっちゃになります!


思わず岩魚とか泳いでいないか目を凝らしてしまうのは、元釣りキチの本能ですね。(笑)


大岩の上から内蔵助谷出合い方面をもう一度撮影。


それにしても対岸の岸壁・・・三徳山の投入れ堂みたいな建造物があっても違和感のない迫力です。


その下も流れが激しいです。

左に見える苔の生えた岩に飛び移って、大岩の下に岩魚が隠れていないか探ります。


多分陰になっている所に潜んでいるはずなんですけど・・・

人影や姿を見たら隠れる習性のある魚なので、そう簡単には見つからないか・・・。


川原へ戻ろうとしたら・・・

「あれ?こっちの方が安全ルートだった?」

まあそういう事は大いにあります。

一応浅くて水量が少ないとはいえ、こちらにも川の水は流れているので・・・

大岩の斜面(写真で見る以上に傾斜はきついです)を滑り降りて、右下の岩の上をホップステップジャンプで渡ります。



帰りは苦行でした・・・。(笑)



僕の性格上、来た道を戻るというのが、ものすごく苦痛なんですね。

その上足の裏と膝の激痛がたまらない!


出合いの分岐で思わず右へ行ってしまいそうになる。

お腹が空いてきたのと、喉の渇きが限界に近付いてきたので、さすがに判断力が低下してきた模様。

そして日頃の僕を知っている人なら、誰もが突っ込みを入れるでしょう。

「だから、なんでいつもボトル(ドリンク)を持たないの?」って・・・(笑)

荷物になるから嫌なんです。

自分の事なので、「気合と根性で我慢すればいいやん!」っていつも思っています。(間違いだらけの根性論です)

でも今回は黒部ダムまで喉の渇きに堪えられるかな~?

かなり不安でした。(笑)

滝の水を見る度に「ううう・・・飲みたい、でもこれ飲めるの?お腹を壊したらどうする?」って誘惑と戦いながら先を急ぐ。


これも写真じゃ判りませんが、結構な高さです。

道幅70cm程に対して落差はこの辺りで20~30m程

滑落したら無事じゃ済まないのは確定と言ったところでしょう。

これでさえ水平歩道ではまだまだ入門初級編なので・・・

そう考えると水平歩道は最初から最後まで、一切の油断ができない37kmの道程ですから、コンディションが万全じゃないと完走は厳しいですね。

そして・・・

これまた前回のブログで紹介した・・・


第1の滝でとうとう・・・「もう無理!お腹を壊したっていい!死ななきゃ何でもいい!」って、滝の水を両手で掬って飲んでしまったのです!


メチャクチャ飲み易くて美味しかった!

軟水だから尚更ですが、こんなに透明感のある美味しい水はなかなか飲めない!

それが率直な感想です。

やはりブナなどの土壌で濾過された地下水なのかな?

何も不純物が混ざっていないし、とにかく美味しい!

本当にビックリした。

こんな事だったら滝毎に水を飲み比べすれば良かった・・・

次回はマグカップ持参で来ないといけませんね!


これがクマが隠れていても不思議でないと言っていた石室。

急に天候が荒れた時などは、避難するのに丁度いい感じで、中は3~4人くらい入れそうです。


ただ道に対してこんな感じなので、横切る時はちょっとドキドキしますよね。(笑)

もう間も無く黒部ダムって所まで帰ってきました。

そこで今回初めて人とすれ違う。

スタート時に見張り小屋で出会った人とは別の(関西電力)職員さんでした。

交代制でパトロールらしいのですが、一人は心細いでしょうね。


石段を上る際に手をかけようとした苔だらけの岩・・・

思わず「何か乗っている!」って気付き、よく観てみたら・・・モグラの死骸でした。(汗)

何でこんな所で死んでいるんでしょうか?(野鳥の餌?)


そしてようやく黒部ダムの見える所まで帰ってきました!


写真はスタート時に撮影したものです。

ここで見張り小屋の前で出会ったおじさんと再会!

今度は関電のユニフォームにヘルメット姿でした。

「いやね・・・ここって実はダムの上からちゃんとカメラで監視されていてね、僕らはちゃんとヘルメットを着用して橋を渡らないと怒られちゃうんだよ!」

って照れくさそうに教えて下さいました。

「それはそうと、今から水を汲みに行くんだけど一緒に行ってみる?すごく美味しい水があるんだよ!」

そういって特別にルート外の道を教えて頂き・・・


ご丁寧に配管を突っ込んで汲みやすくしています。

ここのお水がまた恐ろしく飲み易くて美味しかった!

