2017年12月27日水曜日

幻のロードバイク『ヴィーナス・スカンジウム』

4月28日(金)閉店後

翌日の走行会からデビューさせるつもりで自分用の新車を組み立てました。


可能な限り軽量な部品で組み立てましたが、さすがに7kgを切る事はできませんでした。


0時になって4月29日(祝)に変わりました!

自分自身への誕生日プレゼントの完成です。

エヴァディオの試作機『ヴィーナス・スカンジウム』です。

クランクは新型のR9100デュラエースで、あとは9000デュラエースをメインに。

BBはTOKEN、ホイールはアーウィンのサピムスポーク仕様です。

ハンドルも230gのカーボンハンドル、サドルも強化プラスチックとカーボンレールで80gの超軽量モデルのものを採用し、ブレーキキャリパーも前後で200g、スプロケもレーコンのワンピース。


ここまで徹底的にやっても7kgを切れなかったのは残念ですが・・・

自分の増えた体重の事を考えると、これでも限界の軽量化です。


レーコンのスプロケはロークロスタイプで13T~25T。

一番軽いギアは23Tがあればどこでも上れる!って言うのが本来の僕の持論ですので、25Tは不本意ですが、最近の自分の疲労の蓄積具合を考えたら保険に持っていても悪くないかな?って思う訳です。

何よりこのスプロケの良さは・・・

25T、24T、23T、22T、21T、20T、19T、18T、17T、15T、13Tという、11段変速になっています。

ヒルクライムには最強の組み合わせです。

16Tが無いのは残念ですが、20T、22Tという通常のシマノのスプロケではなかなか選択できないギアがあるというのは非常にありがたい。

いつも土壇場で「ここで間のギアがあれば・・・。」って辛いシーンを経験している選手ならこのスプロケのミラクル具合が解るはずです!

そして15Tと13Tがあるので、申し訳程度ですが平地も普通に走れます。


ロークロスなので上から見たらお椀みたいですね。

ワンピース構造で内部はガランドウなので見た目とは裏腹に軽量です。


最初は9000デュラエースのクランクにしようか悩みましたが、R9100の方が明らかに剛性が高そうですし、このフレームにだったらR9100でもバッチリ決まりそうだと思いました。

どうしてもR9100はロードに求められがちな線の細い美しさは感じられないので、未だにアンチがいるみたいです。

そういう意味では9000は比較的美しかったと思いますが、フレームとの組み合わせにもよりますね、その辺の好みとかって。

実際リアディレーラーに関しては、僕もこの時点ではR9100のデザインを受け入れられなかった一人なので、ディレーラーは9000で統一しています。

後日R9100のリアディレーラーを改めて使用してみたら、操作の反応性はR9100の方が断然良くなっていてショックを受けました。

STIレバーは丁度R9100が品切れ(もしかしたらいつものこっそりマイナーチェンジかも?)だったので、これも9001のレバーで組み立てました。


ちなみにチェーンリングは53T×39Tの組み合わせです。

コンパクトドライブは使わない!って言うのが僕のこだわりなんです。

ペダルは新興ブランドのissi。

LOOKと互換性ありなので、試してみる事にしました。

カーボンコンポジットボディで重量はペアで267g。

決して超軽量ではありませんが、価格も安いですし、幅広でダイレクトな踏み応えがぺダリングをサポートしてくれます。

カラーリングも楽しめるので、これはオススメの逸品です。


変わったブレーキキャリパーでしょ?


TNIの超軽量ブレーキです。

ブレーキシューも最初からスイスストップ社製のシューが装備されているので、そう考えると恐ろしくコストパフォーマンスに優れています。

キャリパーの構造的には今のシマノ製のキャリパーの方がコントロール性も高いし、信頼できるのは間違いないんだけど、このブレーキでも十分な制動力はあります。

僕は必要な時に必要な分だけしかブレーキを握らない走り方なので、シューの摩耗もそんなに気にならないです。


このサドルがとにかく素晴らしい乗り心地で・・・

クロモリレールでも十分乗り心地が良くて軽量だったのですが、このカーボンレール仕様は異次元レベルです。

重量も80g程度しかありません。


フレームカラーがマジョーラ(アンドロメダ2)って事もあって、ここぞとばかりにスバルコラボのサイクルコンピューターを。

スバリストにしか理解してもらえないこだわりです。(笑)


強いて言えばシートポスト・・・やぐらしか出ていない状態なので、大幅にカットして入れれば重量を削る事が出来るのですが、それは僕の体重が元通りに戻るまでのお預けにしたいと思います。

更にいえばフレームがやや大きく感じるのと、シートのオフセットがカタログ値では15mmとあるのに実測20mm以上後退しているので、サドルを目一杯前へスライドさせているのが・・・

無理矢理セッティングして乗っている感が出ています。

そしてMORTOPのアルミ削りだしステムですが、このステム・・・カラーバリエーションが豊富なうえに、ボルトがチタン製っていうのが売りなんですけど・・・

コラム側のボルトが折れてしまいました。

それもトルクレンチで、まだ2.5ニュートンしかかけてない時に真ん中からポッキリ。

たまたまハズレに当たってしまったのかも知れませんが・・・

止むを得ずステンレスボルトを用意して締め込みました。


そして無事に初陣を走って来ました。

この日はエヴァディオの自転車が3種揃ったので記念撮影!

で実際に『ヴィーナス・スカンジウム』に乗ってみた感想なんですが・・・

第一印象は「判らん!」、「難しい!」って感じでした。

ただ乗り心地は恐ろしく良かったような。

後日ヒデさんに乗って頂いたら、身長が178cmあるヒデさんにはシックリときたみたいで、乗り心地も良いしバネ感があってスピードが伸びる感じがするとの事でした。

やっぱり僕にはちょっとだけサイズが大きかったのかも。

以前スカンジウム合金の自転車に乗った時は、異次元のような加速感に心躍ったものですが、サイズが大きいと上手く乗りこなせないっていうのが残念で。

とりあえず時間をかけてこの自転車を乗りこなすしかないかな?

このヴィーナス・スカンジウムは元々市販する予定で開発したフレームですが、レアメタルなので製造コストが高いんですね。

製造本数を増やせば1本当たりのコストは大幅に下がる。

でもスカンジウム合金のフレームともなれば、通常40万円以上して当たり前なので、どんなにコストを削っても30万円を切るのは難しい。

エヴァディオのフレームは日本でしか流通していませんから、市場規模を考えれば年に1車種あたり100本程度の製造しかできない訳で、しかもその100本ですら売れるか?って話になった時に、カーボンフレームやチタンフレームより高い金額じゃ絶対に売れないだろう?って結論に至り、量産化が白紙になったという幻のフレームなんです。

試作フレームはこの世に2本存在しています。

1本はホワイト基調のカラーリングで、エヴァディオの若大将が乗っていたそうですが、現在は常連のお客様のもとに手渡ったそうです。

そして残ったもう1本がこの完成した車両です。

こちらはワタナベ塗装さんが本気で塗装したマジョーラカラーなので、塗装だけでもかなりのコストがかかっています。

そんなお宝フレームなので、実は乗るのが勿体ないなぁ~とか思ったりもするのですが・・・

一応売る気はないので、たまに売って欲しそうに聞いてくるお客様対策で、値札には300万円と書いています。

「300万円出すから売ってくれ!」と言われたら売っても良いかな?って意味なので、どこまで行ってもこの価格は希少価値だと思って頂きたい。

そして正直言って僕はこの自転車を手放すつもりがない。

エヴァディオさんの生み出した芸術作品なので。

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