2021年8月25日水曜日

後立山連峰縦走の旅7月26日(月) ~その1~ 久々に帰って来たよ!栂池高原!

山篭りが楽しみ過ぎて夜中の3時頃まで寝付けなかった僕ですが・・・


朝5:30の目覚ましで起床! 



左手に連なる山々の奥に尖った山頂が見えているのが爺ヶ岳(じいがたけ)です。


そして正面の山間の谷の向こうに見える山は小遠見山(ことおみやま)なので、あの向こう側(北東斜面)が五竜遠見スキー場(現・五竜スキー場)です。


実は当店のお客様にも後立山連峰に来ていて、前日僕が大町入りするまでに丁度入れ違いで神戸に帰った方がいます。


扇沢から柏原新道を種池山荘まで登り、爺ヶ岳を経て冷池(つめたいけ)山荘でテント泊。


翌日鹿島槍ヶ岳を越えて八峰キレット~G5~五竜岳と歩いて遠見尾根を下山のルート。


これはこれで僕もすごく行ってみたいルートのひとつです。


とりあえず朝も温泉に入って寛ぎました。


そして通常7:00から案内の始まる朝食ですが、無理言って6:45から一番乗りで頂きました。



朝食ビュッフェ・・・盛り付けがベーコンとニラレバ炒めを欲張ってはみ出している辺りはご愛嬌という事で。


僕は朝食ビュッフェにベーコンがあるか否かで評価を大きく変えてしまうほどベーコンが好きです。


最近は発ガン作用とかも気にして加工肉食品は控えめにしているのですが、それでも全体的に内容が充実していたのでちょっとテンションが上がりました。(笑)


黒部ビューホテルの朝食ビュッフェはメチャクチャ豪華です!


メニューも豊富でヘルシーな料理も多かったです。


一番の驚きは鰆(さわら)のたたき!


僕の知る限り長野県に美味しい寿司屋は皆無と言われる程、まともな海の幸が無くて・・・


むしろ魚といえば「イワナかヤマメ、カジカだろ?ちなみに好きな魚は鮭だ!」って、とぼけた事を言うのが長野県民だと僕は勝手に思っている。(笑)


実際の所は焼き魚しか食べた事が無くて、美味しいお刺身に出会った事が無い。


そして川魚が豊富な県と言ったって、実際の所スーパーには売ってません!が正解らしい。


それも過去の話になって来たのか・・・大町温泉郷で鰆のたたきだなんて!


朝から感動しながらご馳走になりました。


そして7年前(2014年)の安曇野サイクリングの頃を思い出します。


料理に入っていたキノコをイタリアンレストランでシェフをしているピナイさん(ニックネーム)が「これってなんていうキノコですか?」って僕に聞いて来たので、それがエリンギである事を伝え、他の参加者の皆さんも「エリンギに間違いないですよ!」って教えたのに納得できず、「あの~すみません!これってなんていうキノコですか?」ってここの仲居さんに聞き直したという失礼極まりないあの事件!(笑)


結局仲居さんにも「エリンギですよ!」って答えられて、周りの「だからエリンギって言ったやろ!それをわざわざ聞き直すとかお前、我々を馬鹿にしてへんか?ホンマにええ加減にせえよ!」って場の空気が凍り付いたというあれ。


あの頃の当店はスタッフにこそ恵まれなかったけれど、お客様方とは賑やかにサイクリングを楽しめていたので、そう思うと幸せな時間だったと思います。



結局7:30にチェックアウトして国道148号線に合流!


木崎湖のローソンから高瀬渓谷の向こうに烏帽子岳~三ッ岳の稜線(裏銀座)が見えるはずですが、厚い雲が邪魔をしています。



これは木崎湖、中綱湖と同じく仁科三湖(にしなさんこ)の一つ青木湖畔からの景色。


ここからちょうど向こうの山の更に向こうに鹿島槍ヶ岳が見えるはずなんですけど、雲で全然見えませんね~。(涙)


青木湖の向こうの山はサンアルピナ(鹿島槍&青木湖&さのさか)の3つのスキー場があって(現在は運営会社が変わって違う名前になっている)湖を見下ろしながら滑れるお洒落なスキー場で、学生の頃から憧れはあったのですが結局まだ一度も滑った事が無い。


国内でスキーを滑るなら八方尾根が一番楽しいので・・・僕はここまで来たら迷わず八方へ行ってしまうのである。


でも湖畔にある青木湖キャンプ場は、よく幼馴染と信州放浪の旅をしていた頃にシュラフとランタンだけ持参してバンガローに泊まったり、学生時代に当時の彼女とキャンプに来た事のある場所なので何かと思い出深い所ではある。


国道148号線は流れが決して遅くはなかったものの、速くも無くて・・・

そういう時はつい地元スペシャルルートを使ってしまうのですが、今回はまさかの大失敗!