思わず両手で5杯も掬って飲んでしまった。

何しろこれからダムまでの上りは険しいんでねぇ~。(汗)

「この道は本当にしんどいよね。僕らも毎日仕事で上り下りしているけど、特に帰りは辛いよ本当に!」と、関電のおじさんも本音を漏らしておりました。(笑)


自分の中では牛の歩みか?って思えるくらいゆっくりと無理なく登ってきました。

空模様はまた微妙な雲行きに・・・


そしてここからまた黒部ダムの駅(トロリーバスの駅)へ入ります!


丁度12:05発のバスが出発したタイミングです。

何だかんだで2時間50分も歩いたので、お腹がペコペコ!

ちなみに登山マップ上の参考タイムは・・・

黒部ダム駅~内蔵助谷出合い=行きが1時間で帰りが1時間30分となっていました。

それに対する僕のタイムは・・・

行きが1時間15分で帰りは1時間10分で歩きました。

足の裏と膝のダメージ、写真撮影しながらって考えたら、行きのタイムは40分くらいで歩けそう。

帰りは関電のおじさんとお話をしたり、湧き水を飲んだりした時間も含まれているので1時間あれば足りるかな?



欅平~黒部ダム間の歩行時間の参考タイムは、黒部ダム発が12時間10分で欅平発が13時間20分となっています。

なので万全な体調で望んで寄り道とかしなければ、僕の脚で何とか8~9時間を目標に歩けるといった感じでしょうか?

前日に唐松岳なんて歩いてきたら、さすがに途中の山小屋でもう一泊しないと脚が持たないかも知れません。(苦笑)


ここがトロリーバスの乗降場所です。

とりあえずランチタイム!


本物の黒部ダムカレーです!

本物はグリーンカレーなんですよ!黒部湖の深い緑をイメージしているんだとか。

レストハウスは僕が食券を買って3分後には、満席&行列で歩けないくらいの混雑になりました。

ギリギリセーフ!

それにしてもここのカレーは美味しかったです。

観光レストハウスのカレーと思えば、かなりレベル高いです!

ガルベ(観光船)に見立てて浮かべたヒレカツも柔らかくて美味しかった。

超満足!!


そしてセルフサービスのお水はトンネルの破砕帯から採れる地下水で・・・

今回飲んだお水の中でダントツの美味しさでした。(良く冷えていた事も要因かな?)


余力があったら黒部湖の奥の原生林まで散策に行って、あわよくば上ノ廊下(奥黒部)と呼ばれる秘境の入口まで探索に行きたかったのですが、雲行きが怪しいのと脚が痛いのとで、すんなり諦めました!(笑)


とりあえずダムだけは撮影して帰る事に・・・


女性グループの観光客の中にメチャクチャ好みのおねえさんがいて、カメラで追っていったら振り向かれて、慌ててダムを撮影・・・まだそんな元気は残っていました!(笑)


あの勢いで放水していますから、僕の歩いた道(水平歩道)まで飛沫が飛んでくるのも頷けます。

とりあえず下山してお土産にダムカレーのレトルトを買って帰る。

車で大町温泉郷近くまで下ってきたら、ニホンザルの群れと遭遇しました。

僕は松本で久々にオークラのチーズケーキを買って帰ろうと思ったのですが・・・

シャッターが降りていた。

まさか廃業したの?(汗)

僕の中では日本一美味しいチーズケーキのお店だったので、廃業だったらショックです。(涙)

諦めて北松本駅のトンネルを抜けて国道へ回避・・・

最近劇的に郊外が賑わってきた松本市は渋滞ポイントが増えてきたので、抜け道はそれなりに把握しています。

問題は帰りのルート・・・

素直に中央道で帰るか?

それなら中津川まで木曽路を通って帰るか?

いやいや久々に国道158号線を満喫して帰るか?

