2016年10月23日日曜日

北アルプスチャレンジ!・・・その8 『この景色が観たかってん!』


トロリーバスの駅の裏口です。

何となく哀愁を感じる出入口じゃないですか?

黒部ダムの施設内には迷路のようなトンネルや通路が一杯あって、色々なところにこのような出入口があるんでしょうね。


この日にピッタリの注意書きがありました。

左の看板には『内蔵ノ助谷~仙人谷ダムまでの区間は通行禁止』と書いていますが、それも道の整備次第であって・・・

ただ今年は十字峡付近で頻発している地震の影響で、歩道の修復作業が難航している模様。

自己責任で行ける熟練者以外は来ないでくれ!と言っているようにも見える。(笑)

ちなみに地図上では「内蔵ノ助谷」ではなく「内蔵助谷(くらのすけだに)」が正しい表記である。

谷の上には『内蔵助平』という地名があるが、当然『ナイゾウスケベエ』とは読まない!(笑)

正しくは『クラノスケダイラ』と読みます。

この日は行けそうなら十字峡まで行きたいのですが・・・

前日の登山で足の裏と膝を完全に痛めてしまっているので、果たして行けるのか・・・

この時点で9:17なので、8時間以内に帰ってくればトロリーバスの最終便には間に合う計算。


立山アルペンルートは台風とか関係無しに大賑わいでした。


しばらくはこんな道をひたすら下って行きます。


でも傾斜はそこそこ急勾配ですよ。

10%は超えています!


ここで『旧日電歩道』の看板が出てきます。

これが水平歩道であり、下ノ廊下とも呼ばれるルートを示しています。

ちなみにここを真っ直ぐ行く道もありますが、通行禁止です!

更に言うと・・・後で聞いた話ですが、この真っ直ぐの方の道の先で、つい3日程前にツキノワグマが目撃されたそうです。

左へ下る道は・・・


こんな階段だったり・・・


こんな急な坂道を転げるように下りて行きます。

膝が笑う、笑う。

特に後半、コンクリートの水路沿いの急斜面を下る時など・・・

帰りに再びここを登れるのか不安になるくらい、強烈にダメージが残りました。



でもようやく川の畔まで下りて来ました!

見張り小屋らしきものが建っていて、外にクマのようなおじさんが座っていました。

「これから歩きに行くの?」

「おはようございます!そうですよ!」

「どこまで行く予定?」

「本当は今日欅平からここまで歩いてくるつもりだったんだけど、台風16号のお陰でプランが狂っちゃって・・・なので今日は次回チャレンジする時に備えて、ここから目安になる所まで歩いたら戻ってきます。」

「今回初めてなの?」

「はい、初めてですよ。」

「よくここの道知ってたね?」

「6月に黒部ダムでもらったダムカードのお陰で、水平歩道の存在を知りました。」

「今日は水量が多いから足元気を付けてね!」

「は~い!行ってきま~す!」

そんな会話を交わして、いざ黒部渓谷!


「おおお~っ!いきなりいい感じ!」

右手に大きな岩場があったので、そちらへ飛び移る!


黒部ダムが半分だけ顔を現しました!

観光放水もしているので、ここまで飛沫(しぶき)が飛んできます!



それにしても岩魚が泳いでいそうな気配がビンビン伝わってきます!

フライフィッシングとかしてみたい!


台風の後でもこの水の美しさ!

黒部渓谷の水は本物です!


そしていよいよ川を渡ります!

流れは速いけど、水の美しさに感動です。

橋を渡って左を向くとそこには・・・




き、き、き、きた~っ!





この景色に会いたかったんだよ~!

くそ~っ!どうせなら欅平から歩いてきた最後に、この景色を拝みたかった~!

そしたらきっと感動で涙が出ただろうなぁ~。


今来た道を振り返ると、見張り小屋が見えます!

関西電力さんの職員さんが交代でこの近辺をパトロールしているそうです。

次回・・・黒部渓谷は下ノ廊下!どこまで歩いて行けるかな?

どうぞお楽しみに!

2016年10月22日土曜日

北アルプスチャレンジ!・・・その7 『アンビリーバボーな宿・・・後編と、結局何やってん台風16号?な話』

これは9月20日(火)の夜、急遽当日予約で宿泊する事になった純和風旅館での、世にも奇妙な体験談です。



僕は雨の唐松岳を単独で登って下山してきた際、低体温症になったにも関わらず、とっても浮かれていました。

日帰りの登山にて累計で7羽の雷鳥に出会い、更には行きも帰りも雷鳥に道案内をされるという、例え偶然が重なっただけだとしても奇跡的な体験をした上に、下山する際に話しかけられた方にその話をすると・・・「すごいねぇ。雷鳥と出会うだけでもいい事があるって言われてるんだよ!それはよかったねぇ。」と、3人に声を掛けられて3人共に同じような事を言われ・・・

