2018年10月10日水曜日

穂高岳山行3日間!(初日)その3・・・想像以上に疲れた涸沢までのルート


10月 1日(月)11:50 横尾山荘を出発。

今思えばここからのルートはストックがあった方が楽だったと思えるのですが、初めて歩く道ですし、登山者の密度も増えてきて、すれ違いや追い抜きの度にストックが邪魔になるんじゃないか?

そう思うとストック・・・要らないかなぁ~ってしまう事に。

でも実際のところいくら初中級者向きのルートとはいえ、たった5km程度の距離で730mの標高差を登るって考えたら、摩耶山や六甲山の登山ルートでも特に運動強度の高いルートを選んだ場合と変わらないくらいの急登で、しかもスタートからゴールまでの標高が、ざっくり神戸と比べたら1500mも違う訳だから、根本的に疲れ方も全然違うのであります。

ストックが邪魔になるっていうのは、完全に僕のミステイクでした。

快晴とはいえ雨あがり・・・半袖Tシャツ1枚で歩く事については、気温は20℃を切っていたと思うので最初は涼しかったけど、歩くにつれてほど良い感じになりました。

ちなみに涸沢カールは15℃前後くらいでしょうか?


梓川を渡ってからは左手に屏風岩を眺めながら、しばらくは平坦な道です。

それだけに後半の登り傾斜が怖いです。


こういう切り立った岩場を見るとスイスのインターラーケンに来ている気分になりますね。

これで大きな滝でも流れ落ちていたら、丁度時計逆回りで登山鉄道に乗った場合の最初の乗換駅『ラウターブルンネン』のシュタウプバッハの滝みたいになります。


ここは岩小屋跡ですね。


以前は雨や雷を避けるための洞になっていたので、屏風山をクライミングする方々がここで寝泊まりをしていたそうですが、今は崩れて使えなくなっています。

そしてこの辺りから登山道が徐々に登りらしくなってきます。


おっ!何かいるな?と思ったらヒキガエルでした。

こんな高地にもヒキガエルっているんですね!


徐々にすれ違う下山者も増えてきました。

それにしても歩きにくい道です。


振り返って撮影。

白出沢の重太郎橋までのルートもこんな感じの岩ゴロゴロの道で歩きにくかったのですが、ローカットのシューズだと足首を痛めてしまいます。

そう考えたら六甲山系は大半が歩きやすく整備されているんだなぁ~と思う訳です。


屏風岩には数多くのクライミングルートがあるそうですが、現在生きているルートは限られており、恐らく写真に見える壁付近が現行ルート辺りではないかと・・・


そしてとうとう北穂高岳が姿を現しました!

あれが翌日の午前中に登頂予定の北穂高岳(標高3106m)です!

この角度では荒々しさを感じませんが、前穂高岳以上に険しい山である事は間違いありません。


そしてようやく涸沢までの中間地点と言われる本谷橋に到着!

目の前の青いウェアの人・・・

歩くのがとても速いのですが、腹筋が使えておらず膝が上がっていないので、、結構石ころにつまづいて蹴飛ばしながら歩いていたんですね。

もしもこの先・・・山頂へ行くルートで一緒になったら・・・

落石の元凶になる・・・・・・やばい!

そう思ってさりげなく声を掛けたら、彼は涸沢で宿泊して明日そのまま下山だそうです。

そしてお人柄は極めて素晴らしい方だったので、Sガレ付近まで会話と写真撮影を楽しみながら同行して歩く事になる。


ここはようやく涼しさを感じる事ができる場所なので、多くの方が休憩される場所です。


この吊り橋が本谷橋。


結構左右に揺れるので大勢で歩くと怖いです。

せいぜい2~3人ずつで速やかに渡りましょう!


