そういえば先ほど扇雪渓を過ぎて林の中を歩いていたら、ものすごい轟音が山中に響き渡りました。
雲というか霧というか・・・視界が真っ白の世界で聞いたら、恐怖しか感じない轟音です。
上空から聞こえるって事は飛行機でしょうね。
それも関西発~新千歳行きの旅客機。
航路って結構変更されているっぽいのですが、僕も子供の頃・・・伊丹発~千歳行きに乗った時に、飛行機から北アルプスを見下ろして感動したのを覚えてます。
さすがに山頂付近にもなると、飛行機の音がこんなにも大きく聞こえるんですね。
こういうのは初めての経験なので、想像以上の轟音にビックリしました。
これって野生動物には影響してないのかな?
ここからは本当に森林限界エリア!
左右にハイマツを見ながら先を進む。
すると鳥の鳴き声がしたのでそちらを見たら、ホシガラスが飛び立って行きました。
真っ黒の可愛くないカラスと違って、ホシガラスは可愛らしい鳥です。
どうやらハイマツの種が餌のようです。
飛び立ったのが一瞬過ぎて、すぐに写真が撮れなかったので、次は携帯電話のカメラをスタンバイして歩いていたら・・・
また別の所で鳥が飛び立ったので慌てて撮影!
写真はスピードについていけずにピンボケ・・・
ホシガラスなのか?でも少し大きかったので・・・もしかして雷鳥?
オコジョもそうですが、雷鳥とかって人を恐がるから滅多に観れないって言うじゃないですか?
実は今回オコジョとか雷鳥とか観れたらいいなぁ~って、ちょっぴり期待していたんですよね。
「まっ、そう簡単に出会えたら苦労はせんわなぁ~。」
って思いながら歩いていました。
「えっ?いるやん!普通に・・・」
携帯のカメラだとアップは厳しいです。
こっちに気付きました。
目の上の赤いのがないので雌ですね。
羽毛の色は徐々に冬毛に変わりつつあります。
堂々と何かを突いています。
このくらいのサイズだと綺麗に写ります。
写真左の石のゴロゴロ転がっている方が登山道なので、結構近いところを歩いています。
僕の接近に合わせて彼女は先を歩いていきますが、岩の上でジッと僕の動きを観察して、僕がそのまま手を振って歩き去るのを見送った後、反対方向へ飛び去って行きました。
そこから間も無く丸山ケルンに到着。
ここまで1時間25分で登ってきました!
標高2400mを越えた辺りです。
あと150mくらいの標高差を登れば唐松岳山荘に着きます!
そしてここで女性1人で歩いている登山者と出会いました。
「おはようございます!唐松岳山荘まであとどのくらいですか?」
「おはようございます!ここまで・・・30分くらいで来ましたよ。それはそうと、さっき雷鳥を観たんです!」
「そうなんですか?実は僕もこの下で雷鳥に出会いましたよ!」
そんな会話を交わして先へ進みます。
30分・・・って事はこっちからは登りなので40分くらいはかかる見込みです。
女性とすれ違った付近からはずっとハイマツの群生地の中を歩くのですが・・・
「あ、あれっ?」
本当に雷鳥がいた!
さっきみたいにどこかへ飛び立っていたら、もういないだろうと思っていたのに・・・
僕の3~5m先を、まるで道案内でもするように歩き始めました。
坂道がきつくてゆっくり歩いていたら、僕が3mくらいまで近付くまで、止まってこちらを振り向いて待ってくれます。
何だか不思議なものですが、さっきから一人で寂しく歩いていたものですから、何だか楽しい気分にさせられて、ちょっとした旅の仲間のように思えてきました。
2mくらいまで近付いても逃げずに何かをついばんでいました。
ここから結構な岩場を登って上がらないといけない区間だったのですが、彼女は岩を登ってはこちらのペースを気遣うように振り返って待ってくれます。
普通なら人が接近したらハイマツのトンネルへ逃げ込んでしまうはずなのに、なぜ両脇に茂ったハイマツの中に隠れる事無く、わざわざ岩から岩へ飛び移って、僕が上ってくるのを待っているのだろう?
ハイマツ林をようやく抜けたらそこで彼女はくつろいで待っていました。
こっちも岩場を飛び移りながら素早く移動したかったけど、吸汗スパッツが小さくて動きが小さくなっている僕には、本当にしんどい区間でした。
僕がやっと登って来たのを確認したら・・・
「はいはい、次はこっちですよ~!」と言わんばかりに、再び自ら登山道に戻って来ました。
ねっ?不思議でしょ?
しかしそろそろ彼女との楽しいデートも終わりに近付いてきました。
時間にして10分少々。
気分的には1km近くを案内してもらったような感じ。(実際には500~600mくらいの距離かな?)
彼女は正面のハイマツ林のトンネルの前まで行ったら、僕が左へ伸びている登山道を進んで行くのをずっと見送ってくれました。
奇跡のような癒しの一時・・・
本当に楽しかったです!
そして・・・そうなんです。
ここまで来たら間も無く唐松岳山荘は間近!
正面の山の向こうに山荘は建っています。
左の斜面は転がり落ちたらえらい事になりそうです。
このルート唯一の鎖場が近付いて参りました!
こんな道ばかりだとワクワクして楽しいのですが・・・
さすがにここは崖です!
楽しいですね。
高所恐怖症ですけど、楽しくて心躍ります!
生きてる実感が味わえるって最高ですね。
もう終わりかと思ったら、まだ若干続きます。
あの向こうの角を曲がったら・・・
「やった~!」
見えてきました。
間も無く唐松岳山荘に到着します。
八方池山荘からここまでのタイムはキッチリ2時間!
思うように身体が動かなかった割には、何とか目標タイムをクリアしました!
あ、でも本来の予定で、ここから欅平まで西側へ下山する事を考えると・・・
ちょっと我ながらバテ気味かなぁ。(笑)
っていうか喉が渇いて死にそう・・・
何でサプリメント(ゼリー)は持って来たのに、ドリンクを持って来なかったのだろう?
「アホだ俺・・・。」
本能的に山へゴミになるものを持ち込みたくないという精神があるので、つい後先考えずに欲求を遮断してしまうのが、これまた僕の悪い癖です。
果たしてこの喉カラカラのコンディションでどこまで歩けるのか?
また次回・・・
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