2017年12月21日木曜日

本日も朝から・・・


今朝、写真のビーチクルーザーの中古を購入したというお客様が防犯登録に来店されました。

ノースショア(サーフィンの聖地)だなんてたいそうなネーミングです。

写真のままのハンドルセッティング・・・まるでヤンキーバイクみたい。

まずもってネットで購入してどこの誰が組み立てたか判らないような持ち込み自転車と、リサイクルショップで購入したような整備もまともにできていないであろう自転車は、基本的に防犯登録のみの対応は致しておりません!

防犯登録って言うのは盗難防止や本人確認の為に登録するものなんですが、これって車でいうところの車検と同じだと僕は考えています。

特に当店の場合、防犯登録協会の会員になっている店舗でもあるので、900番台の非会員シールではなく、番号を見ただけで神戸市灘区で登録したのが判るようになっています。

それだけにどんな自転車でもザルみたいに登録していたのでは、さすがにプライドのかけらもない店だと思われるので、確実に安全に乗れる自転車で無い限りは、絶対に防犯登録をしないと決めています。

リサイクルで購入したという自転車で、整備にお金を掛けたくないっておっしゃる方には、大変申し訳ないのですが、全て登録をお断りしています。

根本的に「乗れたら何でもいい。」とか、「使い捨てやから別にええねん。」とかっていうような感覚で、中古自転車や価格の低い自転車を買い求める人って、ハッキリ言って質の良いお客様とは思えないんですよね。

別に上から目線で言っている訳では無くて、『自転車に対する価値観とか愛情とか、危機管理とかが欠如している方とは対等に取引を結べない』という意味なんです。

取引っていうのはお客様が支払う報酬に対して、満足のいく商品とサービスを提供するという事なんですけど。

別に満足するのはお客様だけに限った事ではなくて、僕ら商売人にとっても満足のいく取引であって欲しい訳で、そのお客様の為に組み立てた自転車を大切に乗って頂くだけで、「ああ、売れて良かったなぁ。」とか、「あのお客様で良かったなぁ。」というように感じる事が大いにあるのです。

お客様が神様でなければ、商売人が偉い訳でもなく常に対等でないと、この取引は成り立たないのであります。

そんなスタンスで商売をしていますので、毎回ハッキリと物申させて頂いている訳なんですが・・・



今回のお客様は何度か自転車の修理でお越し頂いた事のある方だったので、整備の必要性を説明したら快く了解を得られました。

で、昨日買ったばかりという中古自転車の状態ですが・・・

まずBBが緩んでクランクがガタついている。

次にチェーンの動きがおかしい・・・これは原因を辿ってみると、生産の段階でなのか、前の持ち主がどこかのタイミングでチェーンを交換した際になったのかは不明ですが、リアディレーラーのガイドプーリーとテンションプーリーの間のチェーンガードの外側をチェーンが通っているという・・・初心者が初めてチェーン交換するとよくやらかしてしまう、『例のあれ』の状態でした。

更には事故歴があるみたいでVブレーキの台座が歪んでいて、ブレーキの動きが悪かったり・・・

他にはハンドルのセンターがずれている。

ハンドルステムが少し右を向いている。

前後ホイールが振れている。

リアホイールが傾いている・・・主な原因として左右のハブナットが緩んでいた。

前輪のチューブがバルブの根元が損傷していてスローパンク・・・よってチューブ交換。

後輪タイヤが変形して均等にビードがはまっていなかったので、握力を駆使して変形を修正。

ハンガーは曲がっており、更にワイヤーが伸びきって反応が悪い変速・・・

以上、安全点検の域を遥かに超える修理を施して、ようやくまともに乗れるようになりました。

中古自転車なので尚更の事、両手を真っ黒にして・・・朝からヘビーな整備でしたねぇ。

そんな事もあってお客様は「ごめんな!次はちゃんと新車を買いに来るわ!」っておっしゃって帰られました。


中古車は安全な状態にする為に、時として前後のタイヤチューブ交換も含めたりすると、1万円~1万5千円以上の部品代及び、整備費用がかかってしまう事があります。



それだったら新車で安心して長く乗れる自転車を購入された方が良くないですか?

自転車に至ってはそれが合理的だと思うんですよ。

それは僕らがこれまで、色々なお客様と接して得られた結論なんです。

それでも中古自転車の需要はこれからも益々高くなると思われるのですが、この記事を読んだ方は是非、考えを見直して欲しいですし、お友達やご家族にもお伝え頂きたいのですよ。

それが僕の望みです。



そうは言いつつも僕は自動車はいつも中古車を買っていたりするんですね。

これは好きな車種が決まっているので、今ではその新車で購入ができないからだったりするんですが、その場合やはり経年劣化している部品を交換したり、自分の扱いやすい車に仕上げようとセッティングを変えたりしていくと、結局新車が買えてしまうくらいのコストがかかってしまう訳なんです。

この場合は『コストをかけてでもその車じゃないと嫌だ!』という明確な意思があるので、上記の例とは完全に別物だとご理解下さい。





そういえば先日、お客様がネットで購入したって自転車を組み立てた記事を書きましたが、これネットで4万円近くもしたんですね。

正直驚きました。

ファットバイクにこだわらなければ、シュウインのビーチクルーザーならもう少し安く買えますし、圧倒的に作りがしっかりしています。

すごく丁寧で礼儀正しいお客様でしたので、とても胸が痛む思いで・・・可能な限り長く乗れるようしっかりと組み立てたのですが・・・

ここに来て本日、またしてもネットで購入したという、更に劣悪な自転車が当店にやって参りました!


これです。

このWサスペンションのようなものが装備されたMTBのような乗り物です。

ヘッドロゴのシルエットとかTREKのパチモノ感が半端無い自転車のような乗り物ですが・・・

これもネット販売で3万円程度で流通しているようなんです。

まあ以前紹介した中国の『ジャイアート』とかいうメーカーの物よりは遥かにマシですが、決定的な欠陥部分がございます。

もう既にこれと同じ商品を購入した方は良く理解しておいて下さい!


ディスクブレーキのローターの固定台座の形状が『ジャイアート』のそれと同じなんです。

パッと見6点ボルト止めに見えるでしょ?

でもよく見たら台座の内側にネジ山があるのが判りますか?

簡単に言えばママチャリ用のハブにドラムブレーキの代わりにディスクローターを装着する簡易式台座なんですよね。

当然ロックリングも付いていません!


単純に時計回し(正ネジ)に回して締め込んだだけ・・・という訳なんです。

ジャイアートの紹介でも申し上げましたが、ブレーキをロックしたまま後退させると、当然ローターは緩みます。

ハードでトリッキーな乗り方、上り坂でのブレーキは怖くてできません!

一応お客様にもその説明をしてご理解頂いた上で、今回組み立てと防犯登録の依頼を受けたのですが・・・


リアサスペンションのリンクアームも、薄っぺらくて剛性不足なのが見ただけで判ります。

3年も乗らないうちに金属疲労で破断するのではないかと心配になります。

この自転車の購入費用と、組み立て工賃を足したら・・・

もう1万円くらいプラスすればセンチュリオンのMTBが買えるって話ですよ。

センチュリオン・・・当店にまだ1台、特価MTBの在庫があったのになぁ~。

それだったら山道だって走れただろうに・・・

残念ながらこのMTBのような乗り物では山道を走って欲しくないですね。

くれぐれも近場の平地だけ走るようにして下さいと、お客様にお願いしたのでした。

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