先日はだいぶデローザをこき下ろしてしまいました(苦笑)
いやね、本当に大好きなブランドなんですよ。
デローザの欠点といったら、イタリアンクオリティによくある塗装の割れやすさくらいで・・・
嗜好品としての芸術的美しさも抜群にいいし、乗れば性能の高さも折り紙つき!
自転車レース史上最強の選手である、エディ・メルクスの鬼神のような走りを支えた名車を生み出した、マイスターとしての腕は超一流であり、それに匹敵する自転車を作れたのは全盛期のビアンキやジタン、コルナゴぐらいだったんじゃないでしょうか?
特にコルナゴはデローザ同様嗜好性の高い装飾を得意とする奇才で・・・
僕が初めてマスターオリンピックやBI-TITANに出会った時の衝撃や、C40に乗った時の感動は言葉じゃ表せない。
逆にピナレロが飛躍的にメジャーになったのはペドロ・デルガドやミゲール・インデュラインの活躍あたりからで・・・
特にインデュラインのパワフルな巨体を支えるためには、高剛性なフレームを作るより仕方なく、スチールフレームでは重量が増す一方だった。
しかし1994年~95年に投入されたセラミックフレームのケラル・ライトは軽くて超高剛性とあって、一躍世界の注目を浴びる。
以来新しい技術への飽くなき挑戦とその実績の高さが、今日のピナレロを作り上げたといって過言ではないと思う。
ちなみにどこかのドーピング兄ちゃんの活躍でお偉くなった某メーカーも、90年代から新技術への積極的な取り組みをしていたお陰で、今ではイタリアの3巨頭を上回るほどの信頼を勝ち取っている。
そのようなご時世で今じゃデローザやコルナゴまでもが、新技術に頼っているように感じます。
でもイタリアンバイクの真髄はどこまで言っても職人気質と、汗臭い工房の香り漂う手作り感なんですよ。
懐古主義で時代錯誤な人間の世迷言かも知れませんが、これだけ技術が高くなった今日において、かつてのような新技術に対する感動って感じますか?
僕はあまり感じません。
みんな同じに見えてしまいます。
だからわざわざデローザやコルナゴ、ピナレロにこだわらなくても、同じくらい高性能な自転車を少しでも安く買えるブランドがあるなら、そっちの方がお得やん!って思うんですよね。
最近はどこのブランドもデザインはいいし、完成車ばかりだから安く上がるし・・・
だからこそブランドイメージにあぐらをかかずに、それぞれの特徴やポリシーを貫いた自転車作りってやつを頑張って欲しいですね。
あっ!ちなみにピナレロは結構ブランドの持つポリシーを貫いていますね!
ただし古き良き・・・的な要素は一切感じません。
常に最新鋭の王道を突っ走っている感じです。
でもそろそろオンダフォークにも飽きてきました(なんちゃって)
そうそう・・・
デローザのブースで見たこれ・・・
デローザ60周年記念モデルの『セッサンタシリーズ』のチタニオ。
めっちゃ綺麗じゃないですか?
美しすぎるこの自転車の価格は166万円!!
これなら値段以上の購買意欲を湧かせる魅力がありますよね?
これこそがデローザらしい仕事だって、自信を持って言えます。
ちなみに・・・
セッサンタ・カーボニオです。
こちらはカンパニョーロ・スーパーレコードEPS仕様で210万5千円!!!
