2014年7月24日木曜日

第28回『TEAM EURO』走行会!・・・カーボンホイールの使い方に気をつけて!

7月12日(土)の走行会。

参加者はI藤様とH川様に加え、初参加のO本君。

当店には昨年からお越しだったのですが、走行会にはなかなか参加できなくて・・・

いや~待ってましたよ!

何しろO本君は高校生にしてニールプライドのアリーゼに乗っていて、しかも身長も高いので・・・今後本格的に自転車レースを始めるとすれば、かなり期待できる若者です。

最近は僕の目から見て逸材と思える、学生の参加者が来るようになったので、本当に今後が楽しみです。

「これはNさん(N様2号)が参加したら、同じニールプライド仲間が増えて喜ぶだろうね!」



そしてこの日は・・・

本当は初参加のメンバーがいる日は真面目に走りたいのですが・・・

「眠いしお腹空いたし・・・今日はポタリングがいいな~。」とか思ってしまい。



結局皆さんに確認を取って、布引の上りを走ることにしました。

これだと初参加の洗礼もできるし・・・モーニングも食べれるし・・・一石二鳥!



でもね~やっぱキツイっすわ!

久々の布引の上りですが、一応I藤様とは「目標タイム11分以内で!できるだけ余力を残して走りましょう。」とは言ったものの・・・

ここって余力を残せるような類の緩斜面ではないので、ちょっと自分で言っておきながら不安。



一応ここの坂道においては、23Tのスプロケが役に立たないって判っているので、21Tを貫くつもりで、フォームと筋肉の使い方に注意をしながら上ろうと意識する。


1分前にスタートしたH川様を追って3名でスタート。

僕はO本君を引き連れて神戸第一高校までは、気持ちペースを抑えて走る。

I藤様は以前、僕が美ヶ原を走る際の心得として、「勢いよく上り始めたら、あとはその勢いを殺さないよう維持する事に集中すると、何とか最初の壁を地に足を着かずに越えられる・・・って話をしていた事を実践するとかで、スタート直後からハイペースで上る。

まあその話はまんざら嘘ではないものの、再度ドライブウェイの前半戦でも判る通り、勢いを維持する事ってそんなに簡単ではないので、僅か2kmの登坂とはいえ、後半に行くにつれて斜度がキツくなるこのコースにおいては、最初から飛ばすのは得策じゃないっていうのが僕の持論です。

実際に最初のヘアピンを曲がった時点では、一瞬I藤様の背中を見失いましたが・・・

第一高校のテニスコート前に差し掛かる頃には、完全に射程圏内に収め、このペースでならラストスパートの余力を残してついて行ける。

そう確信していました。

O本君も僕にピッタリとついていたので、その気になればいつでも刺せる位置にいたと思います。



ところが、傾斜がキツくなった途端にI藤様がまたスピードアップ!



結局I藤様も途中で、後半1kmに備えた走り方に切り替えをした模様。

一旦追いついた僕らに油断をさせておいての、アタックといったところでしょうか。

「I藤さん、さすがやな~!」

でも僕も一度射程圏内に入った獲物は、そう簡単には逃しません!(笑)

O本君と一緒にジワジワと追い上げて・・・

勝負を仕掛けるポイントは、布引ロープウェーの下を潜る右カーブの手前のヘアピン。

そのヘアピンの手前までが地獄のように苦しい激坂なので、そこでの速度が勝っていれば、残り約200mのスパートで抜くことができる。

僕は残った距離に対して速度を合わせにかかる。

そしてO本君もよくついて来ている!

ヘアピンに差し掛かる頃、先にスタートしたH川様を吸収・・・

バタ~ン!!

「えっ?マジ?」

ヘアピンを曲がったところでH川様が右側へ転倒。

一番しんどい区間が終わったところで、一瞬気を緩めてしまったのかも知れませんが、右側への転倒は、自転車乗りとしては致命的!

しかも壁に激突したので、怪我が心配!

I藤様が逃げの態勢に入ったので追いたい気持ちはあったものの、O本君に先に行くよう指示を出して僕は停車。

「H川さん大丈夫ですか!」

「ええ、何とか大丈夫そうです。」

「リアディレーラーは?」

「そこも問題なさそうです!」

ディープな自転車乗りにとっては、自分の怪我よりも自転車のダメージが第一なので・・・(笑)



一応停車している時間を省いた走行時間は10分45秒。

ちなみにI藤様は10分30秒。

11分以内で走るって目標は達成したものの・・・

ちょっと悔しかったですね(笑)

それにしても落車したとはいえ、H川様が速かったですね。

毎週走行会に参加するだけでここまで走れるようになるなんて!