「それってすごくラッキーな出来事だったんだ~!」と、意気揚々としていた訳なんですよ。

そしてスタッフXにお願いして宿泊できる温泉旅館を探してもらい・・・

1万円未満で泊まれて、しかも風呂付の広いお部屋に会席料理。

「何から何までラッキーじゃないか!」

そんな流れで到着したお宿・・・



最初玄関を入った時に元気良く出迎えて下さった仲居さん・・・

すごく元気で対応も良かったので、第一印象は素晴らしかった訳ですよ。

その後ロビーで受付対応をして下さったのが、恐らくは若女将・・・

若女将はとても美人で物腰の柔らかい言葉遣い・・・

そこまでは全て良かったんです。

僕が『行き倒れ寸前の死にかけ登山客』に見えたのか、『拾われてきたびしょ濡れの捨て猫』に見えたのかどうかは定かではありませんが・・・(笑)

ものすごくお気遣いをして下さって、あれこれお声掛け下さった訳ですよ。

ところが物腰柔らかな口調というのは、日頃使い慣れていないと必ず長話でボロが出てしまうものなんです。

途中から「もう謙譲語とか丁寧語とか、無理して使わんで下さい!」と言いたくなるくらい。不自然な言葉に聞こえてくるものなので・・・

きっとしゃべっている本人も違和感を感じているだろうし、僕もだんだん聞き取って的確に答えるのが辛くなってくるんですね。

ただ・・・ご好意で元気付けようとして下さっているのは理解できたので、その時は余り気にしてなかったんですよ。

気になったのはお部屋を案内して下さったベテランの方(後に大女将だという事が判明)なんですが、この方も親切にしてはくれるのですが、とにかく笑い声がけたたましいので、違和感が半端無いというか・・・

それも自然に笑う所であればいいのですが、完全にキャラを作っている感があって・・・不自然。

「あっ、俺・・・この人ちょっと苦手かも・・・。」そう思えた辺りから、色々と気になり始める。




尚、僕の泊まるお部屋は入ってすぐ、トイレと洗面所とお風呂があって・・・

障子を開けると10畳の和室、板の間も2.5畳分はある。

更に奥には2畳強くらいのサンルームがあって、中庭を楽しめる。

まず気になったポイントは、チェックインしたばかりなのに、既に1人分の布団が敷いてあった事。

通常は夕食や温泉に行っている間に敷きに来て頂くというのが多いので、僕には不思議でならなかった。

その理由は?

スタッフの人数が不足しているから、夕食のタイミングにメイキング専属で客室へ派遣できる人がいないから、それならチェックインの前にあらかじめ準備をしている方が、スタッフの労働時間も遊びが発生しにくい・・・

そんな感じでしょうか。

ちなみに登山帰りの僕としては、先に布団が敷いてあるのはむしろありがたいくらいなんです。

しかしどうしても違和感。

なぜなら敷いている位置!

板の間を合わせると12.5畳もある和室の、よりによって壁際の一番隅っこに、枕を北向きに敷いているとか絶対に有り得ないと思うんですよ。



温泉で温もった後、既に夕食の時間が近付いてはいましたが、僕はその布団に入ろうとする。

すると右手サンルーム側に鏡台がございまして・・・

サンルームの反対側を映している訳ですよ。

そこには板の間の延長になる位置なんですが、ロッカーがあって服をかけたり、浴衣が置いてあったりする訳なんですけど・・・

ロッカーの扉・・・ちゃんと閉まらないんです。(汗)

つまり布団に入ると、鏡越しにロッカーが見えて、ロッカーの扉の隙間から奥も見えたりする訳で・・・



「これって何気無しに鏡を見たら、あの隙間から何かがこちらを窺っている・・・そんなシチュエーションを狙ったフォーメーションやないか!」(汗)



とりあえず濡れたタオルを干す場所がなかったので、鏡にかけて何も映らないようにする。

次に布団の位置を直そうとするが、その前に部屋の真ん中にあるテーブルを移動する。



「げっ!何だこれ?」



テーブルを退けたらそこにはまだ新しい血溜まりの痕跡があった。(汗)



畳はまだ青々として新しい。

部屋に入ったら畳の匂いがするくらいのレベル。

それなのに、ここまでの血痕・・・痕が残らないようになぜ、さっさと拭き取らなかったのか?

畳の中に染み込んで全て綺麗に拭き取れておらず、血溜まりの輪郭がくっきり残っている。

手で触って付くことは無かったけれど・・・

一体ここで何があったのかメチャクチャ気になるじゃないか!



この時点で仲居さんを呼んでクレームをつけなかった事を、今思えばなぜ当たり前の権利を行使しなかったのか?と後悔。

一応『訳あり物件』とは聞いていたけど・・・

当時の自分の心理状態は『ただただ混乱』って感じでした。(笑)

血痕の上に寝るのはちょっとどうかと思いましたが、目につくよりはいいですし・・・できれば枕は南向きにしてテレビ(北側に設置)を観ながら寝れるようにしたかったので・・・

そうなると部屋の真ん中に布団を敷くのが自然かと。

そして布団を移動・・・



「はぁ~っ?どういう事?」



今度は元々布団を敷いていた場所に返り血のような、無数の血痕が飛び散っていた。(汗)



「一体何なんだ?ここで何があったの?殺人か?自殺か?それとも・・・いけないプレイか?」(笑)



テレビの前とかにも、小さな血痕が点々と・・・



それでもロビーに内線をかけなかったのは何故だったのか?

