2016年9月18日日曜日

自転車を通信販売で買う人にご忠告!

通信販売・・・ネットでぽちっとできて便利ですね!

AMAZONとか、確かにDVDやCDなどで、もう廃盤になっているものや、海外版の希少な作品を探す時などに僕も利用する事はございますが・・・

外資系の会社にお金を落とす・・・なんて事は、「日本経済と産業を駄目にする事だから、愛国心がある人は基本的にやってはいけない!」と、強く意識はしているつもりです。

多分・・・(笑)

まあそんな事を突き詰めて行けば、そもそも自転車って商品はどうよ?って、非常に不毛な問答になってしまうのでありますが・・・。

それに至っては「せめて日本の卸業者と街の自転車屋さんを応援して下さい!」としか言いようがありません。








自転車について・・・

もともとヨーロッパの文化として発展してきました。



「ビアンキは置いてますか?」(ビアンキに拘る理由次第で、取り扱いしているお店を紹介します。)

「ここって・・・ジオスはないの?」(置いていないだけで『この店はクソ』扱いですか?)

「ルイガノでも良いんですけど・・・。」(このお客様は上から目線な上にルイガノはカナダです。)

そういって来店される方もいますが、本当に良い自転車選びってできていますか?



ちなみに有名ブランド志向で上記のような入り方をしてくるような人は、取り扱いのあるお店にしてみたら『ネギを背負ったカモ』に過ぎず、当店みたいに周りとの商圏を意識して独自の路線で突き進んでいるお店にしてみたら『おとといお越し下さいませお客様!』的な話になる訳です。(恐らくですが・・・笑)

例えば全身アルマーニの人がいたとして、その人が中身のある人物に見えますか?って話をしたとしましょう。
ある意味余計なお世話だと言われかねませんが、恐らく大半の意見は『無さそう』って答えにならないだろうか?っていう比喩です。

僕は基本的にブランド志向の人の大半に中身は無いと考えていますので、これまでご来店頂いて当店の対応を悪いと感じた方、「まるでバラティエだ!」と感じた方は、概ねそのような経緯があったものとして、改めてお詫び申し上げます。

尚、店内に入って来ながら、『挨拶をしても返事を返すどころか無視』、『見てるだけ・・・とか言って世間話もさせてくれないで、スタッフの作業の手だけ悪戯に止めさせる冷やかし行為』、『商品に勝手に手を触れないで!って書いてあるのに触りまくって乱す人』など、そういった類の人はお客様ですらないので、この場合は問題外!お詫びを申し上げる理由が全くないという事を書き加えておきましょう。







自転車の選び方について・・・



先ほどはブランド志向云々を書きましたが、ビアンキやジオスに至っては、チェレステグリーンやジオスブルーというカラーに惚れて選択する方も多い事でしょう。

カラーやデザインと言うものは大事です。

どんなに性能が良い自転車であっても、カラーやデザインが自分のイメージするものとシンクロしなければ、購買意欲に繋がらないっていう方について、それは仰るとおりだと思います。

初めてロードバイクを買う方などは特にその傾向が強いですよね。

しかしそれらの条件が全て自分のニーズに合った理想の自転車なんて、そうそう出会えるものではございません!

カラーやデザインだけで購入して失敗している方も多い事でしょう。

まだ性能重視で購入している方がよほど納得がいくというか・・・。

そこの妥協点も含めて、一緒に理想の1台を探して、その方の体格やニーズに合わせて組み立て、安全性かつ操作性を重視してセッティングをする事が我々自転車屋の仕事の醍醐味であり、プロと呼ばれるに値する所以なのであります。

要するに・・・せめてご相談にお越し頂くだけでも結構なので、どうか一度プロのアドバイスを受けてみて下さい!という訳です。






通信販売の自転車について・・・



それでも通販で購入するんだ!と仰る方にどうしても言いたいのは・・・

「自転車くらい自分でも組み立てられるよ!」って家族にカッコつけて買った結果、間違った組み付けで家族を不幸にする事だけは、どうか避けて欲しいという願いがあります。

興味本位で組み立てができるかどうかを、チャレンジしたいと仰る人も同様。

ドッペルギャンガーを初め、90%完成品とか謳って販売しているものも多いですが・・・

90%完成品の根拠って何?その定義は?って思うような商品ばかりが世に流通しているって事を、切実に・・・切実に訴えたい。

自転車=プラモデルなのか?