最近自転車に乗れていないメンバーさんにも、是非頑張って乗って頂きたいものです。


ここの道路が尺取虫や毛虫まみれになって以来走ってなかったので、これまた久しぶりに紅葉の茶屋へ行ってモーニングタイム。

この日はこれを楽しむ為に走っているようなものです。

黒くない犬の『クロ』も相変わらず元気そうでした!

この日もマウンテンバイクで上ってらっしゃる方々が多く、たまにはマウンテンもいいな~なんて思いながら、少し駄弁って出発・・・

布引の下りではH川様のロードのブレーキ音が余りにうるさくて、「気になりますね。後で確認して調整しましょうか?」なんて話になったのですが、今思えばこの時既に異変は起こりつつあったんですね・・・(汗)


それからO本君の歓迎&洗礼その2で摩耶ケーブルまでの上りを走る。

ここの上りも14~15%は軽くあるので、布引を走った後に来ると結構しんどいです。

まあ僕らはスピードよりは、むしろ楽しく上りたいのと・・・やはり、ラルプデュエズの走行会はどんな初心者の方も上りが走れるようになるんだ!っていう事を知って頂く為に走っているので・・・

「えっ?まだ上るの?」って思われるくらいが丁度いいのです!


さて問題はこの直後に起こりました。

桜トンネルの坂道を下りきった直後・・・



パ~ン!!



「えっ?バースト?誰?まさかH川さん?」

とりあえず店からそれほど離れていないので・・・

「すぐに車を回してきますので、I藤さんとO本さんは待機でお願いします!」って僕だけが下山。

そして僕が戻るまでにH川様はチューブ交換して空気を入れてみたらしいのですが・・・

「店長!やはり走れる状態ではありません!」って電話があり、駆けつけてみてビックリ。

H川様の乗るエヴァディオ・ペガサスにセットで装着したスフィーダのカーボンホイールが、変形及び破断していたのです(汗)

しかもバーストした前輪だけではなく、後輪までもが・・・

これが破断した前輪のバーストの箇所。

横から見たらサイドの樹脂もパリパリに剥離しています。

更に後輪は・・・

こんな感じで3~4ヶ所くらいリムが開いてました。

横から見ても判ります。


さて・・・当店でも推しているスフィーダのホイールに問題があったのでしょうか?

もしそうだとしたら、カーボンホイールに憧れて、安くて軽くて評価が上昇中のスフィーダやBOMAのホイールを検討中のお客様にとって、これは不安材料になるネタです。

しかしこれはカーボンの質が悪いからなった訳でも、不良品だからって訳でもないので、あえて僕は正直に掲載させてもらいます。


まずH川様が使用していた写真のカーボンリムは、旧型タイプのホイールに採用されていたもので、現在は新型リムを採用した製品がスフィーダからラインナップされています。

新型に関してはハブの回転性能が更に良くなって、スポークもサピム製のエアロスポーク(CX-RAY)を採用し、リムは耐フェード性を強化したカーボンリムとなっていて、ゼンティスのホイールみたいに「ノーマルのブレーキシューが使える!」とまでは言いませんが、かなり強度と耐熱性が上っていることは間違いありません。

その根拠としてはバサルトファイバーという繊維を混入しているからなんですけど、このバサルトファイバーは高速道路の橋脚に使うコンクリートに混ぜたりするような素材で、耐熱性能だけではなく、耐水性や引っ張り強度も優れた万能素材でして、耐熱性能としては-260℃~650℃までの温度で使用が可能とされています。

それだけでもすごいのですが、バサルトファイバーは加工次第で1000℃近い高温にも耐えられるそうで、これは使わずにいられない素材といったところです。

参考程度にブレーキ温度についてですが、自動車用のブレーキパッドで比較すると、市販車の標準モデルで装着しているブレーキパッドで概ね耐熱性能350℃前後。

峠をガンガン走るスポーツ走行モデルで450℃~650℃前後。

サーキット走行をするレーシングモデルで750℃~1000℃前後くらいの高温まで耐フェード性能を持っています。

なので、車のブレーキローターが鋳鉄もしくはアルミって事と、カーボンリムの違いで、熱伝導率や放熱性が違う事を踏まえたとしても、人一人の体重と自転車の重量を合計して80kgあったと考えても、そこまでハードなブレーキングになるか?って話になる訳ですよ。