佐野坂交差点で右折して長野県道33号線(白馬美麻線)に合流すればスムーズに八方尾根スキー場方面へ行けるので、翌日の合流前に車を駐車する八方第二駐車場の場所も確認しつつ、そのまま岩岳スキー場を抜けて栂池高原までほとんど信号に捉まることなく行こうと思っていたらエネオスのガソリンスタンドのあるあの区間だけが工事で通行止め・・・。

結局写真の信号の所までUターンしてから148号線に戻らされるという二度手間になってしまった。

『策士策に溺れる』・・・幸先の悪いスタートである。

僕は変な所で験担ぎをする癖があって、信号にほとんど捉まらない!渋滞に捉まらない!予定時間よりも早く目的地に到着する!って事が幸先の良いスタートと考えてしまう節があって、物事が自分のイメージ通りスムーズに進まないと途端に気持ち悪くなる。

どうにも僕はそこで深呼吸して気楽に行こう!って思考にはなかなかなれない悪い癖があるのだ。

一度そうなると動揺してミスが続いてしまったり・・・

この後飯森駅前を通過した辺りで改めて県道33号線に合流する分岐があるのだが、ドライバーにそれを伝え遅れてしまう。

更にその先のローソンの前でも左折すれば予定通り復帰できるのに、そこまで行くと逆に開き直って違うルートで行かないとモヤモヤが治まらないのである。

あえてカツカツのスケジュールを組んでその通り遂行できないとイライラし、そうなると全く違う手段で目的を遂行し気持ちを切り替えないとスッキリしないタイプ。

そうやってわざと自分に脅迫的なプレッシャーをかけて験担ぎする人って意外といたりしませんか?(僕の周りには残念ながらそういう人がいないので、毎回僕だけが変わった人扱いされて上手く話をまとめられてしまう・・・苦笑)

「何のメリットがあるのか?」って聞かれたら・・・

そんなものはない!デメリットしかない!

でも敢えてそういう状況に身を置きたくなるのはなぜかと言うと・・・

予定通り上手く行った時が何よりも心地良いから!

そのままの勢いで全てが上手くいく気がするからである。

単純に自分のモチベーションを上げる為の仕込みがカツカツのスケジュール。

多分これを言ったらそのスケジュールに付き合わされているメンバーはみんな激怒するかも知れないので、複数のメンバーで活動する時はある程度潰しが効くようにプランを複数考えていたりする。

そこは僕も柔軟には考えているので、24時間365日すべてがゆとりのない生き方をしている訳ではないっていう事だけは改めて申し上げたい。(自分にだけは常に何かに追い込まれているような状況を作って徹底的にシビアに生きている)


白馬駅前交差点で左折して本来行きたかったルートに復帰する。

好日山荘の看板の向こうに八方尾根スキー場が見える。

リーゼンスラロームの上がゴンドラアダムの終着点ウサギ平駅。

その上がウサギ平ゲレンデで、右上に黒菱ゲレンデが見える。

観光組とは翌日(7月27日)の14時頃、あの更に上のリーゼングラートの頂上にある八方池山荘(標高1830m)から45分程登ったところにある八方池(標高2060m)で合流予定。

そう、あの八方尾根スキー場の向こうの雲の中に唐松岳(標高2696m)があって、今回僕が歩くのはその右手の稜線である。

因みに写真の道路の向こうに見えているのは同じく八方尾根スキー場の咲花ゲレンデと北尾根。

八方尾根スキー場が如何に変化に富んでいて、しかも広いスキー場であるかはこの写真からでも十分に伝わるのだが・・・

本来この景色だと、その北尾根の向こうに白馬鑓ヶ岳(標高2903m)も見えるのだが、鑓ヶ岳~唐松岳の間の稜線に今回の目的地・・・日本3大キレットの一つである『不帰の嶮』(かえらずのけん)が存在する。

一般登山道としてのテクニカル難易度を相撲の番付で表現するなら大関級には入るらしい。


段々スキー場が近付いてきました。

時々雲の切れ間から不帰の嶮までのルートが顔を覗かせていたのですが、写真を撮ろうとするとまた隠れました。


そこの八方尾根の看板の裏が八方第二駐車場。

僕も以前唐松岳に登った際に利用させて頂いた駐車場です。

栂池高原へはここの交差点を右折(北上)します。


そして北西向きの道を正面に見えているのが小蓮華山(標高2766m)で、左の雲に隠れているのが白馬岳(標高2932m)です。

この道をまっすぐ進むと『おびなたの湯』を経由して『猿倉荘』へと続きます。

『猿倉荘』は白馬大雪渓の玄関口であり、鑓温泉への分岐ルートもそこが出発点になります。

我々は写真正面に見える看板の付近を右折し、倉下の湯を過ぎてから北向きのT字路を左折・・・トンネルを抜けて岩岳スキー場前をスルー。

更に落倉のペンション街を抜けたら間も無く栂池高原到着となる。


駐車場で靴を履き替え、準備が整ったところで『ゴンドライブ』に乗って出発。

現在の時間は8:36です。

本当は栂池自然園を8時には出発したかったのですが、朝ごはんの時間は早められないですし、途中道路工事で迂回もさせられたので致し方ありません。

ここからだと自然園は雲の上ですね。

僕にとって自転車のヒルクライムレースのデビューが『つがいけサイクル』だった事もあり、ここに来るとある意味故郷に帰ってきたような気分になります。

いつもは自転車で上っている林道コースを上から眺めるのは不思議な気分でした。


「はっ?なにこれ?恐竜って福井県みたいやな。」

良くわからないけど、最近八方尾根や岩岳、栂池では夏の高原リゾートとして積極的な改革が進んでいる模様。

スキーとスノボの人気が不振(というより雪不足の時もあったりする)で、スキー場の新たな可能性をあれこれと考えて、白馬をオールシーズン楽しめる地域(リゾート)にしましょう!って頑張っている訳なんですよね!

