もちろん1988年に倒産して以来、サイクルヨーロッパの運営の元で生き残っています。
当店では現在、新車での取り扱いのないブランドですが、僕個人が特に思い入れの強いブランドの一つなので、あえて一番最初に紹介させてもらいます。
実はこのビアンキ・・・自転車メーカーとしても最古ですが、自動車メーカーとしてもイタリア最古のブランドで・・・
『アウトビアンキ』という自動車は知る人ぞ知る希少車で、故障は多いけど愛着が持てるとかで、特にビアンキの自転車乗りには隠れた人気がある。
何ていうか、フィアットパンダとミニクーパーを足して2で割ったような車でしょ?
ところでビアンキには数々の伝説があります。
まずはトレードマークともいえるそのカラー!
『チェレステ』といえばイタリアではカラーサンプルに入るくらいの定番色。
これは創始者のエドアルド・ビアンキが好意を寄せていたマルゲリータ王妃の瞳の色をモチーフにしたとも言われ、またその色は毎年ミラノの空の色次第で青味を増したり、緑色に近くなったり、微妙に色の濃さが変わる・・・なんて、まるで都市伝説のような話でも有名。
事実チェレステはどれもこれも微妙に色が違う。
タッチペンを仕入れて欲しいなんてお客様がご来店された時には、間違いなくえらい事になります。
そして当店の店名でもある『ラルプデュエズ』の峠を最初に制して、ツール・ド・フランスのチャンピオンになったイタリアの英雄『ファウスト・コッピ』が当時乗っていたのもビアンキ!
これが1952年当時のラルプデュエズを上るコッピの写真。
そして・・・
実際にコッピが乗っていたビアンキ・・・
今も残る伝説の名車です。
また僕がロードバイクに乗り始めた当初、自分と身長や体重、股下などのデータがほぼ同じなのにもかかわらず、1994年のジロ・デ・イタリアをデローザのチタニオに乗って制覇した『ロシアの金狼』エフゲニー・ベルツィンが、95~96年とビアンキのメガチタンに乗っていた事もあって、彼の大ファンでもあった僕は、ビアンキのチタンバイクが欲しくて欲しくてたまらなかったものです。
これは95年のゲヴィス・バランチームのジャージで、胸にビアンキの文字が入っているでしょ?
実は僕、デローザのチタニオも、ビアンキのメガチタンも高くて買えなかったのですが、このチームのユニフォームは一式そろえて、今も大事にコレクションしています。
94年の肩にデローザのハートマークの入ったものから、96年のゲヴィス・プレイバスのジャージまで、ヘルメット、TT用エアロヘルメット、ジャージ上下、グローブ、靴下、アームウォーマー、ヘッドバンド、シューズ・・・
このいつになっても飽きの来ないデザインに一目惚れし、またベルツィンの大ファンで、デローザとビアンキのチタンバイクに憧れていた僕にとっては、まさにお宝と言えるコレクションなんです。
そういえば当店のホームページで、96年のチームジャージを纏って走る僕の写真が使われています。
これって当時のビアンキのパンフなんですが、ベルツィンが乗っている自転車がメガチタン!
後にメガチューブという、極太パイプや太刀のようなパイプを採用するフレームが、一世を風靡するのですが、まさにこのフレームがその先駆けです。
この自転車の価値は、今であれば150万円以上と言っても過言ではありません。
ちなみに1996年モデルでビアンキ創立110周年記念モデルを出しましたが・・・
それもFiR(フィール)のカーボンディープリムホイール付きで69万円と、今では考えられないくらい安かったと思います。
ちなみに当時このメガチタンの他に、『パリルーベ』というモデルがありました。
これですわ!