カーボンの耐熱温度が概ね500℃と考えた場合、350℃くらいまでなら安全マージンと考えられるんですが、自転車のブレーキで350℃まで上るものなのかなぁ~(汗)

そうなると、日々のブレーキングの積み重ねも含めて、くれぐれも気をつけて大事に使わないといけないって感じでしょうか?

とりあえずスフィーダの新型リムに関しては、ホイールの前後セット価格では18000円以上の違いがあれど、リム単体でいえば6000円程しか変わらないのと・・・

更には1年間の品質保証があるので、今回は半額でリムを購入し直すことができるのです。

なので現在H川様には新型リムで、うちのホイール職人野口さんが組み直した新しいホイールをお渡ししました!

ハブの性能は旧型でも十分良く回るので、これで問題なく走れるのと・・・



という訳で今回の一番の原因は先ほども言ったように、ブレーキがフェード(焼付け)した事によるチューブとリムの熱膨張です。

熱で重ねて圧縮したカーボン繊維のシートと、エポキシ樹脂が剥離して強度が落ちたところに、チューブ内の高圧に詰まった空気が膨張して内側から押し広げたって感じです。

当店でもカーボンリムを使うメンバーは多いのですが、皆さんブレーキにはメチャクチャ気を使っています。

まずカーボンリム専用のブレーキシューは、カツオ節の如くすぐに磨耗します。

そのうえ価格もノーマルブレーキシューの2~3倍くらいするので、お財布にも厳しいのです。

しかもカーボンも単純に言えば、樹脂で固めているだけのものですから、熱による劣化は当然なんです。

なので減りにくいシューよりも、六甲山を1本上って下ったら、ツルツルになくなるくらいの贅沢なシューを使うなどして、精一杯カーボンホイールを優しく扱うか・・・

無駄のないブレーキングに徹して、鬼のようなスピードとブレーキテクニックで下ってくるしかないのです。

だらだらと長い時間ブレーキを握っていると今回のようなケースになりやすいのです。

確かにH川様は唯一ダウンヒルを大の苦手としているので、僕も走行会の前にH川様が装着しているホイールを確認してからコースを選ぶべきだったと反省しています。

ブレーキングテクニックは自転車も車もバイクも含めて乗り方の基本中の基本なので、是非自転車を大切に乗るためにも、自分の命を守る為にも・・・きっちりコツを身につけて下さい!

一度『下りでのブレーキング及びライン取りの講習会』なんていうのも、当店で開催してみたいと思います。

近いうちにハンドルに小型カメラを取り付けて、実際に走っている映像を撮影してみようかな。



あと最後に空気圧の入れ過ぎに注意して下さい!

スフィーダのクリンチャーホイールに関しては、8気圧未満を推奨しています。

つまり8気圧以上入れると、カーボンリムの強度に致命的なトラブルを誘引する可能性が出るのです。

更に夏場は路面温度や気温も高く、空気が熱膨張を起こしやすい時期なので、尚のこと神経質になって欲しいところなんです。

そういえば今日はM谷様からお電話があって、カンパニョーロ・ゾンダというアルミリムのホイールが同じようにリムが開いてバーストしたんだと聞かされました。

アルミリムだから大丈夫・・・

それも油断大敵です。

タイヤが11気圧までOKだから11気圧入れるのか?

違います!

基本的にクリンチャーホイールは強度が弱いので、余り負担をかけないで下さい。

チューブラータイヤならともかく、クリンチャーは本来・・・8気圧未満が基本です。

特に夏場は注意して下さい!

入れても8気圧まで!

ちなみにM谷様は9気圧入れていたそうです。

カンパニョーロのアルミホイールでさえそうなるので、是非心当たりのあるハイプレッシャーLOVEな方々は、本日から気をつけて下さい!

そういう僕も8.2気圧入れてます(汗)

え~っと。

自己責任のもとで管理して下さい・・・(ちょっと弱気)

とりあえずH川様もM谷様も、バーストにおける落車や怪我がなかったので、それが何よりでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