迷った結果・・・「よっしゃ~!158号線や~!」

こんな事だったら安曇野アートラインを真っ直ぐ南下して、裏道から新島々まで抜ければ、今頃とっくに飛騨高山を通過していた頃合だったのに・・・

そうは思ったけど、好きな道なので気にせず進む。

すると波田の付近から局地的な豪雨が・・・(汗)

前が全く見えないくらいの豪雨がしばしば・・・

それでも奈川ダム~乗鞍~白骨温泉~上高地(登り口)~安房トンネル~平湯温泉~飛騨高山とそこそこ順調に走って来ました。

高山からは中部縦貫道(東海北陸道)に乗って・・・

白鳥で福井方面(九頭竜湖方面)へシフト!


NAエンジンのワーゲン・ビートルじゃ何も刺激はありませんが、やはりワインディングを走る方が楽しいので・・・


山の上はまた雨が降っていそうです。


ここの上からの雲海も綺麗なんですよ!

今回は観れませんでしたが・・・


九頭竜湖の夢の架け橋・・・九頭竜湖の水位が下がっているので、何だか寂しいですね。

この先のヘアピンでタイヤが4輪とも滑ってヤバかったです。

タイヤはそこまでケチっていませんが、ファルケン・・・

やはりヨコハマのタイヤが一番コントロールしやすいですね!

ところで問題発生!

地方のラジオをあれこれ楽しみながら走っていたのですが、九頭竜から福井市内へ入るまでの区間、まともなラジオ番組が入ってこない!

電波が引っかかっても中国のラジオ番組ばかり!

FM802なのに中国の番組?(笑)

そして中国のアイドルグループの曲らしきものが流れて、意外とノリがよく眠気覚ましにいいなと思った瞬間・・・

中国人のDJ・・・うるさい!黙って曲を聞かせろ!

一人で突っ込みを入れながら・・・(苦笑)


ようやく越前大野まで帰ってきました!

大野城がライトアップされています。

最近ここも天空の城とかもてはやされて有名になってきました。

この低い山で雲海が発生する・・・

即ち街は深い霧の中ですよ。

観光客が増えたら交通事故も増えそうで怖いです。(汗)


国道158号線は越前大野の街の外周を大きく時計回りで半周して、福井市内へ延びています。

なので大野城を間近で見る事ができるのですが、車のハンドルに携帯電話を固定して撮影してるので、横の景色を撮るのは難易度高いです。

福井県・・・平和な県なので、僕は個人的に大好きなのですが、車の運転は乱暴な人が目立ちます。(特に若い女性)

北陸道に乗る前にまた局地的豪雨に襲われたのに、若い女性の運転する軽自動車が、僕の目の前で強引な運転をして、危うく目の前で事故をされるところでした。

豪雨の瞬間に目の前で事故なんてされたら、さすがに回避は困難です。

ドキドキしながら北陸道へ・・・

鯖江に新しいサービスエリアができていてビックリしました!

場所的に一番居眠り運転しやすいポイントなので、ここに作ったのは正解ですね。

非常にありがたい!

そうはいっても僕は三方五湖のサービスエリアまではノンストップで走る。

もちろん扇沢から一度も休憩を取らずに走り続けたので・・・

お陰で脚が棒のようになりました。(汗)

膝の関節が動かないとか・・・辛過ぎてむしろ笑えてくるというか・・・

山歩きやサイクリングの後の運転は、やはり苦行というより仕方ないですね!(笑)

特にAT車はずっとペダルを固定なので・・・

舞鶴道でも豪雨に遭いましたが・・・

何とか居眠り運転をしないよう、集中力を維持して走破しました。(笑)


照明の関係で判りにくいですが、これは後日作ったダムカレー(グリーンカレー)です。

レトルトをそのまま使うのは面白くなかったので、肉を白ワインで炒めてから一緒にグツグツと煮込みました。

ダムが既に決壊している辺りはご愛嬌でお願いします。(笑)

お土産なのに十分美味しいカレーでした!





黒部渓谷・・・美味しい水との出会いや、非日常世界との出会い。

スケールもダナミックで是非オススメです。

余談ですが蜂にまとわりつかれた件も、関電のおじさん曰く、害はないそうなので・・・まず刺されないとの話。

クマについては餌になる木の実などが豊作だと、翌年より2~3シーズンは子連れの母グマと遭遇する確率が高くなるので要注意との事。

しかし渓流の中を腰まで川に浸かって上流を目指す『上ノ廊下』も含めて・・・

早くまた黒部渓谷へ再挑戦・・・したいです!

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