1月25日(土)
この日は僕と中富君の他、O様2号、H川様・・・そしてN様2号が参加。
この5名で走ってきました。
寒さはいくらか和らいでいたので、路面とかは気にせず走れる状況でした。
そしてこの日誰よりもウキウキが止まらない!っていう人が1人・・・。
N様2号なんですけどね。
とうとうニールプライドのゼファーを納車して・・・前日から早速当店に自慢(笑)しに来ていたんですよね~。
もうこれ閉店前ですよ?
遠まわしに「翌朝の走行会では暴れますよ!」って宣戦布告に来ているようなものです(笑)
ちなみにこのゼファー。
『プレミア神戸』さんで購入し、作って頂いたもの。
プレミアさんは自転車部品卸の『トライスポーツ』さんが経営しているプロショップです。
僕は過去に短い期間ではありましたが、トライスポーツさんにお世話になった過去があるので、そこの中原社長には頭が上りません。
でもね・・・
うちもトライさんと取引できるので、ニールプライド扱えるんですよ!
N様2号には事ある毎にそう囁いてきたのですが・・・
しかし彼はすごく律儀な方なので、ニールプライドについては元々お世話になっている、プレミアさんで作ってもらうんだと固く心に決めていました。
こういうお客様ってショップとしても嬉しいですよね。
そしてこのゼファーにはちょっとしたこだわりもあります。
本来N様2号が乗っているゼファーは完成車モデルなので、最初から決められたパーツが組まれます。
ホワイトにちょっと見え隠れするレッドが好みだという理由から、このカラーリングしか乗る気が無かったのだとか。
一応フレーム売りもしているのですが、フレーム売りの方は・・・
このカラーリングしかないんですよ。
これはこれで綺麗なカラーではありますけど・・・
まあN様的に、あとは6800アルテグラ仕様であればそれでいいって感じでしたので、完成車モデルでもほとんど捨てる部品が無くてよかったんですね。
というのも・・・実はニールプライドの完成車にはちょっとした落とし穴がございまして。
まず第一にホイールのアッセンブルが最悪!
『シマノ・RS31』というリム高30mm程のエアロホイールなんですけど・・・(2枚目の写真はマビックのキシリウムがついていますが、そんなホイールがついたら、あと10万円は値段が上ります)
僕もこのホイールには本当に驚きました。
ここまでダンシングがまとまらない、気持ち悪い踏み心地になるホイールは他に無いのではないかと思えるほど。
とりあえず11速化対応って事と、リム高が低い『RS21』よりは見栄えがするって理由でつけたようなほとんどおまけ同然のホイールです。
正直同じシマノのホイールでも、『RS21』の方が断然走りやすかったです。
そしてタイヤも申し訳程度のタイヤしかついていません(笑)
だからニールプライドの試乗会ではトライスポーツさんも、惜しげなくエンヴィやライトウェイトのホイールを装着させてフレームの良さを引き出しているくらい・・・
プレミアさんでもそれについては、隠す事無く断り文句のように正直な説明があるそうです。
まあホイール交換有りきで買ってくれという意味ですね。
あとはジオメトリーやステムの突き出し長などのバランスが、完成車モデルだとN様の寸法に合わないので、ハンドル周りは元々乗っている自転車から移植。
ホイールも最初の写真を見れば判るように、TNIのカーボンディープリムホイールに変わっていましたでしょ?