いくらプロトスベースとはいえ、こっちには若干割高感を感じてしまいます(笑)
他にヌーボクラシコベースのスチールモデルや、アルミニウムモデルなどがラインナップされており、2014年のデローザは、セッサンタに全力投球といった感じでした。
そうそう!チタンバイクといえば・・・
パナソニックも3AL2.5Vチタン合金を採用したフレームを出していましたね。
しかもパイプの太さを変えて2種類の乗り味を選択できるのだとかで・・・
うちの中富君が乗り比べをしたいと言っていましたが、かなりの試乗順番待ちだったらしくて、諦めて戻ってきてました(笑)
まあパナソニックの自転車は日本人の体重や筋力には丁度ピッタリの乗り味だと、20年以上前からの定評がありますから、3AL2.5Vとは言ってもそこそこ乗り心地のよいテイストには仕上がっているはず。
ところで試乗のレポートがまだまだ残っていました。
僕はKUOTAのKOM-airに乗ったのですが・・・
KOM(キングオブマウンテンの略)という意味が、まったく理解できないまま返却。
踏み出しは軽いが、最近のよく出来たカーボンフレームと大きく違う感じがしなくて、むしろ僕には剛性感不足が気になって、もっと硬くてもいいのにな~って感じました。
やはりオールラウンド仕様にしたという、新型のKOMが乗りたかったですね。
そして次にサーベロのブースへ行き、S5に乗りました。
実際に乗ったのはスラム・レッド仕様のS5でしたけどね。
サーベロはうちでも取り扱っているので、しっかりとセールスしたいところでしたが・・・
駄目ですね~。
サイズの問題かも知れませんが、乗りにくかったですね。
まあR838よりは断然よかったけどバルブレンボには及ばない感じでしたね。
見た目ほど硬くなかったので・・・
あとスラムのシフトチェンジはどうも好きになれません。
シフトアップのつもりがダウンになったり・・・
あ~っ!むしろR5に乗っておくんだった(涙)
試乗車のチョイスミスです!
一度当店でサーベロ試乗会を開いて名誉挽回させて下さい!!
また東商会さんにお願いして間違いないサイズのものをお借りします。
その間O様1号はピナレロブースでドグマを借りて試乗したそうです。
「確かにイイとは思うけどちょっと硬いし、それほど感動はなかったな~。」との事。
ドグマは間違いなくイイ自転車ですよ!
ただそろそろピナレロにも新しい路線を考えて頂きたい感じです。
プリンス復活とか・・・(笑)
やはりドグマをカーボン化したのがね~。
僕はマグネシウムフレームのドグマの方がピナレロらしくて好きでした!
あとやはりO様1号は、ラピエールのゼリウスが一番ビビッときたって言うだけあって、色々試乗していただいてみて、大体予想通りの感想を頂きました。
ちなみにリドレーのノアに乗ってみた感想はやはり・・・
「あかん!硬いしなんか面白みがない。」
ノアに関してはN様2号は逆に評価が良かったみたいで・・・
「バルブレンボ程じゃないけど、そこそこ硬くて悪くない感じでしたよ!」との事。
そう考えるとN様2号は今、ニールプライドのビューラSLを購入予定らしいのですが・・・
ホンマにそれでイイの?って感じでした(笑)
そりゃ僕としてはN様には次の自転車を当店で作って欲しいな~と思ってますけど、まあそれはそれで色々と付き合いもあるでしょうから、他店で購入するのも別に構いません!
しかしビューラSLってそんなにいいの?
ちなみに当店もニールプライドは取り扱いできるんですけどね・・・一応(笑)
まあそんな僕の疑問に対してN様が・・・
「じゃあ午後は皆さんでトライスポーツのブースに行っちゃいます?」
そこまで言うなら乗ってみましょう!
という訳で、午後はニールプライドの『ビューラSL』と『ゼファー』、『アリーゼ』の3車種を立て続けに乗ってみました。
もちろん4人総がかりで検証!
「ニールプライドは本当にいいのか?」
まずはビューラSLについてですが・・・
確かにヒルクライム専用設計って言うだけあって徹底した作りをしています。
そうです、上りしか走れません!(笑)
とにかく軽い!心地良過ぎる程上りは楽だと思います。
しかしなぁ~軽過ぎて、ダンシングで車体を振る度に前輪が浮きそうになって、飛んでいきそうになるんですけど(汗)
エンヴィのホイールが良過ぎるから余計にピーキー(神経質で不安定)に感じるのか?
「これは表六甲の下りでは攻め込めないな~!」
するとN様に・・・
「いやいや、その自転車で下りは攻めないで下さい!むしろ下りくらいゆっくり走りましょうよ。」と言われてしまいました(笑)
ビューラSLは上り専用で、しかもシッティングだけで上る人向けの自転車としては、現在世界最強クラスだと認めましょう!
でも下りやコーナーリングは怖いです!
