2020年2月13日木曜日

話しかけても反応が微妙な来店者について、どう気持ちの整理をすればいいのだろう?

接客業をしていて不思議に感じる事は、声掛けをされて鬱陶しいと感じる人が最近増えているっていう傾向について。

僕も子供の頃から商品を買うかどうかも判らないでお店に入る時は、申し訳ないような気持になっていたので、店員さんに声を掛けられて・・・

特に当てがなかった場合は「すみません!どんなものを置いているのか見させてもらっていいですか?」と答える。

既に何度か訪れていて、探しているものの在庫や取り扱いがあるかを確認するために来店した場合は、「すみません!お尋ねしたいのですが、こういったものを取り扱いってされていますか?」って、むしろこちらから尋ねていきますよね?

まあお店と買い物客の会話のスタートは概ねそんな感じでしょう。

尚、お客様の言葉の冒頭にいきなり「すみません!」と謝罪から入っているのは、必ずしもの法則ではありません。

単純に僕はそうなってしまう事が多かっただけです。

理由・・・お店に入るって事は他人のテリトリーに侵入する訳ですから、何かを買う予定もなく入る場合は、「今日は見に来ただけなのでごめんなさい!」とか、「買うかどうかも決まってない僕にわざわざ声を掛けてくれるなんて、お忙しいのにお邪魔して申し訳ございません。」という気持ちの表れである。

後者の場合は「お仕事中に声を掛けてすみません!探し物があるので教えて頂いてもよろしいでしょうか?」という気持ちからのエクスキューズミー!の方の「すみません!」です。

これについて僕は、日本人特有の文化には違いと思っていますが、決して何でも遠慮して謝るあの悪い習慣ではなく、あくまで他人の領域に入る上での礼儀だと心得ています。

特に誰かから教わった覚えもありませんが、お店で一生懸命働いている人がいる訳で、そのお店も売上があって成り立っているんだっていう法則を、幼稚園児の頃には理解していたと思います。

恐らく祖父や祖母に連れられて買い物に行った時の祖母の立ち振る舞い、店員さんの対応の仕方を観察していたからだと思うのですが・・・

なので祖母からのおつかいで市場に買い物に行った時も、幼稚園の友達の両親が営んでいる豆腐屋さんに行ったりすると、毎回そこのお母さんが売上金からこづかいを握らせてくれて、「おつかいご苦労様!これで帰りにお菓子かアイスでも買って帰りなさい!」って言うもので、「これ僕が買った金額よりも多いですよ!大切な売上ですし、こんなに頂けないのでお返しします。」って断っても、「いいから!」って受け取ってくれなくて。

その件については毎回祖母にいくら頂いたって話を報告していて、祖母がこっそり返金しに行ったりしてくれていたのを知っていました。

僕は気持ちだけでもお返しがしたくて、旅行に行った際は友達とその家族にお土産を買って行ったり・・・

そういうやり取りもあり、そこのお父さんが豆腐の配達で一日中自転車で走り回っている姿も見て育っていたから、お店で働いている人に対してのある種、敬意のような感情はあったかも知れません。

人と人のつながりとかコミュニケーションとかって、生まれ育った環境で違うのかも知れないけれど、やはり人同士の事なので気持ちって大切ですよね?

僕が園児の頃は北区の花山から新開地まで神鉄で通って、当時水木通5丁目にあった私立の幼稚園まで一人で通園していました。

駅員さんとは仲良くなる事はございませんでしたが、道中の喫茶店のおばちゃんとか、羽坂通(今の実家)に祖母が住んでいたので、周辺のお店の人や、市場で働く人たちも僕の事を知っていて、どこにいても「大ちゃんおはよう!」とか「幼稚園終わったの?」とか声を掛けてくれていたのが、今思えば嬉しかったよなぁ~。

今もあるサンケイモデルさんは当時行きつけの模型屋さんで、ガンプラやラジコンキットを買うのに中学生頃までは特にお世話になっていました。

園児の頃から小学生の頃は、いつ行っても「大ちゃん!新しいガンプラが入荷するけど予約どうする?」とかって声を掛けてくれて、お店に行けば最新の情報が入る事も嬉しかった事のひとつです。

そういう環境って今は無いのでしょうか?

それが時代の問題か?って言ったらそうじゃないと思うんですよ。

小学3年から須磨区に転校した僕は、小学5年になる前に継母の計略で家を追い出されて兵庫区の祖母と同じマンションで一人暮らしをする事になります。

中学を卒業するまで名谷まで地下鉄で通学していたのですが、中学時代とかって秘密基地のようにいくつも溜まり場を持っていて、それが学校とは正反対のエリアになるのですが、ジョイント(ダイエー・ジーニング館)だったり、当時新神戸にあったOPAのベネトンショップだったり、マネケンだったり・・・

後はサンプラザ2階のセイデンパーツや、サンパル2階の神戸レーシングでラジコンパーツを漁ったり、ジョーシンのオーディオルームでスピーカーの音響を聞き分けて楽しんだり・・・

当時加納町2丁目にあった輸入車専門店のお店もその一つで、店長さんに気に入られてロールスロイスのクラシックカーに乗せて頂いたり、トヨタ2000GTに乗せて頂いた事もあります。

様々なお店の店員さんと仲良くなって、新しい知識を教わるだけで世界観が拡がる事だって沢山ある訳です。

年月は飛んでサラリーマン時代ですが、当時谷町のオフィスに勤めていた僕は帰りにミナミで飲んで帰る事も多かったのですが、日頃上司に付き合ってあちこちのクラブやキャバクラを連れまわされていたので、宗右衛門町を歩いているだけで「東さ~ん!今夜は寄って下さらないんですか~?」とか、「東さん!お仕事お疲れ様です!今夜の予定は如何でしょうか?」等と声を掛けられるもので、「ごめん!今日は同伴の約束があんねん!」とか、「またお客さん(取引先)連れて来るから、そん時は頼むわ!」ってかわす事が多かったけど、本当に取引先を連れて行く時なんかは、彼らや仲良くしていたホステスさんにセッティングをお願いするだけで、本当に綺麗どころを揃えて準備してくれているので、その後の商談がスムーズに決まる事が多かったです。


結局何が言いたいのかっていうと、そういうコミュニケーションがあって世の中が成り立っているのに、コミュニケーションを鬱陶しがる人が増えたという今の時代の流れに、どうしても違和感しか感じないという事。

何で買い物(見るだけも含む)もレジャーも・・・仕事も家庭も・・・人生を丸ごと楽しもうって考えないのだろう?

声を掛けてもまともに相手にされないと寂しくもあるし、そもそもその人の礼儀の観念ってどうなっているの?とか、つい悪いイメージで見てしまいますよね?

僕もスタッフには「無視されてもいいからドンドン声を掛けろ!」って言っていますが、これは鬱陶しい接客をしろ!って意味じゃなくて、コミュニケーションを経て信頼関係を結び、「このお客様の為に最高の商品(サービス)を提供したい!」と思えるようになって欲しいからなんです。

それだけにご来店されるお客様にも、スタッフとの会話を楽しむ為に来て頂きたいものだと感じる事が多々あります。

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