考えている事が僕と同じなので悔しいというか、僕も若狭でできる事をガンガン進めて行かなければ・・・って気持ちにさせられます。


下界を見下ろしています。

写真中央上に写っているのは落倉のペンション街で、左上に写っているのが栂池高原のペンション街です。

『つがいけサイクル』はあのペンション街より3km程下ったJR白馬大池駅の見えるカーブからスタートします。


いよいよ雲の中に入って行きます。

雲の向こうの山の上がゴンドラの終点です。

そこで栂池ロープウェイに乗り換えて、一気に標高1830m地点までワープ(ズル)するという寸法です。

これは今後・・・富士登山を五合目からする人たちに「ちゃんと0号目から登山しろ~!」なんて非難できませんね!(笑)

これは限りなく同じズルです!!(結局限られた時間内で面白い所を歩こうと思ったら致し方ないのですが)


ロープウェイが満席で乗れませんでした。

次のロープウェイを待っている間に、駅の壁に貼ってあった写真でおさらい!

写真がスタート地点(栂池自然園)から天狗原(てんぐっぱら)~白馬乗鞍岳~小蓮華山までのルートをざっくり示しています。


そして小蓮華山から白馬岳まで・・・

これがこの日(初日)に踏破する全容です。

写真中央の三国境という場所は富山県と新潟県と長野県の3県の県境になります。


これは翌日歩くルートであり、北アルプスに数ある難関ルートの一つです。

下山は唐松岳から八方尾根に下る予定です!


こんなポスターもチラホラ。

別に珍しくはありません!

栂池では今から20年前の時点でエサ不足でペンション街まで下りて来ていたくらいなので、これから歩くルート上でクマに出会ったとしても特別不思議な事ではないのです。

バッタリ出会ったら殺るか殺られるか・・・そのくらいの覚悟は常に持っておきたいと思います。

本日もソロで登るのでクマ鈴は装備しません。(一応ザックには入れている)

鈴の音で位置が特定され、匂いと足音の振動で単独行動だということがクマにはすぐにバレてしまうので、もしも秋田県の『スーパーK』のように気性が荒く積極的に人を襲う性格のクマがいたら大変です。

なので僕は単独の場合はクマ鈴は鳴らしませんし、真っ暗闇ではヘッドランプを頭に着けても基本的には点灯させません。

あくまで遭難した際に自分の居場所を示す最終手段の道具くらいにしか考えていません。

というのはどこまでいっても僕個人の持論なので、考え方は人それぞれです。

僕の考えでは本来10km先の匂いまで嗅ぎ分けられるクマが、たまたま風下から人が歩いてきたとして、それに気付かずに至近距離でバッタリ出くわす事自体がクマ自身も非常に驚くような事(僕がこれまで4度出会ったクマのうち、少なくとも3度は至近距離だったのですが、目があった瞬間クマの方が驚いて逃げたり、唸ってはいるけどピクリとも動かなかったり・・・だったので、僕はクマも相当臆病な生き物なんだろうなと思っている)なので・・・仮に出会ったとしても、その後の行動さえ誤らなければ概ね何とかなるものである。


ロープウェイの駅を出ました!

正面の山が白馬乗鞍岳(標高2456m)です。

ここからの標高差が600m少々なので、乗鞍岳山頂までは摩耶山に登るくらいの気持ちで軽く行ってみたいものですね。

ヤマケイのタイムレコードでは栂池自然園~白馬大池山荘までは3時間ジャスト(休憩時間抜き)となっていますが・・・

普段摩耶山を登る時の時間を考えたら・・・「3時間もいるか?」って感じはするのですが一体・・・。

実は白馬乗鞍山頂の向こうにある白馬大池は非常に幻想的な場所で・・・

初めてつがいけサイクルに参加した際も白馬大池の写真に一目惚れして、チームの仲間に「今からここ行ってみない?」とか言っていたんですけど・・・

「片道3時間で往復5時間以上って聞いているし、そもそもクリートのついた自転車の靴で歩くなんて無理やって!」というチームメイトに諭されて結局行った事がまだなくて・・・

ずっと「距離なんてたかが知れているのに往復5時間以上かかるなんて!俺やったら往復2時間ちょっとあったら余裕で行けるわ!」とか思っていた場所なんですよ。

いよいよ片道(登り)3時間と云われている真の意味を検証できます。


ここは僕が初めて参加した時の『つがいけサイクル』のゴール地点。(標高1850m)

「俺が出場するからには優勝の2文字しかないに決まっているやんけ!実業団がなんぼのもんじゃ!」と息巻いていたロードバイク歴数ヵ月の若造が、鈴木雷太氏や村山利男氏といった怪物に出会って鼻っ柱をへし折られ、井の中の蛙が大海を知った記念の場所でもある。(笑)

もちろん別にビッグマウスだった訳ではなく・・・当時、自信を裏付けるだけの脚力やスタミナは間違いなく持っていたので、ここで想像をはるかに超える強者に出会ったというのが正しい。

しかも怪物級に速い選手は他にもまだまだたくさんいて、ヒルクライムの難しさとか選手の層の厚さとか・・・多くの事を一日で思い知らされた懐かしい思い出。

あの頃は何度挑んで勝負に負けても、「次こそは俺が勝ってやる~!」って逆に闘志が湧いてワクワクしていたのだけど・・・無駄に歳は取りたくないものですね。(苦笑)

今となってはヨーロッパに行く事を諦めて、自転車に乗るのも見るのも嫌になって競技から離れていたサラリーマンの頃の時間がもったいなくて・・・できる事ならその時間を取り返したかったなぁ~。

人生後悔と挫折の連続ですよ。

その翌年から『つがいけサイクル』のスタート地点が変わり、ゴールはロープウェイの駅前になったんですよね。


一番奥の建物がビジターセンターです!

あそこで登山届を出してからじゃないと出発できません。

観光組はビジターセンターから栂池自然園に入園します。


上は長袖のTシャツ1枚です!(笑)

もしもの為のウインドブレーカーはザックの中に入れています!