あの大女将に部屋の中に入って欲しくなかったから・・・なのか?

今となっては、もはやどうでもいい事なんですが・・・

写真撮影?怖くてできるか!

もしも写ってはいけない何かが写ったら?

少なくとも現在・・・

部屋の中で重たい空気や気配は感じられなかったので、正直そこまで嫌な感じはしなかった。



だからと言ってそんな理由じゃ、普通の神経だったら部屋を変えてもらうか、宿を移るだろう?と思えるこの状況で、一切のクレームも出さずに泊まろうとしている、僕の神経の図太さを説明できないのですが。



とりあえず夕食を食べに食堂へ移動する。

やはり最初に挨拶してくれた仲居さんと、大女将の2人しかいない。(台風だからかも知れないがスタッフさんが少ない)

夕食のセッティングでどうやら揉めている様子。

部屋番号と座席の場所と、人数の組み合わせが違うとか・・・

それぞれが聞いている情報と、その解釈の仕方に相違がある模様。

それって情報元の落とし込みに問題があるんじゃないの?

だったら再度確認の為、速やかにロビーへ内線すべきじゃないだろうか?

少なくとも仲居さんは先程から一人でテキパキと頑張っておられます。

遅れて来た大女将には、もう少し思いやりのある指摘をして頂きたかった。



既に僕の頭の中でここの人間関係図が出来上がりつつある。



そしてその言い合いになっていた座席に座る予定のお客様方が、間も無く入室してくるのである。

部屋番号は別だが、仲居さんのおっしゃっていた通り、2人と1人は同じ仲間の模様。

大女将の指示で離した座席を再びくっつける。



頼む・・・穏やかに食事を楽しませてくれ・・・(涙)



食事は美味しかったです。

ただ隣の席の3人のお客様たちが騒がしかったのは・・・若干気になったけど。

僕はすき焼き鍋と和会席だったんですけど、隣の3人のうち2人は連泊で、2泊目の人はメニューが違うって話だったそうです。

ところがセッティングされていたのはすき焼き鍋が2名分と別メニュー1名分だったらしく、1人のお客様が「お姉さん!俺・・・昨日と食事の内容が一緒なんだけど・・・。」と言ったら、大女将が来たのですが・・・

「あら?そうだったかしら?あはははははは!これはごめんなさいねぇ!いや、参った!まあ文句言わずに食べてよね!あはははははは!」

思わず耳を疑ってしまった。

食事は美味しかったから、例えば僕だったら、もし間違って同じメニューを出されても、然るべき謝罪の言葉があれば全然許します。

しかしあのけたたましい笑いで開き直られてしまうと、さすがに「オイオイ!」って気持ちになってしまう。

大丈夫か?ここの旅館・・・ってね。

ますます仲居さんの心労を察します。

そんな事もあってその3人のお客様はやれ「米が固ぇな。水が少ないんじゃないか?」だの、「せっかくいい米を使っているのに、こんな炊き方じゃもったいねぇ。」だの言い始め・・・

僕は元々硬めが好きなので十分満足なんですが、こんな会話を聞きながら食べるのは辛いです。

何よりも大女将は向こうのお客様を応対する時と、僕の応対をする態度が違い過ぎて・・・

「今日は雨の中寒かったでしょ?お茶の熱いの用意するから、ちゃんと身体を温めてね。」とか、「ご飯のお代わり、足りなかったら追加を持ってくるでね。ちゃんと声をかけてね!」などと、ものすごく親切なのである。

嬉しいけどとても複雑だ・・・。



それだけに部屋の畳に血痕があった事とか下手に話せない。

一番返ってきて欲しくない返答は「あら?あなた、あれが見えちゃったんですか?」とか、「見てしまったんですね?」って言葉。

更には「心配じゃったら一緒に寝てあげようか?」等と言われたら・・・

何だか普通にそう返されるんじゃないかと思うと、怖くて余計に聞けない・・・。



「今日俺は何も見なかったし、何も聞かないし、何も知らない、知る由も無い!」



そう言い聞かせて部屋に戻るが、やはり落ち着かない。

大女将といい若女将といい、キャラを作り過ぎている感じが気になるのもあるが、部屋の血痕の原因とか完全に消えていない理由・・・

そしてもう一つ廊下のショーケースに飾ってある掛け軸。

3枚飾っている掛け軸の一番右の女性を書いた絵が、どうにも気になる。引っかかる。

間違いなく強い念が込められている。

目線は合わないが、ずっと見られているような感じだ。

そして右から3番目の絵からは特に何も感じなかったものの、ふと見たら子供が生首を持っている絵だった。

「なんでこんな絵を飾っているの?」

頭の中が「???????」

もはや恐怖しかない。



しばらく車で出かける。

コンビニで時間を潰したり、鹿島川沿いの遊歩道を散歩したり・・・

でも雨に濡れて寒くなってきたので、結局旅館に戻る。

若女将・・・相変わらずゼンマイ仕掛けのからくり人形のように、不自然な丁寧語と謙譲語を使って話すので、僕は非常に心苦しい。

「お願いだから普通にしゃべって下さい!バリバリの河内弁でも俺は受け入れますから!」

心の叫びである。

そして一番右の絵画に「ただいま戻りました。」と声をかけて部屋に戻り・・・

「これからもう一度温泉に浸かって参ります。」と声をかけてから、江戸っ子温泉に入って・・・

「いい湯でした。おやすみなさいませ。」と声をかけて、また部屋に戻る。

3枚目の絵・・・恐くて直視できない。(笑)

そしてテレビをつけると大町市内で川に流されて1名お亡くなりになったとか・・・

さっき河川敷・・・歩いていたんですけど。

そういえば夕方のラジオで『特急しなの』と『特急あずさ』が台風で止まったと聞いていたのですが、そんなに大そうな天候だったか?と聞かれたら、決してそんな事は無かった。

台風16号って何者ですか?