僕は買ってまで乗りたくありません(苦笑)
O様も同様で、「なんか軽くていいけど、ヒラヒラ~っとしていてちょっと怖いな~。」との事。
次にゼファーに乗ってみましたが・・・
「おおっ!これやでこれ!なんやイイ自転車あったやないか!」
僕が初めてエヴァディオのヴィーナスに出会った時ほどではないものの、限りなく近いフィーリングを感じました。
軽いし適度なしなりが乗り心地や反応性を楽しく演出してくれているし・・・
ダンシングもやりやすい!
「すべての要素が85点以上の得点でまとまった感じ!やっぱりバランスのいい自転車は最高!」
近い乗り味の自転車でいうと、インターマックスのX-LIGHTや2012年モデルのセストリエールが限りなく近いんじゃないかな~と思います。
この自転車に関しては全員が「人に薦められる自転車としては、これが今回のベストバイク!」だと満場一致!
更にN様2号と中富君が「これは是非店長に乗ってもらいたい!」と勧めてきたアリーゼに試乗!
「これや!俺のフィーリングに一番合う性格の自転車はこれですわ!」
正直ニールプライドはノーマークでしたが、特にこのアリーゼはヤバイ!
脚を前へ前へとどんどん進めたくなる・・・いや進ませようとする自転車。
まるで一刻も早く前へ前へ進まなければ、自分は死んでしまうかも知れないといった脅迫観念さえ感じさせる乗り味。
決して不快ではなく、それが楽しくて仕方がない!
僕にとってはこの自転車が麻薬のような自転車に感じました(笑)
「どうです?店長の性格にピッタリじゃなかったですか?」とN様。
「ニールプライド最高!」
思わず言ってしまいました(汗)
いや、本当にこのくらい楽しい自転車を扱わないと、僕も自転車屋として自信を持って販売なんてできません!
ニールプライドの取り扱いは真剣に考えてもいいレベルだと思いましたね。
もちろんまだまだ発展途上のブランドですし、僕が乗って思った事は、「まだ煮詰められる」って事。
このブランドはまだまだイイ自転車を出してきそうです。
という訳でN様2号!
まだニールプライドを買うのは時期尚早ではないかと・・・(笑)
ところでこれってどう思いますか?
TNIのロゴが張ってありましたけど・・・
この自転車、ちょっと危険な香りがプンプン漂っていました。
フレームが19万円以下って言われたら、安いと思えるくらいのスペックです。
しかも本来は門外不出のジオ・・・
あ、まあいいや。
この件についてはこれ以上触れないでおこう。
最後に『SFida』ってブランドのホイールを試乗してビックリ!
リムハイト20mmのモデルだと、ホイール前後セットで僅か980gという異次元の軽さ!
それなのに価格は99800円!!
「いいのか?こんなに安くて!」
もうバカらしくて●●●ウエイトのホイールなんて買えなくなるじゃないか?
そう思えてしまうくらいの衝撃でした。
乗ってみた感想としては、スペシャライズドのターマックSLに装着していたから余計になんだけど・・・
結構ピーキーな感じ。
でもコントロールできるくらいのギリギリの剛性感。
「これは速く走れるし言う事無しですね!」
そして・・・
「ターマックええなぁ~!こんなに良かったんや~。」
アリーゼよりも硬くて反応が良い!(ただし乗り心地はアリーゼの勝ち)
N様2号曰く・・・
「ニールプライドにも実はディアブロってモデルがあって、それはアリーゼ以上にガチガチでしたよ。でも乗りこなせる人がいないからって廃盤になってしまいましたね。」
それって僕好みじゃないですか?
しかもディアブロ(悪魔)って・・・
「それ手に入らないの?」
思わず在庫があるのか気になってしまった(笑)
いや~!今回は意外なところで意外な発見がありました。
そして僕はしまなみ海道のブースのおねえさまに恋してしまいました(笑)
「今度一緒にしまなみを走って下さい!」
心の中でそう叫んで、静かに帰りました。
なんだか『男はつらいよ』の寅さんの心境でした(笑)
今回はすっかりニールプライドと、しまなみのおねえさまに心を奪われた僕ですが・・・
KUOTAのキラルに乗ってみたかったぁ~(涙)
~完~
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