今回は一眼レフカメラも持たずにスマホのカメラだけで撮影を頑張ります。


まあこんな感じで届けを書いたら受付窓口に提出して出発します!


何だかんだで出発時間は9:30となりました!

受付の人には「今から白馬岳に行くの?」って言いたげな対応をされましたが・・・

スロースタートで申し訳ございませんね!(笑)

文句は朝ごはんを7時じゃないと無理だという宿泊施設に言っておくれ!と責任転嫁して、いよいよ登山スタートします!

さあ無事に白馬岳に到達できるのでしょうか?

そして僕が行くと決まった瞬間発生した台風8号が本州に接近しているそうで、翌日はどうなる事やら・・・。

しかし毎度毎度思うのだが、僕が山に行くタイミングって・・・何故こうも毎回台風とぶち当たるのだろうか?

頼むから気持ちよく山を歩かせてくれ!

という訳で次回お楽しみに!

2021年8月21日土曜日

東京五輪応援の旅7月25日(日) ~その3~ 須走から大町まで中部・東海大返し!

劇的だったレースを終え、すかさず帰り支度!



感動の表彰式を見たい気持ちはやまやまだったが、バスの時間が18:10なのである。


現在17:22だが・・・すぐに行列になるだろう。


そうなんです!


結果的には歴史的瞬間に立ち会えて良かったのですが、本当は会場の雰囲気を楽しんで、須走まで選手団が走って来たのを観たら、すぐにでもここを発とうと思っていたのである。


16時半に現地を出発して17時過ぎに駐車場から出発して・・・


交通整理の状況次第では渋滞も予想されるので、東富士五湖道路が無理なら清水から中部横断自動車道で身延~下部経由で中央道の双葉JCTを目指すルートもシミュレーションし、大町温泉郷に19:30頃までにつく見込みで予定していた。


温泉旅館の夕食は20:00スタートがラストなので、MAXで30分のアドバンテージしかない。


ところが富士スピードウェイからは出る事も許されない缶詰め状態だと当日知って、旅館には夕食の時間には間に合いそうもないので夕食のみキャンセルを伝えたのですが・・・


もちろん当日なので夕食代もしっかり、100%キャンセル料金として取られます!(涙)


お刺身の船盛とか豪華な夕食を予約していたので残念で仕方が無いというか・・・


結局バスが出発したのが18:15だったので、下手をすれば大町到着が22:00頃になる計算だ。


山の事で頭がいっぱいだった僕は少し甘く計算し過ぎていたので、富士スピードウェイ周辺の通行止め区間やタクシーを呼べるか否かをリサーチし切れていなかったのである。



シャトルバスの移動中、ようやく雲が晴れて富士山の姿が見えるようになった。


そしてヤバい交差点を右折する。(笑)


裾野バイパスから駒門工業団地に入る交差点の名前が『矢場居』というのでシャレで撮ってみました。


実際にこのコロナのご時世で晩御飯をどこで食べるのか?


それで大町温泉郷にはいったい何時にチェックインできるのか?


考えただけでヤバいです。(汗)


結局ナビで道路の混み具合を確認したらどこも流れはありそうだったので、須走へ戻って東富士五湖道路を利用します。(本当は久々に籠坂峠を越えて国道138号線を走りたかったが時間的にゆとりが無かった)


ここで問題!


貴方なら東富士五湖道路からそのまま中央道河口湖線を大月JCTまで走って中央道の本線に合流しますか?それとも富士吉田出口で一旦有料自動車道を降りて、国道137号線の御坂みちを下山して中央道一宮御坂ICから中央道に乗りますか?


さあどっちのルートを選びます?


これ道路の混み具合にもよるし絶対ではないのですが、実は後者の方が早かったりします。


確かに若かりし日にインプレッサで山梨県内の峠という峠道を散々走り回っていた過去があるので、どうせターマックラリーの如く飛ばしていたからなんだろ?って思われがちなのですが、概ね地元の車のペースに合わせて走っていても後者の方が気持ち早いか、ほぼ同着くらいの感じなので、それであれば無駄に走行距離を伸ばしてまで有料道路を使う必要が無いという事で、今回は御坂みちを下りました。


御坂みちを走っているとまた旅行会社時代の事をたくさん思い出します。


今回は河口湖大橋を渡りましたが、船津浜にある河口湖荘の若社長とは今でもお付き合いがあります。


河口湖荘は団体バスツアーのお客様が多いので、どうしても料理の評価とかで目立った評価を得られていないのですが、本来は食材選びから手抜きの無いお店で、河口湖畔という山中の立地にありながら、本来苦手なはずのお刺身系も思わず「これってどこで仕入れてるんですか?」って聞き返したくなるくらい鮮度もクオリティも素晴らしい食材を使っていた事を記憶しています。


実は過去に河口湖荘で料理写真の撮影も兼ねて、ツアーに採用するメニューと同じお昼ご飯を頂いた事があるのですが、前夜に毎日築地で仕入れをしているという高級すし店で食べた記憶のまま行ったので、これって仕入れ先が同じじゃないのか?って思えるくらい良い魚を使っていたのと、刺身の切り口の光沢を見ただけで包丁の手入れや切れ味もさながら、板前さんの腕もかなりのものだと感じました。


河口湖の美術館街も懐かしい。

当時付き合いのあった施設とすれば『UKAI河口湖オルゴールの森美術館』(現・河口湖音楽と森の美術館)などもそうですが、個人的には『木ノ花美術館』との付き合いの方が思い入れが強い。


ネコ好きならダヤンの世界(わちふぃーるど)に癒しを感じるはず。


5月頃まではイチゴパフェ等も楽しめるので、河口湖越しの富士山の景色も相まって最高にリラックスできる場所である。


当時料金の交渉が折り合いつかなくて利用できなかったが、『久保田一竹美術館』も個人的には好きだ。


山中湖と河口湖は本当に美術館が多いので退屈しないですよ。


1週間くらい滞在したらのんびりと羽根を伸ばせそうな気がします!