そして今、自分の置かれている状況・・・これって何かピンチなんですか?



落ち着かない。

油断して寝ていたら、大女将がロッカーから出てきたりしないだろうか?

屋根から血が滴ってこないだろうか?

色々な不安が脳裏を過ぎる。



恐過ぎて結局、朝までテレビと電気をつけっ放しで寝てしまった。(笑)



朝も恐くて部屋のお風呂を使う事さえできなかった。(笑)



こんなにビビッたのは久しぶり。

それなのに・・・




部屋から出て廊下が明るくなったので、じっくりと3枚目の絵を見てみたら、岩の陰から顔を覗かせている子供の頭を、まるで掴んでいるかのように見える子供の絵だった・・・そんなオチが待っていたのである。


チャンチャン!






朝御飯も美味しゅうございました。

若女将節は最後まで変わらずでしたが・・・

結局何だったんだろう?

でも妙に味わいがあって、嫌いじゃなかったな・・・今回のお宿。





そして外はまだシトシト雨が降っていましたが、明るさから想像すると台風って・・・

するとニュースで・・・「台風16号は温帯低気圧に変わり・・・。」

「はあ?何それ?ふざけんなよ~!」



僕は急いでチェックアウトし、扇沢へ向かいました。

チケット売り場に水平歩道は歩けるかを尋ねたところ・・・

「こちらでは判らないので、黒部ダムで確認して下さい!」

「マジか~!」

トロリーバスの往復運賃・・・「高いのになぁ。」・・・と思いつつも、行かないで後悔するくらいなら行こう!

そして黒部ダムの駅員さんに聞いてみたら・・・

「台風の影響で水量が増えているし、ダムの放水もしているから、くれぐれも足元だけは気を付けてね!」

そう言って僕の服装をチェックする。

今日の荷物はカメラだけ。

そしてシューズはランニングシューズ(底はツルツル)!

「とりあえず他のお客さんがみんな行ってから、向こうに行ってね。」

水平歩道への道は一般の方が行くには危険が一杯なので、そこは徹底しておられる模様!


バス乗り場の奥にこんな隠された通路があるのだ。

そして携帯電話のカメラ機能が復活した!

まだ浸水した水が抜け切っていないが、一度電源を落として立ち上げたらエラーが消えた。

こいつも一体何だったんだろう?


この従業員さん用のトイレの前を通り抜けると・・・


山の上はこの通り青空!

「てめぇ!台風、このバカ野郎~っ!」

思わず全開で叫んでしまった。

こんなに天候が回復されたら・・・

昨日の苦労と計画変更は何だったんだろう?って話になりますよね?

まあそうはいっても次回・・・気を取り直して水平歩道・・・お楽しみに!

2016年10月21日金曜日

北アルプスチャレンジ!・・・その6 『奇跡再来とアンビリーバボーな宿・・・前編』

9月20日(火)13:40過ぎ

唐松岳山荘を出発した僕は八方池山荘を目指して下山する。

30分程前に下山した10名程のパーティがまだ歩いているかも知れない。

それ以外に現状このルートを歩いている登山者は、恐らくもう誰もいないだろう・・・時間的に考えても僕より後に・・・というより、この日僕以外に登った人はいないと思うんですよね。(苦笑)

ゴンドラ&リフトも概ね下山者の為に動かしています・・・といった具合じゃないでしょうか?

実際ゴンドラ乗り場から出発する際には、「えっ?ホンマに行くの?」と言いたげなリアクションをされていましたので。(笑)

とりあえず同じルートを歩いているのであれば、今からでも十分に追いつける!

それだと少し賑やかに下山ができるかな・・・。

やはり一人で誰もいない山・・・それも真っ白けで何も見えない世界で歩くっていうのは心細いと感じるものです。

地元の六甲山とかであれば、夜中であっても一人で歩くのは別に平気なんですけど・・・不思議だ。

登山マップによる唐松岳山荘~八方池山荘の下山の目安時間は2時間20分とあったので、目標タイムは1時間30分に設定!



ところで最近歩くのに腹筋を意識する癖が無くなったせいなのか、どうしても大腿四頭筋に頼り過ぎる傾向がある。

吸汗スパッツのサイズが小さいのでお尻がずってきて、クライミングパンツの中では半ケツ状態になってしまい、それを度々直すのも非常に煩わしいのだが、何しろ締め付けが窮屈で・・・

余計に筋肉の動きが固くなっている。

大腿四頭筋の疲労は膝のダメージに直結します。

そして膝のダメージは下山に響きます!

