一体何だったんだろう?って思える一日でした。
最近日差しが強く暑い日が続いております。
朝晩と昼間の寒暖差も激しいので、体調を崩している方も少なくはないでしょう。
本日昼休みに役場へ赴き、帰りにお昼ご飯を買って帰ったら、留美さんが神妙な面持ちで待っていて・・・
「つい最近電動アシストを購入されたばかりの●●さんが、大安亭市場へ買い物をしに行った際に、自転車を盗まれたかも知れないんですよ!」
「えっ?かも知れないって?」
「ちょっと記憶が曖昧みたいで、私も色々確認はしたのですが、上手くキャッチボールができなくて。」
「で、●●様はどうしたの?鍵はちゃんとかけていたの?」
「鍵はかけていたみたいで持ってました。自転車が見つからないと、探しながらここまで歩いて帰って来たみたいで、汗がびっしょりでグッタリなさってましたから、冷たいお茶をお出しして、少しお休みして帰られました。」
●●様は老人施設をご利用されているご婦人で、少々痴呆をお持ちの方なんです。
きっと本日のように暑くて日差しが強かったら、歩いて帰ってくるのは辛かったと思います。
しかし最新型のデュアルドライブ仕様である、ブリヂストンのフロンティアが簡単に盗難されるなんて事があるのだろうか?
鍵が無ければバッテリーも破壊しないと外せないし、鍵がかかったまま運ぶにしてもハンドルロックを解除しないまま前輪を転がして運ぶのは、少々骨が折れる作業だし・・・
腑に落ちない点がいくつもある。
とはいえ本当に盗難だったら、お年寄りの生活の足を奪ったそいつが許せない!
車を車庫に戻すついでに、大安亭市場付近まで行って車は駐車場に停め、徒歩で市場の中と周辺をくまなく歩き回って自転車を探す。
当店で買った自転車なら防犯登録の番号でも判断できるし、バッテリーに販売店のサインを入れているので確実に判別できます。
40分ほど歩きまわって探しましたが見つからず・・・
大安亭市場の周辺はリサイクルショップも多いので、もしも盗まれて店内でバラしている真っ最中とかだったらどう料理してやろうか!って思いつつ目を光らせたものの、やはりどこにもなくて諦めて店へと戻る。
すると留美さん、「私の勘なんだけど、もしかしたら大安亭市場ではなくて、春日野道商店街の勘違いである可能性も捨てきれなくて・・・。」
「そんな事先に言えよ!」
車は車庫に放り込んだので、今度は自転車で春日野道商店街まで出向く!
入口付近は自転車が沢山並んで停めてあったけど、そこにはフロンティアは置いていない。
ここにもなかったらいよいよプロの犯行による盗難かなぁ~と思いつつ商店街を歩きながら北上していくと・・・
「あった!あれちゃうんか?」
近くまで行って防犯シールとバッテリーのサインを確認。
急いで店へ戻って●●様へご連絡!
ご年配の方に春日野道まで自転車を取りに行ってもらうのが忍びないと思いつつも、既に2時間近く自転車探しに費やして、自分の作業が何にも進んでいない状態でしたので、地図をお作りしてタクシーなり阪神電車なりで行って頂くようにお願いする。
そしてさあ作業を再開だ!と思ったら、中学生たちが帰って来て、期末テストの出来が悪かったとか、恋愛の悩みとか・・・色々相談されているうちに夕方になってしまう。(笑)
すると再び先ほどの●●様がご来店。
今度はブルメールHAT神戸に自転車を置いていて、買い物が終わって乗ろうと思ったら、鍵が開かなくて、通りすがりのおじさん達にも助けてもらったけど、どうしても開けれなくて歩いてきましたとおっしゃるのです。
本来なら出張修理と同じ扱いなので、手数料を頂かないといけないケースなのですが・・・
先ほどの自転車探しも手数料とか頂かずに、僕が勝手に探しに行った手前もあるので、「もういいや!」って、鍵をお預かりして回収に行きました。
どんなにてこずるのかと思ったのですが、これがまたすんなり開錠できて、特に気になるような引っかかりもなく、「一体何だったんだろう?」って思いつつ、自転車をお届けして帰ってきました。
そこから当店でご購入して頂きましたN原様のトンプソン・フォースを修理。
走行中に9000系デュラエースのリアディレーラーが真っ二つに千切れるという、とんでもない壊れ方をしたもので、新たにR9100のリアディレーラーを導入する事になったのです。
これが新型R9100デュラエースのリアディレーラーです。
関節が一つ増えたようなデザインと長いプーリーケージが嫌で、未だに見慣れないR9100です。
カーボンやチタン素材の部品をふんだんに使って贅沢な作りですが、本当に変速性能とか大丈夫なんでしょうか?