答えはNO!

ポケバイでもなんでもそうですが、通販で手軽に買える気持ちが、組み立てする気持ちにもお手軽感としてありませんか?

組み付けをナメんな!

精度を出す事も知らない素人に、限りなく完璧な組み付けなんてできるはずがないのである。

通販で自転車を売るって行為は、限りなく売る側も組み付ける手間を省きたい!

その手間を省いた分だけ人件費もかからないし、手軽に数量も捌けるので、薄利多売でも商売が成り立つ訳で、逆の目線から見れば・・・売る側にとって品質管理以外に一切の責任というものが、存在しなくていいというメリットさえ生まれるのである。

つまりは・・・お客様が組み付けに失敗して、最悪死亡事故になった所で、そんなものはお客様の自己責任の範疇だ!というのが根底にあるのです。

事実僕もその通りだと思います。

自転車屋で買うよりも破格の安さで購入できて、しかも自分で組み付けができるなら、男として・・・親として・・・自分の株も上がって一石二鳥!

そう思ってらっしゃる方も実際におられます。

結局自分の命(家族の命)を乗せて走る乗り物に、高々数千円~数万円ケチっていながら、それでも尚カッコまでつけた結果がそれなんだから自業自得な訳ですよ。

フレームが真っ二つに割れたからって、それが購入して3ヶ月以内とかであれば、さすがにメーカーの品質管理はどうなってんだ?って話にもなりますが、雨ざらしで段差も気にせず乗り回して、散々酷使した自転車・・・ましてそれが通販で買って専門知識も無いのに自分で組み上げた自転車だったなら尚更、メーカーへの賠償責任を求める訴訟問題とか、見当違いも甚だしいって訳ですよ。

そこまで世間で話題になっていても、未だ通信販売で購入するケチな消費者は後を絶たない。

その現状を良しと思えるか否か?第三者の目線でじっくり考えてみてもらいたい。






自転車の精度とは何ぞや?って話・・・



まず自転車・・・主に通信販売の自転車や、ホームセンター及び量販店で販売される自転車のほぼ99%は、中国などのどこぞの良く知られていない工場でほぼ完成形の状態まで組立てられております。

現状車体の全てを日本で組立てている自転車というものは皆無に等しい訳ですが・・・

国内のメーカーにも、品質を重視して行き届いたチェックなどを施して販売しているメーカーもございます。

しかし通販及び量販店の車体は、ほぼ製造している工場の品質管理に丸投げ状態だとご理解下さい。

なのでドッペルギャンガーを初め、当店で扱う自転車の一部も、一度バラして組み直さないと、どうにも売り物として成り立たないロットも存在する事があるのです。

まずホイールの振れ取り。

上写真のようにスポークテンションをチェックするとバラつきのあるケースもあるので、一度緩めて締め直し、縦と横の振れを限りなく取り除く作業が必要な場合が多い。



そして最近特に多いのが・・・


ハブシャフトのベアリングがゴリゴリな商品が増えています。

ベアリングの玉当たり調整は非常に神経質な作業で、緩過ぎてもガタツキが出るし、締め過ぎてもゴリゴリになって回転が悪くなるのです。

流れ作業で数をこなさないと給料がもらえない中国工場の事情を踏まえると、如何にここのクオリティを追求する事が困難かは容易に想像できるかと・・・

なので当店では毎回、前後輪の回転やガタツキをチェックしてグリスの差し替えと調整を施してから組立てています。






そしてホイールの振れとセンターをきっちり調整してから判明する事として・・・

①フレーム(フロントフォーク或いはバックエンド)のセンターが狂っている。

②ブレーキのセンター及び、シューの位置が狂う。

以上の2点を確認します。


①に至ってはどれだけフレームの精度が低いんだ!と、これこそメーカーに返品してもいいくらいの事案です。

②についてはシューの当たり位置をきっちり合わせないと、音鳴きの原因になったり、片利きの原因になるばかりか、タイヤに接触してバーストの原因になるケースだって有り得ます。



それを振れ取り台やセンターゲージを持たない方が直せるのか?