そして新御坂トンネルを抜けた急カーブの先にあるパーキングは、よく営業中に時間調整で昼寝をしたり、夜に峠道を走り疲れて車中泊をした場所でもあります。


御坂みちの周辺の農園は大きくはないけど、優しいおじいちゃんやおばあちゃんが経営しているブドウ農園が多いです。


少し外れにある『岩田フルーツ農園』は、農園の規模に対して僕の扱うツアーの集客規模の方が大き過ぎたので、結果的には契約できなかったのですが、真夏の炎天下で真っ黒に日焼けしながらスーツ姿で農園という農園を走り回っていた僕と後輩の2人に冷えた巨峰やピオーネを御馳走して下さり「こんな炎天下の中ご苦労様です。」って美味しい桃のお土産まで持たせて下さった神様のようなお店です。


当時「こちらの条件に合わせてくれる新規のブドウ農園を少なくとも2件以上は契約取って来い!それができるまでは絶対に大阪に帰って来るな!」と鬼上司の指令を受けて、後輩と2人「そんな金額で落とせるものならお前がやってみろ!無茶苦茶にも程があるわ!」って上司に対する文句を愚痴りながら気温36度にもなる炎天下の中、農園から農園へ駆けずり回ったという今だから笑える辛い記憶。


でも行く先々で親切にしてもらえて・・・あの時は本当に嬉しくて涙が出そうだった。


もちろんそんな優しい農園ばかりではなく・・・


御坂で最大級と言われるある農園では「そんな料金で巨峰狩りをやらせろとか、お前ら頭おかしいんか?」って、ボロカスに言われて追い返されましたが、悔しいのでその斜め向かいの東邦観光園と契約を結び、当て付けのように果物狩りの期間は毎月コンスタントに50台以上(多い月で100台程)のバスを送り込んでお土産の売上にも貢献し・・・奴らはさぞかし悔しがった事だろうと思います。(笑)


実は前日の朝から後輩の運転する車で山梨に向かっていたのだが、その後輩がやらかしたミスでせっかく諏訪湖付近まで来ていたのに上司から「今すぐ大阪に戻って来い!」と呼び戻され、僕も一緒に連帯責任で怒鳴りつけられて・・・夕方から再出発。


その夜は山中湖ホテルで営業の打ち合わせ及び宿泊予定だったのですが、後輩が疲れ切って御坂みちを上る集中力がないって話で高速を走り続けたら河口湖線でまさかのガス欠。


満天の星空と富士山のシルエットを2人で眺めながら「俺らこんなところで何やっとんやろうなぁ~。」って、JAFが助けに来るまで1時間近くも高速道路脇でたそがれていた。


ホテルに着いた頃には既に日にちが変わっていたなぁ~。


僕も後輩もぐったり疲れ切った翌朝から2日間かけて100軒近い農園をほとんど飛び込み営業で回り、何とか合計で3件の契約を取って帰ったのに上司からは「その程度で褒めてもらえると思うなよ。」って言われて「くそっ!アイツいつか絶対にしばいたる~!」って思いながら頑張っていた思い出。


久々に山梨県内を走ると一人で自分の存在価値を探して放浪していた頃や、旅行会社時代の色々な情景が蘇ってきて・・・ついニヤニヤしながら窓の外を見入ってしまいます。


僕にとって山梨県は長野県や福井県に次いで第二の故郷的な場所なんです。(その後に岐阜県や岡山県が加わります)


一宮御坂ICから中央道に乗って、『中央道原PA』で夕食タイム。


ここ旅行会社時代、よく添乗員から「今ちゅうおうどうげんにいるんですけど・・・」って電話がかかってきて「えっ?何処って?それ・・・ちゅうおうどう はらパーキングの事か?」って聞き返す事が多かったという場所。(笑)


新しい看板を見ると『中央道 原PA』と間を空けていたり文字の大きさを変えるなどしている様子からも、似たような案件の相談やクレームが多かったんだろうな。(汗)


ここでソフトクリームまで食べて寛ぎ、そこから大町まではノンストップで走り続けました。


駒門を19:00過ぎに出発して原村で夕食を食べた事を考えると、まあまあ頑張ったと思うんですけど・・・


大町温泉郷に22:15到着!


地元スペシャルの最短ルートを走ったので、ナビの予想タイムより1時間くらいは短縮しました。



僕が温泉に入る頃には貸し切りでした。(笑)


しかしコロナ渦とはいえ、旅行で出かけている人は多かったように思えます。


この宿は以前、当店主催の『安曇野サイクリングツアー』で宿泊した『黒部ビューホテル』ですが、この日の予約はそこそこ埋まっていたはずです。


まあ0時に消灯するって言われているのに23:30に入浴するとか・・・そもそもそこが問題か。


でも貸し切りで露天風呂も広々使えて気持ち良かったです!


そして次回からいよいよ北アルプスの後立山連峰に入山致します!!

2021年8月20日金曜日

東京五輪応援の旅7月25日(日) ~その2~ 勝敗を決めるのは99%の勇気と1%の奇跡!