本谷橋から北穂高岳を望む。

ここは7月くらいまでは雪渓が残っていて、スノーブリッジも確認出来る場所です。

スノーブリッジの下にはこのように川が流れているので、雪渓が崩れたらえらい事になります。

しかしそんなこともお構いなしに雪渓で休憩をする人が意外にも多いそうで、ベテラン登山者のブログを読むと初心者の想像力と常識の無さを辛辣に語っている内容も見受けられます。


振り返って横尾尾根を見る。


休みたいなぁ~。しんどいなぁ~。

そう思ってはいたのですが、こんなところでしんどいなんて言っていたら、ここから先は地獄じゃないか!

そう自分に言い聞かせながら先に進む。


ところがこの本谷橋を境に登山道の傾斜は一気に険しくなる。


北穂高岳に雲がかかり・・・

その右手にカールのような侵食地形が見えてきましたが、もしかして・・・


そんな訳ないじゃないですか!

涸沢カールは北穂高岳に向かって左手にあるのです。

なのであれは本沢の左俣にあたり、あの稜線こそが大キレットの最も険しい核心部分な訳です。

ああ早く行ってみたい!


ここは落石注意区間になっていたので、ヘルメットを装着して歩く。


ようやく前穂高岳と北尾根が姿を現し、涸沢カールに迫ってきたことが実感できる。

この人たちは夫婦でテント泊だそうです。

僕なんて荷物も軽いし一眼レフカメラも車に置いてきたし、こんなに重装備な登山者と出会う度に罪悪感みたいなものを感じます。


そしてとうとう主峰の奥穂高岳が顔を覗かせました。

貫禄が半端ないです。


更に進んで・・・

あの稜線の凹んだところが穂高岳山荘(白出のコル)ですね。

コルっていうのは登山用語ですが、漢字で書くと『鞍部』・・・これでコルと読みます。

馬に乗る時に跨ぐ部分を鞍といいますよね?

それに似ているからそう呼ぶようになったそうです。

先ほど紹介した大キレットは漢字で書くと『大切戸』だったり・・・

例えば『最低コル』っていうのは吊尾根のようななだらかに見える稜線の、最も標高の低い位置などを鞍部の底という意味で呼ぶのだそうです。

『トラバース』というのは直登せずに、水平または斜めに移動する事を言います。

以上の用語を知っていれば登山雑誌も読みやすくなると思います。


ようやく次の休憩ポイントである『Sガレ』(ガレ場をS字に抜けるからって意味だったと思う)に到着。

でも僕はここに来る手前で写真を撮りながら、他の登山者と翌日のルートについて談義して約10分くらい休憩していたので、ここはスルーして先へ進む。


時間はもう13:36です。

休憩時間を抜いて横尾から2時間(通常3時間)で登る目標だったので、ちょっと焦らないとギリギリの時間。


紅葉は100点満点では無いけど、ほぼニアなタイミングで登って来れたと思う。


ようやく涸沢の清流が・・・


このお兄さんも途中から一緒に登ってきた人です。

「ここって水を飲んでも大丈夫な箇所ですかね?」

「ここなら飲めますよ!」

そう聞いて安心して沢の水を飲む。

スタートが雨で、しかも今日のルートは涸沢まで・・・

そう思って完全になめ切っていました。

ここに来て喉の渇きが限界だったんです。


涸沢の水は冷たくて美味しかった!

やはり補給用の水分は必須ですね。(反省)

お兄さんは相棒がまだ登って来ないのでイライラしながらも、先に涸沢カールでテントを張って待つそうです。

そして翌日は北穂高岳を東稜ルートで登るそうです。

大きな一眼レフカメラも持っているのにすごい人です!

僕も山岳カメラマンになりたい気持ちが今でもあるので、そのうち一眼レフを持って登りたいです。


さあ涸沢カールにやってきたぞ!


さっきまで見上げていた屏風の頭と屏風の耳が、こんなにも近くまで迫ってきました。

現在立っている場所で標高2200m辺りでしょうか。

この日ゴールの涸沢小屋(標高2350m)まではあと少しです!

0 件のコメント:

コメントを投稿