ワールドカップクラシックレースの中でも、『リエージュ~バストーニュ~リエージュ』と並び、『北の地獄』と呼ばれるレースに、『パリ~ルーベ』というレースがあります。
このレースは時には雪が降り、仮に雪でなくとも3月の冷たい雨が降りしきる中、パーベ(石畳)まみれの悪路を約300kmも走る、想像するだけでも恐ろしいレースなんですが、まさにそのレースを勝つために開発されたスペシャルバイクなんです。
これは110周年記念の一環で、限定数のみ日本に入荷されていたのですが、現在所有している人は僅かしかおられません。
ところが僕の知り合いに一人いるんですよ。
上の写真の自転車は実際その方のものなんです。
98年にサイクルスポーツ誌のガレージセールを通して知り合った方でSさんという方なんですが、その際僕はこの方からセライタリアのノボスカーボンという、フェラーリエンジニアリング製のサドルを安く譲って頂きました。
そして夏に組み上げたばかりのジタンのロードバイクに、ノボスカーボンを取り付け・・・
その年の『琵琶湖一周サイクルマラソン』にエントリーしていた僕が、草津の大会受付にサインをしにいった帰り、ホテルに向かって走っていた際・・・
「そこのインターマックスの人!」って呼ばれ振り向いたら、そこにパリルーベを押して歩くSさんがいたのです。
サドルとフレームの組み合わせで、すぐに僕だって気付いてくれたそうです。
と言ってもこの時が初対面で、「よく判りましたね~!」って、とても驚いたものです。
そしてパリルーベの実車を見たのもこの時が初めてだったので、とにかく興奮して「へぇ~!」以外の言葉が出なかったのを覚えています。
S様とはそれ以来年賀状などのやり取りを続けており、現在はフェイスブックでもつながっております。
今でもこの自転車を大切にコレクションしているそうで、なんだか嬉しいです。
ダブルサスペンションのロードバイクなんてビックリでしょ?
ホイールのリムもマビックのパリルーベ!
とにかくすべてがレアです。
コンポーネントに使っているカンパニョーロ・レコードも、94年~98年までのモデルが一番美しかったと思うんですよ。
やたらとカーボンばかり使った最新型なんて全く魅力を感じませんが、当時のレコードはまずクランクが美し過ぎる!
そしてもう一つ『メガチタンクロノ』というバイク!
これも僅かですが日本に入荷されていたはずです。
1995年とは思えないくらい斬新でかっこいいデザインだと思いませんか?
いや、走って速いだけじゃ自転車はつまらんでしょ?と言いたくなる気持ちが解って頂けると幸いです。
そして忘れちゃいけないのがこのマルコ・パンターニ!
もう大好きです!
この人の上りの速さは尋常じゃない!!
自転車ロードレースを知らない人でさえ、この人の走りを映像で見たら、あっという間に虜になるだろうって言い切れる自信があります(笑)
1997年にウィリエールのピラータ(イーストン・エリート)というモデルの自転車で、ラルプデュエズの最速記録を塗り替えたパンターニが、98年にダブルツールを達成した時のビアンキの市販モデル『アルメガプロシリーズ』は、今でもコレクターの中では大人気で・・・
このレプリカモデルが限りなく新品に近い状態であったならば、軽く300万円は下らないって価値があるのです。
写真はデダチャイ・SC61.10A仕様のアルメガプロXLに、タイム製カーボンフォークを付けた本物です。
その他ビアンキオリジナルアルミ仕様のアルメガプロLと、7005アルミ仕様のアルメガプロがありますが、いずれも価値が高いです。
何しろ製造したロットで微妙に仕様が変わるなんて、普通じゃ考えられないでしょ?
アヘッド仕様とスレッド仕様が混在する事実や、ロゴの有無とか・・・
とにかくマニアが食いつきたくなるような、レアな仕様が多数存在する訳ですよ!
当店に展示してあるアルメガプロLもそんな価値あるコレクションの一つです。
さすがに300万円には及びませんが・・・
そういえば僕もジタンを買った時、競合モデルがこのアルメガプロとアルメガプロ・クロノTTでした。
このアルメガプロ・クロノTTもかっこいいでしょ?
当時はとにかくガッチガチの硬いフレームを探していたので、レースで勝つ為ならTTバイクでもいい!悪魔に魂を売ってもいい!そんな想いで自転車を選んでいました(笑)
どうです?単なるファッションとか、チェレステが可愛いから・・・とか、結構軽いノリで乗っている人が多いビアンキですが、本当はちゃんとした自転車を作ってきているブランドなんですよ。
本来はそんな硬派なブランドなんだって知っている人からすれば、最近のビアンキ乗りって許せなかったりするもんですが・・・
是非ビアンキ乗りの方はこのブランドイメージを傷つけるような乗り方をしないよう、誇りを持って走って頂きたいものです。
そして当店にもう一台置いている・・・
こちらのビアンキは走行4000km弱の良品中古車になっています。
是非素晴らしい歴史の詰まった、ビアンキのロードバイクに憧れているお客様は当店まで・・・
こちらカーボンバックで105仕様が、税込み105000円で・・・もちろん値下げ交渉にも応じます!
ビアンキに乗りたいという熱意を見せて下されば、僕も値下げを頑張ります!(笑)
サイズ的に身長168~178センチくらいまでの方がベストかと。
ちなみにホイールはオーバーホール済みなので、R500のわりに良く回りますよ!
0 件のコメント:
コメントを投稿