僕はゴールの瞬間しか楽しめない前提で行っていたので、レースの展開がどうとか観れないものと思っていたのですが、大型スクリーンの映像で何となくの状況が観れるようになっていました。

実況は声やしゃべり方の特徴から今中さんとサッシャさんかなぁ~と思いつつも、場内スピーカーの声が小さくて聞き取れない。

ロードレースのスタートは男女共に武蔵の森公園をスタートし、神奈川県~山梨県~と抜けて静岡県に入る訳だが、女子は山中湖から籠坂峠を下ったら富士スピードウェイを一周走った後、再び場外に出て須走(小山町)をぐるっと回って来てから最後に富士スピードウェイをもう一周してゴール。

スタートしてから10kmはパレード走行らしいので、実質137kmのレースという事になる。


個人的には山中湖までの道志みちでアタックの応酬と吸収を繰り返し揺さぶりをかけ、その後山中湖畔で少し動きが落ち着いたタイミングで再び誰かがアタックを仕掛けて籠坂峠を一番最初に下った人がそのまま逃げ切って勝つパターンと読んでいました。

なのでヒルクライムに強い金子選手に有利なコースかと考えていました。

それにしても自国開催なのに日本人選手は2人だけしか参加できず、なぜオランダは4人も参加しているんだ!って思ったのは僕だけでしょうか?

自転車は個人競技と思われがちですが、実際にはチームワークがカギを握る事が大半です。

参加人数の多い国は有利です。

また国籍が違っても、日頃同じチームで仲間として走っている選手同士なら息が合うので、序盤から協力し合って逃げのアタックを決める事もあり得ます。

これまで五輪のロードレースで日本人選手が上位に入るどころか完走すらできなかったケースの多くは、そういった激しい揺さぶりや駆け引きに消極的だったり、海外の選手とコミュニケーションを取って協力し合うって事が無かったからだというのが僕の持論です。


そして僕らが観客席について大型スクリーンを見た時には、既に動きがあって逃げグループが形成されていました。

5人程の逃げグループがいたのですが、メイン集団は特に本気で追う様子もなく、恐らくは中盤の上りで追いついて吸収できるだろうと見込んでいたのか・・・

これは後で知って納得した話なのですが、オリンピックの場合って競技名に(個人)が入っている以上は基本的に個人の表彰ですから、あくまで全ての選手を平等に扱う上でもチームカーや監督が無線を駆使して指示するような事はできません。

つまりこのレースはそこが盲点だという事です。

そしてただでさえスタート時の気温が33度と灼熱のレースだったので、上りに強い金子選手でさえ暑さに苦しんで集団から千切れかける様子が何度か映されていました。

つまり暑さ対策に気を取られて、正確な判断力まで失われた可能性はあります。

そして最初のアタックが決まったのがパレード走行の終わった是政橋!

開始早々いきなりのアタックで、3人が逃げてそれを後から2人が追いかける。

道中更に別の2人がアタックし、その後その前を行く内の2人がスローダウンして集団に吸収される。

こういう入れ替わり状況も逃げた選手が誰で何人いるかを把握できなくなる現象を生み出した。

更に今大会で最も強く速かったオランダのファンフルーテン選手が集団後方でまさかの落車に巻き込まれる。

幸い大きなトラブルもなくすぐに走り出せたが、下馬評でワンツースリーフィニッシュもあり得るとまで言われたオランダ勢の歯車が一瞬ここで狂った可能性もある。

小さな逃げはすぐに捉えるものの、肝心な最初の逃げグループとの距離が縮まらない。

そして実況の声も場内のざわつきや、選手団が須走に接近した事による撮影ヘリのプロペラ音で搔き消され、僕でさえレースの正確な状況がいまいち掴めないでいる。

集団をコントロールしているのはオランダ&ベルギー勢・・・のはずなのに。

「まだ逃げてる選手がいるんだよね?それなのになぜ集団は追わないんだ?余裕をかまし過ぎじゃないのか?」

僕はずっとそんな事をブツブツと言いながら画面を見ていた。

明らかにオーストリアのキーゼンホーファー選手は一緒に逃げていた選手すらも振り切って単独で籠坂峠を下っていた。

恐らくノーマークの選手だった事もあるのだろうが、たった67人しか出走していないレースで、逃げの人数を把握できていないなんていう事態があっていいものなのか?って、現地で観ていた僕としたら心から???な状況でした。

あくまで僕の感想ですが、もしも逃げの選手が何人いるか把握していたら、僕なら動かない集団に痺れを切らして、例え単独アタックであっても飛び出しています。

このまま逃がして平和に銀メダル争い?なんて・・・そんなの絶対にあり得ませんので、僕なら途中でエネルギーを出し切って潰れようが、ゴール前で集団に吸収されて結果的に勝負に負けようが、絶対に運と奇跡と可能性に賭けて決死のアタックに出ます。

結果を出す事もレースですが、勝負をしなければレースは面白くありません。

例えばアマチュアのレースとか、たまに動画が挙がっているのを観たりして思うのが、「この人たちは何がしたくてレースに参加しているの?」って事。

クリテリウムなのにずっと集団の後ろに群がって、最終的に千切れて終わる人。

最後まで先頭のローテーション(風除け)に加わらないで、美味しい所をかすめ取ろうとしているのでしょうが、結局ゴール前のスピードについて行けなかったり、ポジション取りが上手くいかなくてゴールスプリントにすら混ぜてももらえない選手とか・・・

そういう人たちって集団走行のメリットやデメリットも良く解っていないのだと思うのですが、是非とも海外のロードレースをDVDとかでも良いのでたくさん観て参考にして欲しいですね。(輸入物がほとんどで英語解説だったりしますが、何度も観たらちゃんと理解できるようになります)