そして取り付けるフレームの先端に付いているディレーラーハンガーがものすごく曲がっていたので、それを修復しようとしたらしっかり温めてから作業したにも関わらず、一瞬で「パキッ!」って折れてしまいました。
そのお陰でN原様を大変お待たせしてしまう羽目になったのですが・・・
ようやく届いたディレーラーハンガー・・・あれ?
写真を横にすると777に見えてしまう図です。
一番上は同じタイミングでピナレロのFPクアトロのディレーラーハンガーが折れた!って入院された車体の折れたハンガーです。
真ん中が今回折れたN原様のトンプソンのハンガー。
一番下はピナレロのFPシリーズ用の・・・って注文して入荷したディレーラーハンガーですが、トンプソンのそれと互換性有りなので驚きました。
どれも形状が同じなんですが、一番上だけが微妙にボルト穴の間隔が広くてサイズが大きいのです。
という訳でピナレロのハンガーは改めて大きい方を注文し、間違って購入した方はN原様にスペアで持って頂くのはどうかと提案する方向性で。(既にトンプソンから純正のハンガーは入荷済み。)
余談ですが、ピナレロのディレーラーハンガーって、他のメーカーでも一部互換性があるのは嬉しいのですが、とにかく折れやすいと専らの悪評があるみたいです。
曲がったら修復ではなく即交換がベストらしい。
それはそうと取り付けてみて思ったのは、新型リアディレーラーって関節が増えたように見えるけど、実際にはアウターケーブルの連結している根元の部分がほとんど動かないんですよ。
従来のディレーラーは動く度にケーブルの形状が変形して、ワイヤーにストレスを与える構造だったので、そう考えると見慣れないビジュアル以外は優等生になったという事ですね。
変速はとてもスムーズで違和感はなかったです!
そしてトンプソンの作業の後はトミーさん2号のクオータに、レーコンのアルミワンピーススプロケ(10速ロークロス)を取り付ける事に。
先日のつがいけサイクルクラシックから帰って来てから預かりっぱなしでしたので、点検も含めてスプロケを交換したのですが・・・
前のスプロケがフリーボディに噛み付いて、ハンマーで叩かないと外れない。
なぜこんなに噛み付いたのか?と思ったら、フリーボディがガタガタと動く・・・
ハブナットが緩んでフリーがガタついた事が噛み付いた原因だと判明。
しかし問題はそれだけじゃなかった。
まさかのフリーの反対側が錆びているのであります。
ハブのボディはアルミ製、中のベアリングはスチールですが、シールドベアリング!
普通はそうそう錆びる場所じゃない。
しかし開けてビックリ!
フリーボディのラチェット周りもほとんどグリスが流れて無くなっており、反対側に至っては防水用のパッキンが劣化して、中に雨水が侵入したのかシールドベアリングから錆が確認できたのです。
ベアリングのシールをめくったら、裏側が錆びているのが判ります。
パーツクリーナーでかなり錆を洗い流したのに、まだ錆びているのが判ります!
可能な限り洗浄してからウレアグリスとスペシャルオイルを添加して組み付けました。
ノバテックの滑らかなベアリングが若干ゴリゴリしていましたが、オーバーホールで少しは滑らかさが戻りました。
シールドベアリングだからと言って油断しているとこんな事になってしまうので、どうぞ皆様もお気をつけ下さいませ。
という訳で、ようやく作業も終わったのでこれから帰ります。
本当に今日という一日は暑いしだるいし、お金にならないし・・・で、大変な一日だったのですが、お年寄りが困っているのは放っておけない性格なので、結果オーライという事で!
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