特に岩ゴツゴツの八方尾根の登山道で、シューズ選びで墓穴を掘った僕などは、足裏の激痛を耐えながら、膝への衝撃にも耐えないとならない・・・

それでいて大腿四頭筋は既にパンパンに出来上がっている状態。

鎖場を過ぎるまでは苦で無かったものの、ハイマツ群生地からの岩の階段とかはかなり衝撃が強いです。

そんな事を想像しながら歩いていると・・・

「うおっ!雷鳥だらけ?」

目の前に4羽も並んで歩いていました。(驚)

それも別段慌てて逃げるでもなく・・・

僕は両脇に2羽ずつ引き連れて歩いているような状態で、200m程並んで歩く。

なぜ逃げない?

そして鳴き声が可愛いのと、羽毛のモコモコ感がたまらない!

「ううう・・・持ち去りたい!1羽くらい抱きかかえて帰っちゃならないものか?」

そんな邪心が芽生える程可愛かった。(笑)

ハイマツ林の細い道の所まで来ると、今度は先ほどの道案内してくれた雷鳥じゃないかと思われる雌の雷鳥が1羽、登山道の真ん中で待ち構えていました。

案の定、細い登山道を逃げもせずに2m前を先導。

なんて心温まる日なんだろう・・・

今回は3~400m程でしたが、ハイマツ林のしんどい区間を一緒に歩いてくれたので、すごく楽しい気分で歩けました。

しかも最後は1m未満の距離まで近付いても座ったまま逃げないで、僕が立ち去るのを見送ってくれました。

携帯電話のカメラが不調で写真に収められなかったのが、非常に残念で仕方がなかった。



それ以来・・・丸山ケルンの前後に至るまで、もう雷鳥を観ることができませんでしたが、今度は扇雪渓付近からはダケカンバの林を歩く度に、ルリビタキが近くまで飛んできたり・・・

「今日は何やら鳥に好かれる一日だなぁ~。」と、本当に楽しく歩けました。



結局先に下山したと思われたパーティには出会えなかったので、恐らく五竜岳を目指して牛首を通って南下したのでしょう。

第3ケルンのお地蔵様に無事下山の挨拶と、雷鳥たちに出会えたお礼を報告して・・・

八方池山荘に15:00過ぎに到着。

登山道が沢のようになっていたので、両足が水浸しで・・・

更にリフトもゴンドラもしばらく停止していたみたいで、それぞれ運転準備の間待っていたものだから、完全に低体温症になってしまった。

雨の日のつがいけサイクルや乗鞍を、自転車で下山する時を思い出すくらい寒い。

リフトでぶるぶると震えが始まった。

しかし、黒菱平から下りるリフトの上からようやく白馬の町が一望できた時、下山の安堵もあってリュックから一眼レフカメラを取り出して・・・


ここで標高1600~1650mくらいあるので、白馬の町との標高差は約1000m程。

雨は降っていない訳ではなく・・・

この写真を撮って以降はやたらとレンズが曇って、まともにいい写真が撮れなくなってしまった。

そしてゴンドラの兎平駅に着いた時には寒くて歩くのも嫌な状態になっていた。

レストランが開いていたけど、空腹よりも寒さが勝っていて立ち寄る気分になれない・・・

ゴンドラに乗る。

兎平駅に牧場がどうのこうの・・・とは書いてあったが・・・


「うおっ!マジか?いつからこんなこと(放牧)始めたんやろ?」

知らなかった。(笑)

それにしてもリーゼンスラロームの斜面・・・

中級コースとはいえ30度近い急斜面ですよ。

牛さん・・・雨の降る中、元気だねぇ~。

僕はもうあんな斜面を歩くのはまっぴらゴメンです!(笑)

無事下山・・・

白樺ゲレンデの駅内にあるお土産屋さん・・・

色々物色したい気持ちはあったけど、やはり寒さには勝てませぬ。

携帯電話の電池も後わずか・・・

こんな時の救世主、スタッフXに緊急連絡!

「寒くてこのまま車で神戸に帰るとか絶対に無理!なのでどこか温泉宿にもう一泊したいので、代わりに宿を探して~。」

「どの辺で探します?」

「どうも台風の接近が微妙に思えるから、明日にちょっとした望みを残す意味で・・・今夜も大町温泉郷で!」

「昨夜泊まったホテルでは?」

「嫌だ!連日バイキングとか・・・しかも部屋にお風呂が無いとか有り得ない!」

「ちょっと高級な旅館だったら、早速ピックアップできましたよ。」

「高級結構!でも可能な限り予算はお財布に優しい方向性で・・・。」

「相変わらず無茶苦茶いいますねぇ。」

「わがまま言って申し訳ない!」

「あっ、これ・・・いいのありましたよ、訳あり格安物件!」

「えっ?何それ?何か出るんとちゃうやろなぁ。」

「さあ・・・台風で当日キャンセルが7件ほど出たので・・・とか書いてますよ。」

「あっ、そういう事?で、どんな宿?」

「純和風旅館で、お部屋は和室10畳でお風呂付・・・。」

「ご飯は?」

「会席っぽいですよ。」

「で、肝心な料金は?」

「入湯税込みでも10000円いかない感じです!」

「それ決定!じゃあ電池がもうないので、予約が完了したら連絡下さい!」

そう言って八方第2駐車場から出発!