純粋なヒルクライムやタイムトライアルはペースと体調のマネジメントが大切なのでマイペースである事が優先なのですが、クリテリウムやロードレースは駆け引き要素が多いので、まず先頭で風除けのローテーションに積極的に加わる事。

それで集団内での自分の存在を認めてもらった上で、落下物や障害物の掛け声や、ローテーションに加わらない金魚の糞たちに「お前らも引かんか~い!」って積極的に声掛けをする事でリーダーシップを発揮したり威圧する事も大切。

意外に集団内は連帯感が必要なので、集団内の無風状態でしれっと脚を休めてゴールスプリントまで仕事をしないような人は金魚の糞と言って仲間として認められずに嫌われます。(集団について行くだけでも既に必死な人や、それすらも叶わなずに千切れていく人の事ではなく、あくまで脚があるのに勝負所まで温存して美味しい所だけかすめ取ろうとする選手の事を金魚の糞と揶揄している)


また誰かがアタックした瞬間、それがどの程度の破壊力かを瞬時に判断して、すかさず「逃がすな!追え~!」って声を掛ける人も必要。(それでも誰も行こうとしなかったら「なんどい!お前ら腰抜けの集団か?カウンターの邪魔やから退け~!」ってわざと挑発して、例え単騎でも追わざるを得ない事もある。(この場合挑発に乗って来る選手がいたら戦力になるのでありがたかったりする)

例えば鈴鹿だったらシケイン手前のホームストレートの上り(自転車の場合はゴール前事故防止の為にコース逆走なので)や、ツール・ド・おきなわだったら普久川ダムまでの登り口だったり、集団の速度が緩やかになるタイミングや、道幅が極端に狭くなるポイントやヘアピンカーブ等がアタックを仕掛ける絶好の場所である。

僕も若い頃は勝ちたいって気持ちと同じくらい、レースを楽しみたい!とか他の選手を振り回してレースを混戦させたい!って考えながら、概ね集団の先頭20人以内に混ざって常にいつ仕掛けようかと悪巧みをしていたので、他人のレースでも予想もしない勝ち方とかしているのを観ると本当に魂が震えます。


そしてこの日のレースはまさにそんなレース!

下馬評を根底から崩すような奇跡が今まさに起きようとしているのである。

女子ロードと思って甘く見てはいけません!

これは立派な戦略と・・・何よりも99%の勇気と1%の奇跡がもたらした展開なのです。

似たような事をトーマス・エジソンも言っていたと思いますが、自転車ロードレースの場合はこのワードがシックリとくるのです。


そして勇者がトップでサーキット内に入ってきました。

現地で観戦している観客たちの多くも「オ~!」って歓声を上げながら手を叩いているものの、いまいち状況が把握できていません。

須走に入ってから先ほど道志みちで落車に巻き込まれ、戦線離脱したかに思われたオランダのファンフルーテン選手が鬼神の如く強烈なアタックで集団の速度を早め、先ほどまで逃げていた2人の選手を一気に吸収すると、そのままパワフルに加速して行く映像が流れていたのです。

そのせいで会場はまるでオランダのファンフルーテン選手が現在トップになったかのような空気になっていたのです!

そうです!まだ逃げている伏兵が3人いたのです!

僕はもうこの辺で震えてきました。


オーストリアのキーゼンホーファー選手がピットロードを走るバックには、スクリーンで富士スピードウェイのゲートに近付く暫定2位と3位の選手(イスラエルのシャピーラ選手とポーランドのプリチタ選手)が映っています。

この時点でまだこれだけの距離を稼いでいた事が後にも先にも多くの奇跡を味方につける事になったんです。

そして暫定2位と3位の選手がキーゼンホーファー選手にとって目くらまし役になった事は言うまでもありません。


その暫定2位と3位の選手がトップから2分遅れでピットロードを通過する際にはメイン集団がゲートに差し掛かっていました。

追うものと追われるもの。

レースをしている時・・・この瞬間ほど恐ろしく、そして勝負に命を懸けている充実感で心が満たされている時はない!

これこそがレースの醍醐味であって真骨頂。


更に2分以上遅れて、いよいよメイン集団がサーキット内に入ってきました。

前を行く2人にとって集団相手に2分のアドバンテージはほぼ無力です。

それは僕も鈴鹿ロードで味わった経験があります。

逃げた2人を追ってホームストレートを単騎で飛び出し、シケインでカウンターからの単独アタックを決め、バックストレッチを時速70km以上のスピードで走り、集団が見えなくなるまで差を拡げて逃げていたのに、ゴールの1km手前では真後ろまで迫られ、最終コーナーの侵入で一気に吸収されて・・・出し切った僕にゴールスプリントを戦う脚が残っているはずもなく、そのまま集団ゴール。

スプーンカーブ~ヘアピン~立体交差~デグナーの区間は風が強いので、これは運も必要だと感じました。(単独逃げは風に弱い!)

悔しくて涙を流し、ハンドルをぶっ叩きながらゴール!

でもちゃんと勝負を仕掛けて全力以上の力を出し切ったから、レース自体の充実感は最高なんですよね。(笑)

「ヒガシ選手の一人逃げ決まるか~?」って場内の放送でずっと僕の名前が間違って流れていたらしく、当時お世話になっていたショップの店長が実況放送室へ「選手の名前を間違えるな~!」って怒りに行ってくれたというエピソードも密かに嬉しかったり。

だから他人のレースを観ていてもこの展開が一番エキサイティング!


更にメイン集団が通過した2分30秒後にトップのキーゼンホーファー選手がホームストレートを走って1度目のゴールラインを通過!