フレームやブレーキのセンターリングをチェックする術を身につけているのか?

それらを修整する工具を揃えるだけで自転車をもう1台・・・いや、通販だったらもう2台は購入できますよ。

それに工具があってもホイールの修整なんて、自転車屋のスタッフでさえ、まともに出来ない人が多いっていうのに・・・片手間のDIYで簡単に出来るとか思われたんじゃ、こんな商売やってられませんよ!って話でございます。







自分で組み立ての出来ない、或いは出来なかった人、更には出来たつもりでいる人の話・・・

基本的に持ち込みの組み立ては高くつきます。

個人的にドッペルギャンガーの組み立て程度であれば、5000円~10000円程度でもいいや!って思ったりもしますが、正直忙しい時に持ち込まれて作業スケジュールの障害になることもあるので、簡単に引き受ける訳にはいきません。

あんまり安く受けると他の自転車屋さんにも迷惑がかかりますし・・・

なので最低でも10000円以上頂く方向性でご案内しています。

店頭で注文して買った方がトータルで安くなるように調整しています。

それに振れ取りとか含めると、精度の低いロットに当たった場合だと、修整と組み立て作業で4時間近く時間を費やす可能性があります。

車屋さんや自転車屋の工賃の目安は1分当たり100円。

1時間で5~6000千円が相場だと考えたら十分安い工賃でしょ?

それを「え~っ?そんなに取られるの?」とか怒られたって、だったら僕の代わりに従業員の人件費を払ってくれるのか?って言いたくもなります。

そんな自分勝手な人だったらお客様として必要とは思わないので、どうぞお引取り下さい!としか言いようがありません。

僕らの立場から言わせてもらったら、「通販で購入した貴方が悪い!」なのです。



出来なかった人の半数くらいは、部品を欠損していたり、完全に駄目にしているケースがあるので、正常な状態に組み直すのに結構大変な場合がございます。

その場合は部品代も込みで・・・ますます工賃が高くなります。



そして極め付けが・・・出来たつもりで乗って来て、「すみません!防犯登録だけってお願いできますか?」っていう類の輩である。

ワイヤーケーブルの取り回しがおかしな事になっていたり、フロントフォークの向きが逆になっている等は当たり前。

ハンドルは大半が真っ直ぐになっていない。

ホイールやブレーキのセンターは狂っている。

空気圧が少ないまま。

クイックレリーズの使い方を知らない。

ハンドル同様サドルも角度や向きが明後日の方向を向いている。

ボルトやナット類の締め付けトルクが緩い人85%、締め過ぎている人15%の事実。

ワッシャー類の使い方を解かっていない。



パッと思いつくだけでもこれだけあるので、素人のヤマ勘で組んだ自転車がどれだけクオリティが低くて、安全性が皆無なのか想像がつくかと思います。




ちなみにお店で組み付けると、目立たない所で違いを出す事もできます。


例えばこんなワイヤー先端の処理も・・・


こんなにスタイリッシュ!

ちょっとの事でも見た目や印象は大きく変わります。





以上の事から、見てくれやイメージだけで通販を利用するお客様は、特にご注意頂きたいと申し上げます。

安さ至上主義はもはや論外というか・・・

安いに越した事はないけど、優先順位として最初に持って来ないで欲しい!

まあそういったところでしょうか・・・。

是非日本の経済の為にも専門店をご利用下さいませ!

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