サドルもオリジナルのものを外し、スペシャライズドのローミンに変えています。
このサドル・・・
メッチャ良かったです。
どこぞのSMPとかよりは乗る人を選ばない感じで、お尻へのフィット感もそうですが、フレックス(しなり)もそこそこあって、僕も欲しくなるくらい乗り心地が良いサドルでした。
でも僕の自転車にスペシャライズドのパーツは似合わないので諦めます(笑)
コンポーネントはともかく、ヨーロッパの自転車にはヨーロッパの部品でないとしっくり合わない・・・
少なからずそんな風潮はあるものです。
それが古臭い考え方なのかといえば、決してそういう訳でもなく、それぞれブランドカラーがあるので、実戦的な欧州ブランドには、やはり欧州ブランドの最高の機材を使った方が見た目もかっこいいですしね。
逆に歴史は浅くても最高の施設で、テストと研究を重ねて出来上がった新興ブランドのフレームには、こういった新しいメーカーのパーツをあれこれちゃんぽんしても、全然おかしくは見えないのであります。
むしろ機能美といってもいいですね。
僕は自転車屋であり一介の自転車乗りとして、そこのスタイリングにだけは、決して妥協する事なくこだわっていきたいと思っています。
ところで本題ですが、この日は東方面へ軽く流しましょうって話になりまして・・・
僕は相変わらずの睡眠不足で、しかもこの日の夜から夜通し車で走って長野県まで行く用事があったので、あまり疲れる走りはしたくなかった・・・というのが本音でして。
H川様は元気そうでしたが、O様2号は最近不調気味で、夏の頃ほど走れていないって感じです。
N様2号と中富君は・・・しんどいしんどいと言ってもそこそこ走れるでしょうから、O様2号のスピードを基準に走ることにしました。
王子公園と御影山手の上りに関しては、ウォーミングアップも兼ねつつ、N様2号の走りがどのくらい鋭くなったかを観察する為に走行。
しかしなかなか手の内を見せてきませんでしたね(笑)
その後住吉山手を東に抜ける辺りで、「もしかして岡本の狭い住宅街を抜けていく感じですか?」と言われて・・・
そこでO様2号が落車した過去が脳裏を過ぎり、「やっぱりルート変更します!」って山手幹線に移動しました。
実際のところO様2号はその当時よりも自転車に乗れるようになっていますから、余計な心配なんですが、何か僕のほうがトラウマになっちゃっています(苦笑)
住吉川から山手幹線を走る中、インターバルトレーニングを兼ねる為、僕は何度かアタックを仕掛けてはスピードアップしましたが、この日はやたらと後続が信号に捕まる日だったので、思いの他消化不良に感じていました。
更に阪急夙川駅前から越木岩通りを北上した辺りで、僕はルートに悩みました。
「宝塚まで・・・行く時間ないな~。武庫川河川敷まで・・・行って何するの?」等と考えた結果・・・
「やっぱ苦楽園の坂でも上るか~!」って結論になりまして。
苦楽園通りを左折後、樋之池町の交差点を右折し、バス道とはいえ激坂の苦楽園を上ることにしました。
予定ではノンビリでもいいから、一番上の苦楽園4番町のどん突きまでの、ジェットコースター並みの激坂を上ろうかと思っていました。
しんどいのは嫌だと言っておきながら、ずっと消化不良気味だったので、激坂の呼ぶ声に引っ張られました(笑)
ヒルクライムが好きな人でさえ、絶望感を感じるくらいきつい傾斜が、苦楽園4番町には存在しています。
まさに歩いている人が目を回すくらいの急斜面と眺望で、高所恐怖症の人には絶対に住めないような環境がそこにあります。
だから苦楽園3番町までのバス道は、そこへ上るまでの準備運動と考え、ノンビリ上るつもりでいました。
ところがそこで、後ろからものすごいスピードでN様2号がアタックを決めたのです!
「うわっ!マジか?も~っ!面倒くさいな~!」とか言いながら僕も反応してしまいました。
レーサーという生き物は、およそ挑まれたら応えずにはいられない性なんですね。
だからって苦楽園の坂を時速40kmオーバーで突っ込むか?