携帯電話はとりあえず充電。

車内の空調・・・

完全な冷房にしていたのですが、180度暖房に切り替えました。(笑)

アクセルを踏む脚が生まれたての子鹿のようにプルプルと震えております。

しかも軽く高山病にかかったっぽくて、頭が痛くて気分も悪い・・・。



大町のコンビニで暖かいコーヒーを飲んでくつろいでいた頃、スタッフXより連絡が入りました。

「予約取れましたよ!チェックイン一応19時にしてますけど・・・。」

「はあ?もう大町に着いてるから10分~15分あったら行けるんだけど?」

「そのくらい自分でどうにか交渉して下さい!あと住所が・・・・・・・。」

「いや、さすがに住所で言われても、ナビ付けてないし。近隣のホテルや旅館との位置関係さえ判れば大丈夫!まず立山プリンスホテルよりも北か南か、東か西かで答えて。」

そんなやり取りで場所も判明したので早速向かって16:30過ぎにチェックイン!

18:00~夕食との事で、まずは濡れた物を全て乾燥させる為に、絞って干して・・・

それから温泉へ向かう。

温泉・・・

ものすごく熱かった!(汗)

久しく入っていない江戸っ子風呂。

湯船の温度は間違いなく50℃を超えている!

足を入れた瞬間、「グオオオオォ~ッ!」って全身硬直。

湯温に慣れるのに苦労しました。(笑)

しかし熱い風呂に入ると気持ちいいっすね!

風呂から上がったら、「ああ~っ!もう・・・死ねる!」って、気持ちよく布団に飛び込めます。

ところがなんです・・・

実はこの宿に到着してから、ずっと違和感が付きまとっていたのです。

次回・・・違和感の理由と、迫り来る不安と恐怖の話です。

気が向いたら読んで下さい。(笑)

2016年10月20日木曜日

北アルプスチャレンジ!・・・その5 『唐松岳登頂とその後・・・』


唐松岳山荘の側まで歩いて来た所で左を見たら牛首と呼ばれる鎖場があります。

鎖場って言うだけでつい行きたくなってしまうのですが・・・


ちょうどあの尖った山頂付近の稜線が険しいのでしょうか?

でも登山計画書には書いていない場所・・・「近くやし、ちょっとくらい寄り道したってええやん!」と、心の中で悪魔が囁く・・・

「あかん、あかん!そんなんしとったら、不帰ノ嶮(かえらずのつるぎ)に行く時間が無くなるわ!」と方向転換!


唐松岳山荘(正確には頂上山荘と書く)の入口を右に見ながら、スルーして北へと向かう。


少し下ってから唐松岳山頂までひたすら稜線を登る。


あの上が唐松岳山頂だ!

左(西側)を見ると・・・


本当ならこれを下って、向こうに薄ぼんやりと見える餓鬼山を登って、更にその向こうまで歩くはずだった。

こんな真っ白けの中でクマと遭遇する可能性も高い(餓鬼山には非難小屋もあるくらい)と考えたら、とてもスリリングですよね?

いや・・・是非またリベンジで訪れたい。


言っているうちにこの上が山頂です!


「よっしゃー!」

山頂に到着しました!

標高2700mにちょっと足りない唐松岳山頂です。


後ろを振り向けばさっきスルーした唐松岳山荘を見下ろせます。

山荘入口前から山頂までは、16分かかりました。



これは僕がバテて来ていると判断すべきなのでしょうか?



さっきまで登山マップに記される、目安のタイムを大幅に短縮して登って来たのに、ここに来て山荘から山頂までを限りなくニアなタイムで登って来たという事が、この後の行程において僕の判断を大いに迷わせたのである。

「通常20分かかるところであれば、なぜ12分くらいで登れなかったのだろう?」

そう思った瞬間、唐松岳山頂~不帰キレットまでの往復5時間10分は信憑性を増す。

たかが4分の遅れでも、積もれば大きなロスになる。

とりあえず神戸に唐松岳登頂を知らせる連絡をする。(山頂は辛うじて電波があった)

時間はこの時点で12:26

不帰キレットまで順調に行って帰って来たとして、ここへ戻ってくるまでに3時間半は最低でも見ておきたい・・・

ここから八方池山荘まで・・・登りが2時間20分(写真を撮りながらで)って来た事を考えた場合、約1時間半は最低でもかかると考えた方がいい。

そうなると最低でも5時間は滞在時間が欲しい。

ところがそれに加えて、本当に疲労が重なって予定よりも時間が押してしまった場合・・・

「いずれにしても16:30までに八方池山荘へ戻るのは厳しいな。不帰キレットまで行くのはやめよう。」


そして風と雨が強くなってきた。

視界が再び狭くなってくる。

スタッフや家族は無理せず下山しろと言うけど・・・

「いやいや、せっかく時間を作ってここまで来ておきながら、この先へ行かないのは罪でしょ?」

そう思って不帰ノ嶮3峰の上り口まで稜線を下る。

たった5分も行かないうちに不帰ノ嶮スタート!

