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2016年10月19日水曜日
北アルプスチャレンジ!・・・その3 『唐松岳への道』
これは八方池山荘から白馬47スキー場の山頂方面を眺めています。
風の流れが速いので、たまにこうして遠くが見えるのですが、それでもぼんやりとしか見えてませんね。
とりあえずこの標高1850mからのスタートなので、歩く距離や標高差を考えたら六甲山に上る程度の行程なので、北アルプスの中で言えば燕岳と並んで超入門者コースではございます。
少し進んだだけで、八方池山荘がかすんでしまいました。
一部板張りの遊歩道もありますが、大半がこのようなゴツゴツした道です。
前もって言うと、『今回の大失敗』は僕のシューズ選びにあったと言っても過言ではない・・・
元々餓鬼山~欅平の区間を歩く際に、クマと遭遇しても動けるようにって意味合いで・・・
とにかく軽さ重視で!
足首をひねらないようにミドルカットで!
クマ対策でつま先に樹脂ではなく鉄鋼の芯が入ったもの!
そういう条件で探した結果、非常に軽量で歩きやすい安全靴を手に入れたのですが・・・
靴底が薄いせいで、こういったゴツゴツした道を歩くのが辛い!痛い!
「まさかここまでとは・・・まだランニングシューズの方がマシだったなぁ。」
そしてリュックサックを背負っているお陰で走ったり飛んだりしにくいし、背中が暑くて蒸れる。
モンベルのレインジャケットの性能がよかったお陰で、かなりマシだとは思ったがそれでも暑い!
こういう板張りの道に来るとホッとするが、身体が重い・・・自分のイメージ通りのスピードで歩けない。
雨でクライミングパンツが濡れているからか?
中には吸汗性の高いスパッツを履いているが、それで少しでも動きやすさを確保してるものだと思いたい。
まだ標高2000mにも達していないというのに、ここまで息切れがするなんて・・・
ようやく第2ケルン。
向こうにぼんやり見えるのは八方ケルンです。
ここでまた下山組みとすれ違いましたが、挨拶を返してくれない人とか・・・
最近は登山での挨拶の重要性やマナーも教わらないで、山歩き始めちゃう人が多くなりました。
まあ自転車も似たようなものですが・・・
何だか寂しいですねぇ~(涙)
これが八方ケルン・・・プッチョみたいに見えませんか?(笑)
今登って来た方角を見ても真っ白で何も見えませんね。
そして間も無く八方池への分岐点に到着!
本来9月中旬から紅葉の始まる北アルプスの中でも、この八方池エリアは屈指の人気スポットなので、天候さえ崩れていなければ、きっと溢れんばかりのハイカーで賑わっていただろう。
手前の池は泥水の如く濁っています。
奥に薄ぼんやり見える八方池も濁っているのでしょうか?
今回は天候が悪いので、直接第3ケルンを通過して唐松岳へ向かうルートへ進む。
第3ケルンの手前にこのようなお地蔵様が立っています。
僕には登山道にあるお地蔵様や祠には、必ず手を合わせ一礼してから進み、帰りも無事に下山した事を報告がてら、お礼をして帰る習慣があります。
基本的に神様の存在は信じていない僕ですが、何度か山道で恐ろしい目に遭って逃げ帰った時に、お地蔵様に助けられたというエピソードがあります。
霊的な話なので、ここで語ったところで・・・これまた信じる人もいれば、これ見よがしにフカシだと批判する可哀想な人もいるかも知れませんが・・・
まあその時の感謝の気持ちを忘れない為に、僕は必ず手を合わせるようにしています。
「台風が近付いているみたいですが、不帰ノ嶮まで行きたいので、どうか下山の際はもう一度ご挨拶させて下さい!」
そうお願いしました。
ちなみにお地蔵様が見ている方角には・・・
八方池があるのです。
さすが八方池は濁っていませんね。
本来はこのように逆さアルプスが見れるので、スイスまでマッターホルンの撮影をしに行く暇とお金が無い場合などにオススメのスポットとなっております!(笑)
僕もそんな一人なので、ここの景色は大好きです!
河口湖や本栖湖で逆さ富士を撮影するのと違って、ここだと健康的にトレッキングを楽しめるのもお得なポイントです!
空気も最高に美味しいですよ。
そして第3ケルンから、これから進む方向を見るが・・・
完全に雲がかかって前が見えない状況です。
少しだけ歩きやすい土の道だったのですが、ホッとしたのも束の間・・・
こうしてまたゴツゴツの岩場が点在する。
先へ進むと左は崖で、その手前から林の中に入るルートになっています。
「ゲッ!林の中を歩くポイントがあったなんて・・・。」
クマ避けスプレーとナックル・・・持って来るんだった・・・と後悔。
主にダケカンバの林ですが、標高2200m以上あるのにブナの木も点在していたように思えます。
そうなると嫌な予感。
「この辺にもクマがいたりするんじゃないの?」
心細い・・・(笑)
写真で撮るのはどうかと思って撮影はしなかったのですが・・・
動物の糞が点在していました。
岩の上に絵の具のように乗せてある糞は・・・オコジョの糞だと思います。
何だか木の実をメインに食べているのがよく判る・・・って生物学者かよ!(笑)
もう一つ離れた場所に繊維質がたくさん混ざった大き目の糞が・・・(汗)
「これってツキノワじゃねえのか?」
周りを見渡して新しい足跡が無いか、木に爪痕を残していないか確認!
糞は比較的新しかったので警戒したが、周りに目立った痕跡を確認できなかったので、僕の頭の中は「?????」な状態でした。
プロテクターだけでも着けようか迷ったのですが、ここで荷物を置いてからレインジャケットを脱ぎ、まさにプロテクターを装着しようとしている瞬間に襲われたりでもしたら、全てが無意味になってしまうので、それだったらタイミングが被らないうちにさっさと歩いた方が安全かな?っていう見解。
そして岩場・・・
脚が重い!膝が上がらない!
原因が判りました、雨に濡れてクライミングパンツが肌にピッタリくっ付かないようにって買ったはずのスパッツが、Lサイズなのに思いの他きつかったので、血流が悪くなるし思うような動きが取りにくくなっていたのであります。
岩場・・・本来の僕なら、水を得た魚の如く走って飛んで進むはずなのに・・・
「もう無理!許して!」って言いたくなるくらい、動きが封じられて重くなっている。
身体が重いと意識まで朦朧としてくる。
思わず行きそうになったものの、×印に気付いて正気に返る。
行ける道と行けない道は○印と×印が岩などにペイントされているので、それを頼りに行けば目的地に到着する。
もちろん親切な看板なんてものは、ここには存在しない。
浸食谷の斜面を横切って、再びダケカンバの林に入る・・・
この辺も念の為にクマがいないか、周りの景色を注意深く観察しながら進む。
すると間も無く・・・
今年は雪が残って無さそうですが、扇雪渓という事は、もうすぐ丸山ケルンが近いという証拠!
とりあえずここまでは1時間05分で歩いてきました。
足場は悪いですが、またしても林の中へ入って行きます。
そして林を抜けるとそこにはハイマツが一面に広がっていました。
つまりは標高2300mを越えた事になります。
ここからは高山病を意識して、呼吸は大きく吸ったり吐いたり・・・
この先でまさかの奇跡に出会うとは、この時点では全く予想もしていませんでした。
それではまた次回!
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