しかしゼファーに乗ったN様2号ですからね。
とにかく一瞬追うのをやめようかと思うくらいの猛ダッシュだったので、行くからには僕もそれなりの速度で追わないと追いつけない訳で・・・
10%以上の激坂を38T×18Tで上りはじめた僕は、それでも差を詰めれなかったので、更に17Tにシフトアップして、射程に捕らえてからまた更に16Tへシフトアップ。
するとN様2号がこれ以上スピードを維持できないって感じでスピードダウン。
「よっしゃ!これでとりあえずNさんを捕らえられるけど、そこからどうする?一気に抜き去る?それとも後ろにべったりついてマークする?」
しかしこの後更に12~13%ほどの激坂第2波が控えているので、僕も無理はできません。
失速したN様2号を引っ張りつつ、とりあえず苦楽園交番までのバス道のピークまで一緒に上りました。
僕も大の字になって倒れたいくらい疲れましたけど・・・
N様2号は相当張り切り過ぎたのか、途中・・・まるでうめき声みたいな呼吸で苦しそうにしていました。
歩道を歩く女子高生がビックリして立ち止まるほど・・・
これだけ全身の筋肉をフルに使ったら、さすがにもう苦楽園4番町のピークまで上る元気も残りません。
でも楽しかったです。
やはり一瞬でもいいから、このくらい死ぬ気で走らないと、生きている喜びを実感できません。
「それにしてもNさんどうしたんですか?こんな無謀なアタックをするなんてらしくないですね。」
「いやぁ。後方で皆さんの走りを観察しながら走っていたら、中富さんに「あれ?Nさん行かないんですか?坂道ですよ?行ったらいいんとちゃいます?きっと店長も喜びますよ。」って囁かれたもので、そんな単発の短い上りやったら逃げ切れる・・・と思ったらこんなに長い上りやなんて!って感じでした。」
「ははぁ~。多分奴はそんなNさんが素直に応じてアタックしたのを見て「うわ!ホンマに行きよったわあの人!」くらいに思っていて・・・更にそのNさんに反応した僕を見て、「ほら行った!ホンマに反応しよったであの人。アホや!アホ過ぎる~!」とか言って、手をたたきながら喜んでいるに違いないですね!」
「あ~!それ・・・間違いないですね(笑)」
「じゃあもう今回の走行会のレポートは、サブタイトルが『悪魔のささやき』に決定ということで・・・」
「いいんじゃないっすか(笑)」
そして間も無く残り3名がピークに到着。
そこからフラフラになりながらも、ライト坂までのアップダウンを走る。
芦屋川沿いに国道2号線まで下った一行は、右折して2号線を西進する。
その際N様2号からO様2号のペダリングとフォームに関して、見直しが必要だという意見が飛び出したので、住吉川までO様2号に先頭を走っていただき、その間色々な角度から見させてもらいました。
たまには『フォーム見直しクリニック』的なものは必要ですね!
O様2号についてはペダルを踏み込む時に、指から足の甲の部分にかけて力が入っていたので、それが硬いペダリングになっている原因だと感じました。
要するに足首の動きが使えていない訳なんですね。
確かにペダルのスピンドル(軸)の上に持ってくるのは母指球の部分ですが、踏面がそこなのであって、力をかける力点は別になります。
かかとから踏み下ろし、反対の足はかかとから引き上げるのが意識の基本。
『てこの原理』をフル活用したペダリングにおいて、足首が動いていないのはその基本ができていない証拠です。
信号待ちで「Oさんはつま先に力が入りすぎですね!この辺(すね)がしんどくないですか?」
「ああ、そう言われてみたら・・・」
「もっとかかとに意識を持って下さい。あとひざが開いてがに股にならないように!」
それからの走りを見ていたら、随分とフォームが綺麗になりました。
更に・・・O様2号はどこぞのSMPサドルが意外にしっくりとくるらしくて・・・
N様2号が「せっかく買ったので、しゃあなしに使っている・・・」っていうSMPサドルを、なんとしばらくの間O様2号にお貸しします・・・ってレンタルする事になりました。
N様2号はO様2号にオタクネタが通じると判ってなのか・・・優しいですね~。
O様2号もこれでバッチリとフォームを改善して、速く走れるようになりますね!!
そしてお店までの帰りに2号線でラストのスプリントを頑張ってみたんですが・・・
2台の大型トラックに幅寄せを喰らって、残念ながら時速53.7km止まりでした。
今回こそ60kmオーバーまで引っ張るつもりだったので、またしても不完全燃焼で頭にきました(苦笑)
僕もいい加減、平地で時速65km以上のスピードを、いつでも出せる脚に戻したいと思っています。
うちのチームにもそのくらいのスピードを持ったスプリンターが、新たに加わってくれると燃えてくるんですけどね・・・ははは(苦笑)
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