不帰ノ嶮は南から行くと『3峰→2峰南峰→2峰北峰→1峰→不帰キレット』の順番に、登って下ってを繰り返す。

そして最大の難関は2峰北峰にある。

雨で岩場が滑ろうが、鎖場のチェーンが冷えて手がかじかもうが、突風がビュウビュウと吹き荒れようが・・・

それこそが醍醐味!

生きている証を生で感じれる瞬間!

滑落上等!落石上等!

そう思って覚悟を決めたはずなのに・・・

雲に覆われた不帰ノ嶮3峰を見上げて、携帯のカメラで撮影しようとした瞬間。

「あれ?なんでやねん!」

ずっと雨が降り続けている中で写真を撮影しまくって、唐松岳山頂では土砂降りの中電話をした事もあってか・・・

携帯の中に雨水が浸水し、カメラ機能がエラー!

その瞬間、僕の心がポキッと折れる。

せっかく悪天候の中、命懸けでチャレンジするのに、肝心な撮影ができないとか・・・

一眼レフはリュックに入れてきているけど、土砂降りの中でリュックを開けて取り出すのも嫌だったら・・・出した後、土砂降りの中カメラを首からぶら下げて歩くのも嫌だ。

どうする・・・?

個人的には行きたいけど、写真が撮影できないのは無意味。

そう考えた瞬間・・・「帰ろ・・・。」

それに喉が渇いて本当に辛かったので、とりあえず唐松岳山荘を目指す。

10分程で唐松岳山頂に登って、再び稜線沿いに下って山荘まで戻る。

丁度僕が山荘に到着した頃、10名ほどのパーティがインストラクター風の方の引率で山荘から出てきて出発して行きました。

この雨って考えたら八方尾根へ下山でしょうか?

山荘の入口扉が開いた奥にコカコーラの自販機が見えたので、僕は迷わず中へ入る。

コカコーラが1本400円だからといって文句は言いません!

ここまで運んでくるだけでも、きっとものすごい労力かコストがかかっている事でしょう。

そしてどれにしようか迷っていたら・・・

「ご宿泊ですか?ご休憩ですか?」って、山荘の方に声を掛けられてしまいました。(汗)

「いえっ、今日はもう下山しますので、休憩で・・・。」

「そうしましたら施設利用料が500円となっております!トイレだけでしたら300円・・・。」

えっ?自販機でドリンクを買おうと思っただけで妙な展開に・・・

そもそもジュースの缶も下山するまで持ち帰る気持ちでいたので・・・特にご迷惑をかけるつもりでも無かったのですが・・・

しかし山荘の方も運営とか大変だろうし、ここを利用する方々が今後も美しい自然環境を守って下さる事を考えると・・・

「あっ、施設利用で・・・あと、ホットコーヒーっておいくらでしょうか?」

「コーヒーは1杯550円になっております!」

「じゃあ、それもお願いできますか?」

「はい!そうしましたら合わせて1050円でお願い致します!」

という流れになってしまいました!(笑)

奥の食堂で待っていたら、ちゃんとコーヒーを運んで下さいました。

何だか僕の勝手な習慣で、山荘とかキャンプ場とかスキー場等になると、セルフサービスが当然だと思っていたんですけど・・・何だかちょっぴり得した気分。

それよりもブーツの中までびしょ濡れになった僕が食堂まで入ったお陰で、フローリングの床まで濡れてしまって、本当に申し訳ない!といった感じでした。

山荘のスタッフさんなのか泊まりの方なのかは判りませんが、皆さん気さくな方ばかりで、気分良くコーヒータイムを過ごせました。

ただやはり足先まで濡れたせいで、少々身体が冷えてきた僕は下山を急ぐ事にする。

このままだったら低体温症になり兼ねない・・・

そんな予感がしたので、山荘の方にお礼を言って立ち去りました。

時間は13:40頃だったと思います。

それでは次回・・・誰もいない山道で、再び奇跡が待ち受けている!

お楽しみに!

北アルプスチャレンジ!・・・その4 『ハイマツ群生地での奇跡』

そういえば先ほど扇雪渓を過ぎて林の中を歩いていたら、ものすごい轟音が山中に響き渡りました。

雲というか霧というか・・・視界が真っ白の世界で聞いたら、恐怖しか感じない轟音です。

上空から聞こえるって事は飛行機でしょうね。

それも関西発~新千歳行きの旅客機。

航路って結構変更されているっぽいのですが、僕も子供の頃・・・伊丹発~千歳行きに乗った時に、飛行機から北アルプスを見下ろして感動したのを覚えてます。

さすがに山頂付近にもなると、飛行機の音がこんなにも大きく聞こえるんですね。

こういうのは初めての経験なので、想像以上の轟音にビックリしました。

これって野生動物には影響してないのかな?


ここからは本当に森林限界エリア!

左右にハイマツを見ながら先を進む。

すると鳥の鳴き声がしたのでそちらを見たら、ホシガラスが飛び立って行きました。

真っ黒の可愛くないカラスと違って、ホシガラスは可愛らしい鳥です。

どうやらハイマツの種が餌のようです。

飛び立ったのが一瞬過ぎて、すぐに写真が撮れなかったので、次は携帯電話のカメラをスタンバイして歩いていたら・・・

また別の所で鳥が飛び立ったので慌てて撮影!