ターゲットの位置を確認しやすいサーキットにおいて、この絶妙なタイム差こそが奇跡を現実のものに仕上げたんだと思うと、本当にドラマチックなレースだと改めて思いました。


会場の皆さんはとにかく今は雰囲気で熱狂しています。

後で冷静にレースの展開を見直したら、きっととんでもない奇跡に立ち会ったんだと思うに違いありません。


2分10秒ほど遅れて暫定2位と3位のシャピーラ選手とプリチタ選手が1度目のゴールラインを通過。


そしてメイン集団が通過。

一度はアタックを仕掛けたオランダのファンフルーテン選手は一旦集団に吸収されました。

これってやはり前に逃げがいるって判っていないからなんでしょうね。

集団のペース・・・これで良いの?


黄色いヘルメットのファンフルーテン選手の少し後ろに与那嶺選手が走っています。

残念ながら金子選手は先ほどのファンフルーテン選手のアタックで集団から千切れて、現在第2集団の中で頑張っています。


オフィシャルカーにレクサスなんて要るか?って突っ込みはともかく、スクリーンにはこの後続く金子選手のいる第2集団が映っています。


選手たちは一旦サーキットから出て須走(小山町)内をグルッと走っています。

さあオーストリアのキーゼンホーファー選手はこのまま無事に逃げ切れるか?


何と最後の局面で集団のペースが更に加速した為、とうとうシャピーラ選手とプリチタ選手が見つかってしまいました!

そこで集団から飛び出したのはまたしてもオランダのファンフルーテン選手!

ここからまたロケットのようなアタックで、一気に2人を抜いて一人旅状態に・・・

そうです!後で知った事ですが・・・ファンフルーテン選手はこれで完全に、逃げた選手を全て捉えたものだと思い込んでいたそうなのです!


そしてとうとうキーゼンホーファー選手が帰ってきました!

この辺りでようやく会場の観客の皆さんも、何かとんでもない事になっているって事に気付いてきたような気がしてきました。(笑)


そしてファンフルーテン選手が猛スピードで入ってきました!

唯一会場で応援している我々が当時知らなかった事が・・・ファンフルーテン選手がこの時点で金メダルを確信して逃げているという事実。

逆に我々は今更ながらキーゼンホーファー選手を追って怒涛の追い上げを見せているものだと、少なくとも当時はそう思っていたのです。


そしていよいよ伝説的瞬間が近付いてきました!

上空はビッグスクープに高揚するヘリが3機も飛び交っています。

日本国内のテレビではチョロっとしかニュースにされなかったロードレース。(僕は学生の頃から自転車ロードレースのこういう雑な扱われ方に苛立ちを持っていたので、いつかロードレースの素晴らしさを日本国内に伝導する一人になりたいと思っていた)

しかしこの東京五輪のレース・・・実は欧米ではものすごく評価されていたらしい。(男子のレースも含めて)


カメラマンたちも歴史的瞬間に固唾を飲んでカメラを構えている。


体力はとっくに限界だったが、最後は気力で自分の人生をすべて懸けるくらいの気持ちで走り抜いたそうです。

しかもいきなりのアタックから137kmという距離を逃げ切っての大勝利!


彼女はUCI(世界自転車競技連盟)登録のチームにも属せず、大学で数学の研究を続ける学者さんなんです。

自転車の練習もほぼ一人で行ない、チームメイトも無く単独でこのレースに赴き、しょっぱなからアタックを決めて最後まで逃げ切るという・・・ここまでの勇気と奇跡を実現したというのは欧州でもアメージング且つアンビリーバボーな事なのです。

ゴール後に倒れ込んで自分の成し遂げた偉業に信じられないという表情です。



そして1分15秒遅れでゴールのファンフルーテン選手!

ここまで追い上げただけでもすごい!って誰もがそう思いながら声援を送っていたら、ゴールラインを通過した瞬間、両手を挙げてポーズ!

「えっ?なんで?」って思った人もいたとは思うが、きっと銀メダルでも嬉しかったんだろう!って解釈した人がほとんど。

しかしこの後ビックリして放心状態になっているファンフルーテン選手の顔がスクリーンに映っていて・・・。

後で事情を知って納得!

ファンフルーテン選手は最後まで自分が金メダルを獲ったものだと信じ込んでいたそうなのだ。

しかし実際、このファンフルーテン選手の凄さは飛び級で、それは3日後の個人タイムトライアルで改めて見せつけられる事になる。


こちらは3位銅メダル!イタリアのロンゴボルギーニ選手。

ファンフルーテン選手のアタックに反応してよくここまで頑張りました!


与那嶺選手は最後までメイン集団に残って頑張りましたが、ラストのアタックにはついて行けず2分28秒遅れの21着でゴール!


金子選手も8分23秒遅れの43着と暑さで苦しみながらもよく完走しました。

最後に富士スピードウェイのサーキットに入る時点でトップから15分以上遅れた選手はタイムオーバーにて失格(リタイア扱い)になっています。

男子もそうですが、今回の東京オリンピックは日本人選手が全員完走を果たすという・・・

これってすごい事なんですよ!!

20世紀までのロードレース界で、ツール・ド・フランスに出場するクラスの選手に言わせたら「オリンピックなんてアマチュアのレースだろ?」って誰も出ようとしなかったという事実が残っていますが、近年は母国の威信を懸けて出場するプロ選手も増えていますので、確実に大会レベルも上がっているのです。



それでは次回、いよいよ長野県入りします!

我ながらハードスケジュールで後悔しました。(笑)