写真はスピードについていけずにピンボケ・・・

ホシガラスなのか?でも少し大きかったので・・・もしかして雷鳥?

オコジョもそうですが、雷鳥とかって人を恐がるから滅多に観れないって言うじゃないですか?

実は今回オコジョとか雷鳥とか観れたらいいなぁ~って、ちょっぴり期待していたんですよね。

「まっ、そう簡単に出会えたら苦労はせんわなぁ~。」

って思いながら歩いていました。


「えっ?いるやん!普通に・・・」


携帯のカメラだとアップは厳しいです。


こっちに気付きました。

目の上の赤いのがないので雌ですね。

羽毛の色は徐々に冬毛に変わりつつあります。


堂々と何かを突いています。


このくらいのサイズだと綺麗に写ります。

写真左の石のゴロゴロ転がっている方が登山道なので、結構近いところを歩いています。

僕の接近に合わせて彼女は先を歩いていきますが、岩の上でジッと僕の動きを観察して、僕がそのまま手を振って歩き去るのを見送った後、反対方向へ飛び去って行きました。


そこから間も無く丸山ケルンに到着。

ここまで1時間25分で登ってきました!

標高2400mを越えた辺りです。

あと150mくらいの標高差を登れば唐松岳山荘に着きます!

そしてここで女性1人で歩いている登山者と出会いました。

「おはようございます!唐松岳山荘まであとどのくらいですか?」

「おはようございます!ここまで・・・30分くらいで来ましたよ。それはそうと、さっき雷鳥を観たんです!」

「そうなんですか?実は僕もこの下で雷鳥に出会いましたよ!」

そんな会話を交わして先へ進みます。

30分・・・って事はこっちからは登りなので40分くらいはかかる見込みです。

女性とすれ違った付近からはずっとハイマツの群生地の中を歩くのですが・・・

「あ、あれっ?」


本当に雷鳥がいた!

さっきみたいにどこかへ飛び立っていたら、もういないだろうと思っていたのに・・・

僕の3~5m先を、まるで道案内でもするように歩き始めました。


坂道がきつくてゆっくり歩いていたら、僕が3mくらいまで近付くまで、止まってこちらを振り向いて待ってくれます。


何だか不思議なものですが、さっきから一人で寂しく歩いていたものですから、何だか楽しい気分にさせられて、ちょっとした旅の仲間のように思えてきました。


2mくらいまで近付いても逃げずに何かをついばんでいました。

ここから結構な岩場を登って上がらないといけない区間だったのですが、彼女は岩を登ってはこちらのペースを気遣うように振り返って待ってくれます。

普通なら人が接近したらハイマツのトンネルへ逃げ込んでしまうはずなのに、なぜ両脇に茂ったハイマツの中に隠れる事無く、わざわざ岩から岩へ飛び移って、僕が上ってくるのを待っているのだろう?


ハイマツ林をようやく抜けたらそこで彼女はくつろいで待っていました。

こっちも岩場を飛び移りながら素早く移動したかったけど、吸汗スパッツが小さくて動きが小さくなっている僕には、本当にしんどい区間でした。

僕がやっと登って来たのを確認したら・・・


「はいはい、次はこっちですよ~!」と言わんばかりに、再び自ら登山道に戻って来ました。


ねっ?不思議でしょ?

しかしそろそろ彼女との楽しいデートも終わりに近付いてきました。

時間にして10分少々。

気分的には1km近くを案内してもらったような感じ。(実際には500~600mくらいの距離かな?)


彼女は正面のハイマツ林のトンネルの前まで行ったら、僕が左へ伸びている登山道を進んで行くのをずっと見送ってくれました。

奇跡のような癒しの一時・・・

本当に楽しかったです!

そして・・・そうなんです。


ここまで来たら間も無く唐松岳山荘は間近!

正面の山の向こうに山荘は建っています。


左の斜面は転がり落ちたらえらい事になりそうです。


このルート唯一の鎖場が近付いて参りました!


こんな道ばかりだとワクワクして楽しいのですが・・・


さすがにここは崖です!

楽しいですね。

高所恐怖症ですけど、楽しくて心躍ります!

生きてる実感が味わえるって最高ですね。


もう終わりかと思ったら、まだ若干続きます。

あの向こうの角を曲がったら・・・


「やった~!」

見えてきました。

間も無く唐松岳山荘に到着します。

八方池山荘からここまでのタイムはキッチリ2時間!

思うように身体が動かなかった割には、何とか目標タイムをクリアしました!

あ、でも本来の予定で、ここから欅平まで西側へ下山する事を考えると・・・

ちょっと我ながらバテ気味かなぁ。(笑)

っていうか喉が渇いて死にそう・・・

何でサプリメント(ゼリー)は持って来たのに、ドリンクを持って来なかったのだろう?

「アホだ俺・・・。」

本能的に山へゴミになるものを持ち込みたくないという精神があるので、つい後先考えずに欲求を遮断してしまうのが、これまた僕の悪い癖です。

果たしてこの喉カラカラのコンディションでどこまで歩けるのか?

また次回・・・